- コラボレーター
- 加留部 有哉
ビッグデータの流行で再注目の「BIツール」とは?機能・活用方法を解説!
BIツールは、ビジネス上のデータを蓄積し、分析することで、経営の意思決定を助けるツールです。
BI(Business Intelligence)という言葉自体は以前からありますが、ここ数年のビッグデータの盛り上がりを受けて、より注目を集めてきています。
Tableauのような有名なツールだけでなく、最近では無料で使えるものや、簡易的なダッシュボード機能を持ったOSS(オープンソース・ソフトウェア)など、選択の幅が広がってきています。
そこで今回は、BIツールの機能から効果まで、その全貌を解説します!
目次
- BIツールとは何か?
- BIツールの主な機能
- BIツールの導入で起こる変化とは?
- 大企業以外にも広がるBIツール
BIツールとは何か?
BIツールは、大量のデータを分かりやすい形で可視化し、ビジネス上の意思決定に役立てるツールです。
BIツールの導入で、次のような効果が期待できます。
- エンジニアに頼らなくても、必要な指標を集計できるようになる
- 今までExcelで数時間かかっていた集計作業が、ボタン1つで終わるようになる
- つねに重要指標を可視化することで、チーム内の数値への意識が高まる
▼BIツール「Tableau」の画面
ツールにもよりますが、技術的な知識が必要になるのは、データソース(リレーショナルデータベース、ビッグデータソリューション、表計算ツールなど)への接続設定の部分だけです。
設定さえ終われば、エンジニアリングの知識が薄くても、好きなようにデータを取り出し、ビジュアライズできるようになります。
BIツールの主な機能
ではBIツールには具体的に、どのような機能があるのでしょうか?
BIツールの主要機能を、以下にまとめてみました。すべてのBIツールにすべての機能が備わっているわけではありませんが、導入の際には「どのような機能があるのか?」が重要な決め手になるので、しっかりと確認しましょう。
【データ分析】
BIツールなので、データを分析する機能が無ければ始まりません。SQL(*データベースを操作する言語)を駆使して分析するツールもあれば、マウスをドラッグ&ドロップするだけで分析ができるものもあります。
【レポーティング】
分析したデータを、レポートとして出力する機能です。データは分析するだけでは意味がなく、分析結果を正確に伝える必要あるので、上司や関係者にレポートを上げるときに役に立つ機能です。
PDFやExcel、PowerPointなど、どのファイル形式でレポートを作成できるのかは、ツールによっても違ってきます。無料や安価なツールだと、レポーティングの機能自体がない場合もあるので、注意が必要です。
【ダッシュボード】
分析した結果を、表やグラフ、マップなど、最適な表現でグラフィカルに表示してくれる機能です。
「どのようなデータを、どう表現するか」という設定だけしておくと、自動更新してくれるツールも多いです。例えば、「毎日の売り上げ推移」「商品ごとのコンバージョン率」などを毎日計算するのではなく、一度設定するだけで、毎日最新の数字をグラフ化してくれます。
BIツールの導入で起こる変化とは?
先ほどBIツールの導入で期待される効果を書きましたが、「実際の所どうなの?」というのは気になります。
本メディアSELECKでは、ITソリューションの活用事例をインタビューして記事にしています。BIツールの事例も数多くあり、具体的な活用方法、メリットについても言及されています。
今回は、ニコニコ動画を運営する株式会社ドワンゴの、Tableauの導入事例を見てみましょう。
導入の効果としては、主に3つありました。1つ目は、数値分析の業務が効率化したことです。
分析の8割ほどはデータを持ってきてグラフや表を作る作業なのですが、Tableauによってその時間がゼロになったことが大きいですね。
2点目は、データの深掘りができるようになったことです。エクセルよりも扱えるデータ量が少なくとも二桁は増え、ユーザーのセグメントごとに深掘りして数値を見ることも可能になりました。
最後に、セクション毎にバラバラだった数値管理を、部署の垣根を越えて共有できるようになったことです。
やはり、「分析業務が効率化されること」「より深い・難しい集計が可能になったこと」「数値を簡単に共有できるようになること」が大きいようです。
大企業以外にも広がるBIツール
TableauのようなBIツールは、大量のデータを持っている大企業のためのもの。そういうイメージをお持ちの方も多いと思います。
ですが、最近ではベンチャー・スタートアップでBIツールを活用している事例も増えています。ビッグデータ技術の進化により、小規模の組織でも大量のデータを扱うことが多くなっただけでなく、無料・安価なBIツールが登場したことも大きな要因です。
特にOSSのダッシュボードツールRe:dash(リダッシュ)は人気を伸ばしています。OSSで公開されているため、サーバーを1台用意するだけで、無料で導入できます。
▼Re:dashのダッシュボード
Google BigQueryやTreasure Dataなどの主要なビッグデータソリューションから、Googleスプレッドシートまで、いろいろなデータに接続できるのも魅力です。
実際に導入する企業は増えてきており、SELECKでは、株式会社エウレカにその活用方法を取材しました。
SQLを書くだけで新しい指標に関するグラフが作れるので、自前の管理画面で2人日以上かかっていたことが、1時間でできるようになりました。
また、圧倒的な低コストで数字を取れるようになった結果、今までの2倍以上の種類の指標をダッシュボードに集約できました。今では、Re:dash内のダッシュボードは30種類以上、分析クエリは350種類以上作られています。
また、Re:dashを今から導入する方のために、導入方法の記事も用意しています!