• 株式会社サザビーリーグ
  • 社長室 WEB戦略部 チームリーダー
  • 前田 泰志

ECサイトでも実店舗の体験を!サザビーリーグがECをパーソナライズする戦略とは

今回のソリューション:【アイジェント・レコメンダー】

〜レコメンドエンジン「アイジェント・レコメンダー」の活用によって、レコメンドの精度を高め、ECサイトのパーソナライズを進めている事例〜

ESTNATIONやAfternoon Teaをはじめとする、数々のライフスタイルブランドを提供する株式会社サザビーリーグ。同社のECサイト事業では、「実店舗での買い物体験をデジタルで再現すること」を、中長期の目標としている。

そのための第一歩として、2016年4月から、「サザビーリーグオンラインストア」としてモール化していたECサイトを、ブランドごとのサイトにリニューアルする動きを開始した。

その上で、レコメンドエンジン「アイジェント・レコメンダー」を活用することで、顧客1人ひとりに、最適な商品を「オススメ」できるように努めているという。

今回は、同社社長室のWEB戦略部でチームリーダーを務める前田 泰志さんに、同社のECサイト運営の戦略とアイジェント・レコメンダーの活用についてお話を伺った。

▼アイジェント・レコメンダーで商品をレコメンド

ECサイトでも「実店舗のような買い物体験」を目指す

弊社のECサイトは、以前はひとつのECサイトで各ブランドの商品を販売していました。

▼旧サイトのイメージ

バッグのSAZABYも、シューズのCAMPERや、ハイブランドを扱うESTNATIONも一緒に売っていたので、ブランドごとに個別の施策を打つのが難しかったんです。

そこで、お客様の利便性も考えて、今年の4月にECサイトのリニューアルを行いました。ESTNATION、AMERICAN RAG CIE、SAZABYといったブランドごとにECサイトを分け、きめ細かくPDCAを回せるようにしたんです。

さらにリニューアルに合わせて、店員とコミュニケーションを取りながら買い物をする、実店舗のような買い物体験を再現することを、中長期的な目標としています。

レコメンド(オススメ)する商品の「パーソナライズ」を進める

実店舗のような買い物体験を実現するためには、お客様1人ひとりに「パーソナライズ」された、オススメ商品を提示できることが大切です。そこで必要なのが、お客様の志向にマッチした商品を表示する、レコメンドエンジンです。

リニューアル前のサイトでは、各ブランドの商品が入り混じってオススメされる形になっていて…。リニューアルを機に、こちらを、ブランドごとにパーソナライズされた商品をレコメンドできるように改善しました。

そのレコメンド機能を実現するために使っているツールが、「アイジェント・レコメンダー」です。

初期費用が少なく、月々の費用も成果報酬型で、リスクが少ないので導入しやすいですね。

まだデータは少ないですが、以前よりもセットでの購入率が上がり、客単価はベースアップしています。他社様の平均と比較しても、レコメンド経由の売上は非常に高い推移になっているようです。

レコメンドするアイテムの組み合わせを、仮説検証する

いまは、トップページの「おすすめアイテム」から、商品詳細のページ、さらにカートに商品を入れるところなど、いろいろな場所にレコメンドを大きく出しています。

▼A&S IncのECサイトでのレコメンドアイテム

レコメンドする商品は、今はベーシックなものを試している段階です。これまで数年間ECサイトを運営してきた実績から、どのようなアイテムの組み合わせがクリックされやすいのか、仮説を立て、最適だと思われるレコメンドの設定を検証しているところです。

振り返りで分かった、ふたつの問題点とは?

アイジェント・レコメンダーの提供元の、シルバーエッグテクノロジーさんとは月に1度振り返りを行っています。レポーティング機能を使って、来客数、客単価、購入率などを確認して、改善施策を考えています。

その中で、見えてきた問題がふたつあります。

ひとつは、商品をカートに入れた時にレコメンドされる商品は、購入率が低いということです。この問題については、レコメンドする商品を、価格帯やカテゴリでセグメント化するようにチューニングすることで、より購入率の高い商品を提案することを目指しています。

もうひとつは、検索結果が0件になるページ、つまり「何もありませんでした」というページにたどり着くお客様の数が、非常に多かったことです。こちらについては、この秋を目処に、アイジェントレコメンダーのサジェスト検索を追加しようと考えています。

▼関連数値をレポーティングで確認(イメージ)

実店舗とも連動して、「お客様のニーズ」を考えぬくことが大切

実店舗のような買い物体験」を再現するために、実店舗で働く人とも情報交換をして、最近のお客様のニーズやトレンドをECサイトにも活かすようにしています。Web上で取れる数字だけでは、見えてこないものもあるんです。

実店舗での情報も考慮し、「自分たちのお客様はこういう方で、こんな買い方をしているのでは」「だからサイトのこの部分に、この機能を入れたら良いのではないか」ということを考えています。

このように、購買までのストーリーを考えるのは大変です。ただ、苦労して実際に把握したニーズを元に実行した施策は、結果がついてくることも多いです。ブランドよがりの、「こう買ってほしい」という安直な押しつけは、結果もあまり良くないんですよね。

昔はモールに出店して、とりあえずアイテムを出せば売れる時代でした。ただ、これからは、こういったお客様のニーズをどれだけしっかり考えて施策を打てるかで、競合他社と差がつく時代になると考えています。

今後も、よりパーソナライズされたECサイトの構築を進めたい

今後は、レコメンドの最適化を進めつつ、さらにウェブ接客ツールの「KARTE」も活用していきたいと考えています。

KARTEと連携し、よりパーソナライズされた商品をレコメンドしたり、一人ひとりのお客様に合わせたメルマガを自動配信する仕組みを取り入れていきたいですね。

これらの取り組みで、「実店舗での買い物体験の再現」という目標を目指して、よりお客様にパーソナライズされた商品の提案をしていくつもりです。(了)

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