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「数字に基づく」グロースハックには不可欠! データ可視化に活かせるツールとは?

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今回のソリューション:【Geckoboard/ゲッコーボード】

〜ネイティブアプリのグロースハックのために、「Geckoboard」や「Qiita:Team」を活用し、KPIなどの様々なデータを可視化している事例〜

限られたリソースでWebサービスやアプリを運用していくためには、ユーザーの声やKPIとなる数値を正しく把握し、施策の効果を最大化することが重要だ。しかし、その追うべき情報はサービスのデータベース、アクセス解析ツール、各種アプリストアなどに点在している。

それらを集約するために活躍するツールのひとつが、ダッシュボードツールの「Geckoboard(ゲッコーボード)」だ。

日本最大のネイル情報サイト「ネイルブック」を運営する株式会社スピカでは、サービスのグロースにGeckoboardを始めとしたサービスを活用している。同社は、立ち上げのフェーズからグロースのフェーズへと移行したことを契機に、グロースハックの専門チームを編成しサービスの改善に取り組んでいる。

同社代表を務める國府田 勲さん、グロースハックチームのリーダーを務める星 雄介さんに、詳しいお話を伺った。

▼数値やアプリストアのレビューなどを表示できる「Geckoboard」

Geckoboard

新規事業をスピンアウトし、スピカを立ち上げ

國府田 弊社は株式会社ゆめみからスピンアウトする形で、2014年に創業しました。ゆめみではプロダクトマネージャーやインフラ部門の立ち上げ、開発部門の責任者などを担当した後、並行して新規事業も担当することになりました。

そのときに作ったサービスが、今弊社が提供している「ネイルブック」です。ネイルブックをゆめみの内で3年ほど育て、ユーザーがついてきたタイミングで5人でスピカを立ちあげました。

國府田 勲さん

ネイルブックを作った2011年当時は、スマホが一般に普及し始めたタイミングでした。BtoEtoC、つまり店員さん(Employee)が情報を発信して集客する時代が来ると考えていて、その中でも一番マッチしそうな美容分野をドメインとして定めました。

一緒に立ち上げた女性社員がネイル好きで写真共有アプリのアイデアを持っており、競合も少なかったことが決め手です。

 私はエンジニアとして4社ほど経験した後、2015年4月にスピカに入社しました。今はネイルブックのグロースハックのためにWebもアプリも担当しています。

今までの会社ではグロースハッカーではなくエンジニアだったのですが、プロジェクトが立ちあげ直後のものが多く、開発からデータの分析まで一通りのことは自分でしていました。

スピカに入社するときも元々はAndroidエンジニアとしての募集だったのですが、将来的にはディレクションの方向に寄っていきたいということを伝えました。するとそちらの方が向いているのではという話になり、今の役割に就くことになりました。

サービスの成長で目線をグロースに切り替え 専門のチームを編成

國府田 ネイルブックはローンチから4年ほど経過しており、今はサービスをグロースするフェーズに入っています。元々はゆめみの社内事業であったために、いろいろな試行錯誤をさせてもらう猶予をもらいました。

その後独立して、Web、Android、iOSとパーツも揃ったのでそろそろ人を増やしてグロースするタイミングになったと。そこで求人を出し、星が入社したタイミングで本格的にサービスのグロースに着手しました。

グロースチームは現在6人で編成されています。サービスのリリース初期だとサービスのモデルを作ったり、コアユーザをしっかりと抱えるところが重要です。それがグロースのフェーズでは、数字に基いて理論的に進めることがより重要になっていきます。

ネイルブックは女性向けサービスなので感性を重視していたのですが、そこに科学を足そうと。

 メンバーの半分がソーシャルゲームのプロデューサー出身なので、数字に関してはかなりシビアに見ています。追いかける数値を決めるときは、まずアプリの中にあるユースケースを整理します。ネイルブックの場合はユーザーが出来る行動が限定されているので、比較的シンプルかと思います。

星 雄介さん

ユーザーができるのは、投稿する、検索する、投稿された写真に「かわいい」ボタンを押す、お気に入りに入れる、の4つだけなんです。投稿するユーザーよりはリアクションをするユーザーの方が割合が高いので、今はよりインパクトの大きい「かわいい」やお気に入りの数といった指標を重点的に追っています。

Androidファーストの開発体制で、グロースをスピードアップ

 最近の施策で言うと、Android版でネイルの一覧が表示される部分の列数を変更しました。今までは3列だったのですが、Androidのみ試しに2列にしてみました。また、「かわいい」を押しているユーザーさんのほうが継続率が高い、というデータが既にあったので一覧画面から「かわいい」ボタンが押せるようにもしてみました。

