• Fringe81株式会社
  • 代表取締役社長
  • 田中 弦

賞賛と評価の可視化がカギ!マネジメント層を成長させる「人が辞めない」組織作りとは

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〜急成長する組織における、マネジメントの課題とは。従業員の「賞賛」と「評価」を可視化し、3年間エンジニアが誰も辞めない組織を作った方法〜

組織における「良いマネジメント」とはなんだろうか? 組織が成長していくにあたり、その課題に直面する企業は多い。

2013年にマネジメントバイアウトによって独立後、広告事業を中心に10個のサービスを展開するFringe81株式会社。

同社はこの4年間で、従業員数が30名から約130名にまで増加し、爆発的な成長を遂げた。しかしそれに伴い、社内のマネジメントがブラックボックスになってしまう、という課題を抱えていたそうだ。

そこで同社では、従業員同士の「賞賛と評価」の見える化に取り組んだ。具体的には、「発見大賞」という他薦MVP制度や、従業員全員が「互いにピアボーナス(成果給)を送りあえる」仕組みを作ったのだ。

結果的にこの3年間における、エンジニアの離職者はゼロに。2017年の6月には、東証マザーズへ上場を果たした。そして自社の経験を活かし、従業員同士が少額の成果給を送りあうサービス「Unipos(ユニポス)」を新規事業としてリリースした。

今回は同社代表の田中 弦さんに、Fringe81の組織作りについて、詳しくお話を伺った。

4年間で、従業員が30名から130名に!急成長を遂げたFringe81

私は「時代の最先端のアツい分野」が大好きで、新卒でソフトバンクに入社したあと、いくつかのインターネット企業に創業メンバーとして参加してきました。

Fringe81は、2005年にアドテクノロジー事業から創業した会社です。

「Fringe」には「とんがった」「最先端主義」という意味があるので、それを実現していくのが私たちの目指すところになります。

もともとはエンジニアの企業ですが、今ではメディアのマネタイズ支援や、広告代理店の事業も経営の柱になっています。事業が多角化するとともに従業員も増え、現在はおよそ130名が所属しています。

エンジニア組織に初めて営業が入ったことで、起こった問題とは…

今から4年前、弊社はまだ渋谷の雑居ビルにオフィスを構える、30名ほどの組織でした。その時はまだ、私が全員を見られる規模でしたね。

組織マネジメントについて考え始めたのは、新たに広告代理店の事業を立ち上げることになったときのことです。

それまで、組織はエンジニア集団に近い状態でした。そこに初めて、営業系のメンバーが入ってきたんです。

そうするとやはり、「受注しました!」といった、営業の声が目立ちやすくなるんですね。

また当時の営業は、売上をブーストさせるためにインセンティブ制度(成果給)を設けていたので、成果が見えやすい状態にありました。

ですが、そうすると逆に、なかなか数字で成果を測れないエンジニアが萎える、みたいな感じになってしまって。

経営者としては売上が増えればOKな面もありますが、こういった形で従業員がモチベーションを失っていくのは、後々キツイと考えていました。

マネジメントを改善するために、必要な情報が蓄積されない

さらにその1年後に従業員が80人まで成長すると、もはや何がなんだかわからないことになってきて。

30人のときは、それぞれがどのようなバックグランドを持ち、どういう考え方をしているかわかっていました。更に、私が直接見ていたので、パフォーマンスも把握していました。

でもさすがにこの人数になると、中間マネジメント層を設け、その下にリーダーを置いて…と階層ができていきます。

しかも、中間層にも2種類いるんですよね。外部から採用したマネジメント経験のある人と、内部のメンバーから抜擢された生え抜きの人です。

前者は「前職では〜」という話をする。後者は「俺が下のときは〜していたから、俺のようにやれ」と言ったりする。マネジメントの手法がバラバラなんですね。

また、このような形になっても、「辞めそうな人がいます」「こんなクレーム来ています」といった悪いニュースは、目立つのでわかるんです。しかし、「◯◯さんが活躍しました」「こうしたらもっと良くなる」といった良い情報やフィードバックは、ストックされずに流されていって…。

