• 株式会社ウェブライダー
  • 代表取締役 Webプロデューサー
  • 松尾 茂起

ウェブライダーの記事の魅力とは?舞台音楽の現場で学んだ、伝わるコンテンツの作り方

〜「沈黙のWebマーケティング」を生み出した、株式会社ウェブライダー。代表の松尾 茂起さんが考える、「良いコンテンツ」の制作ノウハウを公開〜

「沈黙のWebマーケティング」「沈黙のWebライティング」「ナースが教える仕事術」で知られる、株式会社ウェブライダー。そのコンテンツが注目を集める理由は、どこにあるのだろうか。

以前、舞台音楽の制作に関わっていた同社代表の松尾 茂起さんは、舞台音楽とWebコンテンツの共通点を「伝え方を考え抜くこと」だと語る。

どんなコンテンツも、自分本位で作るのではなく、それを伝える相手のことを考えて作ることが重要だという。そして、その思考を経たコンテンツこそが、相手が真に求めるコンテンツになる、と。

今回は松尾さんに、ウェブライダー流の良いコンテンツの作り方について、詳しく伺った。

「舞台音楽」と「Webコンテンツ」の共通点!?

僕は、株式会社ウェブライダーの代表として、コンテンツプランニングを中心としたWebマーケティングの支援を行っています。

▼京都で噂のWeb制作・Webマーケティングチーム「ウェブライダー」の公式サイト


今はWebマーケティングに関する仕事をしていますが、元々は、音楽制作の仕事をしていました。大学卒業後にある制作会社に入社し、そこでいろいろな音楽を作っていたんです。

その音楽の中には、舞台で使われるものもありました。僕が担当していた舞台音楽は、役者さんの演技に合わせてリアルタイムで作る必要があり、稽古場にキーボードをセッティングして、いろいろな曲を作っていました。

「いろいろな曲を作っていた」と言えば聞こえはいいのですが、仕事を始めた当初は怒られることばかりでした。というのも、僕が作る曲が、舞台で求められる曲と合わないことが多かったからです。

たとえば、ある舞台で主人公がたくさんの困難を乗り越えて、心からセリフを絞り出すシーンがあったんです。そこで僕はバラードっぽい曲を弾いたのですが、音楽監督から怒号が飛びました。

「お前のピアノは弾きすぎなんだ!ピアニストであることを忘れて、左手の小指1本で弾いてみろ」と。最初は訳がわからなかったのですが、そのときは監督の指示に従い、実際に左手の小指1本弾いたものを録音し、それを曲として提出しました。

そして後日、本番の舞台を観に行ったとき、同じシーンでその曲が流れたんですが、すごく泣けちゃったんですね。自分ではない誰かが弾いた演奏のように感動してしまいました。主人公が絞り出すセリフと僕のピアノがシンクロして、心にスッと入ってきたんです。

左の小指1本で弾くということは、普通のピアニストであればまず思いつかないことだと思います。でも、そのシーンで大切なのは「巧さ」ではなく、ある種の「拙さ」だったんです。

当時の僕は、曲としての「カッコ良さ」にこだわり過ぎていました。ですが、舞台音楽で求められるのは、役者さんの演技の邪魔をせず、演技が生み出す世界観を盛り立てられるかということでした。

この経験から学んだことは、どんなコンテンツも伝え方ひとつで伝わり方が変わるということです。

「恋のSEO!」を作った理由

その後、制作会社を独立し、フリーランスとして活動することを決めましたが、会社員として生きてきた自分は、どう仕事を得ればいいかわかりませんでした。

そんなとき「ウェブ進化論」という本に出会ったんです。その本には、「どんなにニッチな商品でも、人に見つけてもらえれば売れる。そのためには検索エンジンで見つけてもらうことを意識しよう」ということが書かれていました。

その言葉にヒントを得た僕は、自分のピアノ弾きとしての経験を活かし、「ピアノ伴奏のフレーズ集」というMIDIデータを売ることにしたんです。ターゲットは、ピアノが弾けないギタリストや作曲家です。そして販売サイトを作り、自己流で学んだSEOを施したところ、すごく売れたんです。

そこから、ちょうどSEOに興味を持っていた知人から「ノウハウを教えてほしい」と言われてコンサルを始めました。やがて、ノウハウをパッケージ化した「賢威」という商品も作りました。この「賢威」が自分の想像以上に売れ、毎日朝から夜までサポートをおこなう日々が続きました。

ただ、賢威のサポートを行う中で、世の中にはSEOについて間違った知識をもっていたり、「SEOって怪しいよね」という方が多いことに気付いたんです。

自分がこんなに頑張っている仕事が、「怪しい仕事」と言われるのはイヤだと思った僕は、自分の強みである音楽を活用した啓蒙プロモーションを考えます。それが「恋のSEO!」という曲のリリースでした。

▼SEO担当者のためのSEOソング「恋のSEO!」


Youtube動画はこちら

その曲をYouTubeで配信したところ、たくさんの方に聞いてもらえて、お仕事もたくさんいただけるようになりました。

ちなみに、この曲を作る際にもっとも気を遣ったのはクオリティでした。「どうせ趣味で作ったんでしょ」と思われると、こちらの熱意が伝わらないと思っていたので、音楽のプロが聴いても「いい曲じゃん」って言ってもらえるような曲を意識しました。弦楽四重奏などが入っているのはそれが理由です(笑)。

