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採用する側も、される側もハッピー!累計30人が参加した「社会人インターン」の全貌

〜インターン経由の退職者はゼロ?!スタートアップの人材不足を解決し、入社後のオンボーディングを前倒しする「社会人インターン」運用の実態とは〜

近年、複数の仕事から収入を得る「パラレルワーク(複業)」など、新しい働き方が注目を集めている。

研究者の可能性を最大化することをミッションとし、理系学生のダイレクトリクルーティングサービス「LabBase(ラボベース)」などを運営する、株式会社POL。

2016年9月に創業した同社は、TechCrunch Tokyo2018で行われたスタートアップバトルの決勝に出場し、審査員賞をダブル受賞。今、勢いに乗るスタートアップだ。

その成長を社員とともに支えてきたのが、複業の形でジョインする「社会人インターン」のメンバーだという。

エンジニアからビジネスサイドまで、幅広い職種のメンバーが組織の「経験不足」を埋める活躍をしてきたことから、2018年よりその採用を強化。

現在、20名ほどの社員数に対し、同じく20名ほどの社会人インターンが活躍しているという。

その制度運用においては、社員と同等の権限を与え、情報をフルオープンにすることで、柔軟な働き方を実現しながらも高いコミットメントを引き出しているそうだ。

今回は、同社で人事責任者を務める渡辺 晋次さんと、実際に社会人インターンを経験し、新規事業に携わる星 千桂子さんのおふたりに、社会人インターン制度の実態について詳しくお伺いした。

2年で30名がジョイン!POLが「社会人インターン」を始めた理由

渡辺 僕は今、POLで人事の責任者をしています。創業3ヶ月目に「社会人インターン」の形でジョインし、その半年後くらいに正社員として入社しました。

もともと、新卒で入社した会社では、ビジネスサイド全般を経験していました。理系出身だったのですが、たまたまWantedlyでPOLの求人を見かけた時に、ミッションにものすごく共感したんです。

当時は全く転職する気はなかったのですが、一度話を聞いてみたいなと思い、代表の加茂に会いまして。そして、直接話したその日に「何でもいいから手伝わせてほしい」と申し出ていましたね(笑)。

次にジョインしたエンジニアも、僕と同じように社会人インターンの形で関わり始め、そこから正社員になりました。この形が、エンジニアからビジネスサイドまで3〜4人ほど続いていたんです。

創業してまもない頃って、マネジメントや事業経験のある人の採用がなかなか難しくて。その役割をインターンの方々が担ってくれて、実際に上手く回っていたので、2018年頃から社会人インターンの採用を強化し始めました。

この2年で、累計30名ほどが社会人インターンとしてジョインしており、その内10名がそのまま社員として入社しています。さらに、これから入社予定の5名も、インターン経験者です。

その職種は、営業、広報、新規事業からエンジニアまで、多岐にわたっていますね。

 私は、2018年10月から社会人インターンを始め、2019年1月にPOLに入社しました。これまで、バックオフィス、営業、新規事業などのビジネスサイド全般に携わった後、前職ではエンジニアに転向し、Webサービスの開発をしていました。

そんな中で、代表の加茂からTwitterでDMをもらったんです。POLのことは以前から知っていたので、本当に軽い気持ちで遊びに行ったんですよね。

そこで加茂の熱い思いに惹かれたのですが、転職するつもりはなかったので「ボランティア的な感じでお手伝いできれば」とお伝えしました。

後回しになりがちな「緊急度が低く、重要度の高い」仕事を任せる

 前職の会社でフルタイムの勤務を続けながら、合間の休憩や業務後の時間を使って、POLの仕事を始めました。平日はリモートにして、朝会やミーティングなどにはオンラインで参加して…頭の切り替えは、結構大変でしたね(笑)。

実は、POLには新規事業のビジネス側のポジションでジョインしたんです。というのも、前職ではエンジニアとしてのスキルを高められていた一方で、それをどのようにビジネスに繋げられているかの実感が持ちづらくて。

POLでは本当に何もないところからのスタートで、6人中4人が社会人インターンというチーム体制でした。なので、新規事業の方向性のブレストから始まり、みんなでイチから決めていった形です。

渡辺 基本的に、正社員とインターンの方との垣根は全くないのですが、業務を調整する際に気をつけていることがひとつだけあります。

それは「緊急度は低いけれど、重要度の高い課題」の解決をお任せするということです。

というのも、会社としては目標に対するマイルストーンを達成しなければならないし、インターンの方は現職との業務調整があると。そこで緊急度の高いタスクをお願いすると、お互いにとってストレスになってしまうんですよね。

一方で、緊急度は低いけれど、重要度の高い仕事って、組織として本当は手をつけたいのに後回しになってしまう領域だと思っていて。

そこを手伝ってもらえると会社側はすごく助かりますし、インターン側も解決しがいのある課題なので、win-winになるのかなと思いますね。

新規事業などは、まさにその実例で。今いる社員だけですと、経験も割ける時間も少ない中で、リードタイムがどうしてもかかってしまうんです。そこを知見のあるインターンの方にジョインしていただくことで、推進力を高めることができました。

