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メルマガ開封率40%!ニフティのB2Bサービスが取り組むインバウンドマーケティング

〜インバウンドマーケティングツール「HubSpot」を活用した、eBook、メルマガ、展示会の取り組みを公開〜

従来のプッシュ型営業ではなく、見込み顧客が興味を持つコンテンツを自ら発信することで、問い合わせを獲得していく「インバウンドマーケティング」。

その際に重要となるのが、メールマガジンによるコンテンツ発信だ。しかし、メールマガジンがあふれる今、開封してもらうことすら難しくなってきており、開封率は20%を超えれば良いと言われている。

そんな中、インバウンドマーケティングを開始した、ニフティ株式会社の「NIFTY BIZ」というB2Bサービスでは、メールマガジンの開封率が40%を超えるという。

今回は、「HubSpot(ハブスポット)」を活用した、同社のインバウンドマーケティングについて、クラウド事業部の池田 紗香さんと本宿 圭太さんに、詳しく伺った。

「孤独なマーケッター」脱却のためにHubSpot導入

本宿 私は、NIFTY BIZを広げるため、セミナーなどのプロモーション活動や営業活動を行っています。NIFTY BIZは、Web活用やコスト削減など、中小企業様のIT活用を支援するサービスを取りまとめた法人様向けのブランドです。

▼左:池田さん 右:本宿さん


池田 私は、NIFTY BIZのマーケティングを担当しております。その中でも特に、EC系のサービスや「WEB販促の窓口」というサービスで、「HubSpot(ハブスポット)」を使ったインバウンドマーケティングを進めています。

EC系サービスの担当になった当初は、マーケティングを私1人で担っており、「孤独なマーケッター」でした(笑)。

サービスのお客様像が2つあったのですが、それぞれに出すメールを一通一通、個別に書いていたり、とにかく工数が足りませんでした。そこで、マーケティング業務を効率化する目的で、HubSpotを使い始めました。

HubSpotで様々なマーケティング活動を効率化

池田 HubSpotはインバウンドマーケティングのツールです。見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)や、見込み顧客の温度感を上げる(リードナーチャリング)といった、営業に案件を渡す前のマーケティング活動を効率化してくれます。

▼インバウンドマーケティングの全体像


例えば、通常のサイトは問い合わせフォームを設定して、そこから問い合わせをしてきた人が見込み顧客になると思います。ただ、いきなり問い合わせるのはハードルが高く、件数が伸びません。


「問い合わせまでは至っていないけれども、情報収集はしたい」という状況の方に向け、eBookを用意することで、見込み顧客の情報を取得しています。HubSpotを使えば、プログラミングせずにサイトにeBookを設置できるんです。

NIFTY BIZに興味がありそうな方に向けて「WEBサイトで売上アップ – 3つの集客事例」「EC-CUBEで作った店舗の画面が真っ白になったら」といったeBookをはじめ、複数のコンテンツを配布しています。

ダウンロードした方に向けて、HTMLのメルマガやセミナー開催のご案内を送り、温度感を上げていくということも可能です。

展示会を中心とした、リードジェネレーション

池田 理想的なインバウンドマーケティングの流れは、

  1. ブログを書き、記事にeBookを設置する
  2. 記事を拡散させる
  3. ブログを読んだ人にeBookをダウンロードしてもらい、連絡先を取得する
  4. 取得した連絡先にメルマガを送って温度感を上げていく

だと思います。

ただ私たちの場合、初期は1〜3の代わりに展示会への出展を行いました。というのも、ブログを書いて、記事を拡散させ続けるための工数が足りなかったからです

また、「NIFTY BIZ」のお客様像が、「Web担当者がいない中堅中小企業の総務や営業の方」でしたので、ブログを書いたとしても検索されることは少なく、Web上でリーチすることが難しいと考えていました。

であれば、展示会というリアルな場でリードジェネレーションを行ったほうが早いと考えました。ちょうどお客様が情報収集に集まりそうな「販促EXPO」という展示会があったので、そこに出展することから始めました。

▼販促EXPO出展時の様子


1回の展示会で獲得できる見込み顧客は、100〜300人です。以前は、ぬいぐるみなどノベルティグッズと引き換えに名刺をいただいていたのですが、現在は展示会で配布している「売上げアップ3つのコツ」「Webサイトの成功事例」という冊子を受け取った方だけを見込み顧客としています。

