• 株式会社ジラフ
  • 代表取締役 社長
  • 麻生 輝明

フライングする人が成功する!地道な改善で申込数7倍を達成、「ヒカカク!」成長秘話

〜地道なSEO施策とサービスの機能追加で、査定申込数が7倍に!買取価格の比較サイト「ヒカカク!」成長の裏側〜

2017年12月、公開から1ヶ月で2億PVを突破した匿名質問サービス「Peing-質問箱」を買収し、今年1月には不要スマホの即時現金化サービス「スママDASH」のリリースでも話題となった、株式会社ジラフ。

同社は、買取価格比較サイトの「ヒカカク!」を2014年9月にローンチし、地道なSEO施策を実行することによって、サイト流入数を着実に伸ばしてきた。

ただ、順調にユーザーを獲得してきた一方で、査定申込へのコンバージョンについては、課題を感じていたという。

そこで、2017年6月に一括査定機能を追加。また、Webページ表示の高速化などの施策を実行した結果、査定申込数は以前の7倍に増加したそうだ。

今回は、同社の代表取締役である麻生 輝明さんに、創業時のお話から、ヒカカク!のSEO対策やCV施策といった具体的ノウハウ、さらに新規事業への考え方まで、詳しくお話を伺った。

自身と友人の経験からアイデアを得て、在学中にヒカカクを起業

僕は、一橋大学の在学中に、ジラフの前身となる合同会社ヒカカクを起業しました。

もともと、「ヒカカク!」のサービスは、僕自身の経験と友人の行動からアイデアを得て生まれています。


まず僕自身の経験としては、iPadを売りたいと思った時に、オークションに出すのも面倒だし、かと言ってどこの買取業者が良いのかもわからなかったため、結局放置してしまったことがありました。

また、僕の友人で、要らなくなったモノを色んな店に持ち込んで、その査定額を比較して回っている人がいたんです。

その姿と自分自身の経験が重なり、インターネット上でその売買ができるようにしたらいいのではないか、と考えまして。

こうして、売りたいモノの買取価格を業者別に比較することのできるWebサイト「ヒカカク!」を立ち上げました。

▼買取価格比較サービス「ヒカカク!」WebサイトTOPページ

ただ、当時はまだ学生だったので、経験もお金もない中でゼロから始めるのは、なかなかに大変でしたね。

僕は文系出身だったので、身の回りにプログラミングや開発を出来る人がおらず、まずWebデザイナーの方を探すことから始めました。そして美術系大学に通うWebデザイナーの人が見つかり、人生で初めて外注というものを経験しました。

また、それと並行して、ゼミや学科、就活中の友人などに協力してもらいながら、サービスのコンテンツも作っていきました。

その後、起業してから5ヶ月くらい経ったタイミングで、VCを始める友人から最初の資金調達が決まりまして。それが呼び水となって、他のエンジェル投資家などからも投資が決まり、合計で1,300万円の資金を調達することができました。

そのような形で、創業から1年くらいは、本当に周りの友人やイベントで出会った人などを中心に、一緒にサービスを開発していましたね。

「買取業者サイトへの遷移数」を指標とし、サイト価値を検証

この創業期においては、KPIとしては「売買成立数」ではなく、「買取業者サイトへの遷移数」を追っていました。

これは、ヒカカク!のWebページ内に貼ってある買取業者サイトのリンクから、そのサイトへの遷移数を指標とするものです。

と言うのも、ユーザーさんの中には、サイトで価格を調べて直接お店に行く人も結構いますし、お店で見積りしてもらった上で結局買取に合意しない場合もあるので、成果がかなり見えづらくて。

Web上での売買成立数をKPIにしてしまうと、実際のサイト価値を測るのが難しいんですね。


そこで、リンクからの買取業者サイトへの遷移数をKPIとすることで、サイトの価値を「同じユーザー数を集客する際の想定リスティング広告費用=ヒカカクの広告価値」に換算して測っていました。

通常の広告バナーのクリック課金のように、「サイト遷移数をベースに広告換算して収益化すると、これだけの送客効果があるよね」といった考え方をしていましたね。

この数値をKPIとしてウォッチしつつ、「全体のサイト流入をどう増やすか」という部分に注力してきました。

サイト流入を増やすため、地道にあらゆるSEO対策を実行

最初の頃は、投資家の方々にアドバイスもいただきながら、もう本当に地道に、SEO対策をしていました。

基礎的なところで言うと、当初のサイトは内部構造の設計がきちんと出来ていなかったんです。そこで、ナビゲーションメニューを見直して、同じサイト内のページに内容の被りがないように、各コンテンツのオリジナル化を行いました。