情報のオープン化と権限委譲によって、コミットメントを高める

渡辺 また、社会人インターンを受け入れる上では、情報をフルオープンにし、意思決定の権限をできる限り委譲することが大切だと考えています。

弊社Slackのパブリックチャンネル比率(reading)は90%を超えていますが、すべてのチャンネルはインターンの方々にも開放されています。

また、Googleドライブやドキュメント管理ツールなどの権限も社員と同じく付与しているので、個人情報を除くすべての情報にアクセスできる形です。

その方が、1人ひとりがより能動的に動けるじゃないですか。そうすることで「もっとPOLに関わりたい」という気持ちを高めてもらえたらと思っています。

 これがもし「インターンの方はここまでです」という形だったとしたら、正直お手伝いする範囲も自分で制限してしまうと思うんです。

実際、最初はインターンとはいえ「副業」と同じだろうと思っていたのですが、本当に社員と同じ権限が与えられるので、組織にコミットしたい気持ちが徐々に高まっていきましたね。

渡辺 さらに、組織のミッション・ビジョン、バリューの浸透も、社員と同様に注力しています。というのも、僕らのようなスタートアップでは、同じ方向に向かって頑張れるかどうかがとても重要だと思っていて。

そこで、ミッションを伝える戦略会議や、毎週金曜にその週にあった良いできごとを共有し合う「BUMP FRIDAY」にもお声掛けし、無理のない範囲で参加いただいています。

入社後の定着率は100%!前倒しの「オンボーディング効果」も

 通常の転職ですと、どうしても最後までわからない部分ってあると思うのですが、インターンを経験すると、本当に自分がマッチするかどうかを確かめることが可能です。

また、私のようにエンジニアをやりながら新規事業に挑戦したりなど、未経験の職種や事業にもチャレンジしやすいと感じています。

渡辺 社会人インターン経由で社員になられた方は、入社後のギャップみたいなものが生まれにくいんですよね。結果論ではあるのですが、いわば「オンボーディングの前倒し」のような効果があって。

事実として、社会人インターン経由でご入社された方は、今のところ離職がゼロになっています。

また、社員だけでなくインターンとの方とも1on1を実施し、個別のコミュニケーションを取っています。人事や部署のマネージャーだけでなく、他部署の社員とも実施することで、お互いの理解を深めていますね。

1人ひとりに向き合うことを大切にしている一方で、組織の拡大を見据えて社会人インターン制度を体系化しようかと考えたこともありました。ですが、結局は「ルール化しすぎない」方がいいと思っていて。

というのも、やはり人によって働ける時間も持っているスキルもバラバラなんですよね。その中で一番大事なことは、1人ひとりがPOLで活躍し、成果を残してくれることだと考えています。

なので、組織への関わり方などをきちんと擦り合わせた上で、目標設定についても個別相談の形で柔軟に対応しています。

例えば、営業やカスタマーサクセスのような定量指標を持つようなポジションであれば、数値的な目標を担っていただくこともありますし、逆に新規事業などの場合は、目標を決めきらずに、どこまで一緒にできそうかを短いスパンで都度確認する形にしています。

一方で報酬については、入社後の評価に関係なく、採用時に固定額のオファーを出しています。ここで気をつけていることは、お互いがハッピーになれる条件の時だけお願いする、ということです。

というのも、双方が納得した水準でないとどうしてもモチベーションが上がりづらいですし、互いにストレスが生じてしまいがちです。なので、目標設定は柔軟にしつつも、入り口で無理をしないことが大切ですね。

社会人インターンは「リソース」ではなく「ファン」のひとり

渡辺 今後は、さらなる成長のため、社員・インターン問わず2019年8月末までに60名の採用を計画しています。僕と一緒に、ピープルエクスペリエンスを担ってくれる方も絶賛募集中です(笑)。

この目標を達成するためには、人事ひとりだけでは到底追いつけないので、全社員を巻き込んだ採用活動に取り組んでいます。

例えば、採用ペルソナは該当のチームで決めてもらっていますし、スカウトサービスも全社員に開放しているので、朝会に採用アクションの時間を設けているようなチームもありますね。

こうして徹底的に現場へ権限を委譲しているので、気が付いたら「今週もう4人面談しましたよ」みたいな社員もいて。僕はその動きに対して、ただ「いいぞー」って盛り上げる役なんです(笑)。

全社員での採用は、自分たちがどのような人と働くのが良いのか、どういうチームを作れば実現したい世界に近づけるのか、といったことを考える機会にもなるので、チームビルディングにも効くと感じています。

一方で、僕らの思想としては、社会人インターンをただの「リソース」として捉えたくないんですよね。そのまま入社される方もいれば、卒業される方もいると。

その中で、POLとしてはインターンをきっかけに「ファン」を増やしたいと思っていて。というのも、一緒に働く中で会社のミッションや事業のことをよく理解してくれているので、社員の次に熱量の高い存在になるんです。

今後も、全メンバーで協力しながら、ミッションの実現を目指していきたいと思います。(了)

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当媒体SELECKでは、これまで600社以上の課題解決の事例を発信してきました。

その取材を通して、自律的な成長を促す「伴走型のマネジメント」が、組織づくりにおいて重要であるという傾向を発見しました。

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