良いコンテンツとは、伝えたいことがきちんと伝わるコンテンツ

「恋のSEO!」を作った時もそうですが、どんなコンテンツも伝わらないと意味がない、と考えています。あの曲の場合は、中途半端な曲を作っていては、きっと誰の心にも届かなかったと考えています。

せっかくコンテンツを作るなら、そのコンテンツで伝えたいことが、どうすればもっと伝わるのかを考え抜くことが大事です。

例えば、弊社では記事を書いた後も、「きちんと読んでもらえたか?」ということを大切にしています。

アクセス解析やヒートマップを確認し、自社で設定した目標値に達しないときには、「何が悪かったのか?」を考え、ブラッシュアップします。記事内の表現を変えたり、情報の掲載順を変えたり、画像を増やしたりなどです。

僕は昔、「良いものは、何もしなくても伝わる」と思っていました。でも、良いものも伝える準備をしないと、きちんと伝わらないんですよね。


だから、自分が作ったものが、伝えたい相手にどうすればもっとよく伝わるのかを考えることはとても大事だと思っています。

客観的に考える前に、主観的に自問自答しているか?

コンテンツ制作の現場では「客観的に考える」という言葉が使われがちです。ただ、僕はこの「客観的に考える」ということがあまり好きではありません。なぜなら、まずは「主観的に考える」ことが大事だと思っているからです。

というのも、自分がコンテンツを見て「つまらないな」と思ったのであれば、なぜそう思ったのかを、まずは自己分析したほうがよいと思うからです。

自分がなぜそう思ったのかがわからないのに、他人の意見を参考にするというのは、ちょっとおかしいなと。

まずは自分をひとりの顧客として見なし、徹底的に自問自答することが大事だと思っています。自分の心に伝わってこないコンテンツは、他人にも伝わらないことが多いですから。

もちろん、制作の現場では、自分が興味のない分野のコンテンツも作ることがあるかと思いますが、それでもできる限り「自分事化」することが大事だと思っています。

「沈黙のWebマーケティング」や「ナースが教える仕事術」を作った際も、まずは自分がひとりの読み手になって、そのコンテンツで伝えたいことがきちんと自分に伝わってくるのかを大切にしています。

「網羅的」なコンテンツがSEOに強い理由

伝えたいことをきちんと伝えるという観点はSEOにおいても大事です。たとえば、最近はあるテーマに関して網羅的に取り上げているコンテンツが上位表示しやすい傾向にあります。


その理由は、世の中の人たちは検索したいわけではなく、自分が抱えている疑問を迅速に解消したいだけだからです。

網羅的に情報を扱うコンテンツのメリットは、ユーザーが抱えるであろう疑問を先回りして解決してあげられることです。「この知識を学んだユーザーは、きっと次はあの知識を学ぼうとするだろうな」ということを考えられれば、ユーザーが求めるであろうコンテンツを先回りして取り上げられます。

それって検索エンジンを使うユーザーからすれば便利ですよね。まさに、Googleが大事にしている「ユーザーの利便性」に配慮したコンテンツになります。別の言い方をすれば、ユーザーが伝えてほしいと思っている情報を、きちんと伝えてあげられているコンテンツだといえるでしょう。

ただ、網羅的に扱う情報が多すぎると、それはそれで、ユーザーにとって使いづらいコンテンツになるかもしれません。ですが、基本的には「情報をどう扱えばユーザーの利便性は高まるか?」ということさえ押さえておけば問題ありません。

コンテンツ制作者は、「頼られている」という意識を

また、最近はコンテンツの「信頼性」も重視されています。これは当然のことで、いい加減な情報が上位に表示されると困りますよね。

ユーザーからすると自分の悩みを真剣に解決したいと思っているのに、適当に情報をまとめたようなサイトが上位に表示されると、ユーザーの利便性につながりません。そんな情報伝えてほしくないはずですから。

たとえば、健康に関するノウハウを取り扱っている「ナースが教える仕事術」では、監修者名などをしっかり表示し、信頼してもらえるコンテンツ作りを心がけています。

「信頼」という言葉は「信じて頼る」という意味です。コンテンツを発信している人たちは、頼られているという意識をもつことが大事です。

▼健康に関するノウハウメディア「ナースが教える仕事術」

「感情のあるコンテンツ」が、人を動かす

伝わりやすさという話をすれば、僕は「感情」という要素も大事だと思っています。

人は論理ではなく、感情で動きます。たとえば、すごく読みづらい文章なのに、最後まで読んでしまうような文章ってありますよね。あれは読み手の感情がビシバシ伝わってくるので、つい「共感」して最後まで読んでしまうんですよね。

「共感」という言葉は「相手の感情を自分事として感じること」だと考えています。だから、感情があるコンテンツは読んでもらいやすいんです。

ただ、どんな感情も、伝える準備をしないときちんと伝わりません。一方通行に感情を押し売りしては相手にネガティブな印象を与えてしまいかねませんから。そうなってしまうと、伝わるものも伝わりません。

だから、コンテンツを作る際には、まずは「自分が伝えたい相手には、どのように伝えればいいか?」ということを常に考えるようにしています。

それが、ウェブライダーが大切にしているポリシーなんです。(了)

※徹底的に質にこだわる制作プロセスについては、こちらの記事をご覧ください。

年間たった80記事でも劇的な成果を!「量より質」を追求するウェブライダーの制作体制

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