- 株式会社div
- 取締役
- 中山 紗彩
ゼロからの企業広報!数値化できない会社の魅力を「ストーリー」で伝える理由とは?
今回のソリューション:【PR Table/ピーアールテーブル】
〜プログラミングスクールTECH::CAMPが「ゼロ」から始める企業広報!「PR Table」活用により、「ストーリー」を通じた広報活動を実践している事例〜
企業のブランドイメージを作り上げる「広報・PR」活動は、顧客を獲得するためにも、優秀な人材を採用するためにも、あるいは社員の結束を強めるためにも、極めて重要だ。
しかし、「すぐには効果が見えにくい」「具体的に何をすればいいのか分からない」といった理由で、おろそかにしてしまっている企業も多い。
「未経験から1ヶ月でサービスを作れるエンジニアになれる」がコンセプトの、実践型のプログラミングスクールTECH::CAMPを運営するスタートアップ企業、株式会社div。同社でも、最近まで「広報」に関してはほとんど着手をしていなかったという。
そんな同社に広報担当、そして取締役として新任したのが、リクルートで新規事業「うさぎノート」を立ち上げた中山 紗彩さんだ。
中山さんは何もなかった広報の仕組みをイチから整えると共に、「ストーリーテリング」によって企業広報を支援するサービス「PR Table(ピーアールテーブル)」を活用。外からは見えにくい、自社の魅力を伝える試みを始めている。
今回は、中山さんに、divに参画した背景、そして「ストーリー」に重点をおく広報の取り組みまで、詳しくお話を伺った。
▼「ストーリー」を使って自社の魅力を発信する試みとは…(実際の投稿記事)
学生時代から、複数の大手企業の女性向け企画の支援を経験
大学時代にITベンチャーでインターンをしたときに、同世代の起業家さんたちと触れ合う機会があって。「同世代にこんなすごい人たちがいるんだ!」と触発され、私も自分にできることをしよう、と思うようになりました。
今となっては恥ずかしいのですが、最初は「パジャコレ」というパジャマにフォーカスしたファッションイベントを企画・開催したんです。それがどういうわけかTwitterのトレンドに入ったり、Ustreamで1万人ぐらいに視聴していただいたり…俗っぽくいえば「バズった」んですよ。
それをきっかけに「女性に刺さるコンテンツ作り・マーケティング」という方向で、ありがたいことに仕事依頼のお声がかかるようになって。個人事業主として、例えばリクルートさんのティーン女性向けアプリケーション開発などの仕事をさせていただきました。
新卒ではリクルートに入社、1年目に「うさぎノート」を立ち上げ
ただ将来的には、個人事業主よりも社員とそこに関わる人の可能性を最大化できる、持続可能な組織を作ることに思いがありました。そこで個人事業主は一旦やめて、経営者になるためのバリューアップを図ろうと、新卒でリクルートキャリアに入社しました。
▼株式会社div 取締役 中山 紗彩さん
経営者としてのスキルを要素分解し、それを持続可能な状態まで仕組み化する経験を積む、ということが入社目的だったので、入社前から新規事業の準備をしていました。
そして入社直後の5月に、New RINGというリクルートの新規事業の提案制度に応募したところ、運良く事業化に進めることができたんです。
それで立ち上げたのが、学校の先生と保護者との間の連絡をIT化するサービス「うさぎノート」でした。
そこからさらに1年後の審査で、「うさぎノート」はこれまた運良く次のステージへと事業が進み、資金と人員の増強がなされました。
私は初めから、そこを突破することをひとつのリクルートで成し遂げることのゴールとして設定していました。自分が始めた「うさぎノート」は私の手を離れても続いていく「仕組み」になったと思えたので、そのタイミングで、初志貫徹しようとリクルートを退職しました。
株式会社divに「広報」担当の取締役として参画
もともと退職後は、自分で起業しようと思っていたんですね。けれど以前から親友で、自分の価値観や信念、人生で成し遂げたいことなどをよく話し合っていた弊社代表の真子に声をかけてもらいました。
真子は「自分は仲間と一緒に高みを目指して挑戦しつづける人生こそ、最高の財産だと思っている」「頑張っている人の頑張りが白けるようなことは絶対に起こしたくない」みたいな、なんていうか熱い、かっこいいことを普通に言えちゃうタイプなんですよ。
私も「一見そうは見えないけど内心熱さを持っているタイプ」だとよく言われるので、似たものを感じていました。
また、真子が定めたdivの会社理念は「人生にサプライズを」というものです。私も「自分が関わる人の可能性を引き出し、その人の人生を豊かにしたい」と思っているので、目指していることが近くて。
こういった理由で、一旦2ヵ月間だけ、お試しでチームに入りました。コミットしつつ、自分の考えを見つめ直し「自分はどんな状態で最大価値を発揮できるのか」と問い続けました。
結論としてそれは、「熱い仲間たちと高い目標を掲げ、仲間及び関わる方々の可能性を最大限に引き出しながら、新しい価値づくりに挑戦し続けられる場所だ」と気付きました。
▼新たな仲間たちと、新しいチャレンジへ
その目的から逆算して考えたときに、自分で起業して、自らがトップに立つよりも、「div社の経営メンバー」に自分が介在する方が、自分の価値を大きく発揮できるのではないか、という結論に至りました。そして、div社に入社することにしました。
現在は経営企画、広報、アライアンス業務を主務としながら、人手が足りていない他の業務にも柔軟に対応しています。中でも「広報」には特に力を入れ、イチから仕組みを作り、色々と仕掛けをしています。
「広告は顕在的ニーズにしか届かない」「広報」の役割とは?
