• Tokyo Otaku Mode Inc.
  • 経理 / 労務部スーパーバイザー
  • 小高 佳代

リモートワークが前提だからこそ生まれた!「クラウド型」のバックオフィス運営とは

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〜「次世代型」のバックオフィス運営の全貌!リモートワーク前提とした組織の立ち上げから、クラウドサービスをフル活用したペーパーレス化まで〜

働き方の多様性が求められる中で、オフィスでの勤務に縛られない「リモートワーク」を導入する企業が増加中だ。

在宅でも仕事ができるため、子育てや、介護をする社員にとっては、魅力的な制度である。しかしコミュニケーションのタイムラグや勤怠の管理など、乗り越えるべきハードルは多い。

日本のアニメやマンガといった文化の海外発信を目的として創業されたTokyo Otaku Mode Inc.。今や運営するFacebookページは1,900万以上の「いいね」を集め、他にもWebメディアやECサイトを展開中だ。

同社のバックオフィスは、会計業務や書類の管理にクラウドサービスを活用することで、メンバー4名中3名がリモートワーク、という状態を実現している。そしてさらにマネジメントの工夫によって、リモートワークで起こりがちな問題を解決しているそうだ。

今回は、同社の立ち上げ時期から経理・労務を担当していた小高 佳代さんに、リモートワークを前提としたバックオフィスの組織運営について、詳しいお話を伺った。

育児をしながらでは、「出勤して働く」イメージが持てない…

私はTokyo Otaku Modeで、経理と労務を担当しています。以前は外資系の証券会社で経理をしていたのですが、出産を機に退職しました。そのあとは専業主婦として、2人の子どもの育児をしていました。

子育てに専念している間も、「いつかは仕事に復帰したい」とは思っておりましたが、子供がそれぞれに風邪をひいて学校を休んだり、学校行事があったり、夏休みなど長い休みがあるため、毎日出勤して働くイメージが持てなかったのです。

そんな中、私の夫が当時、Tokyo Otaku Modeを仲間と創業しまして、創業時の非常に忙しい夫の姿を目の当たりにし、請求書の作成や郵送といったバックオフィス業務を手伝うようになりました。

そのうちに前職での経理の経験を生かして、帳簿をつけたり、給与計算や送金業務など、リモートでもできる経理業務全般をどんどん引き受けるようになり、労務業務も請け負うようになりました。

現在は弊社の経理・労務部の4名のうち、3名がリモートワーカーです。リモートワーカーでは、週に4日以上、4時間以上勤務できる方を、採用してきました。

リモートワーカーの採用は媒体などを使っていたこともありますが、私の前職繋がりや、ママ友ネットワークの中から人を見つけることが多かったですね。

リモートワークを支える、クラウドサービスの活用術

業務をリモートで実行できるようにするため、様々なクラウドサービスを活用しています。全部で4つのクラウドサービスを活用しています。

例えば、労務の仕事には欠かせない契約書の管理には、「RightSignature(ライトシグネチャー)」を使っています。

RightSignatureを使うと、PDF化されたドキュメントに、簡単に電子署名を付与できるので、オンライン上で仕事を進めることができます。

▼RightSignatureを使って契約書に電子署名を付与する

契約書に限らず、あらゆる書類は全てデータ化して「Googleドライブ」で管理し、ペーパーレスにしています。税務署に提出する書類のように、原本が必要なものもありますが、そういった書類もスキャンをして、全てデータにして保管していますね。

▼Googleドライブを使ったドキュメント管理

また、弊社は日本支店とアメリカ本店がありますが、バックオフィス業務は、私たち国内にいる4名ですべてを行っています。

それが実現できるのは、クラウド型の会計ソフトを使っているためです。国内では「freee(フリー)」を、アメリカでは「Quickbooks(クイックブックス)」を使っています。

▼Quickbooksの使用画面

それぞれのサービスが銀行口座と連携しているため、日本いながらもアメリカの経理業務ができます。

給与も勤怠も、Googleスプレッドシートで一括管理して効率化

ちなみに、給与計算や勤怠管理には、「Googleスプレッドシート」を使っています。専用のクラウドサービスの導入も検討したのですが、コスト面と社内の承認のフローが合わなくて…

