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【徹底解説】CGのような表現も一瞬で。動画生成AIツール初心者さん必見「Pika」の使い方

さまざまな動画生成AIツールが登場する昨今。以前、こちらの記事で動画生成AIツールをご紹介しましたが、「操作が難しくて、なかなか使いこなせない…」という方も多いのではないでしょうか?

そんな、動画生成AI初心者の方に今回おすすめしたいツールがPika(ピカ)」です。

筆者自身、記事を書きながらいくつもの動画生成AIツールを使ってみた中で、その「直感的な使いやすさ」に感動しました。文字通り、「画像をアップロードするだけ」でCGのような表現を楽しみながら動画を生成できちゃうんです…!

映画やショートムービーを作らないと…と意気込まなくても、遊び半分でAIの魅力を楽しめるのは大きな魅力ではないでしょうか。

以下は、2025年2月にリリースされた「Pika 2.2」のデモムービーです。ぜひPikaの世界観をご覧あれ。

そこで今回は、Pikaの概要から始め方、使い方までまるっとお伝えしていきます!動画生成は難易度が高そう…と距離を置いていた方も、ぜひこの記事をきっかけにお試しいただけますと幸いです。

<目次>

  • 使いやすさ×高品質を実現。動画生成AIツール「Pika」とは?
  • 早速、Pikaを使ってみよう!登録方法から画面の見方まで
  • 実際に、Pikaで動画を生成してみよう!
  • 有料プランで利用できるPikaの機能をまるっとご紹介

※本記事に掲載している情報は、記事公開時点のものになります。サービスのアップデートにより情報が記事公開時と異なる可能性がございますので予めご了承ください。最新の情報については、Pikaの公式ページをご参照ください。また、記事の内容についてご意見や修正のご提案がございましたらこちらまでお願いします。

使いやすさ×高品質を実現。動画生成AIツール「Pika」とは?

「Pika」は多彩なエフェクトを楽しみながら、手軽に高品質な動画を生成できるAIツールです。直感的な操作性によってAI動画制作の敷居を大きく下げたことで、SNS上では一時期大きな話題を呼びました。

Pikaを開発するPika Labsは、スタンフォード大学とハーバード大学出身の女性エンジニア2名によって、2023年に米国で創業されました。既存の動画生成AIツールの使いづらさに課題を感じ、Pikaの開発をスタートさせたとのことで、誰でも使いこなせるUI/UXを実現させています。

下図がPikaの動画生成画面なのですが、かなりシンプルですよね。画面下部に配置されたメニューから好きな機能を選択し、テキストプロンプトを入力するだけで動画を生成できる仕組みです。

Pikaはリリース以降も着実に進化を続けており、2024年10月に「Pika1.5」、12月に「Pika2.0」、そして2025年2月には「Pika2.2」がリリースされました。画質やプロンプト理解精度の向上に加え、生成可能な動画尺度の延長、エフェクト機能も次々と追加されるなど、その表現力を継続して向上させています。

改めて、Pikaの機能や主な特徴は以下の通りです。

  • テキストプロンプトや画像からの動画生成
  • 「Pikaffect」や「Scene Ingredients」など、ユニークな動画を簡単に生成できる特殊機能
  • 既存動画をベースにした編集・効果追加機能
  • 音声と口の動きを同期させる「Lip-Sync」機能

特徴は、動画生成だけでなく編集機能も備える点。例えば、サイズ変更や長さの延長、効果音の生成といった実用的な機能が備わっており、InstagramやTik Tok投稿用の短い動画であれば、あっという間に制作・投稿できます。

そんな魅力たっぷりのPikaですが、料金体系は以下の通りです。

料金プランによって、利用できるAIモデルや機能が異なります。無料プランの場合はPika1.5と2.2のみ使用可能で、エフェクトも「Pikaddictions」と「Pikaswaps」に限られています。有料プランに変更することで最新の2.2を含むすべての機能を利用できるようになる形です。

また、無料プランには以下のような制限があります。

  • 毎月付与されるクレジットは80
  • 最長10秒まで生成可能(Pika2.2の機能)
  • 最大1080pの解像度
  • 商用利用不可

無料プランでも毎月80クレジットが追加されるため、まずは無料版で機能を試してみて、より本格的な制作を行いたい場合に有料プランへの切り替えを検討するとよいでしょう。

以下、各機能のクレジット消費量の目安です。(各機能の詳細は後ほどお伝えします)

Pikadditions:10 credits (Turbo) / 20 credits (Pro)
Pikaswaps:10 credits (Turbo)/ 20 credits (Pro)
Pikascenes :60 credits(2.1) / 10 credits(Turbo)
1.0/1.5 model:15 credits
image or text-to-video(Turbo):5 credits

