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リブランディングに「デザインスプリント」を。事業を新フェーズに導いた、その活用法

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〜ページセッション数40%UP、受講予約数30%UP!学びのマーケット「ストアカ」の、「Design Sprint」を採用した効率的なリブランディングプロセスとは〜

理想の世界を描き、その実現に向けてひたすら突き進んでいくスタートアップ。しかしその過程で、大きく方針を変えざるを得なくなることも少なくない。

日本最大級の「まなび」のマーケットである「ストアカ」を運営するストリートアカデミー株式会社も、過去にそのような状況に直面した。

以前は学びの選択肢を増やすことをテーマに、講師を集めることに注力していたが、創業から4年目の2016年に、そもそも「学ぼうとしない」ユーザーが多いということに気が付いたのである。

そこで同社は、学ぶ側に寄り添ったサービスへと舵を切るために、リブランディングに着手した。筋道を立ててリブランディングプロジェクトを進めるため、Google Venturesが開発した課題解決メソッド「Design Sprint(デザインスプリント)」を採用。

2017年1月、6ヶ月にわたるリブランディングプロジェクトを終え、その1ヶ月後にはページのセッション数を40%、受講予約数を30%増加させることに成功した

今回は、このプロジェクトを先導したリードデザイナーであるコーリー・リーさんに、Design Sprintを活用したリブランディングのプロセスについて詳しく伺った。

先生を増やすフェーズから、生徒を増やすフェーズへと転換

僕はこれまでいくつかのスタートアップを転々としていたのですが、弊社代表の藤本の「人の学びを応援したい」という想いに共感して、2016年9月にデザイナーとして入社しました。

ストアカは、個人が主催する10,000件以上の講座が集まる「まなびのマーケット」です。

▼日本最大級のスキル・趣味・習い事のマーケット「ストアカ」のWebサイト

2012年の創業時から僕が入社するまで、ストアカでは「学びの選択肢」が大きなテーマでした。サービスの特性上、先生と生徒という2タイプのユーザーさんがいる中で、まずは先生を増やして学びの選択肢を増やそうとしていたんです。

そして、今では約9,000人の講師が集まるようになったのですが、学びの選択肢が増えたところで、学ぼうとする人が増えるわけではないということに気が付いて…。

そこで、これからは生徒側の背中を押してあげる必要があると考え、リブランディングプロジェクトが始まりました。

「リブランディング」とは、新たなスタート地点を創ること

そもそも僕は、リブランディングを単発のプロジェクトだとは捉えていません。リブランディングによって生まれたメッセージを、各部署のメンバーが業務レベルで意識してアクションすることで、はじめて真価が発揮されます。

▼リードデザイナーを務めるコーリー・リーさん

だから、プロジェクトのリーダーだった僕のミッションは、みんなが目指すべきサービスの方向性を再定義して、新たなスタート地点を創ることでした。そのためにリブランディングチームも、各部署のステークホルダーに参加してもらったんです。

実際のプロジェクトでは、打ち出していくメッセージを3ヶ月かけて決めていきました。その後、もう3ヶ月かけて、2017年1月にリニューアルサイトをリリースしたんです。今振り返ると、全社員を巻き込んだ一大プロジェクトでしたね。

▼(左)リニューアル前のサイト (右)リニューアル後のサイト

本来5日間のプロジェクト向きの「Design Sprint」を採用

プロジェクトを進めるにあたっては、Google Venturesが開発した、プロダクト・サービスの課題の洗い出しからプロトタイプ、検証までを5日間で行うメソッド「Design Sprint(デザインスプリント)」を採用しました。

Design Sprintは、本来は5日間という短期間で行うことを想定したプロジェクトで使われます。僕たちの場合は3ヶ月という期間でしたが、リブランディングという大きなテーマで、話の規模がどんどん膨らんでしまうことを危惧し、この課題解決ステップに添って進めていきました。

▼「Design Sprint」のステップ

まず「Understand(理解)」のステップでは、リブランディングの背景について理解を進めました。特に今回のプロジェクトチームの場合は、その半数が直近で入ったメンバーだったので、初期メンバーとの「理解のギャップ」があったんです

