- 株式会社マイネット
- プロデューサー
- 西村 拓也
「未経験」だからユーザー感覚を重視する!愛されるゲームキャラクターの生み出し方
今回のソリューション:【フーモア】
〜一緒にキャラクターを作り上げるイラスト制作会社「フーモア」の事例〜
ユーザーに愛される「キャラクター」を生み出すのは簡単なことではない。株式会社マイネットは、買収・提携により開拓したゲームを、卓越した運営力で成長させるゲームグロース市場のトップランナーだ。
2012年に初タイトル「ファルキューレの紋章」のプランナーとして同社に入社した西村 拓也さんは、未経験ながら「ユーザー感覚を重視する」という哲学の下でPDCAをスピーディーに回しながら愛されるキャラクターを育てていったという。
その際に強力なパートナーとなったのが、イラスト制作を展開する株式会社フーモアだ。西村さんが本気でキャラクター制作に取り組んでいった背景を聞いた。
「ニーハオ」しか喋れない…それでも中国の企業に就職
大学卒業後、日本で就職をしたくないと思い、中国にある検索エンジンの会社に入社しました。中国語はニーハオしか話せなかったんですがとりあえず飛び込みました(笑)。1年半ほど働いた後、日本に帰ってマイネットに就職しました。
マイネットが運営するサービスをユーザーとして使っていて、興味を持って連絡したことがきっかけです。その時に「これからゲームをやっていく」という話が出て、ゲーム部門に入社することになりました。
現在は社員が210人いますが、当時はまだ30人ほどの会社でした。特にゲーム事業に関しては数えるほどの人数しかおらず、しかもゲーム開発・運営経験者はゼロという状態だったんです。そういった背景で、私は未経験ながら当時リリースして3ヶ月ほどだった「ファルキューレの紋章」というゲームのプランナーになりました。
ユーザー感覚を重視しとにかくPDCAを回す
プランナーとしてキャラクターを作ることになりましたが、未経験が故に何が正解かは分かりませんでした。ただ、だからこそ自分のユーザー感覚・視点を重視しようと思ったんです。
例えば「キャラクターとはどうあるべきか」ということを考える時にも、まずは自分が好きなキャラクターを想像することから始めました。
好きなキャラクターって、ただ画面を見てかわいいなと思うだけでは終わらずに、画面を閉じた後でも自分の頭の中で動くんです。このように脳内再生されるような状態になったその時に、キャラクターは1枚のイラストの域を超えてユーザーに愛されると考えました。この基準に立った上で、キャラクターを作り始めました。
また、自分の感覚だけではなく実際のユーザー感覚もしっかり把握してゲームに反映させることを心がけました。とにかく経験がなかったので、スピーディーにPDCAを回すしかなかったんです。
幸い、ゲーム業界はリリースしてすぐにユーザーの声や反応を知ることができるため、それらを素早くゲームに反映させていくことができました。
個々のゲームに合ったイラストレーターを見つけるための外注
弊社では2012年にゲーム開発を始めてから、イラスト制作は基本的にアウトソーシングしています。
もちろんイラストレーターを雇えば、ラフ画のラフ、線画のラフ、着色の仮着色といったような粗い段階でもこまめにアウトプットをチェックできるようになるというメリットもありますが、これまではそのようにはしていません。
イラストを描ける人は沢山いますが、本当にそのゲームに合う魅力的なキャラクターを描ける人を見つけるのは難しいんです。
あるゲームにたまたま合った方が、他のゲームにも合うキャラクターを描けるわけではないんですね。そこでベストなキャラクターを作るためには、イラストレーターを自社で雇うのではなく多くの絵師を抱えている外部の会社に発注する方がいいと考えています。
これまでいくつかの会社に制作をお願いしていますが、その中でも弊社がゲーム事業を開始した当初からお付き合いさせていただいているのが株式会社フーモアです。
本気だからこそ!時には1枚のイラストで何時間もケンカ
フーモアへ発注する際は、まずキャラクターの服装、表情、髪型、構図などを記載した指示書を渡します。その後、絵師さんに候補を出してもらい、ポートフォリオを見て決定します。その後、ラフ画、線画、着色、それぞれの段階でチェックしてイラストを作っていきます。
イラストを外注する上で重要なのは「単純にイラストを納品するスタンス」ではなく「一緒に良いゲームを作っていくスタンス」を持っているかどうかだと思います。
良いゲームを作るために「かわいい」に対してベストを尽くすことが重要で、そういったスタンスがあるかどうかは一緒に仕事をすればわかるんです。その点、フーモアの社長の芝辻さんとはベストを目指すが故に何回かケンカをしたこともありました(笑)。
▼フーモアと共に制作したキャラクターが活躍
お互いがゲームのことを本気で考えるからこそ、熱くなって1枚のイラストについて何時間も議論することもありました。
ただ最終的に創作性の違いに行き着いたとしても、「なるほど、そういう考えもあるんだ」と納得できるんです。ベストを尽くさずに出てきたイラストであれば、議論にはならず修正をお願いして終わると思います。
ゲーム事業を開始して以来フーモアさんとは共に成長をしてきて、今まで作ってもらったキャラクターは優に1,000を超えています。
ユーザーの中で「立つ」キャラクターを今後も生み出していく
ユーザーがキャラクターを見て様々なことを想像する状態を「ユーザーの中でキャラクターが立っている」と言います。
「このキャラクターは〜してそう」といったことをユーザー同士で会話をすることで、キャラクターをより身近に感じているんだと思います。このようなキャラクターを作れるように、現在弊社では約30名がキャラクター制作に関わっています。今後も外部の会社と連携しながら、「立っている」キャラクターを生み出していきたいですね。(了)