- クラウドキャスト株式会社
- VP of Sales & Marketing 取締役
- 藤垣 慶介
スタートアップに最適なクラウドストレージは? Dropbox Businessを選択した理由
今回のソリューション:【Dropbox Business(ドロップボックスビジネス)】
〜ファイルごとの権限管理の確認が容易にできるDropbox Businessを導入することで、効率的なファイル管理につなげている事例〜
昨今の企業運営では、各種資料の保存場所に社内のファイルサーバーではなく、クラウドストレージを選ぶケースが増えている。しかし、数あるクラウドストレージサービスの中から、微妙な使用感の違いをもとに最適なサービスを選ぶことはなかなか難しい。
2011年創業の、クラウド経費精算サービス「Staple(ステイプル)」を提供するクラウドキャスト株式会社は、法人向けクラウドストレージサービス「Dropbox Business(ドロップボックスビジネス)
」を活用している。
選定の理由は、各ファイルに対するアクセス権限や、いつ誰がどのファイルにアクセスしたのか、という履歴を簡単に確認できる管理のしやすさだという。同社で取締役を務める藤垣 慶介さんに、詳しいお話を伺った。
オラクルでの営業を経てスタートアップに参画
新卒で、日本オラクルに入社して3年間セールスコンサルタントとして働き、その後学生時代のインターン時にお世話になった方の会社に参画して1年半、ASPの提案業務を行っていました。それからオラクルに戻り、9年半ほど再び金融機関担当セールスとして働いた後、弊社代表の星川と青山ビジネススクールで知り合い、2014年にクラウドキャストに参画しました。
参画した一番の理由は、新しいことに挑戦したかったことです。両親が会社を経営していることもあり、いつか自分自身で事業を作り上げる経験がしたいとずっと思いながら働いてきたので。弊社は海外のリモートワーカーを含む現在10名ほどのメンバーで、クラウド経費精算サービス「Staple(ステイプル)」の開発と提供をしています。私は現在、セールスとマーケティングをもう1名の社員と担当しています。
リモートワーカーとの共同作業に最適な「Dropbox Business」
弊社の創業は2011年なのですが、2013年の春あたりから従業員数が増え始めました。それを機に、それまでは導入していなかったクラウドストレージの需要が高まりました。リモートで仕事をするメンバーも増えたので、資料やデータを共有する環境が必要になってきていたんですね。
そこで、2013年8月にDropbox Businessを導入しました。Google Driveも検討したのですが、Dropbox Businessの方が優れていると感じた点が2つあったんです。まず1点目は、ファイルの変更履歴がリアルタイムで確認できて、共同で作業をするときに使いやすいことでした。
例えば、1つのテキストファイルを皆で編集しているとします。すると、誰かがファイルを変更したときに「最新バージョンに切替えますか?」という通知がPC画面に出てくるんですね。そうすると古いバージョンに上書きしてしまうこともありませんし、何がどのように変更になったのか常にわかるので、共同で作業を進めやすいんです。Google Driveの場合は、いつのまにか変更されていたり、どこが変わったのかわかりにくい部分があるんですよね。
▼最新版に切り替わったことがすぐ分かる
2点目は、ファイルを共有しているメンバーがすぐにわかるUIになっていることです。ファイル一覧の画面に、各ファイルを共有しているユーザーが一覧表示されるようになっていてとても見やすいですね。また、その画面上では、誰かがファイルを開いているとサイドに「◯◯さんが参照中です。」と表示されて、バックグラウンドプロセスのように常に最新の状態を教えてくれるんですよ。
▼ファイルを共有しているユーザーが一覧ですぐ分かる
法人として僕たちが特に優先しているのは、ファイル管理のしやすさなんですよね。とくに各ファイルに対するアクセス権限や、いつ誰がどのファイルにアクセスしたのか、という履歴を簡単に確認できることを重視しています。この機能が、Google Driveは弱いんですね。弊社にとって、Dropbox BusinessのUIはとても優れていると思います。
素早い同期と十分な権限管理、誤消去したデータもすぐに復元!
Dropbox Businessは、同期のスピードもローカルで使っている場合と同じくらいで、非常に使い勝手がいいです。セキュリティに関しても、フォルダやファイルごとにアクセス権限が管理できるので、必要な人だけが閲覧できるように設定できます。アクセス権限のレベルも、参照だけできる人から編集可能な人まで幅広く設定できますし、パスワードつきで共有することも可能です。
ちなみに、個人的にとてもありがたかったのは、間違えて削除してしまったファイルをワンクリックで復活させることができることです。実は以前に私が間違って、重要な情報が入ったファイルを削除してしまったことがあったんです。Macのマイファイルの部分を、自分のファイルだけかと思って全部消去したら、他の人が共有しているファイルも混ざっていたようで。
1ヶ月後くらいにそのことに気が付いたのですが、Dropbox Businessだとボタンを1つクリックするだけで復元できたんです。本当に助かりました。
社外の人とのファイル共有は、無料で可能!但し注意点も
さらに、Dropbox Businessではメールアドレスさえあれば、外部の人とファイルを共有できます。先方のポリシーが許す範囲で、取引先の会社さんとのファイルのやりとりに使っています。例えば税理士事務所さんとは、月々の経理データを共有して、給与計算もしていただいています。先方にはアカウントが必要なのですが、無料で登録することができます。
Dropbox Businessが面白いのは、もともとコンシューマー向けに作られたツールがエンタープライズに対応している点です。コンシューマーからお金を頂くという思想がもともとないので、誰でもアカウント自体は無料で作れるようになっているんですね。従って、最初からエンタープライズ向けに作られたクラウドストレージとは違って、外部とのファイル共有に追加でコストがかかることもありません。
運用する中で1点注意しなければならないのは、外部にファイルを共有する際に、誰でもアクセスできるURLを生成できてしまうことですね。Dropboxのアカウントをお持ちでない方とファイルを共有する際には便利ですが…。対策としては2つあって、1つめは共有したい方にDropboxのアカウントを作っていただくこと。2つめはファイルそのものにパスワードをかけて共有することで、弊社ではこれらを実行するようにしています。
少人数の組織には特にオススメ
Dropbox Businessの課題としては、同期しているフォルダをローカルで見たときには、誰と共有しているかわからないことです。社内だけなのか、外部ともシェアしているのか、すぐにわかるといいなと思います。今はそういったフォルダには、「◯◯_share」という名前をつけて取扱いに気をつけています。
Dropbox Businessをオススメできるのは、割と少人数でリモートワークが多い会社かなと思います。ファイル共有者の一覧表示も、少人数を想定して作られていると思うので、逆に100名以上の規模だとその良さを活かしきれない部分があるかもしれません。今後もDropbox Businessを使って、業務効率化を図っていきたいです。