• 株式会社アラタナ
  • ECマーケティング事業本部 マーケティング事業部 部長
  • 本庄 拓郎

みんなで「ラボる」?宮崎発ベンチャー、アラタナの「全員で教え合う」組織の作りかた

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〜宮崎で注目を集めるベンチャー、株式会社アラタナ。メンバーが自発的に学ぶ環境を作り上げた、その取り組みを公開〜

ネットショップの立ち上げから運営効率化までのサポートを行う、株式会社アラタナ。宮崎に本社を置く同社は「地方企業」という特性から、即戦力の採用に苦戦していた。

さらに、事業拡大により採用人数を増やした結果、教育にも手が回らなくなってしまった。

即戦力は採用できないが、教育をする余裕もない。そんな状況を、マネジメントや教育ではなく、メンバーの自発性を促し「全員が教え合う文化」を作ることで解決したのが、ECマーケティング事業部で事業部長を務める本庄 拓郎さん。

自発的な組織を作ることで、「女子会」「チャットツールによる情報共有」「ラボる」など、さまざまな取り組みが生まれたという。

今回は本庄さんに、メンバーの自発性を促進する方法から、そこから生まれた取り組みまでを詳しく伺った。

ECの市場の変化に合わせ、マーケティング事業を立ち上げ

僕は2013年に、アラタナに入社しました。それまでは広告会社で働いていたのですが、アラタナでマーケティング支援事業を立ち上げるという話があり、そのマネージャーとして来てくれないかと声をかけられたのがきっかけです。

弊社はECサイトの構築や、EC構築パッケージの「カゴラボ」というサービスをメインに、事業を展開しています。

近年、2013年の「Yahoo!ショッピング」出店料の無料化などの影響で、ECの立ち上げは難しいものではなくなってきています。

一方で、ECサイトを立ち上げたものの、売上が伸ばせずに悩んでいる店舗が出てきてしまっています。新規参入するプレイヤーが多い分、同じ数だけプレイヤーが撤退しているという状況です。

そこで弊社としても、サイト構築をした後、クライアントさんが売上をつくるまでをお手伝いしていきたいという思いがあり、マーケティングの支援をするチームを立ち上げることになりました。

未経験メンバーが次々と入社し、教育が追いつかない状態に...

立ち上げ当時は、僕を含めて4名のチームで、その後も人数は少しずつ増員していきました。ですが2015年ごろ、人数が1桁台から20人程度まで、急速に増えたタイミングがあったんです。

人は毎月1、2名ほど入社するのですが、地方の特性上、即戦力となる人の数は決して多くはありません。でも、会社の成長を加速するためには、即戦力をのんびりと待っている暇もないので。やる気やポテンシャルがあれば、採用するようにしていました。

そうすると必然的に、ゼロベースの人を育てていかなければいけないのですが、毎月のように人が入ってくるので、あるとき教育が追いつかなくなってしまったことがありました。

「現場」でお客様と向き合うことで、自発性を促す

そこで、「自発的に学ぶ文化」を作ろうと思い立ちました。実際に何をしたかというと、現場に放り投げていったんです(笑)

マーケティングって、基本的にはクライアントさんや、その先にいるECの顧客が答えを持っていると思うんですね。なので、わからないことがあればクライアントさんや、その顧客に聞くのが一番の近道だし、その方が本人も圧倒的に早く成長するんです。

特に、僕らはコンサルティングの形で入っているので、「先生」の立場でなければいけません。知識が足りないと、クライアントさんの期待には応えられないんです。

クライアントさんに「もっと助けてくれると思っていたのに」というようなことを言われると、自ずと「勉強しなきゃ!」と思いますよね。

このような経験を通して「どうすればいいですか?」と教えてもらおうとするスタンスから、「自分のクライアントさんと向き合うためにどうしていけばいいのか」を考え、自ら学んでいくように変わっていきました。

最新情報のラフな共有の場は「チャットワーク」と「女子会」?

自ら学ぶようになるにつれ、学んだことの情報共有も積極的に生まれていきました。

例えば、「女子会」という取り組みがあります。参加者は男性も多いのですが(笑)、いろいろな近況報告や相談をし合う様子をイメージして、愛称を「女子会」にしました。

様々なクライアントを担当しているディレクター同士が集まり、成功事例やノウハウ、悩みを共有することで、クライアントの支援に活かしています。

他にも、気になった記事に所感を添えて、ビジネスチャットツールの「チャットワーク」に貼り付けることで、議論が始まったりもします。

▼チャットワーク上で「コンテンツキーワードが廃止されるニュース」について情報共有している様子

クライアントさんと情報交換するのはもちろん、自然と社内で情報を共有し合う文化ができてきています。

やはりWeb業界は、日々新しいプロダクトや技術が出てくるので、その情報をいかに早くキャッチアップするかが重要なんですよね。

教え合う文化、「ラボる」の誕生

もうひとつ「ラボる」という取り組みも、自然に生まれてきました。

「ラボる」というのは、興味深い事例やニュースについて掘り下げ、自分たちの仕事にどう活かしていけるかを、社内で発表することです。週に一度ほど、各チームでラボった内容を共有し合う勉強会を開催しています。

具体的には「GoogleのアルゴリズムがアップデートされたことによるSEOへの影響」や、「トップページをこう改善したら、数字がこれだけ上昇しました」といった事例を共有します。

このような風潮が生まれたのも、メンバーが自ら学び、成長していこうという意識付けができたからではないかと思います。

チャットワーク上で共有される情報についても「これ、サービス化できるんじゃない?」と思える情報に関しては「ラボります!」と手を挙げる人がいたり、「ちょっとラボって!」とリクエストがあったり、自発的な動きが生まれています。

こうして話した内容は、社内用のナレッジ共有サイトに投稿しています。「困ったときにはここを見ればよい」と思えるサイトがあると安心ですよね。

▼アラタナの社内用ナレッジ共有サイト

アラタナ卒業生です!と誇りを持ってもらえる組織作りを

「ラボる」という取り組みは、メンバーの得意領域を伸ばしていくことにもつながっています

ある領域について積極的にラボっている人は、周りからも「そこが得意なんだな」と思ってもらえます。そして「〇〇について聞くならあの人だ!」と、仕事の相談が来るようになり、チャンスが増えて、結果的にそのスキルが伸びていくんです。

やはり弊社は地方の企業なので、東京のベンチャーとは毛色が違うと思います。メンバーの中には、アラタナを修行の場として捉え、その後は自分の地元に還元する活動をしていきたいと思っている人もいます。

そうやっていずれ卒業していくメンバーにも「アラタナ卒業生です!」と胸を張って言ってもらえるような組織作りを、今後も続けていきたいですね。(了)

SELECKでは、「ビジネスに役立つ」インタビュー記事を平日12:00に配信中です。

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