- コラボレーター
- SELECK編集長
- 舟迫鈴
日本発の検索AI「Felo(Felo3.0)」がすごい!AIエージェントによる自動化、スライドやマインドマップ制作も

日本のAIスタートアップ企業Sparticle社が開発したAI検索エンジン「Felo(フェロ) / Felo 3.0」が、大きな話題を集めています。
Feloは、2024年のリリースからわずか1か月で世界中で15万人を超えるユーザーを獲得し、急速な成長を遂げています。検索AIとしてリサーチや情報の整理に優れているのはもちろん、スライド資料やマインドマップ、画像まで生成できてしまう多機能さが驚きです。
また、主要メンバーが日本人である、日本発のスタートアップ企業が開発しているということもあり、日本語に強い検索AIとしても今後は期待できそうな存在です。
さらに、2025年1月の「Felo 3.0」へのアップデートによって登場した「検索エージェント」と「マイエージェント」機能によって、市場分析やリサーチ、資料整理、レポート作成までを自動化できるようになりました。
今回は、この大注目のAI検索エンジンFeloについて、使い方や始め方、そのすごい機能までをまとめてご紹介していきます。
<目次>
- FeloはどんなAI検索エンジン? 開発会社は?
- 実際にFeloを使ってみよう!始め方、基本的な使い方を解説
- マインドマップもスライドも即完成!Feloの便利機能をご紹介
- これぞAIの超進化!「検索エージェント」「マイエージェント」とは
- 無料版と有料版の違い、料金プランについて
※本記事に掲載している情報は、記事公開時点のものになります。サービスのアップデートにより情報が記事公開時と異なる可能性がございますので予めご了承ください。最新の情報については、同サービスのサポートページをご参照ください。また、記事の内容についてご意見や修正のご提案がございましたらこちらまでお願いします。
FeloはどんなAI検索エンジン? 開発会社は?
Feloは日本発の新しいAI検索エンジンです。Feloを開発したのは東京を拠点とするAIスタートアップ企業であるSparticle社で、2023年10月にプレシリーズAラウンドで約5億円の資金調達を行っています。
以前はAI検索エンジンといえば「Perplexity」や「Genspark」が代表的でしたが、それらを上回る性能を持っているのでは? と評判です。具体的には、以下のような特徴を持っています。
- 多言語対応:日本語で質問を入力するだけで、世界中の情報を参照した最適な回答が得られる
- SNSソースの活用:XやRedditなどのSNSからも情報を抽出でき、最新のトレンドや話題にも対応
- 全ネットワーク検索:複数の検索プラットフォームから情報を収集し、 単一の検索エンジンでは見つからない情報も提供する
- 高度なAI技術:OpenAI O1、Claude 3.5-Sonnetなどの最新の大規模言語モデル(LLM)を使用しており、高精度な検索結果を得られる
- 多機能:マインドマップや パワーポイントのスライド、画像の生成ができる。また検索テーマや文脈を指定して結果を絞り込むフォーカス機能など、無料版でもユニークな機能が充実している
- 【2025年 NEW!】エージェント機能:自分の代わりにAIが検索(リサーチ)から資料作成まで、自動化して対応してくれる
実際にFeloを使ってみよう!始め方、基本的な使い方を解説
では、早速Feloを使っていきましょう。特別な機能を使わない、通常検索の使い方は非常に簡単で、以下の3ステップです。
- FeloのWebサイトにアクセス
- Googleアカウントでログイン もしくは新規会員登録する
- 検索したい情報を打ち込む
※Googleアカウントをお持ちでない方は、こちらから無料で作成いただけます。
今回は、
AI検索エンジンである「Perplexity」「Genspark」「Felo」の違いは? それぞれの強みと弱みも含めて教えてください。
と質問しました。その回答がこちらです(URLで検索結果のページを誰にでも共有できます)。
▼Feloの検索結果画面
使ってみた感想としては、以下の通りです。
- めちゃくちゃ速い。あっというまに検索結果が表示された
