- コラボレーター
- SELECK
これはGoogle検索を超えた…!AI検索エンジン「Perplexity AI」を【超・徹底解説】
昨今、様々な生成AIツールが話題ですが、「Perplexity AI(パープレキシティ エーアイ)」という名前を聞いたことがある人はまだまだ少ないのではないでしょうか。
Perplexity AI(以下、Perplexity)は、最先端の自然言語処理と機械学習技術を駆使した、AI検索エンジンです。ChatGPTのように、対話形式で解答を生成してくれるのが特徴です。
「検索がメイン機能であれば、Googleで十分じゃないの?」「AI検索なら、ChatGPTで十分では」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、Perplexityの凄さを侮るなかれ…!知る人ぞ知る生成AIツールとして、ここ数ヶ月の間で一気に注目度を高めています。その注目の背景となるPerplexityの魅力を、ざっくりまとめてみました。
- Web上の最新情報をベースに検索でき、回答を要約してくれる
- 検索結果に加え、情報の参照元となるURLや関連情報も表示
- GPT-4oやClaude 3.5 Sonnet、Mistral Largeなどの大規模言語モデル(LLM)をまるっと利用できる
ChatGPTなどのAIモデルは、リアルタイムの情報を反映するのが難しかったり、情報の参照元がわからないが故に、ユーザーが逐一、情報の正確性をチェックする必要があったと思います。一方、Perplexityは、上記の3つの特徴を踏まえても、比較的精度の高い情報を効率的に収集できるというメリットが伝わるのではないでしょうか…?
また、Perplexityの注目度の高さは、最近のビジネス展開からも伺え、2024年6月には、ソフトバンクがPerplexityとの戦略的提携を発表しました。
これにより、「ソフトバンク」「ワイモバイル」「LINEMO」の契約者はPerplexityの有料版を1年間無料で利用できるとのこと。2024年7月時点で、国内の携帯電話事業者の中でPerplexityと連携しているのはソフトバンク社のみです。
そこで今回は、Perplexityの概要やその魅力、そして活用方法までを詳しくお伝えしていきます!Perplexityを初めて利用するという方から、すでに使っているけどイマイチ使い方がわかっていない…という方まで、詳しく使い方をお伝えできればと思いますので、ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
<目次>
- 便利さGoogle超え!AI検索ツール「Perplexity」とは?
- 早速、Perplexityのアカウントを作成してみましょう
- Perplexityの画面の見方
- まずは無料版から!Perplexityを触ってみましょう
- こんな機能が欲しかった…!スレッドを分類できるコレクション機能
- 検索内容をそのままブログ記事化!外部公開もOK「Pages」機能
- ChatGPT-4oもClaude 3.5 Sonnetも利用可能!Perplexity有料版
※本記事に掲載している情報は、記事公開時点のものになります。サービスのアップデートにより情報が記事公開時と異なる可能性がございますので予めご了承ください。最新の情報については、Perplexityの公式ページをご参照ください。また、記事の内容についてご意見や修正のご提案がございましたらこちらまでお願いします。
1.便利さGoogle超え!AI検索エンジン「Perplexity」とは?
