- シックス・アパート株式会社
- 広報マネジャー Six Apartブログ編集長
- 壽 かおり
Webのリード獲得率が2倍に! 訪問者の導線もわかるインバウンドマーケツール「Leadin」
今回のソリューション:【Leadin(リードイン)】
〜無料ツール「Leadin」を活用して、サイト上のポップアップメッセージでメルマガ登録を促し、登録率が2ヶ月で2倍に。さらにリード毎の経路分析が可能になり、コンテンツ企画にも役立った事例〜
多くのオウンドメディアでは、ゴールのひとつにリード獲得を設定している。しかし、リード獲得のための導線が万全になっている企業はどれだけあるだろうか。
シックス・アパート株式会社は、CMSプラットフォーム「Movable Type」などを提供する2003年創業のベンチャー企業である。同社のオウンドメディア「Six Apartブログ」では、無料ツール「Leadin(リードイン)」を導入して、ポップアップメッセージでメールアドレスの登録を促したところ、導入2ヶ月でメルマガ登録率が2倍になったそうだ。
それだけではなく、Google Analyticsではできなかったリードごとの流入経路の分析ができるようになり、コンテンツ案の作成にも有用なヒントを得ることができたという。Six Apartブログの編集長である壽 かおりさんにお話を伺った。
マーケ、エンジニア、広報を務め、オウンドメディアの編集長に
私は現在、弊社の運営するWebマーケター向けオウンドメディア「Six Apartブログ」の編集長を務めています。
これまでのキャリアとしては、2001年に新卒でWebメールソフトウェアを開発する会社に就職し、最初の2年はマーケターとして、その後PHPのエンジニアとして製品開発に携わりました。
その後2005年にノルウェーに本社があり、ブラウザを提供する会社Opera社に転職し、BtoBとBtoCのマーケティング・コミュニケーションと広報を担当しました。2010年に、先に転職していた上司に誘われて入社したのが、シックス・アパートです。
シックス・アパートではZenbackという製品のプロダクトマネージャーを担当し、2014年からは広報とSix Apartブログの業務に携わっています。
Google Analyticsでは導線分析に限界があり、Leadinを導入
シックス・アパートでは広報およびマーケティング活動の一環として、2012年3月から「Six Apartブログ」というオウンドメディアを運営しています。
企業の名前を背負って情報発信している人たちのために、我々の実践や他社インタビューから役に立つ情報を発信することを目的にしたメディアです。いわば、オウンドメディアを運営する人に読んでもらいたい、オウンドメディアです。これまでにおよそ330記事を配信してきました。
メディア運営の成果として計測しているKPIのひとつは、会社の公式SNSアカウントのフォロワーやメルマガ登録者の獲得です。そのため、以前より記事の下に「Six Apartブログを購読しませんか?」という自社開発のメールアドレス登録フォームを設けていました。
その登録フォームからのメルマガ購読数については、以前よりGoogle Analyticsで確認していました。ですが、Google Analyticsでは、登録に至るまでの訪問経路を細かく見ることはできませんでした。メルマガ購読への導線を改善すべく、より厳密にデータを取る方法や見せ方について情報収集していました。
そんな中、2015年9月にWordPress用として提供されていた「Leadin」という無料ツールが、すべてのCMSと連携可能になったというニュースを見ました。まずは、個人のブログでLeadinの機能と動作を試してみたところ問題がなさそうだと分かったので、Six Apartブログでも利用を開始しました。
しつこくないメルマガ登録ポップアップ&個別の経路分析も無料で
Leadinは、インバウンドマーケティングのツールを展開する、米国HubSpot社が提供している無料ツールです。このツールを導入すると、2つのことが実現できます。1つめは、ブログの記事ページなどにポップアップ形式でメールアドレス登録のアクションを促すメッセージを表示できること。「メルマガを購読しませんか? 」というメッセージを表示し、訪問者はそのメッセージ内に直接メールアドレスを入力できます。
▼サイト上にポップアップ形式のメールアドレス入力フォームを設置できる
ポップアップは画面をある一定以上スクロールして読み進めていくと表示されます。PC版の場合は右下から、スマホでは最下部に表示され、自然に視線に入り込む感じです。
▼スマホの場合には最下部にフォームが表示される
不要であれば、ポップアップメッセージの閉じるボタンを押すと、そのブラウザには再びポップアップメッセージが出てきません。読者にとってしつこくならずに、アクションを促すことができます。
Leadinで実現できることの2つ目は、実際にアクションを起こした人のサイト上における行動分析です。メールアドレスを登録した人が、どのルートから来てどの記事を読んで登録に至ったかという行動経路をLeadinのダッシュボードから確認できます。
新規登録の度にメールが来て、その人がどのページを見て登録したかがメール上でも確認できます。新しい記事を公開したときに、どのような行動があったかが、ほぼリアルタイムにわかるのです。
▼獲得したリードの行動分析がリアルタイムに実現できる
具体的には、例えばメルマガに登録してくださった方の流入元が、検索、ダイレクト、ソーシャルのどれかも分かりますし、それぞれの流入経路の割合も確認できます。
記事ごとのメルマガ購読者数の傾向を把握し、コンテンツの改善へ
メルマガ購読者の行動を見ていると、記事の内容によって登録に至る行動履歴が大きく異なることがわかりました。新規公開時のみ爆発的にメルマガの購読につながる記事、記事公開から時間がたっていても毎週コンスタントに新規購読がある記事、PVが継続して多いのにもかかわらず購読には全然つながらない記事、などです。
この情報は、記事作りの参考になります。例えば、過去記事の中でも技術ノウハウ記事からのメルマガ登録率が高いことがわかったので、同じテーマを横展開した記事を企画するなど、記事作りに活かしています。
メールマガジン登録率が、2ヶ月で2倍に!
9月の中旬にLeadinを導入したところ、すぐにメルマガ登録者数に変化が現れました。毎週の登録者数が以前と比べて、約2倍になりました。11月には、ヒット記事があった影響もあり、一時的には以前の5倍にまで上がりました。期待以上の効果でした。
リピーター行動のレポート強化に期待
Leadinは、インバウンドマーケティングの中でも、メールアドレスのリード獲得部分に絞ったシンプルなツールになっています。インバウンドマーケティングツールの入門編といった立ち位置にあるようです。多機能なマーケティングツールが自社のマーケティングプロセスに合うかを試す、という用途にも合っていると思います。
Six Apart ブログは今後、新規登録者拡大のみならず、リテンション強化にも力を入れていきたいと思っています。Leadinでは、メルマガ登録者がサイトに再訪問してくれたこともわかるのですが、直近24時間でリピートしてくれた人のリストしか見ることができません。リピーターの行動がより見やすくなるとありがたいなと思っています。
単にリピーターのリストが出るだけではなく、検索をかけたり、導線ごとにソートができたりすれば、それらの情報を後のデータ分析に活かすことができそうです。合わせて、より多くの情報をCSVエクスポート可能になると、ありがたいですね。(了)
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