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【2年連続ランキング1位】リクルートのエンジニアインターンが人気の理由

【2年連続ランキング1位】リクルートのエンジニアインターンが人気の理由

就職前の学生が実際に企業で就業体験をおこない、業務内容や組織の雰囲気・文化を知ることができるインターンシップ(以下、インターン)。

学生にとってはもちろんのこと、企業側にとっても、「こんな環境で働いてみたい」「この会社でこんなキャリアを実現したい」と感じてもらうための、採用における重要な取り組みとなっている。

近年は研修や課題ではなく、実際の業務に近い就業型インターンを実施する企業も増えている中、株式会社サポーターズがエンジニア就職希望の学生向けに実施した「参加してよかったエンジニアサマーインターン」で、2年連続ランキング1位を獲得した企業が株式会社リクルートだ。

同社では、インターン用の課題を用意するのではなく、インターン生も開発現場に入り、入社1〜2年目の社員と同じようにアプリ開発や機能改善などの実務に携わるのだという。

さらに、学生1人につき現場・人事から2人のメンターが付くという手厚いサポート体制を構築。インターン生が自分らしいキャリア選択をできるように、多方面から支援しているそうだ。

今回は、主に制度設計を担う人材開発室 テック採用部の加川 美由紀さんと、実際にインターンを経てiOSエンジニアとして入社した小久保 彰博さんに、同社のエンジニア向けインターン制度の具体と体験談について詳しくお話を伺った。

インターンを通じて、自分らしい意思決定やキャリア選択をしてほしい

加川 私は2019年4月にリクルートに新卒入社し、現在5年目になります。最初の数年は、リクルートエージェントでWeb業界の中途採用を支援させていただき、その後は自ら起案した新規事業の立ち上げや、営業に携わりました。

2022年4月からは人材開発室に異動し、エンジニア採用を担当しています。今回、私からはエンジニア向けインターンの制度設計などについて、お伝えさせていただきます。

▼人材開発室 テック採用部 加川 美由紀さん

まず、弊社では「Follow Your Heart」というビジョンを掲げています。その背景には「一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せると信じています。」という思いがあり、このビジョン・思いを軸にインターンの設計・運営をおこなっています。

そのため、インターン生の方には、もちろんリクルートのことを知っていただいたり、結果的に弊社で働くイメージを持っていただけたらと思いつつも、それ以上に「ご自身に合ったキャリア選択のために、インターンでの経験を活かしてほしい」と考えています。そのような考えをもとに開始したエンジニア向けインターンは、これまで様々な視点からブラッシュアップしてきました。

そして直近では、サポーターズ社がエンジニア志望の学生を対象​​に調査した参加してよかったエンジニアサマーインターンランキング​​」にて、2022年・2023年の2年連続で1位に選んでいただくことができました。

「実務を担当できる」「手厚いメンター制度」という2つの特徴

加川 エンジニア志望の学生さんから高い評価をいただけた背景としては、私たちがこだわっている「現場の業務を実体験できること」と「メンター制度でのサポート」という2点がポイントになっているのではと考えています。

実際に、前述のランキングでは総合1位だけでなく、「技術力の向上」「メンタリング、フィードバック体制」「周りのレベルの高さ」​​の部門別でも、それぞれ1位を獲得させていただきました。

それを踏まえて、ここからは弊社のエンジニア向けインターン制度の具体的な内容をお話しできればと思います。

まず1つ目の特徴である「現場の業務を実体験できる」という点についてですが、前提として、弊社ではエンジニアコースとデータスペシャリストコースにわけて、1ヶ月〜1ヶ月半の就業型インターンを実施しています。

その際、インターン用の課題や役割を設けるのではなく、リアルな業務に触れ経験してもらうことを大切にしているため、NDA(秘密保持契約)を結んだ上で、インターン生にも実際のアプリ開発やサービスのリニューアルなどに携わってもらっているんです。

後ほど具体的なアウトプット事例をご紹介しますが、入社1〜2年目のエンジニア社員と同様の実務を体験することで、より実践的な経験を積める場になっていると思います。

とはいえ、実務をおこなうとなると、やはり不安を感じるインターン生も少なくありません。そこで、2つ目の特徴である「メンター制度でのサポート」として、必ず一人ひとりのインターン生にエンジニアメンターが付き、日々の業務サポートをおこなっています。

さらに人事メンターもいるため、インターン生1人に対して、エンジニアと人事から2人のメンターが付いて伴走するという体制です。

なお、人事メンターとインターン生は、毎週30分~1時間ほどの「よもやま」と呼ばれる面談を実施しています。この時間は、インターン初期に立てた目標に対する進捗はもちろん、将来のキャリアについてなど、ざっくばらんに何でも相談できる場として位置付けている形です。

