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アプリへの誘導とUI/UX改善で、予約件数が1年で3倍に!スペースマーケット成長の裏側

〜「SNS広告による集客」「バナーでのアプリ誘導」「検索画面のUI/UX改善」で、スペース予約件数を1年で約300%増加させた、スペースマーケットのグロース施策をご紹介〜

人材、スキル、時間といった「空きリソース」をシェアするビジネスは、ここ数年増加の一途を辿っている。

その中でも、「空きスペース」に着目し、利用者のニーズに応じて1時間単位で貸し借りできるプラットフォームを提供しているのが、株式会社スペースマーケットだ。

2014年4月にWebサイト上でサービスの提供を開始した同社は、2015年6月にiOS版、2017年1月にはAndroid版のアプリをリリース。Webと比較してコンバージョン率の高いアプリにより注力するため、2017年夏にはアプリチームの発足も行った。

そして広告運用や、Webからアプリへの誘導の強化、さらにアプリ自体のUI/UX改善を行ったことで、スペース予約件数は昨年の約3倍に増加したという。

今回は、同社でアプリのディレクターを務める山本 玲奈さんに、アプリチームの立ち上げ背景から、集客・コンバージョン施策に至るまで、詳しくお伺いした。

LTVの高いアプリに注力すべく、社内の体制を変更

私は、元々「ゼクシィ」の広告ディレクターを務めていました。昨年、スペースマーケットに入社し、現在はアプリチームのディレクションを担当しています。

スペースマーケットは、空きスペースを1時間単位で貸し借りできるプラットフォームです。スペースは、会議室からお寺や古民家、さらには無人島まで、全国で1万件ほどを取り扱っています。

スペースの予約は、PC版Webサイト、モバイル版Webサイト、そしてアプリの3つを通じて行うことができます。

私が入社した当時は、iOS版アプリをリリースして約1年半が経っていましたが、特にチームもなく、エンジニアだけで改善を行っているような状況でした。

ですが実際に数値を見てみると、Webよりアプリの方が、予約へのコンバージョン率やユーザーのリピート率などが高く、3つの媒体の中で最もLTVが高かったんですね。

また、予約をひとつ獲得するのにかかるコストもアプリの方が低かったため、アプリを成長させることがサービス全体の成長を牽引するのではないか、と考えるようになりました。

そこで2017年の夏に、エンジニア4名とデザイナー2名を専属にしたアプリチームを発足し、会社として注力する体制にシフトしたんです。

ターゲティングしたSNS広告の運用で、新規顧客を獲得

アプリチームのKPIとしては、「インストール数」と「コンバージョン率」の大きく2つを追っています。

まずインストールに関してですが、獲得経路は広告、検索からのオーガニック流入、そして自社のモバイル版Webサイトの3つあります。

広告は、Facebook、Twitter、Instagramの3媒体をメインに運用しています。ここでは、チャネル別のユーザー層に合わせて最適な広告を出し分けています。

例えばTwitterでは、「アニメ好き」のコミュニティが発達しているんですね。

そこで、コスプレイヤーさん達に「撮影場所」としてレンタルスペースを利用していただくため、古民家や廃校、無人島など、レイヤーさんに人気の高いスペースを訴求する広告を打っています。

▼コスプレイヤー向けに「撮影場所」としてのレンタルスペースを訴求したTwitter広告

また、Instagramには10代後半〜20代前半くらいの若い女性が多いので、フォトジェニックなパーティー利用や、イベントシーンに掛け合わせてスペースを紹介するようにしています。

▼若い女性向けにパーティー利用を訴求したInstagram広告


一方でFacebook広告は、わりと全方位的に行っています。と言うのもFacebookユーザーの属性が、ビジネスマンから主婦、学生さんまで、多岐にわたるからです。

そこで、基本的にはFacebookの類似オーディエンス機能を利用して、「ビジネスマンには会議室に使えるスペース」という形で、ユーザーの属性に合わせて広告を出し分けています。

KARTEの活用で、Web上のポップアップからアプリへ誘導!

