• 株式会社wizpra
  • リサーチャー
  • 磯部 華絵

脱Excelでデータ分析の工数が10分の1に! 現役MBA生が社内導入したソフトウェアとは

  • -
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    -
  • tweet

今回のソリューション:【SPSS(Statistical Package for Social Science)】

表計算、顧客管理、データ分析など、業界や部門を問わず様々な企業内で大活躍しているソフトウェアのひとつがExcelだ。もはやほとんどの社会人にとって「スタンダード」であるExcelだが、実は特定の用途においては、最適化された他のツールに軍配が上がるケースも少なくない。

株式会社wizpraがデータ分析業務のためのツールをExcelから「SPSS(Statistical Package for Social Science)」へ切り替えたのは、まさにその典型だと言える。

SPSSは、IBMが提供する統計解析ソフトウェアだ。導入を行った早稲田大学の現役MBA生の磯部 華絵さん曰く、「研究の現場や大企業ではよく使われているが、ベンチャーで使っている会社は多くはない」という。以前はExcelで行っていた業務をSPSSに切り替えることで一体どのようなメリットがあったのか、磯部さんにお伺いした。

顧客満足を新しい形で測る「NPS」のためのデータ分析を担う

私はwizpraで働き始めてまだ数ヶ月ですが、実はフルタイムではなく週2日だけ出社しながら、残りは早稲田の大学院のMBAコースで勉強をしています。以前は、大手のIT企業にシステムエンジニアとして6年ほど勤めており、官公庁や銀行等の顧客先に常駐してシステムの導入や運用保守をしていました。

弊社では顧客体験をマネジメントするクラウドサービスであるwizpra NPS(Net Promoter Score)を展開しています。NPSは、2003年にアメリカで生まれた顧客のロイヤリティをスコアリングする新しい指標です。

これまでの顧客満足度とは異なる性質が注目されており、アメリカの大手企業では既に導入が進んでいます。NPSの領域はまだ歴史が浅くパターン化をされていないので、質の高い分析を行い、NPSを引き上げる重要指標を特定することが重要です。

私が行っているのは、NPSを計測するためのデータ分析を中心にした幅広い業務です。具体的には、自社サービスのwizpra NPSで得られたデータに対し、現状のシステムだけでは対応しきれない高度な分析やレポートの作成を行っています。

そこで得られた知見を開発チームに伝えることで、システムをより良いものへとブラッシュアップしていきながら、お客様に高い価値を提供できるように努めています。

Excelより10倍早い!大学院で学習したSPSSを業務に導入

レポート作成においては、様々な角度から仮説を立てながら、分析を繰り返して検証をしていきます。私が入社した当時、統計・解析に使われていたのはExcelでした。

分析を行う際には、多いケースで1,000件ほどのアンケートをまず集計し、回答者の性別や年齢を見ながら、「年齢が高い女性ほどNPSが高そうだ」といった仮説を立てます。それから実際に相関分析や重回帰分析(1つの目的変数を複数の説明変数で予測する方法)をして、その仮説が正しいかどうかを確かめていくんです。

でもExcelだとデータを揃えたりする準備も必要ですし、変数の入れ換えもすぐにできないので非常に手間がかかります。そんな状況でデータ分析を行っている姿を最初に見た時は「すごくガッツがあるな」と感じました(笑)。

この作業を効率化できないかと考えた時に、ちょうどMBAコースで使い方を習っていたSPSSを社内でも使ってみようと思いました。実際に授業で習った時も、最初にある分析をExcelを使って行った後、「では同じことをSPSSでやってみましょう」と言われるんです。

そうしたら1/10くらいの時間でできてしまったので、とても驚きました。弊社に導入する時も「Excelだとこんなに大変だけど、SPSSだとこんなに簡単ですよ」というのを周りに人に見せるようにしたら、やっぱりみんな「おおー!」ということになりました(笑)。

SPSSでは複雑な分析も短時間で実施可能!

SPSSの良いところは複雑な重回帰分析ができることです。Excelだと毎回データを作り直さないといけないような分析も、パッと変数を入れ替えるだけで様々な角度で分析を試すことが出来ます。そうすると、Excelでは見つけられなかった事実を発見できることもあるんです。

NPSとは要するに「顧客の信頼や愛着の度合い」を意味しているのですが、意外なポイントでその数値が左右されていることがあります。例えばハイブランド化粧品の例で考えてみると、「化粧品の品質や効果」が重要なように思えますよね。

でもアンケート結果を深く分析していくと、実は「販売店のスタッフの応対」の方がより顧客のロイヤリティに影響を与えていることが分かったりします。このような価値のある結果を導くには、SPSSのような分析ツールは欠かせないと思います。

更に純粋に、SPSSのスピード感には救われています。私たちの業務は月初に集中するんです。クライアントのアンケート結果が1か月ごとに集計されるので、レポート作成の業務が月の頭に集中します。

1つのレポートをまとめるのに丸1日程はかかるのですが、週に10件ほどをこなすこともあります。今はSPSSのおかげで分析の工数が1/10ほどに効率化できているので対処できていますが、これが未だにExcelであったら恐らく業務が追いつかなかったと思います。

ツールはツール 最終的には使う人間のスキルを高めることが重要!

ただどれだけ便利だといっても、SPSSはツールでしかありません。ボタンをクリックするだけで難しい分析結果も簡単にはじき出されますが、「その結果が何を意味しているのか」を解釈するのは人間です。最終的にはリサーチをする人のスキルが重要になってくるんですね。

弊社も、ちょうどデータ分析に詳しいメンバーが入社したこともあり、今は彼を中心にチーム全体のスキルを上げるためのミーティングを毎週やっています。

毎回お客様の中から1社を取り上げて、どんな仮説が立つか、どんな分析をするべきか、どんなアクションがありえるかという一連の流れに沿って意見を出し合います。こういった取り組みを通して思考のスキルを高め、SPSSをもっと使いこなせるようになって、クライアントのNPS向上のお手伝いをしていきたいと思います。

そして、ここで得られた知見をシステムに落とし込み、wizpra NPSの提供価値を高めていきたいと考えています。(了)

  • -
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    -
  • tweet