• 株式会社インティメート・マージャー
  • 代表取締役社長
  • 簗島 亮次

【前編】無限に続くA/Bテストから見えた、ランディングページ最適化の本質とは

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今回のソリューション:【A/Bテスト】

WEBサイト上でA/Bテストを繰り返すことでランディングページを最適化する「LPO(Landing Page Optimization)」は、今ではサイト改善に欠かせない戦略手法のひとつだ。

複数パターンのランディングページを訪問者に見せ、それぞれのコンバージョンレートを計測することで最適なページを探り当てる。そしてその作業の効率化を目的とする「Optimizely」「KaizenPlatform」「DLPO」といった様々なLPOツールの需要も高まっている。

しかし本当に成果を上げるためには、単純にLPOツールを使ってA/Bテストを繰り返せば良いわけではない。自社にとって最適なユーザー属性を的確にターゲティングし、そこにテストを当てるといった細かいノウハウが必要だ。

更に特徴の違う各ツールをどのように選定するかも課題になる。過去に「無限に」A/Bテストを繰り返した経験を持ち、現在は株式会社インティメート・マージャーの代表取締役を務める簗島 亮次さんに、効果的なLPOの実現方法をお伺いした。

新卒2年目でグリーのプラットフォーム責任者に

2010年に新卒でグリーにWEBディレクターとして入社し、2年目でプラットフォームの企画開発周りの責任者を担わせていただきました。その後フリークアウトに転職し、グループ会社としてインティメート・マージャーを作って今に至ります。

グリーにいた時は、それこそ無限にA/Bテストを行うことでプラットフォームの改善をしていました。毎週のように改善ポイントを出してはA/Bテストを行い、勝ち残った方を採用して改善する、ということの繰り返し。

ランディングページの最適化も含め、GREEのプラットフォーム内で、ゲームの新規会員をどう誘導して増やすか、会員のLTV(Life Time Value:一人の顧客が取引期間を通じて企業に与える利益)を上げるためにはどうしたらいいか、といったことに日々取り組んでいました。

WEB上で直接は見えない「ユーザー属性」を

インティメート・マージャーでは、データマネジメントプラットフォーム(以下DMP)を使ったマーケティング最適化の支援を行っています。DMPは、簡単に言うと「クッキーに情報をいっぱい付与しましょう」というシステムですね。

クッキーはWEBサイトの運営者が利用者の識別をするために用いるものですが、そのIDごとにWEB上の行動履歴から類推される性別や興味対象などの情報を紐付けていきます。

弊社の場合は、月間4億ほどのクッキーに対して「男性っぽいか女性っぽいか」「何歳くらいでどういう人か」といった情報を大量に付与しています。そしてそのデータを元にユーザーを検索して、ターゲティングすることを可能にしています。

▼クッキーデータを元にユーザーをターゲティングするDMP

弊社のDMPの特徴は、まずデータ量が多いこと。そしてその活用先が幅広いことです。例えばDSP(Demand Side Platform)のような広告配信のプラットフォームと連動させることで、特定の人に特定の広告を配信するようなことが可能です。

旅行関連のページを見ている人にだけ旅行の広告を出す、といったことですね。他にもアンケートツールと連動して、特定の記事を読んだ人にだけアンケート配信したり、ホームページ上で確度が高いと思われる見込み客だけにチャットでメッセージを出したり。

様々な活用が可能なのですが、その1つとして、LPOツールと連携することでA/Bテストを行う対象をよりセグメント化し、より効果的にLPOを実行することも可能になります。

より効果的なA/Bテストのためには、ユーザー属性を考慮するべき

LPOツールを使ってA/Bテストをする時って、WEBサイトに来た人を一括りにして「このようなデザインにするとコンバージョンレートが上がりますよ」という話になりがちなんです。

ただ、そのように考えてしまうと、最も数が多いユーザー属性に対してコンバージョンが上がりそうなページを作ることになります。例えば男性向けの洗顔料のページであれば、20代男性にフォーカスしたクリエイティブが出てきたり。

しかし、実際にサイトに来る人は1種類ではありません。先ほどの男性向けの洗顔料であれば、当たり前ですが独身の男性は買いますよね。でも既婚の女性も旦那さんのために買いますし、明らかに男性向けの商品であっても、実際に購入する人は何パターンかに分かれているんです。

となると、その何パターンかの属性に合わせてそれぞれランディングページを作れば、もう少し全体のコンバージョンレートを上げられるはずなんです。そのように考えていくと、最終的にはサイトデザインを1人ひとりに対して変えた方がいいという話になるのですが、それでは労力が見合わない。

そこで、代表的な3つほどの属性にまずは絞った上で、そのグループのコンバージョンレートを上げることを目指すのが一番リーズナブルかなと思っています。

▼代表的な3つの属性にテストをし、それぞれのCVRをを引き上げる

よく新規ユーザー向け、既存ユーザー向けにランディングページを分けるといったことは行われていますよね。

「既存ユーザーは製品のことを分かっているから、情報はシンプルにした方がいいよね」とか、「新規ユーザーは情報を沢山伝えないとコンバージョンしてくれないから、情報量を多くしないといけないよね」とか。このような考え方をもう少し高度に当てはめていくイメージですね。

代表的なユーザー属性を突き止めるためのDMP

このように代表的なユーザー属性3つにA/Bテストをするとしたら、まずはその属性を突き止める必要があります。その時に活用できるのがDMPです。DMPを活用すると、クッキーに付与された情報を使って、サイトに訪れているユーザーの属性を細かく類推することができます。

そうすると、A/Bテストを実施する上でターゲティングすべき代表的なユーザーの属性を明確にすることができるんです。(了)

後編では実際にどのようにユーザー属性を突き止めるのか、そしてLPOツールをどのように選ぶべきなのか、ということをお伺いします。

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