改めて、「Perplexity」とは、最先端の自然言語処理と機械学習技術を駆使した、AI搭載の検索エンジンです。現在、パソコンのブラウザからの利用はもちろん、iOSやAndoroidなどのアプリ、GoogleのChrome拡張機能でも利用できます。
Perplexityは、シリコンバレー発の生成AI系スタートアップ企業Perplexity社によって、2022年12月にリリースされました。同社は、「知識へのアクセスを民主化する」というビジョンを掲げ、誰もが知識を容易に手に入れられる社会を目指しているとのこと。
「情報」ではなく、「知識」というワードを使っている点も非常に興味深いですね。同社の共同創業者兼CEOであるAravind Srinivas氏は、OpenAIなど世界的に有名なAI研究機関で豊富な経験を積んだ人物であり、AIが人間の知的好奇心や知識探究にもたらす可能性を強く信じ、Perplexityの開発にたどり着いたといいます。
▼Aravind Srinivas氏のインタビュー動画
Perplexityの特徴は、ChatGPTのように「対話」を通じて調べたいことを深堀りできる点です。また、単なる検索にとどまらず、画像の生成や解析、読み込ませたPDF等のデータに関する質問、コードや表の作成など、幅広いタスクをこなす多機能性を備えています。
さらに、従来のAI検索エンジンとは異なり、Perplexity AIはブラウジング機能を活用してリアルタイムの情報を提供するのも大きな特徴です。例えば、ニュースのように鮮度の高い情報も網羅しており、常に最新の情報に基づいた回答を提供してくれます。
試しに、「日本国内のマイナンバー累計交付数は何件ですか?」という質問を投げかけてみました。本記事を執筆していた2024年7月9日(火)に、ちょうど累計数が1億件を突破したというニュースがYahoo!ニュースで流れていたのですが、うまく反映されるのか…?
しっかり、「1億枚を超えています」と表示してくれましたね…すごい!かなり直近の情報も網羅していることがわかります。
他にも、Perplexityの特徴としては一部有料版のものも含まれますが、以下のようなものが挙げられます。
- 新規登録・ログイン不要で、すぐに無料で利用可能
- GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetなど、最新の大規模言語モデルを利用できる
- 出力データの参照元となるURLを一覧で表示
- 検索範囲の指定が可能
- 関連画像や動画、追加質問の表示
- 画像生成に加え、読み込ませた画像の解析も可能
- PDF等のデータをアップロードし、データの範囲内で検索できる
- 出力データをURLで第三者に共有可能
- 検索結果をカテゴリ分けできるのに加え、第三者と一緒に編集可能
- 日本語を含む複数の言語に対応
- スマートフォンアプリでは音声入力にも対応
- 検索結果をユーザーの特性に合わせて最適化
- 簡単に記事・Webページを作成できる「Perplexity AI Pages」機能
- 他のAIツールに比較してプライバシーとデータセキュリティを重視
これだけでもかなり優秀、かつ使い勝手が良いということが伝わるのではないでしょうか。
<料金形態について>
2024年7月現在、Perplexityはアカウントを作成せずとも、誰でも無料で利用できます。無料プランでも、Web検索は無制限に利用できるため、検索用途だけであれば無料のままでも十分でしょう。
有料プランに課金するかどうかは、以下2つの観点での検討をおすすめします。
- より詳細な検索・分析が可能な「Pro Search」の利用制限を解除したいかどうか
- GPT-4oやClaude 3.5 Sonnet等のAIモデルを利用したいかどうか
まず、「Pro Search」とはPerplexityの基本機能「Quick Search」と対比される高度な検索機能で、無料プランでは1日に5回、有料プランは1日600回まで利用可能です。
Pro Searchの主な特徴は以下の通りです。
- 複雑な質問を要素分解し、段階的に回答することで最適な結果を出力
- Quick Searchよりも広範囲のデータを参照し、精度の高い回答を生成
- 計算知識エンジン「Wolfram Alpha」との連携により、高度な数学問題やデータ分析に対応
- プログラミング関連タスクの効率的な処理が可能
質問を要素分解するという特徴について補足すると、例えば「SDGsの概要と歴史、日本国内における取り組みについて教えてください」という質問を投げかけた際に、以下の形で要素分解してリサーチし、その回答を要約してくれる形です。
要素1:SDGsの定義を検索
要素2:SDGsの歴史を検索
要素3:日本国内におけるSDGsの取り組みを検索
Quick SearchとPro Searchの出力内容を比較するために、試しに、「Webメディア『SELECK』はどのようなメディアですか?」という質問を投げかけてみました。
まず、Quick Searchでは、SELECK公式サイトと編集部のnote、X、2015年にリリースされたプレスリリースを参照元として情報をまとめてくれました。(まさか、メディア立ち上げ時のプレスリリースが出てくるとは…!)
