• イオンドットコム株式会社
  • 社長室 室長
  • 中野 正之

リアルとデジタルの融合で業界トップへ!イオンドットコム、ゼロからの開発組織づくり

今回のソリューション:【Green/グリーン】

〜社員紹介や採用媒体「Green」を通じて、イオンドットコム内のエンジニア組織をゼロから作り上げた事例〜

採用は、組織作りの要だ。特に、新しい組織における「最初の数名」の採用は、その組織を形づくる文化を決めるといっても過言ではない。

小売業界の最大手である、イオングループ。そのデジタル事業を担うイオンドットコム株式会社では、2015年から、開発の内製化を目指してエンジニアの採用を開始した。そのエンジニア組織は現在、50名規模にまで成長しているという。

同社で初のフロントエンジニアとして採用され、開発組織をゼロから作ってきたのが、中野 正之さんだ。現在は社長室の室長を務め、全社のコーポレートカルチャーの形成を担当している中野さんに、ゼロからのエンジニアの採用、そして組織づくりについて、詳しいお話を伺った。

美容師・起業失敗・ライブドア・LINEなどを経てイオンドットコムへ

高校を卒業して、はじめのキャリアは美容師でした。学生時代に、純粋におしゃれに目覚めてしまったのが一番の理由です。ただ、同時に、当時はホリエモンが世間を賑わせていたころということもあって、自分でも起業をしてみたいと思っていました。

そこで、美容師を2年で辞め、通信制の大学に通いながら、仲間3人で起業しました。介護などで自宅でしか働けない方に仕事をしていただく、今でいうクラウドソーシングのような事業を目指して試行錯誤しましたが、なかなかうまく行かず…。1年で、会社をたたんでしまいました。

それから5年ほどは、フリーランスとしてWebサイトの制作を行いました。そして結婚を機に、ライブドアに入社し、LINEと合わせて3年半ほど働きました。

その後、縁あって、2015年8月にイオンドットコム株式会社に入社しました。

リアルとデジタルの融合で、 「下克上」にチャレンジしたい

弊社に入った一番の理由は、「リアルとデジタルの融合による新しい顧客体験」を、圧倒的な規模で作っていける可能性に魅力を感じたことです。

ECの領域では、Amazonや西友、ヨドバシカメラやユニクロなど様々な企業が先進的な取り組みをしています。そのような環境下で、競合から若干遅れをとっているEC・デジタル分野で、本気で「勝ちにいく」という強い意志がイオンドットコムの経営陣から伝わってきたんです。

しかも、イオングループにはその意志だけではなく、実際に下から上り詰めて、業界内でのポジションをひっくり返すことができるほどの圧倒的な資産やパワーがあります。

だからこそ、小売・流通業界におけるデジタル分野での「下克上」が、本当に実現可能だと思えたんです。自分の人生の中でこんなチャレンジができることは、おそらく二度とないのではないか、と。

イオンドットコム「初」のエンジニアに

それまでイオングループは、開発関係は外部に任せている状態だったので、私がイオンドットコムで初の、内製を行う社内エンジニアとなりました。

そこで気づいたのが、イオンドットコムの企業文化や人事制度そのものが、小売業に最適化されていて、エンジニアには合っていないという事。そのため、入社後は、IT企業出身のエンジニアも気持ちよく働くことができるよう、その辺りの環境づくりに携わってきました。

具体的には、入社してから3ヶ月はエンジニアとして働いた後、自ら人事総務部に異動を志願して、採用フローの再構築や、働きやすい会社作りを行う業務に就きました。

そして、2016年5月からはコーポレートカルチャーを全社に浸透させるために、社長室に移り、現在は広報や社長秘書の方と一緒に動いています。

「最初の4名が組織の文化を作る」 人間性とスキルで採用

エンジニアの採用において私が大切にしたポイントは、まず「コミュニケーションが取れるエンジニアであるか」ということです。

特に最初の3名は大切に、2ヶ月ほどかけて採用しました。私を含めた「最初の4名が組織の文化をつくる」と言っても過言ではないと思っていたからです。

「4名」を基準にした理由は、一緒にランチに行って、ワンテーブルで色々なことを話すのに、ちょうど良い人数だからですね。

そして実際の採用では、人間性とスキルの大きくふたつを見ていました。

まず、人間性については、「その人と空港で一晩を一緒に明かせるか」ということを意識して選びました

ある程度のスキルは、勉強すれば獲得できると思うんです。私も何の知識もないところから、事典1冊を丸暗記してホームページを作れるようになった経験があるので…いざとなれば、オライリーを暗記してもらえばいい。