さらに、サービスへの関心度やお困りの内容を見極め、その後に具体的な支援が行えるように気をつけています

この活動を始めて1年で、1,000人強の見込み顧客を獲得できました。今では、展示会だけではなく、ブログを書いて獲得する活動も始めています。やはり展示会はお金も体力も使うので…(笑)。

セミナーの案内・報告メールでリードを育成

池田 リードジェネレーションの後は、見込み顧客の温度感を上げるリードナーチャリングを行います。獲得した見込み顧客に対して、HubSpotでメルマガを送信し、サービスへの温度感を上げていきます。

通常は、ブログなどを書いてメルマガで送るパターンが多いと思います。ですが弊社のメルマガは、月に1回開催しているSEOに関するセミナーの案内やレポートをお届けしています。

ゼロからコンテンツを考えて、ブログの記事を書くのは大変ですが、セミナーレポートであれば、さくっと書くことができます。

メルマガの開封率は40%超!秘訣は「個人と向き合うこと」

池田 メルマガの開封率は、一般的には20%あれば良いと言われていると思いますが、現在の開封率は40%ほどです。これは、少し自慢ですね(笑)。

多くの方に読んでいただくために、「メルマガとして出さないこと」を意識しています。最初からメルマガを意識して作ったら、「自分宛ではない=迷惑メール」と判断されやすいですよね。

お客様に役立つ情報を提供することを念頭において、あくまでも1人のお客様にご連絡する気持ちでメールを書いています。自分の名前を名乗りますし、お客様にもしっかりと名前で呼びかけるようにしています。

▼過去に送付したメルマガの例(画像はテスト送信時のもの)

また、隔週で社内勉強会を開いて、社内のメンバーにレビューをしてもらっています。1人のお客様に送るようなメールになっているか、お客さんが理解できる言葉づかいになっているかなど、細かくチェックしています。

そうして個人に向き合ったメールを送っていると、セミナーの欠席メールを私個人宛にいただくこともあります。「池田さんすみません、今日行けなくなりました」というように。

現実的には、お客様一人ひとりにメールをすることは難しいのですが、HubSpotの機能を活用したり、一人ひとりに向き合ったメッセージになるよう心がけたりすることで、このようなコミュニケーションができているのかな、と思います。素直にうれしいですね。

他にも、HubSpotでメルマガの反響を確認しながら、コンバージョンボタンの文字サイズの改善などを繰り返し、クリック率3%を実現できるようになりました。

現在、セミナーは月に1回、定員50席に対して毎回70〜80人の申し込みがあります。メールだけのコミュニケーションでも、たくさんの方にお客様に足を運んでいただけています。

本宿 セミナー後に実施している相談会には、毎回10人ほどに参加いただいております。

セミナーに何度か来ていただいた後に、相談会にご参加いただくこともあるので、セミナーが見込み顧客の皆さんの温度感を上げるナーチャリングの場になっていると感じます。

池田 相談会にご参加いただいたお客様の情報は、MQL(マーケティングクオリファイドリード)として営業に引き継ぎます。

インバウンドマーケティングで、「真のペルソナ」が見えてきた?

池田 インバウンドマーケティングを1年実施してみて、われわれがフォーカスすべきお客様像(=ペルソナ)のことをより理解できるようになったと思います。

NIFTY BIZのペルソナとして、当初は「Web担当者がいない中堅中小企業の総務や営業の方」を設定していました。というのも、Web担当者がいる企業であれば、SEOなどのWeb販促のサポートは特に求めていないだろうと思っていたためです。

ただ、セミナーを1年開催していく中で、一番参加していただいているのは、企業のWeb担当者だということがわかりました。


「やりたいことはあるけれど、手が回らない」「プラスアルファの取り組みをしたい」「コンサルをして欲しい」というニーズをもったWeb担当者が多いことに気づけたんです。

これをもとにペルソナを再設定し、その新しいペルソナ向けのサービスも始めました。ペルソナは、実際にインバウンドマーケティングを行う中で、常に見直していくことが重要だと感じます。

顧客理解を深め、営業に活かしていきたい

池田 HubSpotを入れたことで、確度の高い見込み顧客を見極めて、効率的にアプローチができるようになりました。展示会で獲得した見込み顧客に対して、メルマガでアプローチしたのち、好反応のお客様だけを営業に渡すことができます。

本宿 マーケティング活動を効率化するだけでなく、HubSpotを活用したインバウンドマーケティングで、お客様のことをより理解できるようになったと思います。


これは、営業する側にとっても嬉しいですね。これからも顧客理解を深めながら、NIFTY BIZを広げていきたいと思います。(了)

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