有給の付与も、スプレッドシートの関数を使って運用しています。また社会保険料の算出や、経費精算も、同様にスプレッドシートで行っています。

スプレッドシートは、こうしたデータを一括で集約できるので、様々なデータを組み合わせることで、給与台帳や、社会保険料・所得税・労働保険料算出のスプレッドシートも作成しています。

この仕組みによって、給与計算の作成時間も、効率化できました。給与計算であれば確認を含めて、1日半ほどでできます。

もちろんスプレッドシートだからこそ、ファイルにはきちんとアクセス制限を設定し、編集者は全員、2段階認証を行うなど、セキュリティ面にはかなり気を使っています。

コアタイムや毎朝のミーティングで、「働くリズム」を整える

このように、クラウドサービスを活用すれば、リモートでも業務をしっかり進めることはできます。ただ、リモートワークで難しいのは、マネジメント面ではないでしょうか。

以前は、仕事をする時間について、特に規定も設けていませんでした。しかし、何かにつまづいたときにすぐ相談できる人がいなかったり、チームで一緒に問題解決のために知恵を出し合って解決するには、働く時間に関して、一定程度規定を設けることも大切なことだと思うようになりました。

そこで、きちんとチームの「働くリズム」を作るために、いくつかのルールを決めています。

まずリモートワークであっても、コアタイムの開始時刻を、社内の始業時間に合わせています。

そして、「appear.in(アピアーイン)」を使って、朝会を行なっています。音声やメッセージだけでなく、実際に顔を見ることで「出社したような」気持ちになり、働くモードになることができますね。

毎日の朝会で、その日その人がやるべき仕事の確認、抱えている仕事でつまずいていることはないか、確認します。

▼appear.inを使ったMTG風景(画像は編輯部のイメージです。)

また、やはりオフラインのコミュニケーションも大切なので、週に1度は出勤する日を設けています。以前は完全にリモートだったんですが、働きづらさを感じることも多く...。

このように、リモートワークを行う上では、働くリズムを作るルールは大切です。ですが、基本的には「性善説」で運用をしています。

例えば勤怠については、勤務時間と業務内容を各自がスプレッドシートに記載し、それをベースに給与を支払っています。

ITツールを使った気軽なコミュニケーションには「配慮」も大切

また、メンバー同士がコミュニケーションを取りやすいように、工夫することも大切です。

まず、社内のコミュニケーションツールには、ビジネスチャットの「Slack(スラック)」 を使用しています。

仕事のやり取りが気軽にできますし、appear.inやGoogleハングアウトを使えば、作業をしているパソコンの画面共有もできますので、まるで近くで仕事をしているような感覚になれます。

意外と物理的に隣に座って1台のパソコンを二人でみるよりもオンラインで画面共有の方が、スプレッドシートのどのセルにいるのか、分かりやすかったりします。

ただ、やはり離れた距離で仕事をしているので、伝え方にも配慮が必要です。

特に経理や労務は、数字が合っていて「当たり前」という世界です。ですので、間違いをしたときはどうしても、「指摘する」形になりがちです。

そこで、ミスを注意するとき以外のコミュニケーションは、できるだけポジティブになるようにしていますね。

個々のライフイベントに合わせた、「働き方」を作っていく

今度の課題としては、リモートワークを束ねるマネージャーの育成があるかと思います。一般的に管理職になる人は、バリバリ働く「仕事重視」の人が多いので…。リモートワークに理解があり、かつ上に立てる人を、育成する必要があると考えています。

現在の経理・労務部は、完全リモートワークというわけではないので、ハイブリット式です。ただ、この形もいいなと思っていて。

私自身、リモートという形を許されなかったら、こんなにフルタイムで働くことはできなかったと思います。

私も、将来子どもが大きくなれば出社して、仕事をしてもいいと思っています。その時には私の後輩が、出産・育児でリモートワークになるかもしれませんし、今の後輩が育児が落ち着き出社できるようになったら、今度は私が両親の介護などでリモートワークになるかもしれませんね。

このように、ライフイベントを踏まえた働き方を作ることで、「仕事をしたいけれど毎日出社はむずかしい」状態にある方々の力を活かせるようになると思います。

私もまだリモートワークを始めて4年なので、もっと考えを深化させていきたいですね。(了)

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