• 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン
  • お客様体験デザイン本部 本部長
  • 志賀 智之

「手書きのメルマガ」と「70のシナリオ」を活用!CV数145%増を実現したWebマーケ術

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〜メルマガ、LINE、公式アプリなどのチャネルを活用し、お客様の体験価値を向上。成長を続ける「ゴルフダイジェスト・オンライン」のマーケティング戦略とは〜

日本最大級のゴルフ総合サービスを展開する、株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(以下、GDO)。

現在、340万人を超える会員を持つ同社は、「知る・買う・予約する・学ぶ・楽しむ」といったゴルファーライフに寄り添う多様なサービスを提供している。

その多角的なサービス展開を、「お客さま目線」を最重視して支えているのが、同社の「お客様体験デザイン本部」だ。

同本部は、全社横断的なマーケティングを担う中で、特に「認知・来訪」と「相互利用・リピート」促進をミッションとして活動。徹底的にパーソナライズしたメルマガ施策を通して、メール経由でのコンバージョン数をECで135%、予約では145%増に改善した。

さらに、2016年からはLINE@を導入し、お客さま1人ひとりに合わせたコミュニケーションチャネルを拡大することで、新規顧客の獲得にも成功しているという。

今回は、同本部長を務める志賀 智之さんに、GDOのデジタルマーケティング施策について、詳しくお話を伺った。

「お客さま目線」を最重視するため、CXD本部を設立

僕は、2008年に入社して以来、IT戦略室や情報活用推進部の責任者を務め、デジタルマーケティングを推進してきました。

弊社は、ゴルフ関連のサービスを総合的に展開しており、メディア・リテール・予約・レッスンなどの事業ユニットが、縦割りに存在しています。

そのため、各事業部はどうしても単体の売上を第一に追ってしまい、全社横断的に「お客さま目線」を考える部門が必要になってきまして。

そうした背景から2013年に「お客様体験デザイン本部(以下、CXD本部)」を設立し、現在は、僕が本部長を務めています。

CXD本部では「お客さまの体験価値の向上」をミッションとして、共通の会員基盤やマーケティング基盤の構築・運用のほか、事業部単体ではなかなか手が回らない領域を主に担当しています。

具体的には、「認知・来訪」と「相互利用・リピート」の促進を目的に、GDO公式のスコア管理アプリと広告媒体を活用した新規会員の獲得や、メールマガジンの配信による既存会員のロイヤリティ向上に注力しています。

その中でも最重要KPIにしているのは、「新規会員の獲得数」です。

というのも、新規会員の獲得は効率的に投資できない部分なので、やはり事業部としては手が出しづらいんですね。

そのため、CXD本部が全事業部の新規開拓を率先する形で、リード(見込み顧客)獲得のための施策を打っています。

公式アプリとLINEの活用で、新規会員数が1年で115%増に!

新規獲得の主な流入経路としては、GDO公式のスコア管理アプリ、LINE、Facebook広告の3つです。

そのうち、最も大きいのが、スコア管理アプリですね。これは課金なしのスコア記録に特化したアプリで、現在100万ダウンロードを超えています。

▼GDOのスコア管理アプリ

アプリのダウンロードを促進するため、GoogleやFacebook、LINE広告を主に活用しています。

次に、若年層の流入に効果的なチャネルが、LINEになります。2016年にLINE@を導入したのですが、運用1年半ほどで、現在16万8千人ほどの友だち数を獲得しています。

当初は、既存会員とのコミュニケーションチャネルを増やす目的で始めたんです。ですが実際には、有効友だち数のおよそ半数が、新規のお客さまになっています。

その集客には、Facebook広告や通常のメールマガジンでの告知の他、プレゼントキャンペーンも行っています。LINE経由の新規獲得のCPAは、通常のGDOサイトと比べると半分以下でしたね。

加えて、Facebook広告の類似オーディエンスも活用しています。ロイヤルユーザーの顧客属性と類似した層に、ターゲティングして広告配信できるため、潜在層へのアプローチに効果的です。

こうした施策によって、2017年は新規会員の獲得数が前年比115%増となり、創業以来、最も多い新規会員数を獲得することができました。

シナリオ数は70超え!徹底したパーソナライズで、メルマガ配信

そして、新規会員を獲得した後は、相互利用とリピートを促進するため、お客さま1人ひとりに合わせたメールマガジンの配信をしています。

弊社では、2013年頃からマーケティングオートメーション(以下、MA)に取り組んできました。

2015年にはMAツールのSalesforce Marketing Cloudを導入し、シナリオの最適化とA/Bテストによるクリエイティブの改善を重ねることで、メール経由のコンバージョン数は右肩あがりで伸長しています。

