- Sekai Lab Pte. Ltd.
- Webマーケティングディレクター SEKAI LAB TIMES編集長
- 布井 佑佳
Web訪問者1人ひとりの行動履歴を細かく分析!無料で使えるアクセス解析ツールQLOOK
今回のソリューション:【QLOOK(クルック)】
〜問い合わせユーザー毎の行動履歴をQLOOKで取得し、サイト改善のヒントを得ている事例〜
自社サービスなどを紹介するWebサイトのマーケティング効果を高めるためには、まずそのサイトのアクセスデータを見る必要がある。サイト全体のPV数のようなマクロに状況を捉えるデータと、ユーザー1人ひとりの行動といったミクロなデータ。サイトを改善する上ではその両方が必要になり、さらに大切なのは、それらのデータを見やすい形で管理することだ。
これらの要件を満たすためにまず導入しやすいのは、Google アナリティクス(GA)のようなアクセス解析ツールだ。しかしGAだけでは必要な情報を捉えきるのは難しい。というのも、例えばGAはサイトへのアクセスに対する大きな流れを把握するのに優れている、といったようにそれぞれのツール毎に最適なユースケースがあり、1つのツールで全てはカバーできないからだ。
世界6カ国で提供されるグローバルソーシングサービスの、セカイラボ。同サービスでは、ユーザー毎の細かい導線分析を行うために、解析ツール「QLOOK(クルック)」を活用しているという。同社でWebマーケティングディレクターを務める布井 佑佳さんに、詳しいお話を伺った。
世界で約400名が携わるグローバルサービスのWebマーケを担当
弊社の親会社のモンスター・ラボに入社したのは、約2年前です。代表の鮄川やCOOの大熊と話す中で理念に共感したのと、働く人も世の中にいい影響を与えたいと思っている人が多いと感じて、1年半ほど勤めた前職のITベンチャー企業から転職しました。
弊社はグローバルソーシングサービス「セカイラボ」を通じて企業様のオフショア開発を支援しており、6カ国の海外拠点を含めると、約400名が携わっています。入社した当時はセカイラボがサービスを開始する1ヶ月前で、私はリリース準備の部分から関わってきました。1年ほど前からは主にグローバル含めたWebマーケティングに関する、分析及び施策の実行を担っています。
セカイラボのマーケティングチャネルは、Web、電話、セミナー、イベント出展で、それぞれ専任の担当者がついています。私が担当しているWebに関しては、サービスサイトやLPからの流入に関する数値を見ながら、A/Bテストの実施やサイト構造の改善を通じて、Web経由の売上を最大化することを目指しています。
無料ツール「QLOOK」で、ユーザー単位の行動を細かく把握!
WebサイトやLPの解析には、3つのツールを使っています。まず、サイト全体のアクセス数といったマクロな数値の把握には「Google アナリティクス」を使っています。次に、ユーザーのページ内の行動を把握して分析するために、ヒートマップツール「Ptengine」を活用しています。
さらに、ユーザーごとの時系列の動きの分析にはアクセス解析ツール「QLOOK」を使っています。QLOOKは、ユーザー1人ひとりのWebサイト上でのアクセス履歴を分かりやすい形で表示してくれる解析ツールです。シンプルなUIで、サイトに関する数値を簡単に確認できます。例えばログインしてサイト全体のアクセス数を見ると、まず1日のビジット、セッション、PV数が1時間ごとに棒グラフで分かるようになっています。
そして、「◯◯時」の部分をクリックすると、その時間帯にアクセスした人のビジターIDの一覧が分かるようになっています。
そのIDをクリックすれば、そのユーザーの過去1週間のアクセス履歴が確認できます。
さらに、◯◯時△△分〜□□時☓☓分までの間に、その人が何度サイトを訪問したか、どのページにアクセスしていたかまで確認することができます。
問い合わせを行ったユーザーの行動分析⇒改善アイデアへ
QLOOKのデータは、主に問い合わせユーザーが「問い合わせ」をするまでにどのような行動をとったか、ということを分析することに役立てています。QLOOKで確認したデータをスクリーンショットして、保存することでログを残すようにしています。
具体的に言うと、ユーザーAさんは13時近くにトップページに来て、サービス一覧を見て、会社概要を見た後に問い合わせている、といったことが把握できます。そのデータを蓄積していくと、問い合わせをしているユーザーの行動の傾向が掴めるので、導線を改善することに役立てています。
また、ページごとの課題を洗い出すためにも使っています。例えばアクセス数は多いのに滞在時間が短いページがあれば、情報を追加するなど改善のアイデアをそこから導き出すようにしています。
さらに、個別のアクセスがどの国から来たのかもわかります。グローバルにサービスを展開しているので、英語版のサイトからお問い合わせがあった場合でも、どこの国からのアクセスなのかがすぐに分かってありがたいです。
サイト全体の改善に貢献 問い合わせ数の増加に貢献
弊社のサイトでは複数のターゲットを想定しているのですが、QLOOKのデータを活用することで、コンバージョンに至っているユーザーをターゲット属性毎に分類して、それぞれの属性でコンバージョンに至るまでの経路を比較できるようになりました。
比較を通して、属性ごとの行動に違いがあることが見えてきたので、それをもとにコンテンツや導線で改善すべき点や新しく追加するものを考えてサイトの改善につなげることができました。結果的にサービスサイトの導線改善やA/Bテストの実施などによって、月間のお問い合わせが1年で3倍以上になっています。
月500円ほどの運用費用 原始的でシンプルなUIが愛らしい
QLOOKには無料版と有料版があります。無料版だとサイトにQLOOKの広告が表示されてしまうのと、ログがすぐに消えてしまうので、弊社では広告表示がなく、ログも一定期間保ってくれる有料版を導入しています。料金はPV数に応じて変わるのですが、弊社の場合は月500円ほどで運用できています。
QLOOKはちょっと原始的なUIなのですが、個人的にはそこが愛らしいと思っています(笑)。必要最低限の機能を提供していて、シンプルで見やすいので日々の運用でも使いやすいです。安価で導入しやすいので、予算があまりない企業でもわずらわしい決済をしなくて済みます。
ユーザー行動の分析を改善に活かしたいと考えていて、弊社のように日々問い合わせの件数がそれほど多くない企業の担当者の方にはオススメできると思います。
今後は、グロースハック体制を強化して、日々の記録を取りながら改善策を導き、A/Bテストを行い、実装するという一連の流れをしっかりとやっていきたいと思います。そのためにQLOOKを今後も使って、きめ細かいユーザー行動の分析をしていきたいと思っています。(了)
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