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スピーディに美しいメルマガ作成ができる!無料で始められるMailChimpとは

今回のソリューション:【MailChimp(メールチンプ)】

〜MailChimpの活用でHTMLメールの作成を効率化し、効果的なマーケティングにつなげている事例〜

グロースハックの施策のひとつとしてメールマガジンを配信しているスタートアップ企業は多い。しかし、そのメールを作成するのは意外と時間がかかるものだ。とりわけ、HTMLメールの作成はボタンの位置など細かなデザインも工夫できるため、テキストメールに比べて作成に時間がかかりがちである。

クラウド経費精算サービス「Staple(ステイプル)」などスマートフォンを中心としたアプリの開発・提供を行っているクラウドキャスト株式会社は、スマートフォンアプリの累計ダウンロード数が25万以上の実績を持つ、2011年創業のスタートアップ企業である。

同社では、Webブラウザ上で簡単な作業をするだけでHTMLメールを配信できる「MailChimp(メールチンプ)」を使用することで、メールマーケティングに関するトライアンドエラーを高速化しているという。同社の広報兼カスタマーサポート担当の湯本むつみさんに、詳しいお話を伺った。

紙の広告業界からスタートアップの広報に転身

大学在学中に広告の企画制作ベンチャーに入社し、新規事業の学生向けのフリーマガジンの開発・コミュニティ運営に7年間携わっていました。当時はR25などに代表される「フリーマガジン」というメディアのトレンドが生まれた頃で、新聞を読まない世代でもフリーマガジンは見ている、という時代でした。

そちらでは紙媒体の広告企画や営業をしていたのですが、FacebookやTwitterの登場で世の中が変わりました。メディアとの接触がスマホに移行しているのを感じて、Webメディアの世界に興味を持ちはじめ、2014年に弊社のPRマーケティング/広報職に応募してジョインしました。

現在は2名のセールス&マーケティング部の中で主にPR/広報を担当しながら、お客様のサービス導入支援やアライアンス業務、開発部門との連携し、カスタマーサポートなど幅広く業務を行っています。

メールマーケティングの効果測定も効率化する「MailChimp」

MailChimpを使い始めたのは、代表の星川が個人で会社を運営していた2009年頃からです。提供元であるRocket Science Group社はもともとWebデザイン会社からのスタートだったこともあり、デザインがすごく良いんですよ。

▼実際にMailChimpで作成したメールマガジン

また、メール配信だけでなくマーケティングツールとしても強力です。メールを送った後の分析がよくできているんです。導入当時はここまで分析が強いメールツールはなかったと思います。

例えば、MailChimpではユーザーのメール内リンクに対するアクション数が可視化されます。そしてそのレスポンス率によってユーザーにレーティングが自動的に付与され、星マークで表示されます。その星の個数によって、メール内容を変えて送ることも可能です。

▼ユーザーにレーティングが付与され、グルーピングできる

さらに、フリーミアムの課金モデルになっていて、無料で始めることができるのでスタートアップには導入しやすいです。現在では我々はメール購読数の無料制限を越えて使っているため、月に1万円弱ほどかかっていますが、昔は無料で使っていました。

タイミングと内容を絞り込んで、メールマガジンを配信

弊社のメールの活用用途は主にふたつです。1つ目がイベント等で知り合ったお客様へのフォローアップのメールです。イベント出展でお客様から名刺をいただいてから、できるだけすぐにフォローアップメールを一斉送信するスピード感を心がけています。

2点目がメールマガジンの配信です。週2、3回の頻度でお送りしています。弊社のお客様は特に営業の方が多いので、移動時間に見ていただけるようなタイミングを心がけています。例えば朝の通勤時間帯、ランチタイム、あとは会社に帰社する5時6時、これらをトライアンドエラーしながら、時間帯ごとの開封率をチェックしています。

送る内容としては新機能の追加情報、ユーザーの声をご紹介するコンテンツ、あとはキャンペーンのお知らせですね。キャンペーンに登録いただくとプレゼントがありますとお伝えしたり、クーポンコードを限定で配信したりしています。また、無駄に多くのリンクを張らずに、お客様に見てもらえるように2つ3つに絞って配信することを心がけています。

効果的なメールマーケティングの秘訣は、「手間」より「トライ数」

個人的に、HTMLメールにかける手間と成果は比例しないと思っています。メルマガは時間をかけて作成することよりも、お客様がどんなコンテンツを求めているかを探るために、数をトライしてアクションをいただく機会をより多く持つことの方が重要だと考えています。

その点では、MailChimpの活用はメール作成時間の短縮につながっていると思います。以前に送ったキャンペーンのテンプレートデザインを一部だけ変えて使い回せるので、効率的にデザインの作成ができます。メール作成から配信まで、1週間に1時間半くらいの工数で済んでいます。

また、メールはセグメント毎の配信が可能です。弊社の経費精算アプリStaple(ステイプル)ではクライアント内でも管理者、オーナー、メンバーといった感じで権限が個人ごとに分かれているのですが、Stapleと連携してこれらの情報をMailChimpに反映するようにしていて、特定の権限の人にのみキャンペーン情報を送る、といったことが可能になっています。

Slackとの連携でリアルタイムにユーザーの動きを追える!

さらに、弊社では少し前からSlackとも連携するようにしました。以前は、ユーザーがメールマガジンに登録したタイミングはリアルタイムでは追いきれてなかったんですよね。

例えば「今週の火曜日からダウンロード数が急増していて、メルマガの登録も増えている」というような時でも、以前はMailChimpにログインするまでは分かりませんでした。そこでSlackと連携することで、ユーザーがアプリをダウンロードしてユーザー登録を完了すると、自動的にSlackのbotに登録者のリストが出る仕組みを作ったんです。

▼チャットツール「Slack」にも通知を連携

さらに、Stapleをチームで利用されたいユーザーがチームを作成されたタイミングで、代表からグリーティングメールが自動的に送信されるという取り組みをしています。これにより、ユーザーによりプロダクトに親近感を感じてもらえ、導入までにどのようなことも課題に感じているか、キャッチアップしサポートを行えるようになりました。

また、リアルタイムでユーザーの動きが把握できるようになったことで、ダウンロード数が急増した原因が、Twitter等のSNSの拡散なのか、どこかの媒体の紹介なのかといった外部の要因もその場ですぐに探せるようになりました。

アプリを使えば外出先でもリアルタイムで開封率をチェックできる

メールマガジンは、パソコンで作成して配信予約日時を設定していますが、配信のタイミングで外出していることもあるんですね。そういったパソコンが開けないときなどでも、アプリだとすぐに配信直後の開封率の変化を確認できるのも便利です。

「クリックした人はこのユーザーです」という情報をビジュアルで見ることができるので、ITリテラシーが高くない人でも手軽に使うことができます。

なので個人でサービスを始めたい方はもちろん、デザイナーさんが社内にいないスタートアップなどにオススメですね。メール登録をした方にテキストのDMを送っている個人のお店などでも、ビジュアルでお店のコンセプトを発信することが可能になると思います。

MailChimpはアメリカのサービスなんですね。弊社は海外のエンジニアや動画のクリエイターと連携して、グローバルにコンセプトを伝えるような活動をしているので、そういった会社のスタイルにも合っているし、共感できるのかなと思っています。

今後はユーザーとのコミュニケーションのひとつとして、よりメールマーケティングに力を入れていきたいと考えています。メール上でも、よりStapleのブランドコンセプトにふさわしいビジュアルを作っていきたいですね。(了)

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