• 株式会社 BearTail
  • 代表取締役社長
  • 黒﨑 賢一

競合を「自社アプリのように」分析できる!ノウハウ蓄積を高速化する、App Ape活用術

今回のソリューション:【App Ape/アップエイプ】

〜「競合アプリをデータにもとづいて分析できる」アプリ分析ツール「App Ape」を、マーケティング施策などの意思決定に活用している事例〜

自社のアプリやWebサイトの情報を、Google Analyticsなどで分析し、ビジネス上の意思決定に役立てることは、もはや常識だ。だが、実は「他社」のアプリやWebサイトについても、ほとんど同様のことが可能だということは、まだそれほど知られていない。

家計簿アプリ「Dr.Wallet」や、経費精算システム「Dr.経費精算」を開発する、株式会社BearTail。同社は、家計簿アプリという激戦区で戦い抜くにあたり、競合アプリ分析ツール「App Ape(アップエイプ)」を、さまざまな意思決定に活用している。

今回は、同社代表の黒﨑 賢一さんに、App Apeの具体的な活用ノウハウから、ユニークな応用法まで、余すところなくお話を伺った。

▼競合アプリの数値情報が分析できるApp Ape

サービスを紹介するライターから、サービスを創る側へ

高校1年生のころからフリーランスのテクニカル・ライターを始め、新しいネットサービスに関する記事などを書いていました。大学時代には、CNET JapanというWebメディアで、ビジネスマン向けにテクノロジー系の解説記事を執筆しました。

「新しい良いサービスやテクノロジーを、こういう風に活用したら、こう世の中が変わるんだ!」ということを発信し、実際に世の中の流れを作れる。それがライター業の熱くなるポイントで、やりがいもありました。

ただ、DropboxやEvernoteなどのクラウド型のネットサービスが続々と出てき始め、紹介するサービスがどれも海外製であることに疑問を感じるようになったんですね。

そして徐々に、メディアで紹介されるような日本製のサービスを、自分たちで創りたいという思いが強くなって。2012年に大学のメンバー4人で、BearTailを創業しました。

お金に関わる領域で「時間を作る」プロダクトを開発

弊社は、「時間を作る」ことをビジョンに掲げています。家計簿アプリ「Dr.Wallet」や、経費精算システム「Dr.経費精算」など、お金に関してかかる時間や手間を、劇的に削減するシステムを開発しています。

ユーザーが領収書やレシートを撮影すると、自動的にデータが入力されるため、家計簿や経費精算にかかる時間は10分の1以下になります。仕組みとしては、弊社が2,000人の在宅オペレーターを抱えており、ユーザーが撮影したものを代わりに入力しているんです。

もちろん、機械による自動読み取りも検討しましたが、やはり現状では限界があります。機械と人間をうまく組み合わせて、使いやすいシステムを作ったという形になりますね。

激戦区である家計簿アプリでは、競合のチェックが不可欠

家計簿アプリというジャンルは激戦区です。弊社のDr.Walletに加えて、Money ForwardとZaimの3つが、それこそお互いに意識し合いながら、バチバチやり合っています(笑)。

そのような状況下では、競合他社についての情報を知ることが不可欠です。弊社でも以前からアンケートツールを用いて、いろいろと情報を収集していました。例えば100人にアンケートを取り、各アプリの認知度やダウンロード数を計測したり、新機能の良し悪しを知ろうとしていました。

ただ、アンケートの設問を考えたり、結果を集計することにかなり工数を取られていたことが問題でした。また、同じ人にアンケートを取り続けるのは難しく、結果がブレて十分に信頼できるものではありませんでした

10万人のサンプルユーザーを抱えるApp Apeで他社アプリを丸裸!

そんな時に出会ったのが、「App Ape(アップエイプ)」です。App Apeは、許可を得た10万人のサンプルユーザーからデータを収集し、各アプリの利用状況を分析しています。自社アプリのデータを見たところ、弊社で取っている数値と非常に近かったため、結果は信頼できると思います。

▼自社アプリのデータが分かるApp Apeの画面

多くの企業が自社アプリについて見ているような、重要指標がダッシュボード形式で表示されます。具体的には、アプリのインストール数、MAUやDAUを始め、時間帯ごとの起動数(HAU)、さらにユーザーの年齢分布や性別分布までを見ることができます。

僕は「アプリ比較」の画面で、Dr.Walletと競合アプリの情報を一覧で見れるようにしています。各アプリのインストール数、MAU、DAUの推移が分かるので、Dr.Walletのユーザー数がどのアプリより多く、どのアプリより少ないということが分かります。

こんな風に、他社アプリの情報が丸裸にできるんです。本来見えるはずでないものが見えるので、単純にワクワクしますよね。

▼アクティブ率やHAUなども競合とグラフで比較可能

競合アプリのデータで、従来の「3倍」ノウハウが蓄積

競合アプリのデータを見ることで、ノウハウの蓄積が何倍も早くできることもポイントです

実際に、弊社でApp Apeのデータを活用したのは、マーケティング予算に関する意思決定です。例えば、ある競合サービスがテレビCMを打ったとします。App Apeを使えば、そのCMの期間で実際にどれほどインストール数やDAU、MAUが増加したかが分かるんです。

また、CMにどれほど予算がかかったのかは、代理店の方に聞けば大体のところは分かります。この2つの情報を合わせることで、CMを打った場合の1ユーザー当たりの獲得コストが推測できます。

そういった情報があれば、自分たちで「CMを打つべきかどうか」を判断できます。それがなければ、代理店さんに言われるがまま、何千万円もCMに投入することになっていたかもしれません。

要するに、自社の施策だけではなく、他社の施策でも効果検証ができ、ノウハウを蓄積できるんです。いわば他人のふんどしでPDCAを回してしまっているような感覚です。

まだ実際にやったことはないですが、他社の大幅アップデートの後で、DAUが大きく伸びるといったことがあれば、その新機能を真似するといったことも考えられると思っています。

アプリ開発事業者にとってApp Apeは必須!

このような大きなメリットがあるので、アプリ開発事業者にとって、App Apeは必須だと思います。他社がApp Apeを使って自社アプリを覗き見ているのに、自社が使っていなかったら、とても不利ですよね。

また、広告代理店にもオススメです。先にマーケティング予算についての意思決定の例を出しましたが、それを応用して、他社のデータをうまく使えば、お客様に刺さる広告メニューの提案が、容易になると思います。

これからもアプリ開発に不可欠なツールとして、App Apeを使い続けていこうと思っています。(了)

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