そのシナリオの元となる考え方は、カスタマージャーニーに合わせた4つのメインシナリオと、行動ベースの副次的なシナリオの組み合わせから成っています。

具体的には、「需要創造型」「ロイヤル化」「顕在需要型」「フォローアップ」のフェーズごとに、お客さまの行動履歴に合わせて、適切なタイミングで適切な内容のメールが届くよう、約70のシナリオを運用しています。

例えば、「需要創造型」のシナリオでは、会員登録後の「ウェルカムプログラム」があります。約1ヶ月間にわたり、全部でおよそ20通のメールを配信するのですが、ここではチラシを一切送らないんです。

▼ウェルカムプログラムの全体像

というのも、会員になったばかりの入り口では、「お客さまにGDOを好きになっていただくこと」を一番大切にしています。ですので、会員登録した起点に合わせてシナリオを動かし、ゴルフコースやECショップなどをご案内していく内容に留めています。

また、メールの文面は、よくある定型文ではなく、「原田」という女性社員が書いたような内容にしています。

特に最後は、「手書き」の手紙のような内容になっているので、ファンレターが届いてしまうくらい、お客さまからは好評をいただいていますね。

▼実際の、原田さんからの「手書き」メール(中略)

実際のデータを見ても、このウェルカムプログラムを通った人の方が、そうでない人に比べ、コンバージョンの転換率が127%高いという結果が出ています。

「閲覧」ベースのシナリオを作成し、コンバージョンを促進

また、顕在需要型フェーズにおける刈り取り系のシナリオでは、よりパーソナライズしたメール配信を行っています。

よくあるカート未購入商品に対するリマインドのような「行動履歴」をベースとしたシナリオだけでなく、「閲覧履歴」ベースでも複数のシナリオを用意しています。

その中でも、効果が高いのは「値下げメール」ですね。例えば、お客さまがECサイトに訪れて「1,000円のある商品」を閲覧した場合、それが900円になった日に「900円に下がりました」という内容のメールを打つんです。

▼閲覧履歴のある商品が、値下げになったタイミングで配信されるメール(一部)

これは、システム的にはかなり大変なことでして。というのも、毎日、何万点という全ての商品価格のデータを取得して、その商品の価格が下がっていることを検知する必要があります。

この仕組みを構築するため、全てのログは、クラウド型ビックデータ解析サービス「トレジャーデータ」を活用してトラッキングし、お客さまの行動や閲覧ごとにフラグを立てています。

そのデータを、MAツールにつなぎ込んで、パーソナライズしたコミュニケーションを実現しています。

また、「シナリオを作って自動化すれば終わり」というものではなく、そこから最適化させるため、クリエイティブのA/Bテストなど実施してPDCAを回しています。

特に、開封率を上げるためには、タイトルの検証が肝心です。ここの部分においても、例えば「前日に閲覧した商品名」を件名の冒頭に入れて送信すると、開封率が数%変わってきますね。

こうした施策を通じて、メール経由でのコンバージョン数は、MAツール導入前と比べ、導入後1年でEC売上で約135%、予約では約145%の増加になりました。

運用当初から約5年が経過した今でも、コンバージョン数は右肩上がりで伸びていますね。

LINEを活用し、よりリアルタイムなコミュニケーションを目指す

メールマガジンや公式アプリで一定の成果を出してきた一方で、今後はこれだけだと限界があると思っていて。

というのも、現在のコアターゲットである40〜50代の方々はメールを使われていることが多いですが、今の20代の方々は、メールよりもSNSなどのコミュニケーションツールを中心に使われているじゃないですか。

そこで、お客さまに合わせたコミュニケーションチャネルを増やすため、今後はLINEのビジネスコネクトの活用に、より注力していきたいと考えています。

僕らには、これまでメールで培ってきた知見があります。ですので、そのシナリオをベースにしながら、LINEの特性を活かした、よりリアルタイムでエンターテイメント性のあるメッセージを、どんどんシナリオ化していきたいと思っています。

また現在、チャットボット機能も開発していまして。これは、「スコアはどうでしたか?」「ドライバーは良かったですか?」といった内容を、女性社員の「原田」が会話形式で聞いていくんです。

まだ検証中の段階ではありますが、単純なアンケートに答えていただくよりも、やはりチャットボットで楽しく会話をして答えていただく方が、回答数が多いですね。

今後は、LINEの友だち数をメルマガ会員数と同じくらいの規模に増やし、同等のシナリオを構築していくことで、より1人ひとりのお客さまに適したコミュニケーションを実現していきたいと思います。(了)

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