この結果、「かわいい」が押される回数はAndroid版の総数は1.3倍になりました。また11月末から始めているPush通知によるリマインドの効果もあって、Android版の一般登録ユーザーの8週維持率で5%ほどの改善効果がありました。

國府田 以前はiOS先行で開発をしていたのですが、グロースチームが出来てからはAndroidファーストに変更しました。

Androidであれば1日でリリースが出来るので、意見が分かれる施策でも出してみてダメなら引っ込めるという方法が可能です。そこで結果が良かった施策をiOSにも反映させていくことで、スピード感を持って改善を進めることができます。

グロースの施策のひとつとしてチュートリアルを実装したのですが、そのときもAndroid版でスキップの仕方や登録ボタンの大きさなどを何度かチューニングした後に、iOS向けにリリースをしました。

ダッシュボードツールを活用し、サービスの状態を全員が把握

國府田 弊社ではデータ分析にいくつかのツールを使っているのですが、まず全社的に重要な数値の共有には2年ほど前から「Geckoboard(ゲッコーボード)」というダッシュボードツールを使っています。

Geckoboardは、様々なデータソースと連携することで、複数の情報をダッシュボードに集約することができるツールです。弊社の場合は社内のテレビ画面に常にそのダッシュボードを映していて、みんなに見てもらいたい色々な情報を集約しています。

▼実際に同社が使っているGeckoboardのダッシュボード

Geckoboardのダッシュボード

連携させているのは、まずはKPIを取るためのGoogle AnalyticsとGoogleスプレッドシート、それからアプリストアのユーザーレビューや、ネイルサロンの登録数などです。数値だけではなく、ユーザーの声も表示することができるのはいいですよね。

他にも、AWSと接続してインフラの状態を可視化したり、Trelloを繋いでタスクの消化具合を見ていたこともありました。自分で組んだAPIも接続先として使えるので、自由に好きなデータを可視化できます。

これで月額19ドルなんですよ(2015年12月時点、新規ユーザーには価格改訂あり)。みんな使ったらいいのに、と思います(笑)。似たようなツールは色々ありますが、それぞれに連携できるデータソースが違ったり特徴があるので、色々試して最終的にGeckoboardに決めました。

弊社の場合はGeckoboard上の数値から具体的な施策に落としこむわけではなくて、サービスの全体的な状態を全員が把握するために使っています。

グロースのための細かい数値は、自動でQiita:Team上にグラフ化!

 グロースチームで具体的な施策に落としこむための数値を出す場合には、データベースをクエリで直接叩いています。分析専用のデータベースをひとつ立てていて、SELECTのクエリなら時間がかかるものでも自由に実行して良い環境を用意しています。

特徴的なのは、その分析結果の一部を情報共有ツールのQiita:Team上で可視化しているところです。SQLを登録するとグラフ化してくれる「HighCharts」というライブラリを使っていて、その画面をiFrameでQiita:Teamで埋め込んでいます。これなら誰でも簡単に、リアルタイムの数値を見ることが出来ます。

▼「HighCharts」を使い、Qiita:Team上に様々な指標を可視化

Qiita:Teamの画面キャプチャー

Qiita:Teamで可視化している数値は週1回、必ずグロースチーム全員で確認しています。さらにそこに加えて、Google Analyticsも使っています。

UU数のような基本的な数字の他に、コホート分析の機能を使ってユーザーの継続率を確認したり、カスタムディメンションの機能を使ってカスタマイズして、登録率などの指標も追いかけています。例えばチュートリアル機能を実装したときは、登録率が5%程度向上し、その後の継続率も明確に伸びていきました。

サービスの更なるグロースに向けて、改善を続けていく

國府田 施策を考えるときはあくまでMAUが伸びそうなものにフォーカスをしています。MAUを増やすには獲得と継続、どちらかに効く施策が重要です。ネイルブックの場合はユーザーの獲得は一定数できているのですが、課題は継続だと感じています。

ネイルというコンテンツの性質上、なかなか毎日みてもらうのは難しいですから。どうにか数ヶ月単位でも使ってもらえるような、長いスパンに効く施策を常に考えています。

今後はよりユーザー層を広げるため、ライト層にリーチするための施策も考えています。年に数回しかネイルをしないような、そういうライトなセグメントを取りに行きたいと考えています。ネイルを探すにはネイルブックしか無い、というポジションを確立するまでは頑張っていきたいですね。(了)

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