私が入社したとき、弊社では「広告活動」はされていましたが、「広報活動」についてはほぼ未着手の状態でした。
そして、ちょうどその当時は、「広告でリーチできる層のアップサイドが見え始めてきてしまっている。これから、いかにその層の外にリーチしていけるかということが、事業成長の鍵になる」というような議論がされている状況でした。
広告と区別できる広報の役割は、大きく分けると2つあると思っています。
ひとつ目は潜在的なニーズの掘り起こしです。
弊社で言うと、日本ではプログラミングはまだ「一部の人だけの専門技能」と思われていることが多いんですね。すでに顕在化されている「プログラミングを学びたい」というニーズを拾うだけではなく、もっと多くの人に「プログラミングを学びたい」と思っていただけるような啓蒙活動が必要です。
ふたつ目は自社のブランディングです。
今の時代、機能や価格でサービスを差別化するのは難しい。事実、同じようなコンセプトのプログラミングスクールもたくさんあります。そうすると大事になってくるのが、ブランドによる差別化です。
自社について、機能や価格に還元されない、ポジティブな唯一無二のイメージを持ってもらうことが大切になると思っています。
共感を生み出すストーリーこそが「広報」の鍵
このようなことのために私が重要だと思っているのが、「共感」を生み出せる「ストーリー」です。
弊社ではブログを運営していて、主に卒業生にインタビューを行っています。
▼ブログで、サービスの卒業生のストーリーを発信
「プログラミングを学んでよかった」「プログラミングの習得は人生の可能性を広げる」ということを、実体験に基づいたストーリーとして語っていただいています。現にそれに共感して、「プログラミングを学びたい」と、受講生になってくださった方もたくさんいます。
企業としても同じように、「共感」を持ってくれる人を増やしていきたい。そこで利用しているのが、ストーリーを用いて企業の広報・PR活動を支援する「PR Table(ピーアールテーブル)」というプラットフォームです。
PR Tableには「起・承・転・結」の4コマに分かれた執筆画面があり、それに沿うことで、簡単に自社のストーリーを執筆、PR Table上に公開できます。画像や動画を挿入することも簡単です。
▼「起・承・転・結」の各コマに、ストーリーを書いて画像を入れる
ストーリーを自分で作成・公開する分には無料で、それでもオンラインで簡単な校閲やアドバイスを受けられるサービスが付いています。
記事を公開したあとに、メールで具体的な広報視点でのアドバイスをいただけたので、びっくりしました。有料ですが、ストーリーの作成そのものを依頼することもできます。
PR Tableでは、ストーリーを用いることで、会社の「公式」のものではありながら「ソフト」な情報、例えば社員1人ひとりの思いや、数値化できない会社のカルチャーなどといった「定性的」な情報を伝えられるのが特徴です。
PR Tableのような場所があることで初めて、ストーリーを発信し始めたり、自社の中にストーリーがあることに気づいたりする企業も多いはずです。個人的には、PR Tableをきっかけとして、もっともっと会社の中の個人に焦点が当たるようになったら素晴らしいと思います。
今後は採用活動も見据え、自社のストーリーを発信していきたい
弊社では具体的には、代表真子のメッセージや、私の誕生日に社員のみんなが準備してくれたサプライズ演出の話などを、ストーリーとして発信しています。
▼実際に同社がPR Tableに投稿している記事
弊社の社員とメンター、経営陣が分け隔てなくの仲の良い様子、そして「人生にサプライズを」という企業理念を、会社としてではなく、社員1人ひとりがプライベートでも実践している様子が伝わって、それに共感してくれる人が集まってきてくださればいいな、と思っていますね。
社員が活躍するためには、会社のカルチャーとその人自身がフィットしていることがとても大切です。つまりこのように自社のカルチャーを発信することは、よい採用活動にもつながるはずです。今後はそのようなことも見据えつつ、弊社の仲間たちのストーリーを発信し続けていきたいですね。(了)