• (株)リクルートマーケティングパートナーズ
  • プロダクトマーケティング部 グループマネジャー
  • 中村 与希

アプリ離脱者にはプッシュ通知より「リタゲ広告」!UXを考え抜く、カーセンサーの戦略とは

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〜リターゲティング広告「Criteo」「Criteo InApp」を活用し、CPAを抑えつつ、コンバージョン(CV)数を大幅に増加させた事例〜

株式会社リクルートマーケティングパートナーズが運営する、中古車情報サイト「カーセンサー」。

同サイトでは、リターゲティング(リタゲ)広告「Criteo(クリテオ)」を活用して、集客を行っている。自社サイトを離脱したユーザーが他サイトを回遊している際に、そのユーザーの自社サイトでの閲覧履歴に基づいた、最適な広告を表示する仕組みだ。

Criteoの導入により、通常のバナー広告の約4分の1のCPAで集客に成功し、現在でも引き続きCPAの改善を続けているという。

さらに昨年末からは、スマホアプリを離脱したユーザーに、リタゲ広告を配信する新サービス「Criteo InApp」も導入した。

スマホアプリにユーザーを呼び戻す施策には、プッシュ通知がよく使われる。しかし「実はリタゲ広告の方が、ユーザー体験(UX)が優れている」と、語るのは、同サービスのWebマーケティングを統括する中村 与希さんだ。

今回は、中村さんと、同じくWebマーケティングを担当する川村 香南子さんに、Criteo・Criteo InAppの活用から、「ユーザー体験を考え抜く」Webマーケ戦略まで、詳しくお話を伺った。

SEO、リスティングに加え、リターゲティング広告を活用

リクルートマーケティングパートナーズ 中村 与希さん

中村 2008年にリクルートに新卒入社し、営業職などを経て、カーセンサーのWebマーケ担当になりました。現在はカーセンサー、ゼクシィ、リクナビ進学のWeb部門を一括で担うネットビジネス本部で、Webマーケティングを統括しています。

川村 2012年にリクルートに新卒で入社し、ネット広告を扱う新規事業部で、ユーザーに合わせてバナー広告の内容が変わる、「ダイナミックバナー」広告のプロダクトを導入する仕事をしていました。昨年からはカーセンサーの集客担当となり、Web広告の運用とアプリの集客に携わっています。

リクルートマーケティングパートナーズ 川村 香南子さん

中村 もともと1984年に中古車の情報誌として始まったカーセンサーですが、いまでは中古車の検索と購入ができるWebサービスとしても提供され、約38万台(※2016/8月末)の中古車物件情報を取り扱う、日本最大級の中古車情報メディアとなっています。

川村 Web集客は、SEOの他に、有料広告では主にリスティング広告とバナー広告の運用を行っています。そしてバナー広告の中で、「Criteo(クリテオ)」というサービスを2012年から使っています。

Criteoの導入により、CPAは従来のバナー広告の4分の1に!

中村 もともとカーセンサーでは、ユーザーの「お問い合わせ」をCV(コンバージョン)として、そのCPA(顧客獲得単価)を追っています。Criteoを導入したのは、バナー広告の中で圧倒的にCPAが良かったためです。

2012年当時、リスティング広告はすでに出しきっていて、バナー広告のCPAはリスティングの約10倍にもなりそうな状態でした。

そんなときにCriteoさんが、日本でリタゲ広告の提供を開始したんです。試しに使ってみると、CPAが一般的なバナー広告の4分の1ほどで運用できたので、本格導入に踏み切りました

それにより、従来のバナー広告と比較するとかなり低コストでお問い合わせを増やすことができました。

閲覧履歴に合わせてユーザーを呼び戻す「ダイナミックバナー」

川村 リタゲ広告を使うと、自社サイトを訪れて一度離脱してしまったユーザーに対して、他のウェブサイトを回遊しているときにバナー広告を表示し、ユーザーを再度自社サイトに呼び戻すことができます。

リクルートマーケティングパートナーズ 中村 与希さん 川村 香南子さん

中村 ただ、通常のリタゲ広告では、ひとつの決まった静止画のクリエイティブしか出せません。本当は、「トヨタの車が欲しい」と言っている人と「ポルシェが欲しい」と言っている人のインサイトは違うと思うんですね。その人たちに対して、同じ訴求をして2人とも連れてくるのは、限界があると思うんです。

川村 その点、Criteoのような「ダイナミックバナー」は、自社サイトでの閲覧履歴に合わせて、表示する内容を動的に生成するバナーなので、ユーザーごとに訴求をカスタマイズできます

例えば、カーセンサーで特定の物件を閲覧したユーザーが、一旦カーセンサーからは離脱し、Criteoの提携サイトに来訪したとします。

そうすると、そのサイトのバナー広告に、1ユーザーごとに別々の「カーセンサーの閲覧履歴をもとにした、そのユーザーにおすすめの、中古車の物件情報」を表示できるんです。

