- ギークス株式会社
- 代表取締役社長
- 曽根原 稔人
まるで西海岸の雰囲気!?開放的な気分でオープンな交流ができるオフィスとは
今回のソリューション:【DRAFT/ドラフト】
~ビルの最上階にアメリカ西海岸風の開放的なデザインのオフィスを作り、社員のモチベーションを向上させている事例~
ビジネスパーソンが、ほぼ毎日出勤するオフィス。毎日仕事をする場所だからこそ、その機能、雰囲気、デザインのひとつひとつが大切だ。
2007年創業のITベンチャー企業であるギークス株式会社では、2016年3月にオフィスを移転した。アメリカの西海岸を連想させる開放的な空間と、機能性を兼ね備えた新オフィスを作ることで、勤務する社員がよりイキイキと働くようになったという。同社の代表取締役社長である曽根原 稔人さんに、詳しくお話を伺った。
▼クリエイティブな発想を刺激する開放的なデザイン
ホテル、不動産業界を経てITで起業
これまで、ホテル業界、不動産業界を経験した後、2001年に当時のウェブドゥジャパン(現クルーズ)を共同で設立し、株式上場も果たしました。
ギークスはウェブドゥジャパンの子会社、ベインキャリージャパン(当時の社名)として2007年に設立した法人で、2009年にMBOにより独立しました。
現在は、フリーランスエンジニアと企業の双方をマッチングするクラウドエンジニアリング事業を中心に、スマホ向けのゲーム配信や非ゲームのアプリ開発・WEBメディア運営、映像・動画制作など複数の事業領域でビジネスを展開しています。
社員に「開放感」を与えて、クリエイティブを刺激する新オフィス
事業成長に伴って社員数が急激に増えたことと、今後の採用計画から考えても以前のオフィスでは手狭になっていくことが予想されたので、2015年春に計画をスタートさせ、2016年3月に移転してきました。
会社の移転は、社員のモチベーションアップにつながる大事なイベントなので、私と一部のメンバーでプロジェクトを進めて、社員にはサプライズで移転初日に公開しました。
新オフィスでは、技術・プランナー・デザイナーなど、クリエイティブな職種の社員が増えてきたこともあり、「開放的なリラックスした雰囲気でクリエイティブな発想が出やすい空間作り」を意識しました。それに合うようなデザインを模索した結果、アメリカの西海岸をコンセプトイメージにしたオフィスを作りました。
▼西海岸を思わせるビッグテーブルスペースの様子
ギークスは展開する事業領域が多岐にわたっていることもあり、部署が違うとどうしてもコミュニケーションが取りづらくなってしまいます。
その点を解消するため、新オフィスでは、自分のデスク以外でも仕事に取り組めるエリアや、クローズドな会議室だけでなく、気軽に打ち合わせができるエリアを増やしました。こうすることで「顔の見える化」を図り、部署を超えたコミュニケーションが活発になるような設計をしています。
オフィス全体のコンセプトは私が考えましたが、機能的な点に関しては、各部署にヒアリングを行いました。例えば「集中できる場所が欲しい」とか「仮眠スペースが欲しい」といった要望は、設計の際になるべく反映させるようにしました。
もう一つ、今回の移転でオフィスを選ぶ時に、重視したのは「明るさ」です。新オフィスはビルの最上階にあるため、この明るさが更に開放感を際立たせています。
▼最上階にテラスがあり、リフレッシュすることができる
明るいとそれだけで気分がいいじゃないですか。日光の入り具合ひとつで、人のテンションって全然違いますよね。新オフィスはテラスがあったことも決め手の一つでした。
ここは、1人でゆっくり仕事をしたり、ちょっとした打ち合わせや、ランチを食べたりと色々な活用方法があります。私も天気が良い日の朝はテラスで仕事しています。
▼日差し豊かな窓際で気分を変えて仕事することも
「オフィスを感じさせない」空間を目指した
オフィスデザインは事前にコンセプトブックを作成して、5社ほどデザイン会社さんにお声がけさせていただき、こちらから移転に際しての想いをプレゼンした後に、全体イメージをご提案頂きました。