▼無料版で検索してみた結果
回答の形式としては、箇条書きで特徴が羅列されている形です。一部、過去のインタビュー企業数の数字が間違っていますが、SELECK編集部が新しくスタートさせたXスペース配信企画「SELECK miniLIVE」についても言及されており、やはりリアルタイム性と網羅性が非常に高いのがわかります。
次に、Pro Searchで同じ質問を投げかけてみました。すると今度は、「対象読者」「コンテンツ」「特集テーマ」「運営会社」など、項目別に詳細な回答を記載してくれました。先ほどよりも「SELECKらしさ」を表現してくれているような気がします。
▼Pro Searchで検索してみた結果
以下が、データ出力の際にPro Searchが参考にしたソース一覧です。Quick Searchでは5つのWebページのみだったため、比較するとかなり幅広くリサーチしてくれていることがわかりますね。これをたった数秒でまとめて出力してくれるので驚きです…!
▼Pro Searchが参照したWebページ・データ一覧
もう1つ、有料化を検討する際に検討したい点として挙げられるのが、GPT-4oやClaude 3等のAIモデルを利用したいかどうかです。2024年7月時点で、Perplexityで利用できるAIモデルは以下の通りです。
- 情報検索・コンテンツ生成
- GPT-4o
- Claude 3
- Sonar Large (LLaMa 3)
- 画像生成
- Playground v2.5
- DALL-E 3
- Stable Diffusion XL
昨今、様々なAIツールが乱立する中で、「どのツールに課金すべき…?」と悩まれている方も多いと思いますが、Perplexityに課金にすれば様々な大規模言語モデルを活用できるため、大変お得かと思います。
他にも、有料プランの特徴としては
- 無制限にファイルをアップロードできる
- DALL-E等のAIモデルを使った画像生成が利用できる
- 月額5ドル分のAPIクレジットが付与される
- チャットでの利用サポート
などの機能が利用できるとのことです。支払いは「月払い」か「年払い」を選択でき、月払いの場合は20ドル(約3,200円)で利用可能です。提供される機能と情報の質、また他のAIモデルを利用できる点を踏まえても、良心的な価格と言えるのではないでしょうか。
2.早速、Perplexityのアカウントを作成してみましょう
それでは早速、Perplexityを使ってみましょう!現在、パソコンだけでなくスマートフォンでの利用も可能で、iOSとAndroidでアプリをダウンロードできます。アプリでは音声検索もサポートされています。
また、前提として、Perplexityはアカウントを作成せずともすぐ利用可能なのですが、検索履歴の保存や他デバイスとの連携、ファイルのアップロード機能などを利用したい場合はアカウント作成が必要です。
そこで今回は、パソコンでアカウントを作成し、無料版からスタートしてみることにしました。
<アカウントの作成方法>
まず、Perplexityの公式サイトにアクセスしましょう。会員登録は、画面左側の「Sign Up」と書かれた水色のボタンから可能です。
会員登録は任意のメールアドレスからできるのはもちろん、既存のGoogleアカウントやAppleアカウントを連携することでもアカウントを作成できます。
画面の案内に従って進むと、以下の画面に遷移しました。Perplexityの特徴や有料版の案内などが表示されますので、そのまま画面右上の矢印をクリックして先に進みます。
すべてのチュートリアルを終え、「Where knowledge begins」と大きく書かれた「Home」の画面が表示されれば、無事にアカウント作成は完了です!ここまで約2分、あっという間ですね。
<プロフィール設定>
アカウントが作成できたら、プロフィールを設定しましょう!設定は画面左下の歯車マークから可能です。
以下のようなことが、この画面から設定できます。
- 画面のライト / ダークモード
- 言語選択(日本語も対応)
- アバターの設定
- ユーザーネームの変更
- サブスクリプション登録
- AIモデルの選択(※Perplexity Proアカウントのみ可)
- 画像生成モデルの選択(※Perplexity Proアカウントのみ可)
- サインアウト
- アカウントの削除
言語選択について補足すると、日本語に対応しているとはいえ、英語と比較するとまだまだ精度には改善の余地がありそうです。英語の文献の方が多い分野は英語で検索するなど、内容に合わせて使い分けることをおすすめします。
また、「AI Data Retention」という項目は、ユーザーが検索したデータをPerplexityがAIモデル改善のために使用することを許可するかどうかの設定です。使用されたくない場合はOFFに変更しておきましょう。
そして、画面右上の「Profile」では、自身の情報を予め入力しておくことで、AIの回答をパーソナライズしておけるという便利機能が!
