• 株式会社イデアル
  • 代表取締役
  • 薄葉 直也

半年間・週2回の出社で上場に必要な社内規定を整備したノマドワーカーとは

今回のソリューション:【サーキュレーション】

〜専門性のある業務をアウトソーシングをする時に役立つ「サーキュレーション」の事例〜

ひとりが様々な職務を兼務することが当たり前なのが、ベンチャー企業だ。結果として、組織の中にスペシャリストよりもゼネラリストが多くなりがちになる。極端な例で言えば、CTOが営業責任者も兼務しているという普通の企業ではあり得ないような話も…。

しかし、そのような状況で「社員が0から習得することが難しい専門性の高い業務」が発生した時、どうしたらいいだろうか。今回は、不動産ベンチャー企業である株式会社イデアルが「将来上場できるくらいの管理体制づくり」という専門的な業務を、社外の専門人材に任せた事例を紹介する。ビジネスノマドと呼ばれる専門人材を派遣する「サーキュレーション」から紹介された沢井 悠さんが、どのように管理体制の強化していったのか、イデアルの代表取締役を務める薄葉 直也さんに話を聞いた。

20代で上場を経験し、その後起業

20代は不動産ベンチャーで営業をしていました。創業メンバーとして会社に参画し、3年で上場するという貴重な経験をしましたね。とにかく数値が重視される環境の中で走り抜けたことで、「企業の急成長ってこういうことなんだ」と勉強させてもらいました。

一方で、会社の永続的な繁栄や、何のために仕事をしているのか、といったテーマに関しては追求できなかったので、イデアルという会社を立ち上げ理想の形を少しずつ作っています。上場を経験して、様々なものを得て足りないものにも気づけた貴重な20代でした。

ノマドワーカーに管理体制づくりをアウトソース

イデアルを創業し、ある程度事業を軌道に乗せたタイミングで、将来上場できるような管理体制を作り、会社を強くしていこうと考えました。1社目で上場は経験しましたが、自分は営業職だったので管理体制作りにはほとんど関わりませんでした。

ただ、管理体制を作る大変さは知っていたので専門的な人材を入れようと考えたんです。しかし、そのような専門的な仕事のためだけに社員を雇用するのも難しく、コンサルティング会社に頼むのもコストがかかるので困っていました。

そんな時に丁度「サーキュレーション」を知り、専門人材の紹介をお願いしました。紹介してもらったのが、東大卒で起業準備中の沢井 悠さんという方で、とても優秀そうだったので1回会ってすぐに任せることが決まりました。

社員、コンサル、顧問、どれにも当てはまらないノマドワーカー

週2回、半年間通ってもらい、上場に必要な規定を整備してもらいました。社員、コンサルタント、顧問、のどれにも当てはまらない「ノマドワーカー」はとても新鮮でプロジェクトにマッチしましたね。コンサルタントだと、口は出すけど実務はやらないイメージですが、実務が次々に片付くことに驚きました。黙っていてもどんどん進めてくれるんですよ。自走してくれるというか。また、社員ではないので、こちら側も緊張感を持って協働できたのがよかったです。

大変なのは、規定にして運用すること

管理体制強化でなにが大変かというと、社内の業務を規定にして運用することです。基本的にアーリーステージのベンチャー企業って決済を始めとして多くの処理を規定なしに片付けていきます(笑)。大企業の方が見たら驚くと思いますが、ほとんどのアーリーステージのベンチャーがそうだと思います。

そんな状態から、膨大な処理に規定を作り、運用するのはすごく大変なんですが、そこに沢井さんが入ってくれたんですね。

沢井さんは事業への理解が異常に早く、1度事業の大枠を説明したら大体理解してくれました。そこからは自分でプロジェクトの計画を立て、勝手に実行し、半年間で厚さ10cm程の社内規程が出来上がったんです!

超優秀な人を味方にするには雇用がネック

ベンチャーの経営者が欲しい人材って、自分で起業できてしまうような人材なんです。ただ、当たり前ですがそういう人って就職せずに自分で起業しちゃいますよね。なので、そんなレベルの人を雇用するというのはかなり難しい。

僕みたいに雇う立場からしても雇われる立場からしても、雇用という形が重くてネックなんです。実際に沢井さんも起業準備中であり、雇用が前提であれば、プロジェクトに入ってもらうのも難しかったと思います。うちの会社の体育会系の文化にも合わなかったのもありますし(笑)。

プロジェクト単位で超優秀な人をアサイン

これからの時代、このようにプロジェクト単位で働くような働き方が広まるのではないでしょうか。クラウドソーシングのような現象も全然ありだと思います。時間や成果で契約をするので、すごく健全な関係性を築けるし、雇用だと味方にするのが難しい超優秀な人もアサインできます。プロジェクトの目的が明確であれば、ノマドワーカーを引き入れることはすごくいい選択肢だなと思います。

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