• ヘイ株式会社
  • 代表取締役副社長
  • 佐俣 奈緒子

採用チームの役割は「hey」という名のプロダクト開発!年60人の採用を目指す戦略とは

〜1年で従業員数の倍増を目指す!組織をプロダクト、採用をマーケティングと捉え、3ヶ月で15人以上の採用に成功した事例〜

実店舗向け決済サービス「Coiney」を運営するコイニー社と、オンラインストアの開設・運営サービス「STORES.jp」を運営するストアーズ・ドット・ジェーピー社(以下、ストアーズ社)。

この2社が経営統合し、2018年2月に生まれた新会社「hey」。

同社は、組織拡大に向けた「組織づくりのプロダクトチーム」を発足し、その入り口となる「採用」を強化中だ。

「1年で従業員数を倍増する」という目標に向けて、エンジニア採用ページ「Code for Fun」を開設。また会社説明会「Hello hey」の開催などを行った結果、3ヶ月で15人以上の採用に成功したという。

そのチームを率いる、同社副社長の佐俣 奈緒子さんは「組織はプロダクト、採用はマーケティングと同じ」だと語る。

今回は、佐俣さんと、同チームで採用担当を務める勝谷さんに、同社の組織づくりにおける考え方から採用手法に至るまで、詳しくお伺いした。

採用のKGIは、この1年間で組織の人数を「倍」にすること

佐俣 私は、2012年にコイニーを創業し、実店舗向けのキャッシュレス決済サービスを運営してきました。

ブラケット(※ストアーズの前身)の光本とは数年前から、フリークアウトの佐藤とは10年以上前から知り合いで、昨年夏くらいに何度か話しているうちに意気投合して。

リアルとオンラインにおける「ストアの方々にサービスを届けたい」という共通した思いもあり、コイニーとストアーズが経営統合する形で、2018年2月にheyを設立しました。

現在は、コイニーの代表を務めながら、heyの副社長として組織づくりをメインに見ています。

▼左:佐俣さん、右:勝谷さん

勝谷 僕は2014年にコイニーに入社し、ずっと事業開発周りを経験してきました。

heyに経営統合した後、今年の4月から採用を中心とした組織づくりを担当しています。

佐俣 コイニーでは、小さなチームで事業をスケールさせていきたいと考えていたので、あまり積極的に人数を増やすような採用は行ってきませんでした。

ですが、heyに経営統合したことで、経営層の厚みが出てリソースに余裕が生まれ、サービスの提供範囲も広がり動きやすさが増しました。

さらに市場環境の追い風もあって、「組織をスケールさせ、事業のアクセルを踏む」という意思決定をしたんです。

そこで、「この1年間で、現在60人の社員数を倍の120人にする」という採用目標を立てました。

4月中旬から本格的に始動したばかりですが、この3ヶ月ですでに15人以上の採用が決まっています。

採用チームのミッションは「hey」という名のプロダクト開発

佐俣 実を言うと、2月に統合して本格的に採用を始めようと思ったものの、いわゆる「人事」みたいな役割に、最初は全然しっくりきていなかったんです。

それから、近しいスタートアップに話を聞いたりするうちに、組織を「プロダクト」だと捉えれば、採用はその「マーケティング」と同じだという考えに行き着いて、ストンと腹落ちしたんですよね。

つまり、採用は「新規ユーザーの獲得」のようなものですし、その人たちをいかに早くアクティブにして、リテンションを高めていくか、といったことは、今までのサービス運用と同じだなと思いまして。

そこが腹落ちした後は、一気に進めることができました。

「これは『hey』という名のプロダクト開発だから、やったことがあるから大丈夫」みたいな感じで(笑)、事業開発の勝谷とデザイナーの松本という人事経験のない2人を誘い、4月頃にチームを結成しました。

そして、まずは「どのようなユーザーに、どういったメッセージを打ち出していくか」という部分を、デザイナーの松本を中心に考えていきました。

具体的には、市場におけるポジショニングの分析とユーザー動線の洗い出しを行った上で、採用のターゲットとなる人にどのようなキーメッセージを投げていくかを決めました。

勝谷 また同時に、KGIである採用人数と達成時期から、認知〜入社までをファネルに落として、各フェーズでのKPIを立てました。そして、日々の数値管理から運用改善ができる状態に整えました。

というのも、もともと2社で別々の管理をしていたので、システム上にデータはあったのですが、その粒度や文言などが微妙に異なっていまして。

それをCSVに落として、地道に2社のデータを統合させたことで、heyとしての傾向が可視化されましたね。

エンジニア採用ページ「Code for Fun」を立ち上げ

佐俣 私たちの場合、まず誰にメッセージを届けたいかというと、エンジニアなんです。

というのも、社内の半分以上がエンジニアやデザイナーというモノづくりの会社なので、まずは「作り手」の採用を強化することにしました。

そこで、「Code for Fun」というキーメッセージを作り、エンジニア採用ページを立ち上げました。

▼エンジニア採用ページ「Code for Fun」

このメッセージを通じて、弊社が大切にしている「Just for Fun」という理念のもとに、「コードを書くのを楽しむ」といったエンジニアの雰囲気を伝えたいと考えています。