▼ 実際にPCのブラウザに表示された広告(右上)

中村 また、Criteoは配信内容を自動的に最適化し、クリエイティブまで自動で作ってくれるので、導入後安定すれば、ほぼこちらの工数をかけずに運用ができます。実際、弊社では週に5分~15分ほどしか運用に時間は使っていませんね。

スマホアプリ用のリタゲ広告「Criteo InApp」も活用

中村 近年では、カーセンサーもスマートフォンからのアクセス数がPCを超えるようになりました。また、スマートフォンのアクセスの中で、ブラウザとスマホアプリ利用の比率をみると、アプリ利用の割合が増えているため、現在はアプリへの集客に力を入れています。

川村 そこで導入したのが、スマホアプリを離脱したユーザー向けにリタゲ広告を配信する「Criteo InApp」です。

Criteo InAppには、「ディープリンク」という、ブラウザのリンクから直接アプリを開く技術が使われています。これにより、ブラウザで広告をクリックすると、アプリが起動してアプリ内のページにダイレクトに遷移できます。導入の結果、アプリからのCV数を以前よりも効率的に増やすことができています

▼ 実際にスマホのブラウザ上に表示された広告

広告の配信数もどんどん増えていて、導入から5ヶ月で、広告のインプレッション(表示回数)は同じ入札単価にもかかわらず380%になりました。Criteoのレコメンドエンジンの最適化も進み、CTR(表示された広告のクリック率)とCVR(コンバージョン率)も145%になっています。

プッシュ通知は、ユーザー体験を損なうリスクを負っている

中村 実は、アプリの場合は、「プッシュ通知でユーザーを呼び戻せるので、リタゲ広告にお金をかける価値はない」と思っていました。

ただ、ユーザー体験(UX)という観点から考えてみると、両者には違う価値があることに気がついたんです。

リクルートマーケティングパートナーズ 中村 与希さん 川村 香南子さん

プッシュ通知は、ユーザーがどういう状態かは一切気にせず、こちら側の事情だけで出すものです。例えば、朝6時に通知を出すと、寝ているユーザーを起こしてしまうかもしれない。そう考えると、プッシュ通知はユーザー体験を損なうリスクを負っていると思うんです。

それに対して、リタゲ広告は、ユーザーが能動的にブラウザを立ち上げて何かを閲覧しているときに表示されます。興味がなければそのまま無視できますし、興味が湧けばタップして遷移するだけのことなので、ユーザー体験を大きく損なうことはありません。

数字としては、プッシュ通知もリタゲ広告も同じ1アクセスなんですが、そこの裏側にあるユーザーの体験という意味では大きく異なる。そう考え直して、アプリユーザーに対してもCriteoを使うことにしたんです。

ユーザー体験をより深く考えた 新たな取組み

中村 今後は、ユーザー体験をより深く考えて、ユーザーごとに最適な提案をできるサイトを目指したいと思っています。

そのための取り組みとして、車のスペックや価格を重視した記事とは違う、「車を使ったライフスタイル」を紹介する新しいテイストの記事を配信する取り組みも行っています。

▼ 実際に配信された「車を使ったライフスタイル」を紹介する記事

企画の発端は、「車の知識がない人は、車を選べないのでは」と考えたことです。というのも、現在のトップページは、車メーカーのロゴがバーっと並んでいて、そこから選ぶようなデザインになっています。

これでは、車に詳しくない人は何をしていいか分からないですよね。そのようなユーザーには、むしろライフスタイルを提案するような記事の方が、車を選ぶ上での指針になるのではないかと考えています。

実際に、新しいテイストの記事を配信してみて、実験的にユーザーの動きを見ていたのですが、ユーザーからの反応も良かったんです。記事コンテンツから問い合わせを生み出すこともできそうな兆しをつかむことができました。

ユーザーが離脱するのには、必ず理由があるはずです。そこで生じていた「ユーザー体験」をしっかり考え、それに応じるコンテンツを配信することが、高い成果を生むと思っています。

1人ひとりのユーザーに、最適な提案をするサービスを目指したい

中村 現在のカーセンサーの主なユーザー層は、車についてある程度の知識を持っている方です。そういった方には、車メーカーのロゴが並んだトップページでも、特に迷わずに車を選んでいただくことができます。

しかし、車に詳しくない人はそれでは選べません。今後は、そういったユーザーも含め、全てのユーザーが最適な選択をできるよう、1人ひとりに合ったコンテンツを提供するメディアを目指したいと思っています。

サイト内でのユーザーの行動に合わせて、出す広告の内容を変えられるCriteoは、そのための強力な武器になるはずです。今後もCriteoを引き続き活用しながら、この目標に向けて、いろいろな取り組みを積極的に行っていきたいと思っています。(了)

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