• 株式会社SQUEEZE
  • 代表取締役 CEO
  • 舘林 真一

「クレイグスリスト」でグローバル人材を採用!世界最大の無料掲示板の活用法とは

今回のソリューション:【Craigslist/クレイグスリスト】

Craigslist(クレイグスリスト)」という月間数十億アクセスを誇るWEB掲示板をご存知だろうか。世界中のあらゆる国からアクセスがある世界有数のWEBサイトで、不動産、求人、コンサートや野球などのチケット、といったあらゆる情報が日々書き込まれている。

個人が活用するサービスというイメージがあるクレイグスリストだが、株式会社SQUEEZEは企業としてこれを活用している。

同社は、日本で820万戸ほどある空き家・空き部屋に注目し、それらを保有する不動産オーナー向けにバケーションレンタル運用のサポートサービス「Mister Suite(ミスタースイート)」を提供する。

空き物件を旅行者などに貸し出すバケーションレンタルの運用に必要な工程は、お部屋の写真撮影、ゲストからの問い合わせ対応、クリーニング手配など多岐に渡る。これら業務に携わるクラウド人材の求人をクレイグスリストに掲載することで、無料で人を集めることに成功しているという。

同社CEOの舘林 真一さんに、クレイグスリストの活用法と成果について詳しくお話を伺った。

▼世界中の情報が集まる無料掲示板「クレイグスリスト」

シンガポールでキャリアを積んだ後、SQUEEZEを創業

大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券シンガポール支社に勤務し、約1年勤めました。そして、もともとWEB業界に興味があったこともあり、証券時代の友人の紹介でトリップアドバイザーシンガポール支社に転職しました。

当時、初の日本人採用だったため、日系企業とのアライアンスや広告、マーケティングに至るまで全て任せていただきました。

国内の空き家・空き部屋と外国旅行者をマッチング

シンガポールに勤務していた当時、実家の北海道で大家業をしている家族から、「数件のアパートに空室が出て困っている」という相談を受けました。

仕事上、海外の旅行業界には精通しており、AirbnbやHomeAwayなどのバケーションレンタルサービスについてよく知っていたので、それをやってみないかと提案したんです。

ただ、家族はもちろんやり方も分からないので、僕がシンガポールにいながら、実家の家族が所有している物件をAirbnbに掲載し、運用を開始しました。

運用を始めた途端、既存の賃貸では借り手がつかなかった物件にも外国旅行者から多くの予約が入り、すぐに家賃の倍以上の収益が入ってきました。思いのほか、運用がうまく回ったのです。

これをきっかけに、日本の市場について調べてみました。そうすると、国内の空き家・空き部屋は約820万戸、うち東京だけでも約80万戸にのぼる一方で、訪日外国人の数は増加の一途を辿り、宿泊供給が足りていないという事実が分かりました。

国内の慢性的な宿泊施設の供給不足を解決する手段として、空き家や空き部屋を活用するバケーションレンタルには大きな期待が寄せられています。

ただ一方で、AirbnbのようなCtoCのプラットフォームを利用する上では、物件オーナーの方々が行わなければならない作業が非常に多く、かなりの労力と時間を要するのが現状です。そこに大きなビジネスチャンスがあるのではないかと考え、帰国してSQUEEZEを創業しました。

バケーションレンタルに必要なタスクをクラウドソーシングで分業

弊社の事業モデルは、外国人観光客に空室をレンタルする上で必要なタスクを細分化して、弊社システムの登録者とマッチングをさせています。ある意味クラウドソーシングのようなモデルですね。作業内容は、清掃、問い合わせ対応、写真撮影、物件紹介文の作成・翻訳、など多岐に渡ります。

作業を全て自社の社員でやると、一部の地域で限られた数の物件サポートしかできませんが、このような形態を取っていることで、今は札幌、東京、千葉、京都、大阪、フィリピンと場所を問わずサービスを提供できています。

マッチングの際に必要な予定管理や作業内容のマニュアル化、品質チェックはすべて弊社が代行するので、不動産オーナーは弊社のサービスに登録するだけで外国人観光客に空室を貸し出すことができます。

正社員採用に関しては、チームのダイバーシティーを意識しています。インバウンド事業を展開している以上、日本人だけで集まってしまうと中々アイデアが生まれません。

そのため、様々な国、価値観の人を採用してプロダクトを作っていこうと考えています。実際に社員は日本人以外も多く、社内コミュニケーションは英語で行なわれています。

世界的な巨大掲示板・クレイグスリストで人材と情報を収集!

こうしたグローバルな人材の募集に活用しているのが、クレイグスリストです。世界でも有数のページビューを誇るサイトで、様々な情報が掲載されているので、人材を募集する上でも実は穴場だったりします。

正社員ももちろんですが、運用業務に携わるクラウド人材を募集することもあります。インターフェイスはあまりイケていないのですが、とにかく人が多く集まっているので、例えば「フォトシューティング募集」と掲載するだけで一気に応募がきます。

また、情報を掲載する場所は「アメリカ」「東京」などエリアごとに分かれているので、運用物件をクレイグスリストに掲載してどれだけニーズがあるかをリサーチしたりもします。

▼実は東京での求人情報も多く掲載されているクレイグスリスト

現クリエイティブデザイナーもクレイグスリスト経由で採用

クレイグスリストを通じて、これまで10人程度の正社員を採用することができました。現在弊社のクリエイティブデザイナーを務めているミレフもクレイグスリストで採用しています。

募集要項には何を書いてもいいので、正直クレイグリストに掲載されている求人の質は全体的に良くありません。

でも逆に私たちは募集内容をしっかりと書いているので、良い採用実績に繋がっているのかもしれないですね。実際、求人に対して海外からの応募が毎日1、2件来ています。

WEB掲示板なので、応募者のスキルも様々ですが、優秀な方もたくさん応募してきます。今後もクレイグスリストを活用して優秀なグローバル人材を採用できれば、と思っています。(了)

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