また、Webサイトからのアプリへの誘導も強化しています。特にモバイル版Webサイトはスペース予約へのコンバージョン率が一番低いので、いかにアプリの方に移行させるかということに注力しているんですね。

具体的には、「KARTE(カルテ)」というWeb接客ツールを利用して、インストールバナーをポップアップ表示しています。KARTEを使えば、エンジニア工数をかけずに、色々な施策を試すことが可能です。

その中でも最も効果が高かった施策は、インストールバナーのクリエイティブ変更でしたね。

初めは、とにかく大きく、目立つように表示した方がクリックするだろうという仮説から、バナーを画面いっぱいに表示していました。

ですが、その後A/Bテストを繰り返す内に、実は大きいほどクリックせずに消されてしまう場合が多いことがわかってきまして。

▼左から順に、インストールバナーのクリエイティブを改善

最終的には、画面の一番下に、埋め込み式のバナーを表示する形に落ち着きました。

また、訴求文言は「◯円オフ」といったお得情報より、「スペースがサクサク探しやすい!」など、アプリならではの便利さを伝えたほうが、インストール率が高かったですね。

他にも、ポップアップを出すタイミングなど、一週間毎に変数をひとつずつ変えながら、2ヶ月くらいかけて検証を重ねました。

こうして、A/Bテストを繰り返し、改善を重ねた結果、アプリのインストール数が3ヶ月で約140%に増えました。

プッシュ通知を活用し、インストール後の離脱を防ぐ

アプリをインストールしていただいた後は、スペース予約へのコンバージョンが目標になります。

アプリの場合、インストールの時点でWebより一段高いハードルを越えてきているので、スペース利用へのモチベーションはやはり他のチャネルと比べると高いです。

ですが、実際に新規インストール後の継続率を追ってみると、8日後にいきなりガクッと数値が落ちていまして…。


つまり、インストール直後の一週間に何もアクションをしないと、アプリを利用せずそのまま離脱している可能性が高いことがわかったんですね。

そこで、最初の7日間にユーザーとの接点がなくなってしまわないように、プッシュ通知を活用しています。

プッシュ通知は、パーティーや会議などの利用用途別に、予約の山が来る直前のタイミングで週に2回送るようにしています。

これによって、初めの1週間におけるユーザーの離脱を減らすことができました。

アプリユーザーのニーズへの仮説から、検索画面のUI/UXを改善

そうして、最初の1週間を乗り越えた後は、いかにリピート利用いただくかが重要です。

そこで、成約までの離脱箇所をファネル分析したところ、「スペース検索時」に多くの離脱が起こっていることが分かりました。

また、ログインしてからスペース予約に至るまでの時間も、Webよりアプリの方が5、6時間早いんですね。

ここから仮説するに、おそらくアプリでスペースを検索する人の方が、利用目的がはっきりしていて、「より早く探したい」というニーズがあるのではないかと。

そこで、より早く目的のスペースに辿り着けるよう、検索画面のUI/UXの改善を行いました。

具体的には、選択したエリア内のおすすめが表示される「マイエリア機能」を追加したり、検索キーワードの履歴を過去10回分まで保存できるよう「検索履歴の強化」を行いました。

この結果、検索画面での離脱率は15%減り、全体のコンバージョン率も向上しましたね。

さらに、アプリユーザーはWebよりも「個人利用」かつ「少人数」で利用される方が多いので、例えば「少人数で貸切できるレンタルスペースまとめ」などをトップに掲載して、より気に入るスペースを見つけやすくする工夫もしました。

こうした改善は、本当にユーザーの体験を良くしたいという想いから、アプリエンジニアが主導して日々実行してくれています。

人々の暮らしに寄り添う、スペースインフラを作っていきたい

このように様々な施策を実行した結果、スペース予約件数は昨年に比べて約3倍に増えました。

また、売上に占めるアプリの割合は、ここ1年で約10%伸び、現在は全体の3割を占めています。

さらに、アプリの頻繁なアップデートやクラッシュ率を低く抑えることで、iOSではこの半年で3回もAppStoreに「おすすめアプリ」として取り上げていただき、これが更なるインストール数の伸びに繋がっています。

今までは、例えば「飲み会」を開催する際には、「居酒屋」や「レストラン」を検索するのが一般的でした。それが今では、他人の家の空きスペースを借りて開催するということも選択肢のひとつとして入ってきています。

また同様に、「会議」を行う際には、自社の会議室だけでなく、空いている「古民家」を利用して会議をすることだって可能です。

このように、「レンタルスペース」というツールを軸に、人々の働き方や暮らし方の変化をリードして、世の中の新しいカルチャーを作っていけたらいいなと思っています。

そして、「働く・遊ぶ・泊まる」といった暮らしの全てに寄り添う「スペースインフラ」になっていきたいですね。(了)

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