それをなくすために、過去から現在まで、何をしてきたかのストーリーを聞いていきました。そうすることで、初期メンバーも当時の自分が大切にしていたことを思い出せるんですよね。

過去をひも解き、背景を理解することで自然と道筋が見える

次の「Define(定義)」では、これらの背景を踏まえて、何を新しい目的にするのかを定義していきました。この定義は、0から着手すると難しいですが、背景を全員で理解した上で話すと、自然と見えてくるんですよね。

ストアカは、プラットフォーム上で先生と生徒のどちらを先に増やすかというところで、はじめに先生側の募集からスタートしました。次に生徒も募集して、それぞれが繋がるプラットフォームにしていったんです。

しかし、そこで見えていた明確な課題が、学びの選択肢はあるのに、学ばない人が多くいることでした。

まだ特定の何かを学びたいと思っていない人々に、「学びたい」と思わせること。これが、背景を踏まえた上で出てきた最もすべきこと、すなわち、リブランディングで果たすべき目的だったんです。

ストアカを、ユーザーがインスパイアされる場所に

そして「Diverse(発散)」のステップでは、定義した目的をどのように実現すべきかのアイデアを出していきました。さらに「Decide(意思決定)」で、そのアイデアの中から実行するものを決めたんです。

ここで決まったことは、人々の認識する「学び」のイメージを広げることでした。多くの人は「学ぶ」と聞くと、黒板の前に立っている先生の話を聞くイメージがありますよね。

でも、学びは本来もっと自由で、人の人生を豊かにするものです。例えば現在、ストアカでは「バック転」の講座もあるのですが、これも学びとは一見結びつきにくいと思います。でも、なんだか楽しそうだからやってみたい、と思う人も多いはずです。

このように、学んだ後の未来の自分を想像させ、インスパイアさせる、「学びが楽しくなる、もっと学びたくなるサービス」を目指すことにしたんです。

ストーリーを伝えるには、イメージとキャッチコピーが効果的!

その後の「Prototype(プロトタイプ)」には、ほとんど時間はかかりませんでした。

このプロトタイプでは、ストアカを通じて学びを楽しむストーリーを、イメージとキャッチコピーでアウトプットしていきました。ここではUIデザインツールの「Sketch(スケッチ)」を使用しています。

ラフなアイディアを見せて、時間をかけてたくさんデザインバリエーションを検討しました。

▼実際にSketchで作成したイメージ

例えば、スムージーの作り方講座にしても、ただ「スムージーの作り方を学びます」という伝え方はリブランディングの方向性とは異なります。

「学びが楽しくなる、もっと学びたくなるサービス」を目指すことになった以上、これだけだと不十分で。スムージーを作ることで、生活習慣を改善させた女性のストーリーを見せるなど、「こういうあなたになれます」という未来の可能性を見せるという方向性を、イメージを通じて具体的にしていったんです。

リブランディングの指針が、そのままメンバーの「判断基準」に

Design Sprintを採用することで、リブランディングのためのミーティングで、毎回「現在どのフェーズの議論をしているのか」が明確になったことは、今振り返ってもとても良かったと思います。やはり、こういった大きなテーマかつ盛り上がる話だと、ついつい脱線してしまうので。

リブランディングを通じた成果としては、Webサイトのリニューアルから1ヶ月で、リニューアルサイトのページセッション数が40%受講予約数も30%増加しました。リブランディングは足が長い話なので、本当の効果は半年後、1年後に出てくると思っています。

一方で、今回のリブランディングプロジェクトは、社内にも大きな影響が生まれています。

サービスの目指す価値への意識がとても強くなったので、「このデザインが学びを楽しくすることに繋がるのか?」「この機能を追加することで学びをつまらなくしてしまわないか?」というように、メンバーの日々の業務における明確な判断基準が生まれたんです。

ただ、やはりリブランディングはスタート地点にすぎないと思っています。これから、ストアカを通じて多くの人々の学びをインスパイアしていくことで、いずれは日本中で、「楽しく学ぶ」ことを流行にしていきたいです。(了)

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