私は、世の中に数ある採用ページの中で、「埋もれないために、何をすべきか」を考える必要があると思っていて。これも、結局はプロダクトを売る目線と同じなんですよね。

そう考えると、キーコピーや写真素材、タイポグラフィーに至るまで、その細部1つひとつに対するこだわりが「組織というプロダクトの空気感」を伝えていくと思っています。

そのため、掲載用の人物写真も、専用のスタジオを借りてプロのカメラマンに撮影してもらい、サイトに掲載する素材ひとつにも徹底的にこだわり抜きました。

▼実際の、スタジオでの写真撮影の様子

こうして出来上がった採用ページを通じ、heyが「採用活動をしている」という強いメッセージを発信できたことで、求人の応募者数は以前の4倍になりました。

heyのファンを増やすため、毎週木曜に「Hello hey」を開催

勝谷 また、5月からは「Hello hey」という会社説明会を始めました。毎週木曜20時にheyのオフィスで開催し、説明会やオフィスツアー、社員との懇親会を行っています。

ここでは、heyに関心のある人であれば誰でも気軽に参加できる形にしていて、採用の要素は一切ありません。

▼毎週木曜に開催している「Hello hey」の様子

というのも、まずは「heyを好きになってくれる人」を増やすことが重要だと考えていて。そのため、heyの価値観や、誰に何を売るのか、どんな仲間がいるのか、といったことを伝える場にしています。

弊社では「採用は全員の仕事」という意識が強くあるので、社員の3人に1人が自主的に参加してくれていますね。

また、説明会を運営する上では、「毎週開催する」ということが重要だと思っていて。

というのも、毎週やっていると、直近は都合が合わなかったとしても「この週なら行けそう」みたいな感じで、友人や知り合いを誘いやすいんですよね。

さらに、「ひとりでも多くのファンを増やすこと」を大切にしているので、来てくれる人がひとりでもいれば、開催するようにしています。

わざわざ時間をとってオフィスに遊びに来てくれること自体すごくありがたいですし、今のフェーズでは、「いかに対面でのインプレッションを上げていくか」が重要だと考えていて。

その意味では、Hello heyに来てくれた人がブログやTwitterなどで拡散してくれることで、運用が上手くまわっていると思います。

今のところ、毎回20人ほどの参加者がいるので、このぺースでいけば年間1,000人以上の人と会えるんですよね。

今すぐの採用にはつながらなくても、それだけの人と直接話したことがあるってすごく貴重だと思いますし、その先に何か起きるんじゃないかなという気がしています。

採用チームの仕事は、「入り口に乗る人」をどれだけ増やすか

佐俣 こうして、インプレッションを増やすことを中心に施策を行ってきましたが、採用チームがコミットすべき範囲は「一次面接を設定するところまで」だと考えていて。

というのも、採用って基本的には「各チームの責任」だと思うんですね。「どういう人が欲しいのか」「どの人を採るか」を決めるのは、その人と一緒に働く各チームの人たちがコミットすべきだと考えています。

なので、一次面接を設定した後は、採用管理などのサポートはしていきますが、候補者の惹きつけや合う合わないの判断は、すべて各チームに任せています。

では私たちの仕事は何かと言うと、heyというプロダクトの魅力を伝えて、「選考の入り口に乗る人をいかに増やすか」ということです。

一方で、PVを増やしてもコンバージョンしなければ意味がないのと同じで、マッチしない人を増やしても、内定に繋がらなければファネルが崩れるだけだと思っていて。

なので、面接に至る前の価値観の擦り合わせや、募集要項をちゃんと満たしている人かどうかの見極めは、かなり重視しています。

また、募集要項についても社内用に各ポジションで詳細資料を作成し、事前に各チームとの目線合わせも随時行っています。

勝谷 あと、採用チームとしてはスピードを意識していて、一次面接から内定までの期間であったり、内定率といった指標を見ています。

一方で、今は転職意向がなくても、将来的にheyに来てくれる可能性があるような人もいるので、そこはイベントなどを通じて緩いつながりを保つことが重要だと考えています。

今後の課題は、オンボーディングとエンゲージメントの向上

勝谷 最近では、自社での説明会だけでなく、「CASH」を運営するバンク社と共同イベントを開催するなど、新たな取り組みも始めています。

会社の価値観や社員の仕事への向き合い方など、他社とのコントラストが生まれることでより印象が伝わりやすくなるため、今後も継続的に取り組んでいきたいと思っています。

佐俣 今は組織というプロダクトの「入り口」の部分ができて、少しずつ入社する人が増えてきている状況です。

ですが、結局は組織の中身がしっかりしていないと、いくらマーケティングを頑張っていても、良い結果は生まれないと思っていて。

私は、このチームを単なる採用チームとは思っていなくて、EX(=Employee Experience)、つまりはheyで働く人たちがheyという組織の中で体験する経験価値すべてを担うチームだと考えています。

そのため、今後は採用だけでなく、新しく入る人のオンボーディングや、従業員全員のエンゲージメントをより強化していき、heyというプロダクトづくりに取り組んでいきたいと思います。(了)

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