※引用:Pika公式サイトより

なお、有料プランは3つ用意されており、各プランによって補充されるクレジット量や生成速度、透かしの有無や商用利用の可否などの条件が変わります。

▼Pikaのバージョンによる性能の違い(Pika AI公式サイトより)

早速、Pikaを使ってみよう!登録方法から画面の見方まで

それでは早速、Pikaを使ってみましょう!Pikaはブラウザ、Discord、iOSアプリのいずれかで利用できます。

今回は、ブラウザ版で登録してみます。公式サイトを開くと登録画面が表示されますので、Google、Facebook、またはメールアドレスからアカウントを作成します。

指示に従って進めば、以下のような画面が表示されるかと思います。これで登録は完了です!とっても簡単ですね。

次に、画面の見方をお伝えしていきます。

まず、左上に表示されているメニューの「Templates」では、Pikaが提供するさまざまなテンプレート(制作物)を閲覧でき、それらのプロンプトを活用して動画をリメイクしたり、編集を加えたりといったことが可能です。

そして「My Library」は、自身が制作した動画を一覧で確認できるページです。フォルダの作成も可能なので、カテゴリごとに制作物を整理しておくことも可能です。

基本的な操作方法としては、画面下部のメニュから使いたい機能を選択し、テキストプロンプトを入力するか、画像をアップロードするだけ。

2025年3月時点で表示されているメニューは以下のような内容です。

  • Pikaframes:静止画やテキストプロンプトから動画を生成する機能
  • Pikaswaps:動画内の一部オブジェクトを別のものに置き換える機能
  • Pikaddictions:動画内に人物やオブジェクトを合成できる機能
  • Pikascens:動画全体の雰囲気や背景を変更し、シーン編集ができる機能
  • Pikaffects:オブジェクトを溶かしたり膨らませるなど特殊効果を適用できる機能

なかでも特にSNS上で人気を集めたのが、Pika 1.5から実装された「Pikaffects」でしょう。現在、「溶ける」「爆発する」「目が飛び出す」「ケーキのように切る」「手で押しつぶす」など合計16個の特殊効果が用意されています。

▼Pikaffectの特殊効果の一部

実際、どのような形で特殊効果が反映されるのかは、こちらの「Pika 1.5」のデモ動画でぜひチェックしてみてくださいね。

そして、画面右下のウサギマークではAIモデルの変更ができ、 「Settings」では動画生成時の細かい設定を行えます。

具体的には、以下のような機能を利用できます。

  • Negative prompt:動画に反映させたくない要素を入力
  • Seed:シード値(※)の割り振り
  • Resolution:画質の選択
  • Aspect ratio:動画の縦横比を指定

※「シード値」とは、生成される動画のランダム性をコントロールするための値。同じプロンプトとシード値を入力することで、似た雰囲気の動画を再現できる。逆に、シード値を変更すれば、同じプロンプトでも全く異なる動画を生成可能で、動画の雰囲気に一貫性をもたせたい場合に有効な機能。

実際に、Pikaで動画を生成してみよう!

それでは実際に、Pikaを使って動画を生成してみましょう!

まずは基本から。画面中央の「Describe your story」と記載されている入力欄に、テキストプロンプトを入力します。対話型プロンプトメーカーを使って、以下のプロンプトを作成・入力してみました。

(※Pikaは日本語も対応していますが、プロンプトをより正確に反映させるために英語での入力がおすすめです)

A playful corgi is running across a lush green meadow, heading toward the viewer with excitement. Its short legs move energetically, ears perked up, and it has a joyful expression on its face. The corgi’s fur is a soft mix of brown and white, and its tail wags slightly as it dashes forward. The background features a vibrant meadow under a clear blue sky, with warm spring sunlight casting a gentle glow. Blades of grass sway as the corgi moves, adding a dynamic touch to the scene.

補足ですが、無料プランではサービス利用者が多い場合に「High Demand right now」と表示され、少しだけ時間がかかるようです。

そして生成された動画がこちらです。いかがでしょうか…? こちらはPika1.5で生成したので画質が少し気になるところですが、コーギーっぽさや尻尾の動きなどはリアルに表現してくれているように思います。(※なお、画質についてはPika2.1が今のところ好評のようです)

次に、画像を使って遊んでみようと思います。以前、グラフィック生成AIツール「Recraft」で生成したこちらのワンちゃんの画像を用いて、無料プランで使える範囲でいくつかの機能を試してみます。

まずは、画像をアップロードし、テキストプロンプトを入力してワンちゃんを動かしてみました。入力したプロンプトは以下の通りです。

Animate a corgi sitting happily with its tongue playfully sticking out and a big, cheerful smile. Emphasize the fluffy tail gently swaying from side to side, conveying a joyful and adorable atmosphere. The corgi should have soft fur, perked-up ears, and bright, sparkling eyes.

