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履歴書ナシで「まず現場が会う」ダイレクトリクルーティングを成功に導く運用のカギ

今回のソリューション:【Switch./スイッチ】

〜Facebookと連携したダイレクトリクルーティングツール「Switch.」を用いて、半年強で3名の「尖った若手」の採用に成功している事例〜

採用活動では、採用候補者と将来の配属先である現場との距離が離れがちだ。人事担当者や採用エージェントといった第三者が間に入り、何度かの面接を経たあとで、ようやく現場で働く人に会えることも多い。

設立10周年を迎え、「Kingsoft Internet Securty」などのPCソフト事業から、世界16億ダウンロードを誇る「Cheetah Ad Paltform」を使ったモバイル広告事業やアプリ事業などにも事業の幅を広げ、成長を続けているキングソフト株式会社。

同社では、採用候補者と現場の距離を縮めるために、候補者の選定の段階から現場の社員が採用活動に参加し、一次面接も事業部の責任者が行うようにしているという。

なかでも、ダイレクトリクルーティングを行う際は、まず履歴書なしで事業部の責任者と面談をする場を設けている。それにより、候補者が入社後のキャリアイメージをより明確に描くことができるようになり、半年の間に3名もの採用に成功したという。

今回は、同社の人事Divマネージャーの石村 理奈さんと、ダイレクトリクルーティングサービス「Switch.(スイッチ)」を通じて入社し、現在はWeb広告の営業に携わっている露木 良介さんに、採用についてお話を伺った。

▼Switch.で登録者をスカウト

ITベンチャー・キングソフト株式会社で採用を担当

石村 2006年に新卒でセコム株式会社に入社して、約1年半、個人向けの営業を担当した後、医療系の子会社で7年ほど人事として働いていました。

ただ、ネームバリューのある会社では、人を集めるときに自分の創意工夫が必要なかったんですよね。採用の成果も、会社の力による部分が大きいところがあって。

そこで仕事を続けているうちに、「自分自身の力」を試してみたいと思うようになりました。そして2012年に、当時は創業7年目だったキングソフトに入社しました。現在は、採用チームのマネージャーとして、新卒と中途採用の両方を見ています。

露木 僕は、2013年に新卒で、スタートアップ企業に入社しました。創業2年目の会社で、僕が5人目だったのですが、営業を中心に3年間様々な業務をさせていただきました。

キングソフトには2016年1月に入社し、Web広告の営業を担当しています。外資系の企業で働くことで、少し視野を広げたいなと思ったんです。

実際、入社してみて、コアタイムの無いフルフレックス制度や、日系企業では見かけないような働き方も認められていて、自分への刺激になっています。

広告営業の採用に苦戦し…「Switch.」の活用を開始

石村 弊社の中途採用は、一般的な求人広告やエージェントだけでなく、ダイレクトリクルーティングも積極的に利用しています。ダイレクトリクルーティングには複数のツールを併用していて、ミドル層の採用には「ビズリーチ」、若手の採用には、Switch.(スイッチ)を使っています。

Switch.は2015年の夏ごろから使い始めたのですが、きっかけは、広告営業の採用に苦戦していたことでした。

様々な媒体を試してみたのですが、あまり効果を感じられなくて。そもそも、弊社の広告部門は立ち上げたばかりで、「キングソフト=広告」というイメージがないところからのスタートだったので、なかなか難しいものがありました。

そこで、他のアプローチができないか社内で相談していたところ、人材業界出身の社員から、「こういうのがあるからやってみれば?」と勧められて、Switch.を使い始めたんです。

SwitchはFacebookと連動しているので、採用候補者へFacebookでの通知を通じてスカウトが送れます。利用者の多いSNSと連携していて、たくさんの候補者にアプローチをすることができるので、広告営業の担当者募集のために使い始めましたが、現在は他の職種の募集の際にもSwitchを使ってスカウトを打っています

▼Facebookでスカウトが通知される

なお、Switch.でスカウトを打つのは、募集している部署の現場の人にお願いしています。そして、Switch.で興味を持ってもらい、メッセージを交換した後も、まず人事ではなく現場の責任者に面談をお願いしています。結局、採用候補者の方が入社後に一番関わるのは、現場で働く人間だからです

現場の人と最初に話せたことで、実際に働くイメージを持てた

露木 自分は転職活動をする際に、基本的にエージェントは使わず、知人の紹介がメインだったのですが、2015年の夏にSwitch.に登録してみました。キングソフトに決めるまではSwitch.経由で5社ほど話を聞きにいきましたね。

Switch.経由の採用を受けてみて良かったことは、一旦履歴書なしで、その企業に一度話を聞いてから、選考を受けるかどうかが決められる点でした。求人票だけを見て応募をするのではなく、一度企業と接点を持つことができるので、自分の中で納得感を持った上で選考に進むことが出来るので。

特にキングソフトの面談では、今僕のいる部署の部長が直接話をしてくれたので、実際の業務や会社について色々と聞くことができたんです。他の企業では人事の方がお話ししてくださったんですが、やはり現場の人と話せたという部分はとても大きかったですね。

フランクな方で「なんでも聞いて」という感じで。給与、実際の業務、組織体制、今後どういうことを事業部としてやっていきたいか、求められているミッションやポジションなど、様々なことをお話できました。

ですから、働くイメージを自分の中にきちんと落としこんだ上で、選考に進むことができました。そのため、入社してからのギャップも少なかったです。

石村 弊社では、ダイレクトリクルーティングの場合に限らず、特に、採用の初回の面談に関して、現場の社員にお願いしています。

具体的なお仕事内容に関して、実際に現場でその仕事をしている社員の方が、圧倒的にリアルな情報をお伝えできるので、入社後のご自身のイメージを鮮明にしていただけますから。

採用では、他部署を巻き込むことも大切

石村 Switch.の活用が、広告営業の採用で成功したため、現在ではマーケティングの部署の採用にも使用しています。結果的にSwitch.経由では、これまでに、広告営業2名、マーケティング1名の中途採用を決めることができています

露木が入社したのは、現場の社員が協力してくれたことが大きいと感じています。現場の部長が「どんどん面談呼んでいいから。俺も会って話がしたいから」と、自分の営業の時間を、面談のために割いてくれたんです。

そういった協力的な姿勢は人事としてもすごくありがたかったですし、それが採用の成果に結びついたのだと思っています。

社員のひとりひとりに当事者意識を持ってもらえるかどうかが、採用を左右すると思っているので、他部署を巻き込む活動はすごく大事だなと実感しています。

Switch.は、ITリテラシーが高く、いい意味で常識にとらわれない柔軟な若手の採用に向いていると思います。弊社はグローバルに展開していますし、社員の国籍も様々。現在次の10年を見据えて多様な人材を継続的に募集しているので、今後も、Switch.を通じて、露木のような柔軟な視点を持った若手を採用していきたいと思っています。(了)

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