その中で、私のイメージに近かったのが、DRAFT(ドラフト)さんでした。彼らの過去の実績の中には、既にイメージと近いものがあったので、お願いする上で安心感もありました。
実際の過程では、敢えて「ディテールにこだわってほしい、とにかくオフィスを感じさせないでほしい」と要望を伝えました。オフィスというよりは、どちらかというと「ここに帰って来たい」と感じるような空間作りを目指しました。
▼「オフィス」を感じさせない会議室
「明るさ」をかなり意識していたので、色彩は白を基調として、木は全てムク材にするなど素材の質感にもこだわりました。
会議室やフリースペースに配置している椅子やクッションは、かなりの種類の生地を使っているのですが、膨大なサンプルから実際に触った感触まで確かめて、すべて私が選びました。
ドアノブも敢えてレトロなデザインのものを使っています。居心地の良い空間にするためにも、細かいパーツやインテリアにもひとつひとつこだわりました。
▼ドアノブにまでこだわりが…!
よりオープンに、気軽にコミュニケーションできる空間
新オフィスは2フロアで構成されており、受付のある最上階フロアにはテラス、窓際のカウンタースペース、ソファースペース、ビッグテーブルスペース、セミナールーム、会議室と、一部の執務室を配置しています。
▼勉強会やミーティングに使用できるセミナールーム
ビッグテーブルスペースとセミナールームは隣接していて、仕切りが可動式のガラス扉で設計されているので、用途によってはオープンにしてより広い空間として使うこともできます。
▼ビッグテーブルスペースでの新卒研修の様子
ちなみに、ビッグテーブルスペースは、仕事や打ち合わせ以外にも、各種研修や、毎月開催している社員同士の交流ランチ会でも活用していて、大活躍しています。
▼社員交流のためのランチ会を準備している様子
執務室中心のフロアには、各自のデスクエリアもビッグテーブルで構成されていて、座る人数などに自由度を持たせました。その他、集中ブース、ファミレスブース、ミーティングブース、仮眠・休憩室を設置しています。
オフィス内の導線もよりシンプルにすることで、行き来が活発になり、すれ違った際のちょっとした会話の中から新しいアイディアが生まれるような環境をイメージして設計しています。
▼新設された集中ブース
集中ブースは要望が多かったこともあり、予想以上に活用されています。社員それぞれが自分のワークスタイルや状況に合わせて、デスク以外で仕事ができるエリアを増やしたことで、良い気分転換にもなり、パフォーマンスも良くなっているように感じます。
▼気軽に打ち合わせできるファミレスブース
ミーティングブースは、スタンディングでも、ソファに座っても、同じホワイトボードを見ながら話ができるようになっています。
▼スタンディングでも会議に参加できる工夫が!
特にゲーム部門は各スタジオのプロジェクトメンバーが20名程いるので、皆がひとつの場所で議論できるよう、大人数向けのオープンなスペースを用意しました。
▼大人数でも会議ができる
社員がイキイキ 毎日15分早く出社する社員も
オフィスを移転してからは、社員がイキイキと仕事をしてくれているので、やはり気分が違うのでは、と感じています。「移転してから毎日15分早く来るようになりました」と話す社員もいます(笑)
ギークスでは、社内だけでなく外部のエンジニアの皆さんにも勉強会などを開催する際に、ビッグテーブルスペースとセミナールームを「21cafe」(ニイイチカフェ)として、無料でお貸し出しを行っています。
また、「TECH VALLEY」(テックバレー)という技術イベントをギークス主催で開催するなど、これらの取り組みを通じて、社内外のエンジニアが交流を深め、エンジニアネットワークを形成する場になっています。今後もこうした交流の場として、更に活用できる場所にしていきたいと思っています。(了)