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10媒体の採用状況を一元管理! 採用活動のPDCAを素早く回すためのデータ活用術

今回のソリューション:【JobSuite/ジョブスイート】

近年、従来型の採用手段に加えて、スカウト型やダイレクトリクルーティング型といった、個々に特徴を持った採用媒体が次々に登場している。

企業が人材採用に使うことができる手段は結果的に増加したが、同時に採用担当者から見ると、これまで以上に幅広い媒体を運用する必要が出てきた。

多くの媒体を使うと、それぞれの採用状況を管理するだけで大きな労力が必要になることが課題だ。

Webクリエイター専門の人材派遣会社である株式会社メンバーズキャリアでは、2014年5月の立ち上げ後、8ヶ月の間に30名の採用を行った。その際、10媒体を一度に使うことになったが、それを運営したのは同社の採用担当者である石川 京子さんたった1人だった。

その「1人で10媒体を運営する」という状況をサポートしたのが、採用支援システム「JobSuite(ジョブスイート)」だ。各媒体に散らばる情報を一元管理し、データを検証することで採用のPDCAを効率よく回すことができたのだという。石川さんに、詳しいお話を伺った。

創業間もない企業で、採用・育成・事務を幅広く手掛ける

2014年5月にメンバーズキャリアが立ち上がり、6月に社員第一号として入社しました。弊社は、クリエイターを正社員として雇用し、企業に派遣するという特定派遣の事業を行っています。

世の中で派遣社員としてクリエイティブを担当している方の中には、社会的にインパクトのある大きな実績を持っている方もたくさんいます。

けれど「派遣社員である」というだけで、例えば家のローンが組みにくかったり、社会的評価が実績に追いついてこないこともあります。

また、仕事を常に受注できるとも限らない状況で、仕事をしながら学んでキャリアアップしていくのも難しいですよね。こうした課題を解決するために、クリエイターを正社員として採用後育成し、クライアント企業に派遣するという形を取ることにしました。

クリエイターが学びながらキャリアアップを実現していく土壌を作りたいと考えたんです。その中で私は、採用、育成、事務などを幅広く担当しています。

採用担当者は自分だけ!10媒体の採用活動を一元管理したい…

会社を設立し、派遣事業の届出が完了して「さあクリエイターを採用するぞ!」という状況から、8ヶ月間で30名を採用しました。採用戦略としては、初期の段階から求職者の認知を大幅に高めようと考えたので、一度に10媒体を使って進めていくことになったんです。

当時の採用担当は私1人だけでしたので、10媒体の運用はかなり大変でした。すべての媒体から挙がってくる候補者のステータスを管理してPDCAを回していく必要がありますが、媒体によってUIも使える機能も異なります。

例えば「この求人に対してどのくらい応募があったか」といった採用アクションの効果を可視化できないような媒体もあるんですよね。そのような状況の中で、なんとか10媒体での採用活動を一元管理できないかということを考えるようになりました。

「JobSuite」を導入し、各所に点在する採用データを集約

そこで導入したのが、「JobSuite」というツールです。JobSuiteでは、応募者のデータを一元管理し、選考の進捗も併せて記録することができます。

1人ひとりの応募者の方について「いつ応募が来て今のステータスはどうなっているのか」ということが一覧表示で確認できますし、ステータスの変化がないまま時間が経ってしまっている人も分かるので、対応の漏れも防止できます。

採用状況を媒体、日付、ステータスといった様々な切り口で集計することもできるので、10媒体それぞれの効果も可視化することが可能です。

JobSuiteの一番いいところは、各所に点在する採用関連のデータをすべてインプットすることで、それを集計し自分なりにカスタマイズできる点かもしれません。JobSuite上のデータは、CSVに変換してダウンロードすることができます。

それをピボットテーブルなどを使って加工すれば、採用活動がうまくいっていない時に、すぐ原因を分析することができます。

例えば集計の結果、「先月は、前月と比較して応募数は変わらないが面接数が少なかった」といったことが分かれば、「それでは面接数を増やせなかったのはなぜか」という原因分析にすぐに移れるんです。

データが貯まっていくことで、「企業認知につながる活動」「応募してもらうための施策」「面接」といった行動をどのくらい起こせば1名採用という実績につながるのか、ということが定量判断できるようになります。

現在は採用活動の全体を数値で把握し、そこから実際の応募者の方1人ひとりを見ながら採用戦略上の仮説を立て、PDCAを回しています。

データの分析により、採用媒体の特性も可視化

蓄積したデータは、採用媒体の分析にも使うことができます。媒体にはやはりそれぞれの特性があり、未経験者に強いものも、ハイスペックな経験者の方に強いものもあります。自分たちが求める人物像に応じて媒体を使い分けることが重要です。

また、媒体ごとに1名採用できるまでの応募数の平均値もまったく異なります。こういった部分もJobSuiteで分析をしていれば、ある程度推測できるようになりますね。

最初は企業認知を上げるために10媒体を使っていましたが、JobSuiteを使って媒体ごとの効果検証を行ったことで、現在では2、3媒体まで絞り込むことができました。

JobSuiteにさえアクセスすれば、すべての情報を把握できる

JobSuiteには、選考書類やレジュメを含めたあらゆる情報を保管しておくことができます。そうすると、実際に面接をするメンバーや役員もJobSuiteだけにアクセスすればすべての情報を把握できます。

10媒体すべてをその都度見て応募者の確認をするのは非常に手間なので、必要な時に必要な情報をすぐにチェックできるようになったのは大きいですね。権限管理もしっかりしているので、セキュリティー面も安心です。

職務経歴書やクリエイターの方のポートフォリオなどをすべて保管しておくと、データが重くなりがちです。

それもJobSuiteを使うと、1,000名単位でデータを圧縮して保存することができます。圧縮されたデータの中にいる方が再び応募をくださった際にはアラートが来る機能もあり、大量の情報を管理するのが楽ですね。

今後もデータを活用することで、「採用の質」を高めていく

今後はJobSuiteに履歴を残す方の幅を広げることで、より活用していきたいと思っています。

例えば説明会で1度お会いした方のような、ライトな接触をした方の履歴もすべて残しておけば、1年後に「情報交換をしませんか」というアプローチをかければ採用につながるケースもあるかもしれないので。

せっかくデータを一元管理できるようになったので、その環境をもっと活用して採用の質を高めていければと思っています。(了)

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