- コラボレーター
- 永田 将勝
ルーティン業務を自動化する「ワークフローオートメーション」とは?【海外ツール3選】
仕事の生産性を向上させるには様々な手段がありますが、そのひとつに「ルーティンで発生する業務フローの定型化」があります。
そして、日々発生するルーティン業務の正確且つスピーディーな実行をサポートするのがワークフローオートメーションです。
今回はワークフローオートメーションの概要と、それを実現する海外ツール「KiSSFLOW」の詳細、そして「Pipefy」「Box Relay」の概要を紹介させていただきます。
<目次>
- 「ワークフローオートメーション」とは?
- 1万社以上に導入されるワークフローツール「KiSSFLOW」
- 「カンバン」風にワークフローを管理できる「Piprfy」
- クラウドストレージ「Box」とIBMが開発した「Box Relay」
「ワークフローオートメーション」とは
ワークフローオートメーションは「請求書の発行依頼」「経費精算」など、「情報を誰かに伝える」「受け手がそれを確認・承認する」といったフローが発生する、一連の業務プロセスをスムーズに進めるための手法です。
これらの業務は複数の人物を経由して進められるため、その手順が明確でなければ、「今、誰にバトンがあり、どこまで進捗しているのか?」がわからなくなり、無駄な時間を要してしまうことになります。
SELECKでも過去に、上記のような状況に陥ることを防ぐため、総務領域において、稟議フロー・バックオフィス業務の効率化を進めた事例を紹介させていただきました。
本人→所属部署のマネージャー→管理部門のマネージャー→役員→社長と複数人の承認を経て、さらに支払いのために管理部門に回す、という感じで、会社の規模感に合わないとても冗長なフローだったんです。
記事はこちら:業務改善には「現場勘」が必要!「最強の総務」が取り組む、ブレインパッドの社内改革(株式会社ブレインパッド)
日々、発生する業務だからこそ、効率化を進めることで、大きなインパクトを生むことができ、それをサポートするのがワークフローツールです。
国内でも様々な企業がワークフローツールを提供していますが、今回は、海外のワークフローツールから「KiSSFLOW」「Pipefy」「Process Street」をご紹介させていただきます。
1万社以上に導入されるワークフローツール「KiSSFLOW」
KiSSFLOWは、2012年にインドで創業したKiSSFLOW社によって開発されたワークフローツールです。
1万社以上への導入実績があり、著名な導入先としては、ドミノ・ピザ社やイギリスの新聞社デイリー・テレグラフ社などがあります。
初期設定で「オン・ボーディング」「休暇申請」「購入リクエスト」「旅費精算」などのテンプレートがアプリとして登録されています。
▼様々なテンプレートが用意されるKiSSFLOW
まずは一連の流れのイメージを掴むために、KiSSFLOWで「Vacation Request(休暇の申請)」のアプリを見てみます。
アプリをインストールするには、ホーム画面右上のメニューから「APPS」をクリックします。
すると、様々なテンプレートが表示され、左側のメニューからは「Human Resources」「Administration」「Sales」などのカテゴリでソートをかけることができます。
今回は、その中から「Vacation Request」を選択します。
すると「Your Apps」にアプリがインストールされ、使用できるようになります。
「Vacation Request」のアプリをクリックすると、休暇申請を行う従業員が入力するフォーム画面が表示されます。
このフォーム項目は左側(画像内①)のメニューから追加・削除・編集する形でカスタマイズすることが可能です。
デフォルトでは「Employee Name(名前)」「Employee’s Department(部門)」「Reporting Manager(報告対象となるマネージャー)」「Leave Type(病欠などの休暇の種別)」といった項目が設定されています。
さらに下にスクロールしていくと、休暇期間や理由を記載するフォームが設定されています。
▼休暇日数を入力するフォーム
▼休暇理由などを入力するフォーム
フォーム作成が完了したら、次に一連の申請フローを設定します。
ここでは、まず「フォーム入力(アプリの対象ユーザーは設定可能)→マネージャーによる承認→人事による手続き」という順にフローが設定されています。
そして、それぞれのフローにおいて入力するフォームや、フローの数・順番を編集を自由に行うことができます。また、フォーム項目の編集・閲覧権限は、ユーザーごと管理することが可能です。
今度は、実際に休暇申請を行う様子を見ていきましょう。ホーム画面右下の「+」マークをクリックして、使用するアプリを選択します。
すると、先ほど設定したフォーム画面が表示されるため、項目に入力をしていきます。
入力して申請すると、「In Progress」の項目に、小さくアイコンで「1」と表示されます。これは、進捗中のワークフロー数を表します。
また、休暇申請を受けるマネージャー側のホーム画面では、同様に「Approvals(承認)」の項目に「1」が表示されます。
マネージャーは、ここから各種の申請内容を確認し、承認を行います。
このように、ホーム画面左のメニューアイコンでは「Input Requests(入力依頼)」「Clalification(説明依頼)」「Drafts(下書き)」「Rejected(拒否)」といった、ワークフローのステータスが表示されるため、様々なワークフローを一元的に管理することができます。
また、スプレッドシートなどを利用せずとも、それらの状況をグラフ化して進捗を確認したり、何がボトルネッックになっているのかを把握することができます。
▼進捗状況をグラフ化して確認できる(画像はHPから引用)
以上が、KiSSFLOWの基本的な活用イメージになります。
ワークフローツールの概要イメージを掴むことができた所で、他のツールについてもご紹介させていただきます。
「カンバン」風にワークフローを管理できる「Pipefy」
Pipefyは、アクセンチュアやIBMなどに導入されているワークフローツールです。
その大きな特徴は、各アクションがカード化され、Trello風に管理されるという点です。
▼Trello風にアクションが管理される(画像はデモ動画から引用)
「Doint」「On Hold」「Done」などの形で列が作成されているため、カード内のフォームに必要な情報を入力して、アクションのステータスにあわせてカードを左から右に動かしていきます。
このステータス条件やフォームは、「HR」「Marketing」などの業務種別ごとにテンプレートが用意されており、カスタマイズして使用することも可能です。
クラウドストレージ「Box」とIBMが開発した「Box Relay」
Box Relay は、IBM社と、クラウドストレージサービス「box」を提供するBox社が提携して開発したワークフローツールです。
▼ワークフローのテンプレートを自由に作成(画像はHPから引用)
▼ワークフローの進捗を確認(画像はHPから引用)
ワークフローのテンプレートを作成し、進捗を追っていくという大枠の機能は変わりませんが、boxユーザーにとっては馴染みやすいデザインのツールかと思います。
まだ、英語版でしか提供されておりませんが、boxを活用されている企業様で、ワークフローツールの導入を検討されている場合は、1度チェックしてみてはいかがでしょうか。
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