- 情報が整理されていてわかりやすい
- 59個ものソースが参照されており、他のAI検索エンジンと比較して多い
- 画面がシンプルで広告もないので読みやすい
- 関連情報(ソースの記事など)がたくさん表示されており深堀りしやすい
ちなみに、上記の質問のなかで、以下の通りFeloの弱みも教えてくれました。なるほどー!(笑)
- 知名度の低さ:他のAI検索エンジンに比べて知名度が低いため、利用者が少ない可能性があります
- 機能の複雑さ:多機能であるがゆえに、全ての機能を使いこなすには時間がかかる場合があります
実際、画面上にいろいろな機能(ボタン)が表示されており、どれを使おう? と少し迷う(一方でワクワクする)感じもあります。続いて、この機能面を解説していきます。
マインドマップもスライドも即完成!Feloのすごい機能をご紹介
Feloが秀逸な点のひとつは、その機能の多さです。以前であれば複数の生成AIを組み合わせて行っていた作業も、Feloだけで完結させることができます。ひとつずつご紹介していきます。
- フォーカス機能
- トピックコレクション機能
- プレゼンテーション作成機能
- マインドマップ機能
- 画像生成機能(Felo Chatを利用)
フォーカス機能
Feloの「フォーカス機能」は、ユーザーが質問の文脈やテーマを指定して検索できる機能です。通常のWeb検索に加えて、SNS検索、学術論文、特定のドキュメント等に検索範囲を絞り込むことができ、目的に合わせて検索結果をより精密に絞り込むことができます。
実際に、「AI検索エンジンについて教えてください」という質問を、「論文検索」で行った結果がこちらです。
▼「論文検索」にフォーカスした結果
参考文献には海外の論文が多く使われ、自然言語処理(NLP)などの専門用語について詳しく説明されています。
一方で、同じ質問を「SNS検索」で行った結果がこちらです。
▼「SNS検索」にフォーカスした結果
驚くほどアウトプットが変わりました。「主なAI検索エンジン」として紹介されているものも異なりますが、SNS上で話題になっているものが優先してピックアップされているようです。これは面白いですね。
▼論文検索で紹介された「主なAI検索エンジン」
- ChatGPT(OpenAIが開発)
- Google Bard(Googleの次世代言語モデルを使用した実験的な対話型AIサービス)
- YouChat(ChatGPTモデルを基にした検索エンジン)
- DOC Search(医療文献の検索に特化したAI検索エンジン)
▼SNS検索で紹介された「主なAI検索エンジン」
- Felo(本記事で紹介しているツール)
- Perplexity(前述)
- SearchGPT(OpenAIが開発したAI検索エンジンで、ChatGPTの技術がベース)
- Genspark(前述)
トピックコレクション機能
Feloの「トピック」機能を使うと、検索した情報を種類別にまとめたり、後で簡単に見返せるように整理できます。また、トピック内の情報についてさらに深堀りし、情報を増やすことができます。要は、検索結果のグルーピングですね。
▼検索結果の左上にある「トピックに追加」をクリックすると追加できる
▼トピックごとに情報を増やしたり、関連質問を行って深堀りできる 
プレゼンテーション作成機能
これがけっこうすごいのですが、Feloでは検索結果をそのままパワーポイントの資料に自動で落としてくれます。実際にやってみましょう。
「プレゼンテーションを生成」というボタンを押して、テンプレートを選択するだけです。
▼検索結果の右上でにある「プレゼンテーションを生成」をクリック
テンプレートは豊富にあり、利用シーンに応じて最適なものを選択できます。
▼テンプレートは簡単にジャンルを絞り込める
あっという間にできました!すごいですね。
正直、AIプレゼンテーションツールのGammaなどと比較するとクオリティはまだまだではあるのですが、ここから自分で編集できますので、土台を制作してもらう…と考えると非常にありがたい機能です(無料なのがすごい)。
マインドマップ機能