試しに、「年齢」「性別」「職業」「興味関心」などを入力し、設定しなかった場合と回答を比較してみました。すると、回答の量や書き方に変化が見られました。おそらく、ある程度詳細に自己紹介を記入する必要があるのかもしれません。
3.Perplexityの画面の見方
次に、画面の見方を説明していきます。Perplexityの基本機能であるWeb検索は、画面中央のボックス、あるいは左のメニューバーにある「New Thread」から行えます。
中央のボックスの「Focus」をクリックすると、6つのメニューが表示されます。これは、検索範囲や回答の出力形式を絞る機能です。それぞれの詳細は以下の通りです。
- All:インターネット全体を検索対象にする
- Academic:公開されている学術論文のみ検索対象にする
- Writing:検索ではなくテキストやチャットを生成する
- Math:簡単な数式や複雑な計算を行う(方程式や統計、グラフ描画など)
- Video:動画(主にYouTube)を検索対象にする
- Social:XやFacebook、ブログなどの多様な意見を検索対象にする
そして、「Attach」からはPDFやcsv等のデータを入力できます。検索時に、冒頭でお伝えしたPro Searchを利用したい場合は、ボックス左側の「Pro」をONにしましょう。
次に、左のメニューバーの見方です。「Home」はメインの画面でしたね。
「Discover」では、現在話題になっているトピックや最新のニュースが表示されます。提案されたトピックをクリックすると、そのトピックに関する要約やソース、詳細や関連する質問が表示されます。記事を読みながら、質問を投げかけることも可能です。
「Library」は、過去の検索や会話をまとめて閲覧できるページです。アカウント登録をしている場合、異なるデバイスからログインしても閲覧可能とのこと。検索機能もあるので過去の会話を遡るのも簡単です。
出力された検索結果や会話は「Threads(スレッド)」と呼ばれます。このワードはこの後も頻出しますので、ぜひ覚えておいてくださいね。
4.まずは無料版から!Perplexityを触ってみましょう
では実際に、Perplexityの様々な機能を触ってみます!まずは、無料アカウントで利用できる範囲で試してみました。
<まずは基本から!Web検索機能>
Perplexityの基本のキ、検索機能を試してみましょう。検索機能はChatGPTなどと同様に「対話形式」で進めます。もちろんキーワードを入れるだけでも良いのですが、出力内容の精度を高めるために、ある程度文章化して質問する形での入力がおすすめです。
今回は、「浜中町は北海道のどこに位置していますか?」という質問を、Quick Searchで入力してみました。その回答結果がこちら!回答内容は合ってそうですね。地図も一緒に表示してくれました。
では、表示されている内容を詳細にチェックしていきましょう。
まず、一番上の「Sources」では回答内容の参照元が表示されています。一番右の「View 2 more」をクリックすると、リンクを一覧で確認できます。万が一、古すぎるデータが参照されていたり、全く関係のないページなどが表示されている場合は削除することも可能です。
次に、「Answer」に記載されている内容が、入力した質問に対する回答です。Sourceに表示されている複数のページを要約し、回答を生成してくれている形です。
どの箇所が、どのWebページを参照にしているのかは番号が割り振られていますので、もし気になる箇所があれば番号を参考にソースを確認できます。
出力結果のリライト機能は有料アカウントのみ選択可能です。よって、もし出力内容に納得がいかない場合は右下の鉛筆マークから質問を編集できます。