また、エンジニアメンターと人事メンター同士は必要に応じて連携し、「この点を頑張ればもっと成長に繋がりそうだ」とか「リクルートに限らず、こんな仕事が合っていそうだよね」といった意見交換をすることもあります。そのように、インターン生のより良いキャリアを見据えて、多方面からアシストしているところが特徴的だと思います。

他にも自己発見に繋がるようにと、インターン中には懇親会や現職社員が登壇するトークイベントなど、学生の皆さんの気になることについて直接お答えできる機会を設けています。

リクルートは「人材」「まなび」「美容」「飲食」など、多様なサービスを展開しているので、インターン時にさまざまな社員とコミュニケーションをとることで、参加前よりも幅広くキャリアを考えられるようになったという学生さんも多いですね。

プロダクト開発ではインターン生の案が採用・反映されることも

加川 次に、過去のインターン生のアウトプット事例の中から、エンジニアとデータスペシャリストのコースに分けていくつか特徴的なものをご紹介します。

エンジニアコースの1つ目は『じゃらんnet』アプリのリニューアル事例です。

国内最大級の旅行予約サイト『じゃらんnet』のアプリは、リリースから10年が経過し、総コード量が80万行にもなっていました。こちらをFlutterでフルリニューアルしたプロジェクトは、技術選定から設計、実装までをインターン生と共に行いました。

2つ目は、『Airレジ オーダー』モバイルオーダー 店内版のフロントエンド開発事例です。

『Airレジ オーダー』はスマートフォンからのセルフオーダーを可能にし、飲食店スタッフの負担軽減をおこなうシステムですが、あらためて顧客価値を考えて機能を整理し、画面に実装するまでの開発サイクル全体にインターン生が関わりました。

また、こちらの事例では、彼らのデザイン提案が実際のプロダクトの一部に採用・反映されています。このようにインターン生のアイデアが採用されることが決して珍しくはないという点も、弊社の特徴の1つではないかと思います。

▼2023年インターン / エンジニアコースのアウトプット事例(一部)

データスペシャリストコースからは、データを活用したクーポンの並び順最適化に関する事例をご紹介します。

まず、ネイル/まつげ/リラク/エステ領域のドメイン知識やツールの習得と現モデルを理解した上で、順位バイアスを考慮した評価指標であるIPSrecall@kを実装する提案と、モデル改善までにインターン生が携わりました。また、社員のフィードバックを受けて、特徴量と損失関数の改善にも取り組みました。

このように、既存の機械学習モデルの改善に取り組む中でも、インターン生の自由な発想から提案してもらった上で、社員との議論を重ねていく、という先輩社員と全く同じサイクルを経験することができます。

その他にも、モデル改善より上流側の課題設定の部分や、逆にモデルを実際の機能に落とし込むための開発まで、幅広い案件に携わることも可能です。

実際にデータスペシャリストコースの参加者が、過去のインターンについて詳しい体験記事を公開してくれていますので、ぜひご覧いただければと思います。

▼2023年インターン / データスペシャリストコースのアウトプット事例(一部)

ここまでお話ししたような制度の特徴や、企業として全面的に学生の皆さんのキャリアをサポートするスタンスが、リクルートのインターンを評価していただいている理由なのだと感じています。

ここからは、実際にエンジニア向けのサマーインターンに参加した後、リクルートに新卒入社して活躍している小久保さんから、当時を振り返って体験談をお話しいただけたらと思います。

インターンで得た経験とフィードバックが、今の仕事にも活きている

小久保 私は、リクルートを含めて3社のIT企業で就業型インターンに参加し、2022年にiOSエンジニアとしてリクルートに入社しました。現在は『ホットペッパービューティー』のアプリ開発に携わっています。

▼ビューティープロダクト開発2グループ 小久保 彰博さん

学生時代を振り返ると、当時から個人で複数のアプリ開発やリリースをしていたので、インターンへ参加するにあたり「大規模サービスの開発やプロダクトの伸ばし方について知りたい」「エンジニアの活躍の仕方やキャリアについて知りたい」といった考えを持っていました。

そこで、面談イベントなどでリクルートの方と話す中で、「自分の意思を反映したチャレンジができるし、大規模サービスにも挑戦できるよ」と伺ったことから、私の知りたいことへのヒントが見つかるのではないかと思い、インターンへの参加を決めました。

実際のインターンでは、現所属でもある『ホットペッパービューティー』のチームに入れていただき、プロダクト開発に携わることができました。特に印象的だったのは、数ヶ月に1度実施するユーザビリティ調査の結果から課題を発見して、プロダクトをどう改善するかという課題解決にも関わらせてもらえたことですね。

ひと言で「課題発見から解決まで」と言っても、その過程には「自分が課題だと思っているものが、本当に根本的な課題なのか」「解決策として提示したものが新たな課題を生まないか」「その解決策は事業戦略と相反しないか」「解決策のコストは売上に見合うものなのか」…など、さまざまな不確実性があります。

