• Sansan株式会社
  • 人事部
  • 我妻 小夜子

Googleの「マインドフルネス研修」を導入!社員の生産性向上を狙うSansanの取り組み

〜自分の感情の「主導権」を握る!Google社のマインドフルネス研修「SIY」を日本企業として初導入した、Sansanの事例を紹介〜

自分のありのままの状態を認識するための瞑想法として知られる「マインドフルネス」が、ビジネスマンのパフォーマンス向上という観点からも注目を集めている。

Googleは2007年から、リーダーシップや集中力を高めるためのマインドフルネスプログラム「Search Inside Yourself(以下、SIY)」を開発し、企業研修として導入。

そのSIYを、日本企業として初めて導入したのが、Sansan株式会社だ。

同社はマインドフルネスを、仕事のパフォーマンス向上のためのマインドセットとして捉え、2017年9月に全マネージャー54名を対象とし、SIYを実施。

結果として、参加者の8割以上が研修に対して「満足」と回答。日常にマインドフルネスを取り入れるメンバーも増えたのだという。

今回は本研修の導入を推進した我妻 小夜子さんと、実際にSIY受講後、マインドフルネスに「ハマって」いるという西村 晃さんに、詳しいお話を伺った。

特に中間管理職に、「マインドフルネス」はオススメ!?

我妻 私は2013年の12月、まだSansanが90人ほどだった時に入社しまして、それからずっと人事担当をしています。

最初は、社内制度と新卒採用を担当していたのですが、今は制度の方に軸足を置いて、チームリーダーとして活動しています。

私のチームは5名ほどなのですが、そのメインミッションは、社員の生産性をいかに高めていくかということです。

そのために、「Know me」という飲み会補助制度や、「強マッチ」という社員の強みをシェアする制度など、既に30個近くある社内制度の鮮度を保ちながら、新しい取り組みもどんどん行っています。

今回のマインドフルネス研修も、そうした社内制度の一環として取り入れた形です。

▼【左】西村さん 【右】我妻さん

西村 僕は2015年の11月に、採用担当として入社しました。6ヶ月目からはマネージャーとして、中途採用のビジネスサイドとエンジニアサイドの採用の責任者をしていました。

その後、ちょうど1年経った頃から、名刺アプリの「Eight」の新規事業の立ち上げと兼務するようになり、今年の2月からはそちらの専任として責任者をしています。

その兼務の間は、個人的にすごく苦しかった期間でした。引き継ぎがなかなか進まなかったり、人事をやりたいという気持ちがまだ残っている中で、事業開発という新しい業務に向き合わなければいけなかったり…。

そんな時にマインドフルネスを、自己流で少しずつ始めてみたんですよね。そして今回の研修「Search Inside Yourself(以下、SIY)」をきっかけに、より一層「これは信じるに足るものだろう」と思えて。

本格的にやってみたところ、2ヶ月ほどですごく効果を感じられるようになりました。この言葉だけ聞くと、宣伝みたいな感じですけど(笑)。

マインドフルネスって、とっつきにくいと感じて敬遠しがちな人もいるかと思うのですが、特に中間管理職の方には、ぜひやってみてほしいんですよね

全マネージャー対象に、Googleの研修プログラム「SIY」を実施

我妻 2年ほど前からSansanでは、社内制度として「フィット」という枠組みを作っています。

社員の体と気持ちをよりヘルシーな状態に持っていくことで、仕事の生産性向上に繋げてほしいという背景です。

例えば一昨年の9月には、食事に関するセミナーを全社で受講しました。血糖値の上がりにくい食事の仕方などを教えていただいたり、それをきっかけに「オフィシャルおやつ」として、ナッツを各フロアに置くようになったり。

他にも、疲れにくい姿勢を保つためのPCスタンドを導入したり、睡眠に関するセミナーを行ったり、様々な活動をしています。

マインドフルネスに関しては、もともと知ってはいて、気になっていたんです。そこに今年に入ってから、弊社代表の寺田から「Googleの『SIY』を丸ごと取り入れてみよう」という話があって。

Google社の中で研修プログラムとして実施されているものと全く同じものを、日本の企業としては初めてSansanで導入することになったんです

Sansanとしては、マインドフルネスを仕事のパフォーマンス向上のためのマインドセットとして捉えています。例えばリーダーシップの発揮や、モチベーションへのポジティブな影響を狙っていました。

本当は全社員に受けてもらいたいコンテンツだったのですが、予算や負荷のバランスから、まずは影響力が大きいマネージャー以上のメンバー54人を対象に、実施することになったんです。

全てが科学!まずはロジックで「マインドフルネス」を理解する

我妻 そして9月に、講師の方をお招きして、2日間の研修を実施しました。内容としては、座学が半分、ワークが半分といった感じです。

マインドフルネスは、脳と密接に結びついています。なのでSIYの場合、まずは座学で脳神経科学の知識をインプットして、ロジックで理解するんですよ

マインドフルネスがなぜ大事なのか、なぜやるのか、というところを、科学に基づいて説明していただけるので、納得度が高まるんです。

例えば、瞬発的にカッと怒ってしまうのは脳の「この部分」が反応しているから、といった感じで。

そしてSIYでは、トレーニングを通じて、そうした脳の瞬発的な動きをセーブしようとします。

西村 人って、怒られたり、悲しい映画を見たりすると、自然と感情的に反応するじゃないですか。それってもう「トリガー」みたいな感じで、自分で自分の感情の主導権を握っていない状態なんですよね。