そして「Related」は、関連する追加の質問やトピックを自動で生成し、提案してくれる機能です。画面下部の「Ask follow-up」から追加で質問するもよし、Relatedの項目を選択して深掘りするのもよし、です。
せっかくなので、Perplexityが提案してくれた「浜中町にはどんな観光名所がありますか」という質問をクリックしてみました。追加の質問と回答は、同じ画面の下部に追加されていきます。
画面左側には回答内容を補足する画像も表示されています。さらに、その下にある「Search Videos」をクリックすると関連動画も表示してくれます。
例えばですが、先ほどの「浜中町にはどんな観光名所がありますか」という回答に対しては、旅行者が浜中町の観光地を巡りながら解説している動画が表示されました。
最後に、1つ小技をご紹介します。回答内容の中で気になる箇所をドラッグして選択すると、「Ask follow-up」というボタンが表示されます。このボタンを押すと、その箇所について追加で深掘りを行ってくれるんです…!知らないワードが出てきた時にも便利な機能です。
これらのスレッドはLibraryに自動で保存されるため、後から参照できます。
<チーム間でのシェアも楽々!スレッドの共有機能>
Perplexityでは、ChatGPTと同様にスレッドを外部公開することが可能です。画面右上の「Share」と書かれた青いボタンから公開範囲を設定できます。
- Secret:オーナーと投稿者のみが閲覧可能
- Shareable:リンクを知っている人なら誰でも閲覧可能
実際の共有方法は、「Share」に記載の「Twitter(X)」や「Facebook」などのオプションから選択することで可能です。SELECKについて検索した際のページを公開してみました。ぜひこちらから覗いてみてください。
<ドキュメントを読み込ませ、検索範囲を絞る>
Perplexityでは、プレーンテキスト、コード、PDF等のデータをアップロードし、その内容を基に回答を生成する機能もあります。質問に対する回答だけでなく、PDFの翻訳や要約、コードの解説などにも活用できます。
データのアップロードは、質問を入力するブロック下部にある「Attach」から可能です。無料プランでは1日3ファイルまでのアップロードに制限されていますが、有料プランでは無制限になります。
試しに、SELECKが過去に公開した記事をPDF化し、読み込ませてみました。すると、3つほど興味がありそうな質問を提示してくれました。
せっかくなので、「What are the key insights?」の質問をクリックしてみます。その回答内容がこちら。
実は、元々の記事は「DePINの概要→利点→活用事例」という順番だったのですが、Perplexityの解答では利点が一番最後に表示されています。考えられる理由として、記事のタイトルが「【事例8選】ブロックチェーンで〜」であるため、活用事例の方が情報として優先度が高いと判断してくれたのかもしれません。
ただ、SELECKの記事では扱っていない活用事例が一部含まれていたので、質問の仕方によっては他のソースも含まれている可能性があるようです。また、今回は日本語のデータを読み込ませたため、英語であればより精度が高まるかもしれません。
<画像検索・分析>
Perplexityには画像の検索・分析機能も備わっています。無料プランは1日3ファイルまでのアップロードに制限されており、有料プランではこの制限がありません。
JPEG、PNGなどの一般的な画像フォーマットに対応しており、アップロードできる画像のサイズは最大25MBまでです。
モバイルアプリの場合は、ギャラリーから画像を選択するか、その場で写真を撮影してアップロードすることができます。例えば、旅先で気になる建築物を見つけた際に、撮影して詳細を検索するといった活用方法も考えられそうです。
他にも、チャートの解析をしたり、SNSに掲載する画像のキャプションを生成するといった活用方法もあります。
