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  • 加留部 有哉

HR Techフル活用のSlackの採用・組織作りを紹介!AIがGitHubから候補者を抽出も?

ビジネス向けチャットツール「Slack」を提供する米Slack社。同社は、今や全世界に800人の従業員と、日本を含む8つの拠点を持つ一大企業になりました。(※2017年5月時点)

当媒体SELECKでもSlack社に取材を行い、「ルールなしで実現する生産性の高い働き方」を記事にさせていただきました。

※Slack社のインタビュー記事はこちらです。

※「そもそもSlackって何?」という方はこちらの記事をご覧ください

そしてこのインタビューで触れられていたのが、Slack社の「採用」です。

オフィシャルなワーキングルールがほとんどないため、「では現実的にどう仕事を回すのか」という疑問を持たれるかもしれませんね。

Slack社では、そこは性善説に近い考え方です。基本的に、チームメイト同士の信頼感・期待感の上に全てが成り立っています。

オフィシャルなワーキングルールがなく、チームメイト同士の信頼感・期待感の上で業務が成り立っている同社。

おそらくこんな働き方ができるのは、難易度の高い選考水準を設け、そこをクリアした極めて優秀な人材を採用しているからでしょう。

今回は、様々な企業が、自社で利用しているWebサービスを公開している「Siftery」というサイトから、Slack社がどのような技術を使って自社にカルチャーフィットした人材を採用しているのかを紹介します。

▶今回紹介するツールのリスト

  • 応募されやすい「募集文」を作ってくれるAI「Textio」
  • GitHub等のSNSから、自社にカルチャーが合う人材を自動抽出する「Entelo」
  • 実は採用効果も高い!?「AngelList」への露出
  • 採用管理の最先端ツール「GreenHouse.io」
  • 従業員の状態を分析する高機能アンケートツール「Culture Amp」

募集文の改善をAIにお任せできる「Textio」

まず1つ目に紹介するサービスは、Slack社だけでなく、Twitterなども利用している言語パフォーマンスを可視化するサービスTextioです。

言語パフォーマンスとはなんぞや?と思うかも知れません。Textioは文字をハックするという新しい概念で生まれたサービスです。

Textioは文章を入力すると、その文章がどれだけ目的に対してパフォーマンスを出せるかをスコアで出してくれ、さらに膨大なデータから改善点をレコメンドしてくれます。

例えば、以下はSlack社のAngel Listのエンジニアの募集文です。

▼Slack社のエンジニア募集文

続いてはオフィスにランチを提供するスタートアップ、Forkableの募集文です。

▼Forkableの募集文

右上の数字は、その募集文の点数です。スコアでそれぞれの募集文の良し悪しがわかるようになっています。またそれだけなく、文章が短すぎることや一つの文が長いことなども指摘してくれます。

そして、なんといってもTextioのすごいところは、使いやすいところ!
文章を作ったら、あとは改善点をぽちぽちしていくだけで募集文を改善できます。Googleドキュメントの提案機能に近いかもしれません。

例えば、青い枠で囲まれた部分は改善の余地のある単語です。ボタンを押すだけで、それが改善されます。

▼「leading the」を「owning the」に変更することを推奨している

そのほかにも、「特にエンジニアに対してはパフォーマンスが高いであろう単語」が緑色にハイライトされます。エンジニアの募集だということも、ちゃんと理解されていることがすごいですね。

また、他社と比較して自分たちの募集文のスコアを比較することも可能です。

▼他社の点数と比較。さすがGoogle….

▼文章が「男性的」か「女性的」かを分析

文字のパフォーマンスを測るというのは、新しいアプローチかもしれません。こうした地道な改善がSlack社の採用を支えているのではないでしょうか。

AIでの採用マッチング?「Entelo」は海外でも注目のHRテック

2つ目に紹介するのが、AIを利用した採用マッチングサービス、Enteloです。

Enteloの一番の特徴は、GithubやFacebook、Linkedin、ブログなど50以上のサービスからプロフィール情報を入手して、1人の詳細なプロフィールを作成することができる点です。

そして、今までの行動傾向から自社とマッチングする可能性が高い候補者が自動で抽出されます。

スカウトメールを打つために、プロフィールを閲覧して、自社に合うかどうかを考える必要がなくなります。
Enteloでは詳細なプロフィールと候補者の直近の行動から、機械学習によって、適切な人材がマッチングされるのです。

プロフィールには、スキルや何に興味がある人材なのか、情熱を持っているのかがわかるので、ただスキルが採用要件を満たしているだけでなく、カルチャーフィットしそうな人材を探すことができます。

▼機械学習と人工知能で候補者を絞り込む

また、独自のアルゴリズムにより、「90日以内に転職する可能性が高い」候補者も抽出できるので、タイミングを逃さずにリクルーティングが可能です。

▼詳細なソートと検索が可能

Slackのような拠点をいくつも持ったグローバル企業にとっては組織の多様性をどう作るかということについても採用テーマになっています。

Enteloでは、自社の多様性がどうなのか、多様性を増やすためにはどこが足りていないかを探すことができます。例えば、民族、言語、軍隊歴などで多様性が形成され、Entelo上でアプローチすることができます。

