- コラボレーター
- 加藤 章太朗
市場規模は1.2兆円超!セルフマネジメントを促進する「ビジネス・コーチング」の全貌
スポーツ領域から始まったコーチング。例えば、「RIZAPによるダイエット」「NIKE+によるランニング」など、目標達成を目指す人々をサポートする手法として注目されています。
また、コーチングはビジネス領域でもパフォーマンスを上げる手法として注目されており、アメリカでは、ビジネスコーチングの市場は1.2兆円以上(※)と言われております。
(※)「Business Coaching in the US: Market Research Report」を参照
そこで、今回は、ビジネスマンの可能性を広げるコーチングについて、解説させていただきます。
ビジネスパーソンとして成長したい方やマネジメントに課題をお持ちの方は、ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか?
<目次>
- コーチングとは
- ビジネス・コーチングとは
- これから日本でビジネスコーチングが求められる理由
- ビジネス・コーチングのステップとは
- コーチングアプリのご紹介
コーチングとは
コーチ(coach)という言葉は、もともとは希望地点まで人を運ぶ「輸送手段」のことを指すそうです。つまりコーチングとは「人がある目標に近づくためのサポートを行うこと」と捉えると良いと思います。
もちろん、世の中のコーチングの書籍にはもう少し細かい定義が沢山記載されています。
例えば「人の能力を強化し目標達成に近づける」や「学習を促進させる技術」など、能力や学習にフォーカスしている定義もありますが、まずはざっくりとしたイメージを説明していきます。
なお、目標に近づくために行動する主体はコーチではありません。コーチは、コーチング受講者の主体的な行動が起こるようサポートします。
ビジネスコーチングとは
コーチングとは「人がある目標に近づくためのサポートを行うこと」と定義しましたが、その中でもビジネスの世界にフォーカスしたコーチングはどのような定義になるのでしょうか。
コーチングの起源と言われているスポーツの領域のコーチングとの比較を行いましょう。
スポーツの世界では選手とコーチがいて、コーチは選手が試合で勝つ(目標を達成する)ために、サポートを行います。
この際にフォーカスするのは、能力の獲得や向上です。例えば「ボクシングでパンチのスピードを上げる」といったことです。つまり、「行動のレベル」に重点を置き、レベルを上げるためのサポートを行います。
一方で、ビジネスコーチングは、「行動の変化」に重点を置き、目標を達成するためのサポートを行います。
ビジネスシーンでは、能力を上げたり獲得せずとも、行動を変えることで目標を達成できることは多々あります。
例えば、1ヶ月に1回顧客に連絡をしていた営業マンが、週に1回にすることで、受注金額が上がる可能性があります。
これは、その営業マンの能力が上がったというよりは、行動が変わったということになります。
そのため、ビジネスコーチングでは、目標達成のための何かしらの障害を取り除く行動を促すなど「行動の変化」がより重要と考えられています。
よく「セルフマネジメントできる人材が求められている」という話を聞きますが、ビジネスコーチングはまさにそのような人材を育成する手法ではないでしょうか。
ビジネスコーチングが求められる理由は、2025年までに不足する労働力
ビジネスコーチングが大きく広がり始めたのは、1995年頃と言われており、IBMなどの大企業が導入を始めました。
昔からあるビジネスコーチングですが、日本ではこれから大きく普及していくのではないかと思います。
その理由は労働力不足です。
以下はパーソル総合研究所の調査結果ですが、2025年までに各産業で大きな人手不足が発生すると言われています。
※労働市場の未来推計から引用
人手不足だからと言って企業は売上を下げることはできないため、少ない人数で同じ成果を上げなければなりません。
そうなれば、マネージャーはよりプレイングマネージャーであることを求められていくでしょう。
また、セルフマネジメントできる人材を育成する必要が出てきます。
そのため、ビジネスコーチングのニーズは、今後、より高まっていくのではないでしょうか。
ビジネスコーチングのステップとは
企業でビジネスコーチングを取り入れるためのステップは、5つに分類できます。
Step1:コーチと受講者で守秘義務を交わす
コーチングの効果を高めるためには、「コーチは人事査定などとは関係がない」という受講者の信頼を高める必要があります。コーチが上司や人事の手先と思われてしまうと、効果が出ないからです。
そのために、まずはコーチと受講者で守秘義務契約を交わすのが一般的です。そして、上司にもこれらのことを理解してもらう必要があります。
Step2:アクションプランの作成
コーチと受講者で「目標」と「目標を達成するためのアクションプラン」を作成します。
Step3:行動とコーチング
目標達成に向けて受講者が行動を開始し、コーチとの対話の中でコーチングが行われていきます。
Step4:振り返り
目標達成に向けた進捗をまとめ、コーチングが順調に進んでいるか確認します。
Step5:評価
決められた期間が終了したら、振り返り結果をもとに、コーチング全体の評価を行います。
- 行動が変わったか?
- 行動の変化が目標達成につながったか?
といった点について評価を行います。
コーチングアプリのご紹介
人によるコーチングだけでなく、近年では健康などの幅広い領域にも拡がっているコーチングアプリをご紹介させていただきます。
多くのビジネスパーソンが活用しているNIKEのランニングアプリで、アプリがパーソナルコーチになってくれます。
主な機能は以下です。
- ランニングデータを蓄積できます。
- ユーザーのランニング記録を分析し、最適なランニングプランを提案してくれます。
- ランニングの結果を友人にシェアできます。
- トップアスリートや芸能人の激励によってランニングをモチベートしてもらえます。
ビジネス、健康、などあらゆる分野のコーチングに対応しているアプリです。
まずは、コーチングにもっとも重要な目標を設定します。「スキル向上」「生産性を上げる」「悪い習慣を断つ」など幾つかの選択肢から目標を選びましょう。
次にアクションプランを設定します。例えば「スキル向上」を選ぶと、外国語の学習やプログラミングの学習などいくつか選択肢が出てくるので選びましょう。
最後に、目標に対して「どのくらいの頻度で振り返るのか。いつリマインドを受け取るのか。」を設定し、アクションを実行しチェックしましょう。
なお、このアプリでは、課金をすれば実際のコーチを探してコーチングしてもらうこともできます。
「チームの目標達成」「生産性の向上」「チームメンバーの関係性の改善」のためにbotがチームメンバーをコーチングするアプリです。
botがメンバーに質問を送り、その回答をもとにチームの課題を特定します。そして、その課題を解決するためのアクションを提示してくれるというサービスです。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
また、SELECKでもコーチングサービスを開発し、招待制でご提供を開始しています。
Wistantでは、チームメンバーが自分の目標に対して、botと振り返りを行います。
振り返りの形式は、KPT形式(良かったこと、悪かったこと、新たに試したいこと)で一箇所に集約されるため、目標に対して「何がうまくいっているのか」「何が問題なのか」「どんな改善を行っていきたいのか」といったことが明確になります。
そして、振り返りから出た改善のプロジェクトを、完了まで管理することできます。
▼改善のアクションが一覧化される
▼各プロジェクトに対して、アドバイスや「いいね!」で実行を後押し
※Wistantはこちら
いかがでしたでしょうか?今後、日本のではセルフマネジメントできる人材が求められ、ビジネスコーチングはより必要とされるでしょう。
今後もSELECKでは、ビジネスシーンにおける新しい概念やサービスについてご紹介させていただきますので、ぜひ、ご覧いただけますと幸いです。
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