- 株式会社ガイアックス
- ビジネスマーケティング事業部 事業部長
- 栗原 康太
「見込み顧客」という資産を最大化!マーケティング自動化が導くBtoB営業の新しい形
今回のソリューション:【シャノン】
Webサイト・ブログへの訪問や問い合わせ、セミナーなど、企業が見込み顧客と接触するポイントは数多く存在する。しかし、そこで獲得したデータを適切に管理し、施策を打つことができている企業の数は多くはない。
株式会社ガイアックスでは、BtoB企業のマーケティング支援事業において「INBOUND marketing blog」の運営やノウハウ資料の提供により、月間100件以上の見込み顧客のデータを獲得している。
しかし以前は、そのように獲得したデータを活かすための十分なアクションを取ることができていなかったという。そこで同社の栗原 康太さんが導入したのが、見込み顧客の管理・育成を自動化できる「シャノンマーケティングプラットフォーム」だ。
導入後、どのようにマーケティング活動が変わったのかについて、詳しいお話を伺った。
獲得数は月100件!「見込み顧客」のデータをもっと活かしたい
2008年、大学1年生の頃からガイアックスでインターンを始めて、7年以上に渡りBtoB企業様向けのマーケティング支援事業を担当しています。
具体的には、企業様の見込み顧客獲得を支援する「INBOUND」や、Webに関する悩みを相談できるビジネスプラットフォーム「Q-LINK」の運営をしています。
弊社では2010年から「ガイアックスソーシャルメディアラボ」という自社メディアを立ち上げ、情報発信を行っています。他にも社内で運営しているブログがいくつかあるのですが、その中の「INBOUND marketing blog」経由では、月間100件以上の見込み顧客データの獲得に成功してきました。
ブログからはノウハウ資料がダウンロード可能になっており、その際にダウンロードされる方の会社名、名前、役職、メールアドレス、電話番号、といった内容を記入していただく形になっています。
▼BtoBのインバウンドマーケティングの情報を発信するオウンドメディアを運営
新規で顧客を獲得していく上でこのデータ自体が大きな資産なのですが、以前は有効に活用できていませんでした。
そこで、見込み顧客を管理・育成して成約へと繋げていくリードナーチャリングを実行できるツールの導入を検討し始めたんです。
見込み顧客を育成するために、マーケティングツールを導入
弊社の場合は、見込み顧客であるいわゆる「リード」の獲得までは元々強かったのですが、リードの温度を上げていく「ナーチャリング」ができていなかったんです。
獲得した見込み顧客に対するアクションが起こせていなかったので、そこを担ってくれるマーケティングオートメーションのツールを探していました。
例えば、指定したターゲットに適切なタイミングでメールマガジンを配信してくれるような機能があるツールですね。
今では世の中にそのようなツールは数多くありますが、私たちが探していた2013年頃にはまだ数社からしか提供されていませんでした。機能面では各社とも我々のニーズ以上に充実していたので、主にセキュリティ面や導入実績で比較検討をしていきましたね。
そしてその中でもシャノンさんは、特にBtoBの領域で導入実績を伸ばしていて、ノウハウを持っている印象を受けたので導入を決めました。セキュリティもしっかりしていて、実際に契約書を交わす時には結構大変でした。
導入プロジェクトには1、2ヶ月ほどを費やしました。シャノンさんにはマーケティングプラットフォームの初期設定のみをお願いして、それ以外の部分はほぼ全て自分たちで構築したんです。
例えば元々持っていたリード情報の整理や、見込み顧客の行動を点数化するルールの設定、Webのお問い合わせフォームのデザインなどなど…。
当時はあまり予算が割けなかったので自分たちで行ったのですが、今思えば全てシャノンさんにお任せしたほうがよかったと思います。
不慣れな部分が多く、PDCAを回す中で改修が都度発生し、「もっと初期に工数をかけていれば」というのが反省点です。おかげで、マーケティングオートメーションの導入に必要な知識を身に付けることができたのですが(笑)。
行動を点数化し、見込み顧客の「温度感」を計測
マーケティング活動の入り口となるリードとの最初の接点は、Webサイト、ブログ、セミナーなど多岐に渡ります。
そこで接触した見込み顧客にノウハウ資料をダウンロードしてもらう際に入力していただいたデータや、名刺データをシャノン・マーケティングオートメーションに登録して、一元管理しています。
データを登録した個人の方が我々のWebサイトに訪れた際の行動履歴も取得してくれるので、それらを分析して「温度感」の高い見込み顧客を抽出しています。
温度感を測るために、メルマガでのクリック数、ノウハウ資料のダウンロード数、Webサイトの閲覧数、セミナーへの参加などのアクションにそれぞれ点数を付けています。
そしてその点数が高い順にインサイドセールスが電話をしたり、個別にメールをするといったアクションを実施しています。
▼見込み顧客のアクションに応じた点数化を行う(点数はイメージです)
見込み顧客の一元管理で、アウトバウンドのセールスは不要に!
2006年位まではそれこそ飛び込み営業もしていましたし、テレアポなどのアウトバウンドによる営業も実施していました。でもシャノンさんのプラットフォームの導入でマーケティングがかなり洗練されて。
今ではインバウンドだけで相当数のアポが取れますし、受注にまで繋がるようになりました。
また、セミナーの活用度合いが上がりました。セミナーに参加していただいた方をメルマガなどでしっかりと後追いできるようになったので、案件獲得のためのより強いチャネルとして活用するようになったんです。
セミナーに参加している方はそもそも弊社のブログやノウハウ資料のファンであったり、弊社に興味をお持ちの方なので、コミュニケーションが非常に取りやすいんですよね。そういった面で費用対効果も良いかと思います。
マーケティングで重要なのはスピード感だと思うのですが、セミナー終了後のフォローアップもかなりスピードアップしました。
例えばセミナー参加に対するお礼メールも、全てシャノン・マーケティングプラットフォームを活用して送付しています。
メールマガジンの運用にも工夫を凝らす
現在、見込み顧客の温度感を上げるために主に使っているのはメルマガになるのですが、そちらも色々と工夫しています。例えば、他社さんの場合だと定型化された文面が多いんです。
最初に目次があり、その次に「さて、本日は◯◯をお届けします。」というような。でも弊社はちょっと違っていて、普通のメールのような挨拶から入るんですよね。
「いつもお世話になっております。マーケティング担当の◯◯です。猛暑で大変ですね…」といった感じです。それもあまりくどくならないように3、4行にしています。
また、多くのメルマガでは10個くらい並んでいるリンクの数も、弊社では5個までと決めています。そんなに読者が全部クリックするわけもないので、本当に読んでもらいことだけに絞って出しているんです。
送るタイミングも工夫していて、今は毎週水曜日の朝9時に送っています。多くの会社では朝礼が9時から始まると思うので、それが終わった時に見てもらえるタイミングです。
水曜日にも理由があって、月曜日は、週明けで忙しいのでまず除外しました。木、金はすぐに週末に入ってしまうので、あまり記憶に残らないかなと。色々検証を重ねた結果、水曜日に固定することになりました。
マーケティングツールの導入で、組織の新しい体制ができた
シャノンさんのマーケティングプラットフォームを導入したことで、マーケティング活動で獲得した見込み顧客を管理し、温度感を高めた上でインバウンドセールスに渡すというリードナーチャリングの体制を社内に構築することができました。
今後も様々な工夫を重ねながら、1人でも多くのお客様に弊社のサービスを届けることができればと思います。(了)