そして、生成された動画がこちら。目元と影の部分が少しだけ崩れている…ような気もしますが、かなり自然な動きが表現されていますね。

次に、Pikaの醍醐味であるエフェクト機能を使ってみます!

まずは、冒頭でもご紹介した「Pikaffects」機能です。どれもおもしろそうな特殊効果ばかり揃っていて、初めてメニューを見たときはかなりワクワクしました!

今回は「Poke it」を選択し、先ほどのワンちゃんの画像を突っついてもらいます。

生成時間はおよそ3分程度。完成した動画がこちらです!「Poke it」のテキストプロンプトだけでこのクオリティ、すごくないですか…!?  突っついた時の効果音、そして揺れ感もかなりリアルに表現されています。

もう一つ、「Crumble it(崩れる)」という特殊効果も試してみました。こちらも動きにピッタリの効果音が付けられていますね。

次に、「Pikaddictions」の機能を試してみます!これは、アップロードした画像のオブジェクト(人や動物など)を動画に合成できる機能です。今回は、Templatesにアップロードされていたこちらの動画に、先ほどのワンちゃんを追加してみようと思います。

▼合成前の元動画(Pika Templatesより)

「Pikaddictions」をクリックするとアップロード用の画面が表示されますので、左側に動画データ、右側に追加したいオブジェクトの画像をアップロードします。

待つこと5分。生成された動画がこちら!ちょっぴりアニメチックな雰囲気になりましたが、違和感なく綺麗に合成されているのではないでしょうか…!?

次に試した機能は「Pikaswaps」。これは、動画内のオブジェクトを別のものに置き換えたり、削除できる機能です。テキストプロンプトで指定してもよし、置き換えたいものの画像をアップロードしてもよし、です。

先ほどの動画の猫ちゃんを筆者の愛犬に入れ替えてみましょう。

下図のように、動画と画像をそれぞれアップロードします。

こちらも、待つこと約5分。生成された動画がこちらです!いかがでしょうか? 毛並みや色、表情も自然に合成してくれていますね…!洋服の色も忠実に反映してくれています。

今回は簡易的な生成でしたが、より実用的な使い方がPikaの公式Xで紹介されていますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

なお、もし生成された動画が気に入らない場合は、「Retry」から再度生成し直しが、そして「Reprompt」ではプロンプトの修正ができます。

ただし、この2つの機能に関しても、動画生成時と同じ量のクレジットが消費されるので注意が必要です。

有料プランで利用できるPikaの機能をまるっとご紹介

Pikaの特徴でもありますが、1.0から2.2までそれぞれで利用できる機能が異なるので、利用用途に合わせてモデルを切り替えて使用する必要があります。そこで最後に、有料プランで利用できる機能をまとめてご紹介します。

<Pikaframes(Pika2.2)>

Pikaframesは、2枚の画像をアップロードするだけで「間」を補完し、自然につなげた動画を生成できる機能です。つまりトランジションを調整できる…ということなのですが、テキストでは伝わりづらいので、以下の公式Xが投稿している動画をチェックしてみてください。

<Pika Scenes(Pika2.0)>

Pika Scenesは複数の画像要素(人物、服装、背景など)を組み合わせて一貫性のある動画を生成できる機能です。

従来の動画生成AIツールだとプロンプトを入力して個別の動画を制作し、それぞれをつなげる…という作業が必要だったと思います。一方で、この機能を使えば、キャラクターはそのままで「複数のシーンを一気に作成」できるんです。これにより、これまで以上にシームレスで物語に一貫性のある動画を作成できるようになります。

<Pika1.0の動画編集機能>

Pika 1.0は2023年11月に公開されたバージョンで、以下のような動画編集機能が備わっています。それぞれの機能の紹介ムービーがありますので、どのようなことが出来るのかチェックしてみてくださいね。

  • サウンドエフェクト(効果音の追加)
  • リップシンク(音声に合わせて口の動きを自然に同期)
  • スタイル変更
  • 動画の尺を延長(4秒)
  • キャンバス拡張・アスペクト比の変更
  • 動画の一部分を編集

▼リップシンク機能

▼効果音の追加

▼スタイルの変更

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はPikaの概要から使い方まで詳しくお伝えしてきました。Pikaは無料プランだとすぐにクレジットを消費してしまうの点が少し難点だな…と感じます。とはいえ、楽しみながら動画生成ができる点はかなり好感度が高いので、今後のアップデートに期待です!(了)

▼こちらの記事ではPika以外の動画生成AIツールをご紹介しています。ぜひ一緒にご覧ください

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