アップロードしたファイルはスレッドのソースとして表示され、画像のプライバシー設定はスレッド自体の設定が適応されます。そのため、スレッドごと他人に共有すると画像も閲覧できるため、個人情報がわかる画像などのアップロードは避けると良いでしょう。
<PerplexityのWeb検索以外の活用方法は?>
最後に、PerplexityではWeb検索以外にどのような使い道があるのか、せっかくなので、Perplexityに5つほど具体的なユースケースを挙げてもらいました。その結果がこちら。
- 市場調査と競合分析:最新の市場動向や競合他社の情報を迅速に収集し、ビジネス戦略の立案に役立てることができます。
- カスタマーサポート:顧客からの問い合わせに対して迅速かつ正確に回答するためのツールとして利用できます。これにより、サポート担当者の負担が軽減され、顧客満足度が向上します。
- 商品やサービスの検索:Googleビジネスプロフィールを活用して、近隣の店舗情報やサービスの詳細を検索し、利用者の口コミや評価を確認することができます。
- 旅行やレジャーの計画:旅行先の観光情報や宿泊施設の検索、レストランのレビューなどを調べることで、旅行やレジャーの計画を立てる際に役立ちます。
- 健康情報の収集:日常生活における健康管理や医療情報を検索し、信頼性の高い情報を得ることができます。例えば、PHR(Personal Health Record)を活用したユースケースがあります。
また、こちらのサイトではプロダクトマネージャー職の方がPerplexityをどう活用できるのか?について、実際のプロンプト記入例と一緒に27個の事例が紹介されています。他社プロダクトの成長戦略を調べたり、ベンチマークを見つけたりと実用的な活用方法がまとまっていますので、是非参考にしてみてください。
5.こんな機能が欲しかった…!スレッドを分類できるコレクション機能
ChatGPTなどのAIツールを利用したことがある方は、「複数の質問に対する回答を一箇所にまとめたい…」と思ったことが、一度はあるのではないでしょうか。
筆者が個人的に感動したのが、この課題を解消してくれるコレクション機能です。コレクション機能は、主に以下の3つのことができるのですが、かなり便利じゃないですか…?
- スレッドをテーマや目的別でまとめておくことができる
- コレクションごと外部に共有できる
- 他のユーザーと一緒に管理したりといったことができる
コレクションの作り方は簡単。Library画面を開き、右側の「Collections」の下に表示されている「Get Started」の青いボタンをクリックしてみると、以下のような画面が表示されます。タイトルや概要など、情報整理に必要な項目を埋めていきましょう。
そして、感動ポイントがもう1つ。この「AI Prompt」という機能がめちゃくちゃ便利なんです…!
具体的にどのような機能かというと、事前にコレクションにプロンプトを仕込んでおけるため、プロンプト(質問)入力の工数をまるっと削減できるという優れもの。
プロンプトによって出力内容が変わるAIツールだからこそ、こだわってプロンプトを作成している人も多いかと思います。しかし、毎回「プロンプトを入力し直して質問するのは大変…」と感じられている方もいたのでは?
そこで例えば、海外の論文を日本語訳した上で要約を実行するプロンプトを作成し、AI Promptに記載しておけば、それ以降は「プロンプト通りに実行してください」の記入のみでデータの出力が可能です。
▼プロンプトの作り方のコツはこちらの記事でお伝えしています。ぜひ一緒にご覧ください。
【例文集も】ChatGPTに「正しく命令」できてる? AI活用に必須の「プロンプト」の全てを徹底解説 – SELECK
<コレクションの作成方法>
では、実際にコレクションを作ってみましょう!