そのような状態をなくして、トリガーに対しての反応を自分でコントロールするために必要なのが、「メタ認知」です。

メタ認知というのは、「自分の認知自体を、客観的に認知する」ということです。例えば「ムカつく」ではなくて、「私は怒りを覚えている」みたいな捉え方に変えるんですね

マインドフルネスでは、この状態になるためのベースは「呼吸」にあるとされています。自分の呼吸を意識するということが、まず1個目の認知なんです。

呼吸って、普段は全く意識しないじゃないですか。なので呼吸をしていると、認知しようと思っていても、「今日の晩飯は何かな」みたいな感じで、最初は絶対に意識が飛ぶんです。

でもそこで、「呼吸に集中できていない」ことをまた認知しようとする。このトレーニングを行うことで、脳をジャックされることなく、自分で自分の感情をコントロールできるようになると

SIYでは、そこにプラスのテクニックも散りばめられていて。僕が個人的に好きなのは、「シベリアン北鉄道」(笑)というものです。

▼「Siberian North Railroad」、通称「SBNRR」

この「SBNRR」を意識すると、大体ムカつかないんです。

例えば部下に対してカッとなったりしても、SBNRRを実践すると、怒る必要がまったくないことに気が付くんですよね。時間にしてわずか10秒ぐらいなのですが、それによって結構コミュニケーションがうまくいったりします

我妻 最近、他にも意識してこれをやっているマネージャーはいますね。結構カッとなりやすいメンバーだったんですが、これがきっかけでかなりマイルドになりました(笑)。

無意識に自分の状態を認識することで、毎日が変化する

西村 2日間の研修のあとは、1ヶ月にわたる個人ワークの期間があります。

その間は、まず毎日、呼吸に集中する瞑想を10分間。それから自分でテーマを決めて「ジャーナリング」をやって、最後に頭の中を空っぽにして、自分の1日の目標を書いて終わると。

▼実際の「個人ワーク」の成果物

ジャーナリングというのは、ひとつのテーマにつき3分間、自分の頭に浮かんだことをとにかく書き出すんですね。止まってはいけないルールがあるので、「ムリムリ!」とか思いながらも、とにかく書くんです。

すると、同じ言葉が繰り返し出てきたりするんですよ。例えば「自己実現とは」というテーマでジャーナリングをしたときは、「正直さ」みたいなキーワードが5回くらい出てきていて。たぶんこれは自分の中で、自分に正直であることが大事なんだろうみたいな。

それに加えて1週間に1回、「バディ」と呼ばれる相方と、その週の振り返りを行います。

お題は毎回3つあって、例えば今週はどうだった? ワークを実践してみるとどうだった? という感じで、お互いに振り返りながら深く考えるんです。

ジャーナリングも振り返ってみると、4回同じテーマで書いていたりするんですね。そうすると、実はこのテーマは自分にとって重要なのではないか、と気が付けます。

こういったことを行った結果として、僕自身は、無意識に自分の状態を認識できるようになって、すごくラクになっている部分がありますね

我妻 実際に研修を終えて、参加したメンバーの8割以上は「すごく良かった」という回答でした。

ただ、効果が実感できなかったメンバーもゼロではありません。万人に合う方法ではなく、人それぞれ合う合わないはあるかもしれません

一番ハマっているのは西村なのですが(笑)、他にも一部のメンバーは、日常に取り入れています。

例えば、「マインドフルベル」というベルをデスクにおいている部署があるんですよ。チーンと鳴らして、そのあとに30秒くらい瞑想をするんですけれども。ちょっと落ち着こうというときに、鳴らしてみています。

あとは、仕事だけではなくてプライベートの方に生きるという声もありましたね。夫婦間の接し方であったり(笑)。

まずはハードルを下げて「やってみる」ことが大切

西村 個人ワークも含めて、これだけ聞くとすごく大変そうに感じるかもしれませんが、実は大事なのは、「やらなければダメ」というルールがまるでないことなんです。

「修行」って、やらなければ後退じゃないですか。でもSIYの場合、できるときにやりましょうという感じで、強制じゃないんですよ

瞑想も10分が推奨と言われていますが、本当は「一呼吸でもOK」というルールですし。

実際自分も、毎日やりたいのですが、できない時もあって。でもSIYの場合、「やったほうがいい理由」が科学的に説明されているので、一度疲れて離れてしまっても、気持ちではなくてロジックで戻ってこられるんですよね

我妻 研修の1ヶ月後に、もう一度講師の人が来て、質問会を開いてくれたんです。その時に「なかなか続かない」という質問に対して、最初はなるべく障壁を下げて「やってみる」ことが大切だとおっしゃっていました

例えばエレベーターを待っている間だけは呼吸に集中するとか、自分なりのマインドフル・ウォーキングをやってみるとか。

マインドフル・イーティングとか、マインドフル・リスニングでも良いそうなんです。食べることや、聞くことに集中して、その状態の自分を認知するということですね。

小さなことでいいから、毎日やってみることから始めるのがコツだそうなので、始めるハードルもすごく低いんです。私は、お手洗いに行くときだけ、意識してやってみたりしています。

マインドフルネスって、仕事以外の、大きく言えば人生全体に生きるものだと感じているんですよね。なのであまり敬遠しないで、まずはやってみると良いのではないかと思います。(了)

「目標達成するチームを作りたい」と思うあなたへ

当媒体SELECKでは、これまで500社以上の課題解決の事例を発信してきました。

その取材を通して、目標を達成し続けるチームは「振り返りからの改善が習慣化している」という傾向を発見しました。

そこで「振り返りからの改善」をbotがサポートする「Wistant(ウィスタント)」というツールを開発しました。

「目標達成するチーム」を作りたいとお考えの経営者・マネージャーの方は、ぜひ、チェックしてみてください。

チームを目標達成に近づけるロボアシスタント「Wistant」無料トライアルはこちら