それを実際のプロダクト開発の中で一つひとつ検討し、メンターや社員の方々から率直なフィードバックをもらえた経験は、非常に大きな学びになりました。この経験は、今の仕事にも活きていると実感しています。

インターン中にはその他の業務にも携わりましたが、参加する学生の希望によって経験する業務範囲はさまざまです。実際に、私がユーザビリティ調査の分析に関わることができたのも、インターンに参加する際に「プロダクトの伸ばし方を知りたい」という希望を伝えていたからだと思います。

なので、自分のやりたいことをしっかりと表明すれば、「インターン生であっても本人の意思を尊重して、周囲が全力でサポートする」というリクルートの社風や雰囲気を実感できる期間になると思いますね。

個人を尊重し、真摯に向き合う風土を体感。インターンが入社の決め手に

小久保 私はリクルート以外の企業でもインターンを経験しましたが、最も違いを感じたのは、「些細な質問にも明快に答えてもらえる」という点です。

もちろん、他の企業の方が答えてくれないという訳ではありませんが、リクルートの方々はどんなに小さな疑問であっても非常に明瞭に、解像度高く答えてくれました。また、こちらの質問に常に真剣に答えてくれる方が多いという印象がありましたね。

加えて、実務に携わる中で、社員の方と変わらないシビアなフィードバックを受けることもありました。ただ、それは本人の意思を尊重して手厚くサポートしてくれた上で、社員の方と同じ水準のアウトプットを期待し、明確にフィードバックをしてくれているという印象だったので、自分のやりがいに繋がりました。

実際に、みなさん人当たりもよく、社内の雰囲気も非常に良かったので、そうした意味でもこの職場は自分に合っているなと感じました。自分の意思を尊重してもらえること、質問に明瞭に答えてもらえること、そして雰囲気の良さを実感して、「仕事をするなら、この組織が良いな」と思うことができたんです。

なので、やはりインターンでの経験が入社の大きな決め手になりましたね。

加川 小久保さんが「学生の意思を尊重して、手厚くサポートしてくれる。会社の雰囲気も良かった」と話してくれましたが、たしかに「インターン生をチームみんなで歓迎しよう!」という雰囲気は、リクルートの企業文化として醸成されていると思います。

人事部から依頼をしなくても、メンター以外の社員も積極的に学生の方と関わってくれて、チームリーダー自ら「今日はインターンの○○君の最終発表があるから、みんな来てね!」と声がけしてくれたり、実際にその最終発表をグループ全員で見に来てくれたりするんです。

みんなが「せっかく来ていただいた以上、何か持ち帰ってほしい。短い期間の中でも良い時間を過ごしてほしい」という気持ちで、真摯に学生の方に接してくれているので、運営している私たちも非常に嬉しいですね。

インターンの取り組みが、社員やメンターの成長にもつながっている

加川 最後に、インターンに参加した学生さんの声をご紹介すると、「ここまで自分のことを見つめ直すことや、それを全力でサポートしてもらえる環境に出会ったことがなかったので驚きました!」といった感想をいただくことが多いです。

また、社内メンバーからも「学生さんとの関わりが自分の成長にもつながった」「インターン生のサポートを通じて、メンターとしての課題や成果を実感できた」といったポジティブな声が多く聞かれますね。

今後については、リクルートが新しい価値の創造を目指し、様々な機会を作ってきた企業だからこそ、私個人としても会社としても、世の中の皆さまがより自分らしい意思決定や選択ができるような機会を作っていきたいです。

その中でもインターンの取り組みは、まさに「自分に合った働き方・キャリアを選び、意思決定していく」という機会のサポートだと思います。なので、よりサポート体制を強化して、さまざまな方が自分らしいキャリアを築けるよう尽力していきたいと考えています。

現在は、2024年インターン(エンジニアコースデータスペシャリストコース)の参加者を募っているところなので、興味がある方はぜひ応募していただけたらと思います。

小久保 私は、現在『ホットペッパービューティー』のiOSチームに所属しているので、周りの友人たちからも「ホットペッパービューティーを使っているよ」とたくさん連絡がくるんです。その中には「これが良かった、使いやすかった」という声もあれば、「もっとこういう風にしてほしい」という要望もあって、非常に嬉しく感じています。

そうした声も参考に、さらに世の中に役立つアプリやサービスを開発し、「日本中の街にBeauty Smileを」というプロダクトミッションの通り、たくさんのBeauty Smileを増やしていきたいですね。

また、私自身がインターンで貴重な経験をさせてもらい、リクルートに入社したので、今後インターン生がチームに入ってきたときには、今度は自分がしっかりサポートする側として積極的に接していきたいです。(了)

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