• 株式会社ウェルクス
  • 代表取締役
  • 三谷 卓也

月174時間かけていた仕事が0分に!?ルーティンワークを自動化する、「ロボット」とは

今回のソリューション:【Robostaff/ロボスタッフ・CloudSign/クラウドサイン】

〜単純作業を自動化する「Robostaff(ロボット)」、クラウド上で契約書を取り交わせる「CloudSign」などを活用して、事務作業にかかる労力と時間を劇的に削減した事例〜

仕事には、「ルーティンワーク」がつきものだ。それがあまりに多いと、社員は疲弊して、時には会社を辞めてしまうこともある。

保育士の人材紹介など数多くの事業を手掛け、3年で社員数が140名まで拡大した、株式会社ウェルクス。

同社も、人材紹介で必要な大量のFax送信という単純作業について、同様の課題を抱えていた。作業に携わっていたスタッフが、「終わりが見えない」と退職してしまったのだ。

同社代表の三谷 卓也さんは、その状況を変えるために、RPAソリューション「Robostaff(ロボスタッフ)」(※通称ロボット)を導入。Fax送付の仕事を、ほぼ完全に自動化した。それにより、人が月174時間かけていた作業が、0分で完了するようになったという。

社員には、ルーティンワークではなく、付加価値を作る仕事を任せたい」と語る三谷さん。
今回はそんな三谷さんに、その「ロボット」についてと、同じく仕事を効率化させた、契約書をWeb管理できる「CloudSign(クラウドサイン)」について、詳しくお話を伺った。

営業代行から、「社会問題を解決する」自社サービスへ事業転換

新卒以来、10年近くずっと営業畑を歩いてきました。ただ、前職での最後の1年半は、Webマーケを担当させていただいたんです。

それで「営業もマーケもできるなら会社に所属している必要はないな」と思い始めていたんですね。そこで、当時の同僚と大学の後輩と一緒に、ウェルクスの前身となる会社を創業しました。

最初の事業は営業のアウトソーシングでした。ただ、それだとクライアント企業に売上が大きく左右されてしまうので…。アウトソーシング会社の設立から約1年後にウェルクスを創業し、「保育士」の人材紹介という自社サービスを立ち上げました。

それが軌道に乗って以来、「社会問題の解決」をテーマとして、障がい児の放課後等デイサービスなど、かなりの数の事業を立ち上げています。おかげさまで社員数も、3年で140名にまで成長しました

「人材紹介」事業に必要な、Fax送信の事務作業が負担に…

事業をどんどん拡大していく中、弊社が抱えていた課題のひとつに、事業に必要な事務作業の負担がありました。

例えば、Faxの送信業務です。弊社の人材紹介は「求職者ありき」なので、求人情報を保育園や託児所にFaxで一斉送付して、お問い合わせを受けるという形になっています。

ただ、この仕事がかなり大変で…。1回のFax送付に、10分程度の単純作業が必要なんです。直近でいうと、一月に1,042件送っているので、月間で174時間かかっている計算になります

しかも、やはり味気ないルーティンワークなので、面白みもなく…。以前は、事務の社員にやってもらっていたんですが、さすがに「終わりが見えない」と退職してしまったんです。

その担当者はとても優秀でしたので、他の人を雇っても、また同じことになるだろうなと思って。半年ほど、その作業はすべて私がやっていました。1日に4時間以上を使っていましたし、やっぱり、面白くもない。正直、大変でしたね。

ルーティンワークを自動化する、「Robostaff」とは?

そんな時に出会ったのが、ロボット派遣の「Robostaff(ロボスタッフ)」です。普段は「ロボット」と呼んでいます。ロボットと言っても、実際に形のあるロボットではなく、高機能な「マクロ」のことなんですよ。様々な作業を、プログラミングによって自動化するシステムです。

▼ 単純作業を自動化する「Robostaff」

提供元の株式会社Sprout upさんに、「何ができるのか」を相談させていただいたところ、弊社でやりたかったことはすべて実現することができました。

例えば、Fax送信の自動化です。弊社のFax送付は、求職者のリストを保育所や託児所に一括送信するというものです。流れとしては、まず社内システム上に、現場からFaxの配信依頼が、求職者のリストと諸々の条件とともに上がってきます。

それを見ながら、今度はGoogleドライブにある、送付先のマスターリストにフィルタをかけていきます。

例えば、送付するべき事業所は、保育園なのか、幼稚園なのか、託児所なのか、そして、どこの市町村を送付先に含めるのか、さらに送付NG先はあるのかなど…。多い場合は、10回ほどフィルタをかける必要が出てきます。

最後に、「L-net」というFaxの一斉送信システムにログインして、求職者のリストと、フィルタをかけた送付先リストを読み込ませ、Faxの送信を済ませます。

ロボットは、この作業をすべて自動で行ってくれるんです。月に170時間以上かかっていた仕事が、いまや0分で済んでいるんですよ。

ロボットの動きは、タグや座標を使い、クリックする場所を特定することで制御しているようです。Googleドライブなど、ASP型・クラウド型のサービスであれば、ほぼ対応できると聞いています。

かなり汎用性が高いサービスだと思うので、自社で抱えているルーティンワークを自動化できないか、まずは相談されてみることをお勧めしますね。

弊社でも、メルマガの作成の一部や、アクセス解析の結果の集計などにも応用していこうと思っています。

求職者の入所意思をたしかめる、書面のやり取りにも課題が…

もうひとつ課題だったのが、人材紹介で、事業所側が採用通知を出した後に、求職者の側に入職意思を確認するフローです。

求職者の方から、確認書類に署名と捺印をいただかなければならないのですが、対面や郵送では時間も手間もかかるため、こちらもFaxでやっていました。

ただ、Faxを持っていない方も多くて…。しかも、弊社では、この書類の受領によって営業売上を計上する仕組みとしていたため、月末は本当に大変でした。

営業が求職者の方に電話をして、求職者の方にFaxが使えるコンビニに走っていただくという感じで…。工数もかかりますし、単純に求職者の方にも申し訳なかったですね。

Web上で契約書を取り交わせる、「CloudSign」を導入!

そこで導入したのが、「CloudSign(クラウドサイン)」です。こちらは、メールとWebで契約書を取り交わせるサービスですね。

▼ 契約をWebで完結させる「CloudSign」

具体的には、こちらから求職者の方に確認書類へのリンク付きのメールを送ります。求職者がそれを開いて、確認し、サインすることで、契約書として有効な書類ができます。

スマホ上でも契約書の取り交わしができるため、求職者の方にとっても非常に便利です。

CloudSignのおかげで、営業が電話によって催促する必要もほとんどなくなり、営業工数が1割ほど削減されました。求職者の方の手間も減ったので、とても良かったですね。

現在では、採用側である事業所の方との契約書の締結にも、CloudSignを活用しています。

社員には「付加価値を作る仕事」に集中して欲しい

私自身は、実はそんなに「ツール好き」というわけではないんです。けれどやはり社員には「付加価値を作る仕事」に集中して欲しい。ツールを使って業務の効率化が可能なのであれば、今後も積極的に導入していきたいと思っています。

弊社全体の目標は、「社会問題の解決」という大枠の中で、大手にとっては参入するメリットが小さい、売上でいうと10億円ほどの規模のビジネスを100個立ち上げることです。

いまはまだ保育士の人材紹介と放課後等デイサービスの2つしか、10億円は見えていないので、会社としてはまだ目標の2%にしか到達していません。

今後も、多くの方々に来ていただき、付加価値を作る有意義な仕事に注力してもらうことで、いろいろな事業を立ち上げていきたいと考えています。(了)

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