• クラウドゲート株式会社
  • 取締役 法人事業部長
  • 野尻 貢司

年間18,000点の制作業務の工数・コストを一元管理!「創る」を支援する土台づくり

今回のソリューション:【TeamSpirit / チームスピリット】

〜エクセルによる煩雑なタスク管理を代替したERP「TeamSpirit(チームスピリット)」の使い方〜

イラスト、デザインの受託制作を行うクラウドゲート株式会社は、年間で18,000点を超える発注に対して、約1,000名のクリエイターが制作にあたっている。そのタスク管理は非常に煩雑で、人によって業務量が偏ってしまう課題を抱えていた。そんな中、同社取締役、野尻 貢司さんが導入したのがERP(Enterprise Resource Planning)サービスの「TeamSpirit(チームスピリット)」。

TeamSpiritは、「勤怠管理」「就業管理」「経費精算」「工数管理」「電子稟議」など、業務につながるシステムをクラウドでひとつにまとめ、ワークフローやタスクの一元管理を行うことができるサービスだ。タスク管理という末端から、経営理念の「『創る』を支援する」というビジョンまでを体現したというこの仕組みの裏側を野尻さんに聞いた。

年間で18,000件の発注を1,000名のクリエイターが制作

クラウドゲートには2009年に入社し、今6年目になります。現在は取締役を務めており、ゲームイラストの受託制作を行う法人事業部をまとめる役割を3年ほど担っています。

年間200タイトルほどのゲームの開発をお手伝いさせて頂いていて、2014年に発注して頂いた件数が18,000件ほどありました。それを約1,000人のクリエイターさんと共に制作させて頂いています。

エクセル管理はもう限界!ERPシステムで全体最適化へ

もともと受託制作のプロジェクトがしっかりと管理できていなかったんですよ。タスクをExcelで管理している担当者もいましたが、人によって管理方法がばらばらの状況で、それを把握するのも一苦労でした。それではいけないということで、プロジェクト単位でも、ひとつのイラストの受託単位でも、きっちり管理できるようにしようという流れに自然になっていきましたね。

そこで導入したのがTeamSpiritです。新しいシステムだったので、まずはみんながちゃんと使うようにすることが非常に大変でした。ただ、導入時期の取り組みがその後の定着にとても重要だと分かっていたので、社内マニュアルを用意し、事あるごとに細かい周知を行って、人的対応も含めてきっちりと進めていきました。

更にTeamSpiritは勤怠管理システムでもあるので、ちゃんと使ってもらわないと勤怠管理ができないということもあり、現場に浸透しやすい性質を持っていたと思います。

TeamSpiritで「誰が」「いくらで」「何をするのか」一元管理

メインで利用しているのは、TeamSpiritの主機能である「プロジェクト管理」と「勤怠管理」の2つです。特にプロジェクト管理に関しては、案件概要から外注管理、内部管理まで、細かい情報を集約しています。例えば、受注した案件の

①受注金額 ②制作スケジュール ③外部のクリエイターさんの人数 ④外注金額 ⑤社内の担当ディレクター・デザイナー ⑥社内担当者の工数

といった情報が最低でも必要になります。大枠だけ挙げてもこのように複雑でして、しっかりと管理していくことが重要なんですよね。

▼タスク、勤怠、経費までを管理できる「TeamSpirit」

クリエイターさんやディレクターだけではなく、営業チームの業務管理にも活用しています。黒字の案件の数値管理もできますし、商談情報と受注プロジェクトも把握できます。毎月締まった時点できっちり入れ直して、月次の分析に使っていますね。

クリエイティブワークだからこそ、きっちり工数管理する

TeamSpiritが一番効いているのは、内部工数の算出です。要するに勤怠なのですが、何十人にも及ぶ法人事業部のスタッフがどの案件に何時間使っているのか、ということがずっと積み上がっていきます。それをプロジェクトごとに集計した時に、全体でどのくらい工数がかかっていて、人件費的に赤字なのか黒字なのか、ということが一目で分かるようになっています。

具体的な算出方法は、各自が入力した予定に基づいています。勤怠を入力した後にタスクごとに何時から何時まで、という入れ方もできますし、1日の時間を100%として20%はこれ、50%はこれ、という形で割合で入れることもできるようになってます。ある程度は本人の把握してる範囲でつけてもらっているという感じですね。案件がカレンダーに紐付いていて、工数実績という部分に自動計算で入ってくるので、ビジュアル的にも見やすい形になっています。

ムリ・ムダ・ムラの見える化で組織全体の改善へ

社内会議であったり、制作に直接関係ない作業は「その他」というプロジェクトに全部紐付きます。ある人の1ヶ月の時間を見た時に「その他」の割合が3割や4割までいっていると、その時間を案件に回せばもっとアウトプットを良くできるね、ということが発見できます。

更にそこから「その他」はそもそもなんだっけ、というところを分解していって、無駄な会議を削ったり、他部署からの頼まれごとについても一度整理をし直して、個人の業務の最適化から組織全体の改善にも繋げることができます。

お客さんの「こうしたい」に応えるための見える化

もともとExcelで管理していた頃と比べると管理業務が相当軽くなりました。ディレクターが工数管理やコスト管理をするのにピッと操作するだけでデータが出せるので、どの案件にどれくらいリソースをかけるのかということを簡単に判断でき、案件に偏りなく注力することができるようになっていますね。

お客さんの要望にはきっちり対応もしたいですし「時間をかけてでも」っていう部分がどうしてもあるんですが、それは効率を追求できていることが前提ですし、「誰かが無理して」という状況が減ったことが一番大きいと思います。

弊社のように細かいプロジェクトを1人で並行して何案件も持っているような企業さんには、その内訳を整理するのにTeamSpiritは非常に向いているのではないかと思います。外部のクリエイターさんへの発注を取りまとめて、プロジェクト単位であらゆるコストを見える化できているので、外注さんを多く使われている会社さんには特に良いと思います。

あらゆる数字が透明化されて、会社の中のプロジェクトの数字、人ごとの数字、それらの数字が「全て見える化」されて判断材料に繋がるので、つまるところ、すべての会社さんにとって有効なツールになると思いますよ。

何よりクリエイターの「創る」を支援するために

経営理念として、クリエイターの「創る」を支援するということがあって、本当はクリエイター第一なんです。弊社にとって、お客様のニーズに応えることを大前提としつつ、クリエイターにも満足行く仕事をしてもらうというバランスがすごく大事です。

働き方も、9:30~18:30を定時にしていて、なるべく時間内に仕事を終わらせようね、というルールになっています。当たり前のことですが、残業になってしまった分は、余すところなく残業代を出しています。これも時間管理が正確にできるようになったからこそ、見えないサービス残業がなくなって、より働きやすい環境に繋がっていると考えています。小さなことでも、そういった当たり前のことを大切にしたいと思っています。今後もTeamSpiritで業務管理をしっかり行いながら、より良い形で「創る」を支援し続けたいと考えています。

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