- 株式会社つみき
- コーディングチーム マネージャー
- 小林 陽一
Web制作の進行を見える化!Trelloで自由自在に「カンバン」方式でタスク管理!
今回のソリューション:【Trello/トレロ】
〜メールでのタスク管理に限界を感じ導入した「Trello」の使い方〜
受託開発はクライアントのニーズを汲み取った上で、品質とスピードを担保することが求められる。それを実現するためにプロジェクトにおけるタスクの見える化、そして業務の効率化を行っている企業も多いだろう。
自社メディアの運営と、受託事業としてWeb制作やアプリケーション開発などを手がける株式会社つみきでは、プロジェクト管理ツール「Trello(トレロ)」を導入することでプロジェクト進行をスムーズに行うことができている。
実際に導入を主導した、コーディングチームのマネージャー小林 陽一さんは、これまで使ってきた様々な管理ツールの中でTrelloが「一番」だと語る。自由自在にTrelloを使いこなす小林さんに、導入から使い方までのお話を聞いた。
▼Trelloの始め方・使い方の詳細記事はこちらです。
Web開発の入り口はディレクター 現在はコーディングチームを束ねる
新卒で別業種の営業を担当した後、今の業界に転職をしました。最初はディレクターからスタートしましたが独学でコーディングを覚え、現在はフロントエンドエンジニアとして働いています。Web制作のキャリアで言うと、もう10年ほどになります。
つみきに参加したのは2012年の11月だったのですが、当時は社員も5名しかおらず、専門職としてのコーダーも私が1人目でした。自社メディア「Filmarks」はリリース直後で、今と比べると規模もかなり小さく、手探り状態でした。
今は社員数も19名まで増え、ディレクター、デザイナー、フロントエンド、バックエンドエンジニアと職種ごとにチームが分けられており、案件ごとに最適なチーム編成を行い効率的に案件を進めるようにこころがけています。
メールでのToDo管理は限界!まずはトライアル的にTrelloを導入
私が入社したすぐの頃は、社内外問わずやりとりは全てメールで行っていました。そのためメーラーの受信トレイがそのままTodoリストのような扱いになっていたのですが、そこから社員数が10名ほどに増えた頃にそれがパンクして、日々の業務の進捗管理が非常に煩雑になってしまいました。
そこではじめて、業務のやり取りやタスク管理に特化したツールを導入すべきではという考えに至ったのですが、お客様とのやりとりの方法を変えるのはなかなか難しいので、まずは社内の連絡事項を共有する場所を作ろうと提案をしました。そこで導入したのがTrelloです。
Trelloを知ったきっかけは、2年ほど前にインターネットで紹介記事を読んだことです。最初は個人用のToDo管理ツールとして使ってみたのですが、正直「なんかぱっとしないな」と思って、一度は使うのをやめてしまったんです。
プロジェクト管理ツールなので、個人で使っていてもあまり力が発揮されないんですよね。ただ誰かとやりとりをすることで有能性が発揮されるのではないかと感じていたので、まずはトライアルで私が参加していたプロジェクトで導入してみました。そこで上手くワークしたので、今では全社的に利用するようになりました。
プロジェクトのキックオフ時に、Trelloにタスクを洗い出す
具体的な使い方としては、まずプロジェクトごとのボード(Board)を作成し、プロジェクトが動き出してすぐに必ずキックオフミーティングをしてタスクを洗い出し、プロジェクト全体のToDoリストのような形でタスクごとにカード(Card)を切っていきます。
それほど仰々しいものではありませんが、個人のメモに残すよりはカードを切っておいた方が忘れませんし、他のメンバーとも共有もできて管理しやすくなりますので。
プロジェクトの進行中は、全体を俯瞰しているディレクターが定期的にカードを切っているのですが、そこにはディレクターが依頼する各開発担当者のタスクだけではなく、ディレクター自身のタスクも含めています。
カードのdescription欄には、できるだけ「誰が、いつまでに、何をするのか」という情報をしっかり入れ、誰が見ても内容が把握しやすいようにしています。カードごとに期限(Due Date)も設定できますし、メンバーを複数指定することもできるので、場合に応じて設定していますね。
▼カードの内容は誰でも自由に更新可能
Trelloがウェブ制作の現場と相性がいいと感じる理由は、一言で言うと柔軟さです。大規模なシステム開発案件と比べると、ウェブ開発は予算がそこまで高くなく短期間で作り上げる案件が多いので、タスクの発生から消化までをスピーディに繰り返していくことになります。
そういった意味でTrelloのように、プロジェクトを立ち上げるのも閉じるのも簡単で、他の人に業務を依頼するのも気軽にできるツールが向いていると感じています。
自由自在にタスク管理できるため、運用ルールはしっかりと
今までいろいろなプロジェクト管理ツールを使ってきたのですが、個人的にはTrelloが一番合っていると思っています。他のグループウェアと違って自由度が高くて気軽に使えて、しかも基本使用料は無料。
ただこの自由度がある分、ルールを決めないと使い方がバラバラになってしまう恐れがあったため、弊社独自に最低限のルールを作ってドキュメント化しています。社内のメンバーには半年ほどかけてこのルールを、Trelloの一般的な使い方と併せて周知していきました。
例えばTrelloではカードに記載する内容を自由に設定できてしまうので、そこにどのような内容を記載すべきなのか、逆にNGケースはどのようなものかといったことはある程度ルール化しています。
また、カードをまとめるリスト(List)という機能を使って、未着手、着手、確認待ちといった各タスクの進捗状況ごとにリスト上にまとめ、それぞれのカードを進捗状態に合わせて都度移動させています。そして完了したカードはどんどんアーカイブして、ボードから消していくようにしています。
▼リストで進捗を管理し、カードを進捗ごとに移動させる。
このような形で運用を行うことで、完了間近のプロジェクトはカードが少なくなり、逆に多忙なプロジェクトはカードが氾濫することになります。
プロジェクトの画面を一見するだけで全体の進捗状況をざっと確認できるようになるので便利です。カードの移動はドラッグ&ドロップで簡単にできますし、画面上も非同期に更新されるので、進捗の更新を手軽に行うことができるんですね。
Trelloは特に、小規模な制作会社さんにはおすすめです。おそらく大規模なところでTrelloを使うとカードの管理やルール作りが大変なのではないかと思います。チーム単位で人数を制限して使ったり、用途を絞って活用するのであれば、うまく導入できるイメージは湧きますね。
今後は外部ツールとの連携でより有効に使っていきたい
今後はもっと外部ツールと連携させていきたいと思っています。これまでは管理コストが上がる恐れがあったため行わなかったのですが、TrelloはAPI連携がボードごとで限定的に発行できるのでやってみようかと。
例えばSlackと連携させることで更新情報をリアルタイムで受け取るような有用な使い方もできますよね。便利な使い方をしている人がいれば、是非教えて欲しいです!(了)
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