でも、人間性は絶対にオライリーじゃ作れない。そのため、まずは人間性を重視して採用しました。

その上で、スキルについては「自分よりも高い人」を選びました。中には非常にスキルが高い方もいらっしゃったので、「自分ではコントロールできないんじゃないか」という不安も、正直ありました。

ただ、自分がコントロールできる人間だけを集めようとすると、絶対に大きなことってできないんですよね。自分のスペックの範囲内で終わってしまうからです。

この2点を重視して採用を進めたところ、とてもいいメンバーが集まり、辛いときも一緒に耐えていける仲間を作ることができました。

面接では「準備」「コミュニケーション」「志望動機」を重視

3名の採用チャネルは、ひとりは社員の紹介、あとのふたりはGreenの募集経由でした。

▼IT・Web業界に特化した転職サイト「Green」

Greenは、いきなり「面接」ではなく、「面談」というステップが選べて、まずは軽くお話ができるのがいいですね。技術的なポートフォリオやGitHubなどをチェックした上で、一定以上のスキルがあると判断した方には、まず会うようにしていました。

面談で見ていたポイントはいくつかあるのですが、まずイオンに関して調べてきていない方は、お断りしました。個人的に、仕事は準備が大事だと考えているからです。

次に、コミュニケーションが取りづらい方も、採用には至りませんでした。仕事をする上では、実は「人間関係が全て」みたいなところがあると思っています。退職の理由のほとんどは人間関係だという統計もあったりするので、そこはしっかり見ていました。

また、人間性を判断するために、適性検査も参考にしていましたね。例えば、「ストレスに弱い」などの判定があれば、「どういった失敗がありましたか?」と面接で聞いていました。適性検査の結果に応じて、聞く質問も変えたりしていました。

そこで、自分の中でひっかかることがあれば、経歴がとてもいい方であってもお断りしていました。例えば、何かあると、すぐ不機嫌になるメンバーがいたりすると、周りのモチベーションにも影響するので、そうではない方のみ選考を進めていました。

もちろん、スキルの高い方に来ていただくのは歓迎なのですが、他から好条件のオファーが来た際に、すぐに転職してしまう方だと意味がありませんので…。「なぜイオンで働きたいのですか?」という質問は、必ずしています

また、技術的なレベルを測るために、面談の会話の中で、「自然に相手の能力を測れる」質問もしていました。例えば、「好きなタグ」を聞いてみたり。「spanのタグが好きです」「ulが好きです」などの回答の理由を聞くことで、スキルが垣間見えることもありました。

現在の良いチームを起点に、開発組織の強化を行っていきたい

このようなポイントを大切にして、採用を進めた結果、現在では、もともと在籍していたインフラエンジニアを含めて50名ほどの組織にまで成長しました。

最初に採用した3名は、流通とWebを連携させた、ある有名なサービスの責任者を担当していた方、生でJava Scriptをゴリゴリ書ける方、そして、若手のとても対応力の高いエンジニアでした。

この3人を採用したことで、技術的な面でとても良いチームワークのチームが作れましたね。フロントエンジニア中心でしたが、2人はサーバーサイドも得意でしたので、役割分担のバランスがとりやすく、最初の小さい仕事はその4人で対応できました。

彼らも、「こんなに働きやすいところはない」と言ってくれていて、それが全てだと思っています。

しかしエンジニアは、今どこも人手不足で、引く手数多な状況です。そんな中で、長く働いてもらうコツというのは、やはり人間関係や働きやすさだと思います。その点弊社は、本格的にエンジニア組織を作り始めたばかりなので、改善すべき点はまだ多くありますね。

今後は全社的なカルチャー作りを進めて、エンジニアだけでなく、全社員が働きやすい環境づくりを行っていきたいです。強い開発組織を作ることで、並み居る競合・先駆者たちに対して「イオングループだからこそできる、デジタル分野での逆襲」を仕掛けてみたいと考えています。(了)

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