他にも、ヘッダーとフッターの重複文言の削除や、タイトルの文字数をカットして読みやすくする、といった細かいことまで、1つひとつ全ページやれることは何でもやりました。

また、こうしたサイト改善に加えて、「検索キーワードの発掘」のようなことも行いました。

初めは、「〇〇(商品名)買取」といった複合キーワードでずっとコンテンツを作っていたのですが、関連する検索キーワード以外からでも、買取成立としてのコンバージョンに至ることもあるのではないか、と考えまして。

例えば、「処分」で検索している人が、実際に「売る」可能性もありますし、さらに言えば「引越し」というキーワードでも、最終的には「買取」に辿り着いたりすることもあると思うんです。

なので、そういったユーザーの潜在的なニーズを拾えるようなキーワードを、ある種ちょっと発明して足していく、というようなことを行っていましたね。

このように、地道にSEO対策を積み重ねた結果、2015年の9月頃からサイトへの流入が一気に伸びてきまして。この時期から約1年かけて、ユーザー数は7倍程度に成長しました。

Webページ高速化と一括査定機能の追加で、査定利用者数が増加

こうして、順調にサイトへの流入数が伸びてきた一方で、査定の申込率を上げることが次の課題でした。

そのために行った施策の中で、特に「ページ読み込み速度の高速化」の効果が高かったですね。SEOにも影響する部分ですが、サイトの読み込みが遅いとユーザーの直帰率が高くなってしまうので、間接的にコンバージョン率にも関わってきます。

他にも、申込フォームへの導線をあらゆるページに設置してみたり、コンバージョンポイントで「無料」査定や「無料」見積もりといった文言の記載を増やしてみたりと、細かいことも色々試しました。

こうした施策を打つ際には、基本的にひとつずつ実行するようにしています。Google OptimizeでA/Bテストをしてみて、大きく数値が変動するかどうかで判断していました。


また、サービス面の大きな変更点としては、「一括査定機能」を追加しました。これまでは、ユーザーが自分でどの買取業者にするのか選択し、見積もりを依頼する形だったんですね。

ですが、例えばグルメサイトでお店選びするような場面と同様に、色々見て回って最後に「ここにしよう」という意思決定をすることって、人間の心理的になかなか難しいじゃないですか。

そこで、買取商品のカテゴリーごとに一括で見積り依頼できるようにすれば、ユーザーはより申し込みの意思決定がしやすくなるのではないかと考えたんです。

こうした結果、査定申込数は以前の700%に伸長し、月間利用者数もこの半年で約1.5倍に増えました。

まずはやってみる。新規サービスも、世に出してからニーズ検証

僕は、ヒカカク!を始めた時から、「まずはやってみる」という考え方を大切にしています。

この考え方のもと、15年8月に「最安修理ドットコム」を、そして17年10月に「スマホのマーケット」をリリースし、現在は3つのサービスを運営しています。

こうした新規サービスを事業化するときは、社内の体制として、今それを行うリソースがあるのか? という部分を考えていますね。

例えば、とある事業を始めるときに、10必要なリソースのうち、既に僕らが8持っているみたいなサービスであれば、サービス開発のハードルは極めて低いじゃないですか。

であれば、まず始めてみて、早く世の中に出してみようと。それをどこまで本気でやるのか、という部分は、やってみてから考えればいいと思っています。

僕は、世の中の多くのサービスを見てきて、ある種フライング的に始めた人が結果として勝っているように感じていて。

あとは、開発コストとのトレードオフだと思っています。スマホのマーケットを始める時も、3ヶ月の開発期間で出来るという見込みがあったので、事業化に至りました。

今後はマスへのプロモーションを強化していきたい

現在は、まだスマホのマーケットを新たにリリースしたばかりなので、まずはそのC2Cマーケットを極めたいと考えています。

そして、今後はプロモーションをより強化していきたいですね。そのためには、サービス改善を繰り返してくことはもちろん、まずはWeb広告でどこまでリターンが出る設計にできるかというWebマーケティングの部分が重要だと思っています。

その上で、CMなどのマスプロモーションをして、より多くの人にサービスを利用していただきたいと考えています。

また、新規事業の開発や事業買収などにより、サービスが増えてきているフェーズなので、事業責任者の育成や、事業を推進していく力のある人材採用も強化しているところです。

既存の事業にとらわれず、これからも良いと思うものは積極的に取り入れて、新たなサービスを世に生み出していきたいですね。(了)

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