続いてこれもすごいのですが、Feloではマインドマップもワンクリックで生成することができます。検索結果を視覚的に整理し、情報の関連性を直感的に理解できるようにしてくれるので、全体像を把握しやすくなります。
▼検索結果の一番下に、「マインドマップ」という表記があるのでクリックします
実際に、「AI検索エンジンである『Perplexity』『Genspark』『Felo』の違いは? それぞれの強みと弱みも含めて教えてください」という先ほどの質問の結果をマインドマップ化したものがこちらです(数十秒でできました)。
▼実際に生成されたマインドマップ
とってもわかりやすくなりましたね。情報量が多いときには本当に役立ちそうです。
画像生成機能(Felo Chatを利用)
さらにさらに、FeloではFelo ChatというAIチャットボットを使えば、画像生成まで行うことができます(無料ですよ? 正直バグってる…)
検索画面の下の方に、小さく「Felo Chat」というものが表示されているのでクリックします。
▼「Felo Chat」を選びます
▼Felo Chatで使えるさまざまな機能が表示されています
こちらもすごく多機能で驚きますね。今回は左上の「AI画像生成」を選び、「可愛い猫が、日本の庭の夕暮れにサンマを食べている様子」と打ち込みました。結果がこちらです。
かわいいですし、クオリティも高いですね(食べているものは謎ですが。。。葉っぱ?)。こちらはGPT-4oで生成されたものです。プロンプトを改善することで、より画像のクオリティを高めることができるはずです。
※画像生成AIにおけるプロンプト作成の参考になる記事はこちら:【裏技あり】Googleの画像生成AI「ImageFX」が最高!使い方・始め方を徹底解説
これぞAIの超進化!「検索エージェント」「マイエージェント」とは
続いて、最新版(※2025年1月時点)の「Felo 3.0」の新機能をご紹介していきます。特に「エージェント」はまさに次世代AIを体験できる機能なので、ぜひチェックいただければと思います。
- 検索エージェント機能(検索代理)
- マイエージェント機能
- その他
検索エージェント機能(検索代理)
検索エージェント機能について簡単に説明すると、特定の領域や目指すアウトプットに合った「AIエージェント」を選択して検索を行うことで、リサーチの精度と深度を高めてくれるものです。
言うなれば、AIが自分の代わりに検索をしてくれる機能ですね。具体的には、下記のような専門分野に特化したAIエージェントが搭載されています。
- 学習と研究:PDF論文の速読、知識研究
- 業界調査:EC市場動向分析レポート、企業総合分析レポート、技術トレンド・イノベーション分析レポート、業界専門調査レポート、産業動向分析レポート
- マクロ経済・環境分析:ビジネストレンド分析レポート
- 金融調査・投資分析:投資戦略分析レポート、金融市場分析レポート、株式調査レポート、企業市場センチメント調査レポート
- 経営戦略:事業モデル分析レポート、事業化可能性調査レポート、ブランド現状・競争分析レポート経営コンサルティング調査レポート
- マーケティング・ブランド戦略:競合製品分析レポート、マーケティングトレンド・経営戦略レポート、市場動向調査レポート、ブランド評価分析レポート、企業評判分析レポート、製品・サービス分析レポート
ビジネスパーソンであれば、今すぐに使ってみたいAIエージェントがいくつもあるのではないかと思います。
さらにこの検索エージェント機能では、単一の情報源に依存せず、複数の信頼できる情報源からデータを収集し、相互に検証することで、情報の正確性を高めています。検索結果をもとに、レポートやプレゼンテーション資料まで自動で作成できるので、資料作成にかかる時間が大幅に短縮できることも魅力です。
では、早速使ってみましょう!使い方はとてもシンプルで、検索ボックスの「検索元」で「検索代理」を選びます。現在は無料版でも問題なく利用できます。
続いて、テンプレートを選びます。今回はFeloの競合を調査してみようと思います。
テンプレートに沿って、「ステップ(AIの思考手順のようなもの)」が作成されました。ここは編集可能ですが、今回はこのまま進めていきます。
内容はこのようになりました。(全文をご覧になりたい方はこちらで公開していますので、ぜひ!)