これはヤバイぞと。このままでは、マネジメントをより良くしていこうと思っても、何か問題が起こった時以外、何の情報も蓄積されていないことに気が付いたんです。

誰がどのようなマネジメントをしているのか、そしてそれが良いのか悪いのか、誰もわからないという状態になってしまっていました。

人知れず会社に貢献した従業員を賞賛する、「他薦MVP」を導入

そこでまず取り組んだのが、従業員の目に見えない「良い仕事」を賞賛する制度づくりです。

特に当時は、目立ちにくいエンジニアの良い仕事をちゃんと発見してあげよう、という意図があり、「発見大賞」という他薦のMVP制度を作りました。

▼「発見大賞」の様子

例えば「◯◯さんがバグをこっそり潰してました!やばい!」といった形で、従業員に「もっと知ってほしい、素晴らしい仕事した人」を選んでもらい、月に1度、全従業員の前で表彰する仕組みです。

発見大賞は4年前から運用していますが、最初の1年間は、私がふせんを配って従業員1人ひとりに推薦内容を書いてもらい、Excelで集計していました。

その後、従業員が増えてきたので、運用を人事部に受け渡し、ある程度の仕組み化を行いました。

具体的には、「Oneteam(ワンチーム)」上に、全員が発見した「素敵な行動」を月に一度シェアする機会を設けました。

▼Oneteam上で従業員の素敵な行動がシェアされる

さらに、全社会議で5人1組になり、互いに誰のどのような貢献を発見したか発表しあい、その場でExcel Online上のフォームで、投票から集計までをリアルタイムで行うようにしました。

このような形で、制度を社内に定着させることができました。今では、人知れず貢献してくれた従業員たちを褒めまくり、大変盛り上がっています。

賞賛だけでなく、「評価」を可視化するピアボーナスを導入

さらに今度は、「評価」を可視化するために、ピアボーナス(成果給)の仕組みを2016年7月から導入しました。

具体的には、従業員が互いにポイントを送り合えるシンプルなシステムを構築し、一定数のポイントを貯めたら、Amazonギフト券と交換できる仕組みを作ったんです。

発見大賞を通じて、会社に貢献した従業員を賞賛する文化は既にできていました。その制度を評価に反映させて、給与やインセンティブと紐付けたら面白いのではないか、思ったことがきっかけです。

導入の際には、弊社の経営陣から「なぜピアボーナスをやるのか」というプレゼンテーションをしっかりと行いました。新しい制度を導入する時は、どのような想いでそれを取り入れるのかという丁寧な説明は、従業員にとって必要だと思っています。

また制度の運用は、カジュアルにできるように気をつけています。「しっかり時間をかけて評価しましょう」なんて言ってたら、日が暮れるじゃないですか。

ですので、気軽に取り組めるよう、Slackと連携して、業務の合間にポイントを送れるように工夫しています。

また弊社の社名にちなんで、「81ポイント送ろう」などと、遊び心をくすぐるような使い方を推奨することで、気軽な空気感を醸成しています。多分1回ポイントを送るのに、1人1分もかけていないと思いますね。

現在は、従業員1人ひとりが1週間に1,200円分のポイントを持っています。それは自分がもらうことはできませんし、翌週への持ち越しもできないようにしています。

だいたい1日に100回ほどポイントのやりとりがされていて、月に1.5万円分ほどのポイントを貰っている従業員もいますね。会社として用意している予算の半分くらいは、毎月使い切っている形になります。

この制度を導入したことで、成果を数字で測れない従業員も、「賞賛されるだけでなく、給与の面でも評価される」ようになりました。以前のように営業だけが目立つことはなくなりましたね。

「良いマネジメント」が可視化されたことで、組織も成長

こうした制度が定着したことで、中間マネジメント層のマインドも変わり、より良い組織づくりができるようになったと感じています。

良いマネジメントを行ったリーダーは、表彰やポイントという形で、その情報がオープンになります。

ですので、他のマネジメントメンバーも、「こんな風に指導すると、チームメンバーが前向きに仕事をして成果を出せる」ということに気が付いて、自分のやり方を見直すようになったのだと考えています。

このような取り組みの効果もあり、この3年間、エンジニアは誰も辞めていません。

さらに現在は、こうした社内制度を運用した経験を活かして、従業員同士が少額の成果給を送りあうサービス「Unipos(ユニポス)」を新規事業としてリリースしました。

今後も従業員がイキイキと働けるような、「普通じゃない」会社を作っていきたいですね。(了)

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