▼ダイバーシティを作るための採用が可能に

Slack社のMikeも同社ではダイバーシティを大切にして採用していると明言しています。

Slack社では、今後もダイバーシティを大切に、新しい人材をどんどん採用していきます。

色々な人が働いていることで、それがより良いプロダクトに反映されると考えているからです。今後もより多くの人に、Slackが実現したいワーキングカルチャーを届けていきたいですね。

投資情報まで知ることができるスタートアップ向けの「AngelList」

続いて紹介するサービスは、多くのユニコーン企業が利用している採用媒体、AngelListです。
Sifteryに登録している33%のユニコーン企業が利用しているサービスで、日本でもご存知の方は多いのではないでしょうか。

AngelListは、もともとスタートアップと投資家をつなぐためのサイトでした。そこから、スタートアップで働きたい人のための採用情報も扱うようになっています。

登録してみると、けっこうがっつりと自分の経歴や年収などの情報を書き込む必要があります。
レジェメをアップロードするあたりが海外の採用媒体という感じがしますね。

▼AngelListの登録ページ

企業ページには、募集している職種だけでなく、誰からどれだけの投資を受けたのか知ることができます。
注目すべきスタートアップなのか、今どんなフェーズなのかすぐにわかりますね。

▼Slackの企業ページ

▼投資に関する情報

また、どのような投資をしているかも知ることができます。
スタートアップやユニコーン企業にとても感心の強い採用候補者が集まること、彼らがマッチングしやすい情報が掲載されていることが、AngelListの強みと言えそうです。

採用管理の先駆け、採用活動を全面支援する「GreenHouse.io」

GreenHouse.ioは採用管理のためのツールです。
採用管理は日本でもどんどんサービスが出てきていますが、GreenHouse.ioはその先駆けと言ってもいいでしょう。

GreenHouse.ioでは、募集から採用、オファーまでを一括管理することができます。

採用では母集団を形成することも重要ですが、GreenHouse.ioでは募集文をいくつかの媒体やSNSに同時に出すことが可能です。

また、この記事ですでに紹介したEnteloなどともシームレスに連携できるなど、サードパーティとも繋がり、リファラル採用も含めて全ての候補者を簡単に管理することができます。

インタビューキットでは、面談の目的や今までの履歴を踏まえてインタビュアーに面談に臨んでもらえることができますし、スコアリングも項目に分けて詳細に行うことができます。

▼面談の目的や役割、レジェメも簡単に共有できるインタビューキット

▼面接の結果も共有しやすいフォーマット

他にもタスク管理やオファー文章の作成など細かいところまで行き届いた機能がたくさんあります。

組織の健全性は従業員からのデータで改善!「Culture Amp」

Culture Ampは海外でもっとも使われているといってもよい従業員向けのアンケートツールです。

顧客を見ると、有名どころがずらり….SlackだけでなくNIKEやORACLE、AirBnb、Adobe、GoProなど先進的な企業の多くが利用しています。

Culture Ampは従業員のエンゲージメントや仕事のパフォーマンス、キャリア形成、新入社員の馴染み具合などを心理学に基づいたアンケートを実施して分析することができます。

分析結果もかなり詳細です。
例えば、新入社員のオンボーディング調査では、どのような理由で入社を決めたのか働きがいを感じることができたのかが分析結果によって明らかになります。

▼入社を決めた理由がずらりと….

▼入社した後の重要な要素を特定

※オンボーディングとは、新しく入社したメンバーがチームや仕事に慣れ、活躍するまでのプロセスのことです。

これを元に、企業は新しく入る従業員が職場に早く馴染み、パフォーマンスを発揮するにはどうすればいいか考えることができます。

例えば、入社後の役割について入社前に話されていたものと微妙に違った場合は、今後の採用活動において工夫を凝らして説明する必要が出てきます。

また、Culture Ampの中で、施策についてアクションプランを考えることもできます。これらを実行していくことで、確実に「良い会社」を作っていくことができます。

▼社内のエンゲージメントとその評価

まとめ

いかがでしたでしょうか。Slack社では、GitHubなどの外部サービスのデータだけでなく、文字情報、従業員の定性的なデータも活用して、質の高い採用を行なっているようです。

このように、データに基づいた細かな改善を着実に実行しているのもやはりSlackの強さではないでしょうか。今後もHR領域でのデータ活用やテクノロジーに注目ですね。

SELECKでも、HR領域でプロダクトを開発しました

また、SELECKでも、HRの領域で「Wistant」というプロダクトを開発しました。

SELECKでは、500社以上の取材を通して、「日々、振り返りを行い、常に改善を繰り返すことが、チームの目標達成を実現する」という傾向を発見しました。

この「振り返りと改善」の実行を、botを活用した「KPT(※)」を通してサポートするのが、「Wistant」です。

※Keep(良かったこと)、Problem(悪かったこと)、Try(新たに試したいこと)をシェアする振り返りの方法

「目標を達成するチームを作りたい」とお考えの経営者・マネージャーの方々は、ぜひ、チェックしてみてください。

チームを目標達成に近づけるロボアシスタント「Wistant」無料トライアルはこちら

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