今回は、「SELECKでWeb3やブロックチェーン記事を書く際に参考にした検索結果をまとめる」という目的で、「SELECK Web3リサーチ」というコレクションを作成してみました。
作成したコレクションは画面右側にリストで表示され、更新日時が新しいものが一番上に表示される仕様です。
早速、過去のスレッドをコレクションに追加してみましょう。「Library」の画面に戻り、コレクションに追加したいスレッドを選びます。
スレッドの右側に表示されている「…」のボタンから、コレクションへの追加、またスレッドの削除が可能です。すぐにコレクションに追加したい場合には、その左側にある「+」ボタンからも操作できます。
「Add Collection」を押すと作成済みのコレクションが表示されますので、任意のコレクションを選べば追加完了です!
コレクションの画面はこちら。画面下部の「Threads」に追加したスレッドが表示されます。画面中央のボックスから検索をかけ、スレッドを直接コレクションに足すことも可能です。
<コレクションの公開・共同編集>
そして、このコレクション機能の嬉しいポイントが、外部公開ができる点だけではなく、他のユーザーと一緒にコレクションを管理できる点です。
ユーザーの招待は、画面上部のアイコンの横にある「Invite」から可能です。
ボタンをクリックすると、以下の画面が表示されますので、招待したい人のメールアドレスを入力します。有料プランへの課金の有無に関わらず、5件まで招待できます。
では実際に、招待を受け取った側の画面を見てみましょう!招待を受け取ると、「Library」ページの左側に招待されたコレクションと「Accept(承諾)」「Discard(拒否)」のボタンが表示されました。
「Accept」で承諾すると、コレクションに自身のスレッドを追加できるようになります。また、他のユーザーが投稿したスレッドに対し追加で質問を投げかけ、さらに深堀りしていくことも可能です。
各スレッドにはアイコンが表示されるため、誰が投稿したスレッドなのかを一目で確認することもできます。とても便利ですね。
6.検索内容をそのままブログ記事化!外部公開もOK「Pages」機能
先ほどもお伝えした通り、Perplexityには生成された回答を外部共有する機能があるのですが、「回答内容がごちゃ混ぜになっていて、まとめ直したい…」といったケースもあると思います。
そこで便利なのが「Pages」機能です。これは、生成した内容をブログ記事のような形で表示できる機能です。
セクションごとに見出しをつけたり、イラストや写真、図解を追加するなどしてレイアウトを整えることができます。有料プランであれば、画像生成AI機能を用いることも可能です。
現時点で、「Pages」はすべてのユーザーに徐々に展開されています。(※筆者は無料プランでは利用できず、有料プランに変更すると使えるようになりました。無料プランのユーザー全員が利用できるわけではないようです)
作成したページは外部公開が可能で、他のユーザー共有したい場合はURLを伝えるだけでOK。Pagesの機能は、スレッド画面の右上にある、「Convert to Page」のボタンから利用できます。
編集画面はこのような感じ。ワンクリックだけで「ヘッダー画像」「ページタイトル」「スレッドの内容を反映したセクション」が自動で生成されます。ここから、好みの形にレイアウトや情報を整えていきます。
Perplexityの検索機能のように、表示されているボックスに質問やページに記載したいことを入力するだけで、ページを作れます。セクションのタイトルも内容に合わせて生成してくれますし、後から編集することも可能です。
また、生成するテキストを箇条書き形式にしたり、表にしたりといった編集もできます。生成するテキスト量や、セクションの位置も後から調整できるので、情報を追加したい場合も便利です。
作成したページは「Library」に保存されます。Pagesでも引用元は表示されるので、チーム内や友人間での情報共有がかなりスムーズになりそうです。実際に、ページを作成してみましたので、ぜひこちらからご覧ください。
7.ChatGPT-4oもClaude 3.5 Sonnetも利用可能!Perplexity有料版
ここからは、Perplexityの有料プランで利用できる機能をまるっとお伝えしていきます!
