- 株式会社パソナテック
- Webソリューション事業部
- 島田 嵩也
新しい働き方は「社内ベンチャー」から 社内外のやり取りを円滑にするチャット活用術
今回のソリューション:【チャットワーク】
〜チームで「チャットワーク」を導入し、メール文化から脱却したことで会議時間を3分の2にした事例〜
一般的に大企業の場合、新しい社内ツールを導入するためには、稟議などの複数のステップを経る必要がある。しかし一方で、「社内ベンチャー」という立ち位置で、働き方や考え方にベンチャーマインドが浸透しているチームであれば、それは必ずしもそうではない。
社員数500名を超える株式会社パソナテック内のWebソリューション事業部は、まさにその「社内ベンチャー」の実例だ。クラウドソーシング「Job-Hub(ジョブハブ)」をはじめ、スピード感を持ってさまざまな事業を開発している。
そして働き方やマインドも、もはやベンチャーそのものだ。その一例として、同事業部では、ビジネスのスピードを上げるために、社内外のコミュニケーションをメールからチャットツール「チャットワーク」に切り替えた。
それにより、コミュニケーションが効率化し、会議の時間を3分の2に減らすことにも成功したのだという。同事業部の島田嵩也さんに、具体的にどのような成果があったのかお話を聞いた。
▼チャットワークの使い方については以下の「徹底解説」を参照ください。
パソナテック内の「社内ベンチャー」 新規事業を立ち上げ
前職は人材系の会社で営業をしていたのですが、人と人をつないで仕事を供給する、クラウドソーシングに興味を持つようになりました。そうした背景もあり、パソナテックに転職をし、クラウドソーシング「Job-Hub(ジョブハブ)」の立ち上げに参加しました。
Job-Hubは総合型のクラウドソーシングで、60に渡る幅広いジャンルの仕事を扱っています。ワーカーの方が希望された場合には、スキルのヒアリングも直接行っており、そこが人材会社ならではの強みですね。
現在担当している業務はかなり多岐に渡っています…(笑)。まずは、Job-HubのKPIの管理ですね。それに加え、Job-Hubエンタープライズという派生サービスの企画も行っています。
Job-Hubを利用している企業様向けに、案件管理のシステムを提供していくサービスです。また、クラウドソーシングに慣れていないお客様への個別サポートや、営業も担当しています。
Job-Hubの事業部は、パソナテックの中でも社内ベンチャー的な位置付けになっています。そのため、ベンチャーマインドを大切にしていて、パソナテック全体ではなかなか難しいチャレンジであっても、スピード感を持ってどんどん試していくようにしています。
メール文化からの脱却を目指し、チャットワークを導入!
例えば3年半ほど前に、コミュニケーションのスピードを上げたいという課題が出てきた時がありました。その際には、すぐにチャットツールの「チャットワーク」を導入し、お客様や事業部内のやり取りをメールからそちらにスイッチしました。
それまではメールを使っていたのですが、メールではやりとりが長くなると、引用が重なってしまい、本題を理解するのに時間がかかってしまうことが問題でした。
特にJob-Hubはクラウドソーシングという仕組み上、クリエイティブの制作に関わるやり取りが長くなりがちでした。また、役員やマネージャとなるとメールの量が多くなり、CCに入っているメールを全てを確認するのに困難な状態でした。
そういう状況を踏まえ、会社としては初めてWebソリューション事業部でチャットワークを導入したんです。
チャットの良さはコミュニケーションの効率性と、親近感
お客様とのやり取りをチャットワークに変更したことで、良い意味でざっくばらんにコミュニケーションができるようになったことが良かったですね。
メールですと、「お世話になっております」といった冒頭文のように、どうしても文面やビジネスマナーを気にする必要があります。でも、実際はプロジェクトを進めるためにはそのようなやり取りは不必要なんですよね。チャットを使うことで、そこを省いてコミュニケーションを効率化できます。
また、チャットだと結果的にコミュニケーションの回数は増えるので、お客様と「仲良く」なることができます。実際には1回しか会ったことのない方でも、チャットで2週間やり取りをすると、次に会ったときにすごく仲良くなっていることもよくありますね。
ただ、チャットを使う上で気をつけるべき点は、投稿した内容を後から編集できてしまので、「言った言わない問題」が起こってしまうことです。そのため、スケジュールなどの決定事項は、スプレッドシートなど別ファイルに記載をし、チャットでそのリンクを共有するようにしています。
また、相手の温度感を測ることが難しいこともありますね。厳しめの意見に対してライトに返してしまったり…そういった意識のズレは、注意すべきポイントかもしれません。
ただ、細かい点はありますが、全体的にはうまくいっています。最初は「果たしてお客様に受け入れていただけるのか」という不安もありましたが、結果的には今ほとんどの担当者様との制作案件のやり取りをチャットで行っています。
議題の事前共有で、会議時間も3分の2に
また、チャットワークを導入したことで、会議の質が上がりました。以前は、会議の前半にまずは共有を行い、そこから実際の議論に入っていたんです。
今ではそれを、会議が始まる前にチャットワーク上でファイルを共有するフローに変更しました。そうすると、メンバーが事前にインプットを行った上で会議に参加できるんです。結果的に、会議の時間は以前の3分の2ほどになったかと思います。
また、チャットワークのToDo機能もよく使っています。「追加時点へ移動」という機能があり、そのToDoが発生した時点の会話にすぐに戻ることができるのが非常に便利です。例えば、ある会議でToDoが設定されたとすると、ToDoリストから実際の会議の議事録にボタンひとつで遡って会話の内容を確認できます。
▼チャットのコミュニケーションの中でタスク管理も可能
ToDoは自分だけでなく、他のメンバーに設定することもできます。メンバーがリーダーに確認してほしいような、経費精算のようなこともどんどん追加されていきますね。
途中から入ったメンバーにも、過去の経緯が確認しやすい
他にも以前からあった課題が、途中から参加したメンバーにプロジェクトの経緯をどう伝えるかということでした。例えばJob-Hubで自治体さんから仕事を受けることがあるのですが、それが何年か続くと、参照すべき資料や情報がものすごい量になるんです。
こういった課題に対しては、チャットワークの「グループチャットの概要」欄に、過去のやり取りへのリンクや必要資料が保存してあるGoogle Driveのリンクをつけることで解決できるようになりました。後から入ってきた人でも概要を見れば、過去の経緯をすぐに理解できるようになりました。
▼グループチャットの概要でGoogle Driveへのリンクを共有
社内ベンチャーの取り組みが、大企業の意思決定を変える?
Job-Hubのキャッチコピーは「働くをもっと自由に」です。そして、これからは組織に依存せず、正社員といった契約形態にも依存しない、もっと自由な働き方は広がっていくと思います。そのような時代に適応するためにも、社内ベンチャーとしてどんどん先人を切って新しい働き方を取り入れていければと思います。
そして、その動きがパソナテックという大企業全体のツール導入の意思決定を後押しするようになれば、非常に面白いですね!(了)
▼チャットワークの使い方については以下の「徹底解説」を参照ください。