- Felo3.0の背景と市場における位置付け
- Felo3.0の市場分析とターゲット層
- Felo3.0の競合製品詳細分析
- Felo3.0のSWOT分析
- Felo3.0に基づく結論と提言
そして、結果を一瞬でスライドにもできます。まじですごい。。。
マイエージェント機能
マイエージェントは、自分のニーズに合わせて検索エージェントをカスタマイズできる機能です。基本的な使い方は検索エージェントと同じですが、自分なりの検索やリサーチのステップが決まっている方、もしくは特定の分野でAIを動かしたい方には便利な機能です。
ちょっとまだ、上級者向けの機能ではあるのですが、検索エージェントに慣れたら使ってみるのが良いかなと思います。
使い方は、まず先ほどの検索代理から。左下にある「マイエージェント」ボタンをクリックします。
どんな検索エージェントを作成するかを入力します。今回は、AI領域に特化した競合分析を行う検索エージェントを作ってみます。
作成に進むと、自動でエージェントの説明や、ステップを作成してくれるので、自分の好みにあわせてカスタマイズしましょう。
今回、先ほどと同様にFeloの競合分析をしてもらいました。もともとあったテンプレートを使った時とは異なり、AI領域ならではのアルゴリズム比較などがステップに含まれていました。(全文をご覧になりたい方はこちらで公開しています。ぜひ比べてみてください)
また、こちらは検索エージェントを使った際も同様ですが、結果をドキュメント形式で出力して、装飾も含めて編集することができます。このままレポートとして使えそうなのが良いですね。
作成したマイエージェントは、もちろん繰り返し利用可能です。
その他
Felo3.0では、他にも下記のようなアップデートがありましたのでこちらにまとめておきます。細かい進化の積み重ねでどんどん使い勝手が良くなりそうですね。
- 引用元確認の簡素化:ホバー操作だけで引用元を確認できる機能が追加され、誤情報の確認速度が向上しました。これにより、情報の信頼性を迅速に評価できるようになっています。
- 効率性の向上 :従来のFeloでは、情報収集に時間がかかることがありましたが、Felo3.0では複数の情報を一度に処理できるため、効率が大幅に改善されています。
- ユーザーインターフェースの改善:新機能の導入に伴い、ユーザーインターフェースも改善されており、直感的に操作できるようになっています。これにより、AIツールを初めて使うユーザーでも扱いやすくなりました。
- 情報の信頼性:引用元確認機能の強化により、ユーザーはより信頼性の高い情報を得ることができ、誤情報に対するリスクが軽減されています。
無料版と有料版の違い、料金プランについて
Feloは無料版と有料版(Felo Search Pro)の2つのプランを提供しています。それぞれのプランの違いと特徴について以下にまとめます。
無料版
- Felo Searchの基本的な検索機能:自然言語処理(NLP)を活用した検索や、複数の言語での検索が含まれる
- 多言語対応:言語の壁を越えて、世界中の情報にアクセスできる
- プロフェッショナル検索:1日5回のプロフェッショナル検索が可能
- 広告なし:無料版でも広告が表示されないため、快適な検索体験が可能
- 多機能:マインドマップやスライド制作などを実行できる
有料版(Pro)
- 高度な検索機能:有料版では、OpenAI O1、Claude 3.5-Sonnetなどの高度なAIモデルを利用した検索が可能
- 有償版AIツールに匹敵する機能:ChatGPT PlusやClaudeメンバーシップの代替として、複数のAIライティング/AIチャット機能を提供
- プロフェッショナル検索:1日300回のプロフェッショナル検索が可能で、より深い情報を提供
- 追加機能:リアルタイムAPIの利用や、モデル蒸留、プロンプトキャッシュなどの高度な機能が利用可能。これにより、音声対話や画像認識などの複雑なタスクもスムーズに行える
- 料金:月額$14.99
個人的には、無料版でも十分に高機能だと思いますので、まずは無料版を使い倒すのが良いのかなと思います。本記事でご紹介した機能は、すべて無料版で使用可能です。
その後、より専門的な検索や高度な機能を求めるユーザーは有料版を検討すると良いですね。
非常に多機能で、使っているだけで楽しいツールです。ぜひ、色々と触ってみてはいかがでしょうか。(了)
【読者特典・無料ダウンロード】UPSIDER/10X/ゆめみが語る
「エンジニア・デザイナー・PMの連携を強める方法」
Webメディア「SELECK」が実施するオンラインイベント「SELECK LIVE!」より、【エンジニア・デザイナー・PMの連携を強めるには?】をテーマにしたイベントレポートをお届けします。
異職種メンバーの連携を強めるために、UPSIDER、10X、ゆめみの3社がどのような取り組みをしているのか、リアルな経験談をお聞きしています。
▼登壇企業一覧
株式会社UPSIDER / 株式会社10X / 株式会社ゆめみ