有料プランに変更すると使えるようになるメニューは、プロフィール設定画面の「Perplexity Pro」から確認できます。
それぞれの機能は以下の通りです。
- Subscription:サブスクリプション管理(プランの変更やキャンセル)
- AI Model:ChatGPT-4oなどの大規模言語モデル(LLM)を選択できる
- Image Generation:入力内容に合わせて画像を生成する際のAIモデルを選択できる
- Pro Discord:Perplexity Proユーザー専用のDiscordコミュニティにアクセスできる
- Pro Support:優先的にカスタマーサポートを受けられる
- Referrals:知人・友人等を紹介するとクレジットやその他特典を得られる
上記以外にも、1日600回までPro Searchを利用できたり、ファイルのアップロードが無制限になったりといった変化もあります。
<最新の大規模言語モデル(LLM)の利用>
有料プランの最大の魅力は、多様な大規模言語モデル(LLM)を利用できることでしょう。無料プランのQuick Searchを含め、デフォルトで選択されているのはPerplexity社が検索機能に特化して設計した独自のAIモデルです。
一方、有料プランでは他のAIモデルを選択できます。この設定は、プロフィール画面の「AI Model」から行えます。2024年7月時点で選択可能なモデルは以下の通りです。
- Claude 3.5 Sonnet(高性能で汎用性が高い)
- Sonar Large 32K(文章量が多め)
- GPT-4o(推論やコンテンツ生成に優れている)
- Claude 3 Opus(高度な分析と長文処理が可能)
Anthropic社、OpenAI社それぞれの最新モデルが使えるのはかなりお得感がありますね…!設定が完了したら、通常どおりボックスに質問を投げかけるだけでOKです。使用されたモデルはAnswerの最後に表示されます。
<画像生成AIの活用>
大規模言語モデル以外にも、有料プランでは画像生成に特化したAIモデルをいくつか利用できます。こちらも、現在利用できるモデルは以下の通りです。
- Playground v2.5
- DALL-E 3
- Stable Diffusion XL
Perplexityでの画像生成は、主に「回答内容を視覚化する」ことに重点をおいているため、細かい調整やカスタマイズを必要とする画像生成には適していないと筆者は感じました。
しかし、プレゼンテーション資料やブログ記事用の挿入画像をスピーディーに作成できるため、素材サイトから探す手間を省けそうです。注意点としては、生成された画像は個人的な使用に限定されており、商用利用はNGとのことです。
使い方は、検索結果の画面右側に表示されている「Generate Image」をクリックすると、画風を選べる4つのメニューが表示されますので、生成したい画像に合わせて選択します。
試しに、「SDGsとは?その歴史と日本国内における取り組みについて教えてください」という質問の回答結果をベースに、DALL-E 3を使って、4つの画風それぞれで画像を生成してみました。
いかがでしょうか?SDGsについて正しい情報を伝えるという意味では、必要な画像を別途探す必要はありそうですが、資料の見栄えを整える素材としては十分に活用できそうです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。今回は、Perplexityの概要から基本的な使い方、応用的な活用方法までをお伝えしてきました。「検索」がメインのシンプルなツールではありますが、便利な機能も多く搭載されており、特にリサーチ業務をはじめとしたビジネスシーンでは、大いに活躍してくれること間違いなしです。
最後に注意点として、生成AIツールといえば、事実と異なる情報を提示する「ハルシネーション」が度々話題になりますが、Perplexityも例外ではありません。
Perplexityは情報ソースの解析と判断により、他のAIと比較して正確性が高い情報を提供してくれるように思えますし、参照元のリンクも表示されるため、ユーザーが情報の信頼性を確認できるのは大きなメリットでしょう。
しかし、やはり完全に間違いがないわけではないため、他の生成AIツールと同様に、出力されたデータを慎重に扱うことが重要です。また、検索の利便性が向上した一方で、AIが参照するソース自体に偏りがある可能性も考慮する必要があるため、これまで同様に、ユーザー側にはある程度のリテラシーが求められる点は留意しておくと良いでしょう。(了)