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AI検索エンジン「Genspark」のリサーチ力が最強!AIエージェントとディープリサーチで調べものは完璧

生成AIの急速な進化により、AI検索エンジンの活用が広がっています。日常の調べものも、従来の検索エンジンではなく、AI検索を使う人が増えているのではないでしょうか?
今回は、そんなAI検索の最前線を行く「Genspark(ジェンスパーク)」をご紹介します。
その最大の特徴は、検索結果をもとに独自のWebページを生成し、記事の形で関連情報を整理できる点。さらに、GPT-4o、Claude 3.7 Sonnet、Gemini 2.0 Flashなど、複数の最新AIモデルが協力して検索を行う「協働エージェントシステム」や、詳細なリサーチを可能にする「ディープリサーチ機能」も搭載しています。
また、2025年2月にリリースされた最新の「Deep Research v2」は、複数のAIモデルを統合し、より正確で深い情報分析を可能にする機能として話題を集めています。
このように、現段階で「リサーチにおける最強AIツール」のひとつと言えるGenspark。「こんな情報まで調べられるのか!」と驚くほどの網羅性と深い調査が可能なので、その実力を詳しく見ていきましょう。
<目次>
- GensparkはどんなAI検索エンジン? 開発会社は?
- 早速Gensparkを使ってみよう!始め方、基本的な使い方を解説
- 複数の最新AIモデルが協力してリサーチ!主要な機能をご紹介
- 無料版と有料版の違い、料金プランについて
※本記事に掲載している情報は、記事公開時点のものになります。サービスのアップデートにより情報が記事公開時と異なる可能性がございますので予めご了承ください。最新の情報については、Gensparkの情報をご参照ください。また、記事の内容についてご意見や修正のご提案がございましたらこちらまでお願いします。
GensparkはどんなAI検索エンジン? 開発会社は?
Gensparkは、米国とシンガポールに拠点をもつMainFunkが開発し、2024年6月にリリースされました。同社は、MicrosoftやGoogle、Baiduの出身者たちによって創業されており、CEOのエリック・ジン氏は、2023年10月までバイドゥのAI搭載スマートフォンやスマートスピーカー「Xiaodu」の部門に所属していたとのことです。
リリース後すぐにシンガポール拠点のLanchi Venturesから6000万ドルの資金調達を実施しており、現在、評価額は2億6000万ドルに達しているとの報道もあります。 そんなAIのトップ開発者たちが集い、注目を浴びるGensparkですが、以下のような特徴を持っています。
- カスタムページの作成:ユーザーが検索した内容に応じて、オリジナルのWebページ(Sparkpage)が生成される
- 複数のAIモデルによる検索:異なるAIが並行して検索することで、多角的な情報を手に入れられる
- AIコパイロット:生成されたカスタムページをもとに、さらに質問を加えて回答を生成できる
- 11言語に対応:日本語を含む、11言語に対応。海外の情報も手軽に得られる
- 広告なし:検索結果に広告は表示されない。必要な情報だけにアクセスすることができる
▼Gensparkのホーム画面
早速Gensparkを使ってみよう!始め方、基本的な使い方を解説
それでは、Gensparkを使ってみましょう。登録は簡単で、いくつかのステップで完了します。基本機能は、無料で利用できます。
- GensparkのWebサイトにアクセス
- MicrosoftアカウントかGoogleアカウントでログイン、もしくはメールアドレスで新規会員登録する
- 検索したい内容を入力する
※Microsoftアカウントをお持ちでない方はこちらから、Googleアカウントをお持ちでない方はこちらから無料で作成いただけます。
今回は、同じくAI検索エンジンのPerplexityとのちがいを調べてみるため、
GensparkとPerplexityのちがいを教えてほしい
とプロンプトを入力してみました。すると、引用元を明示しながらGensparkとPerplexity、それぞれの特徴をはじめとする回答が生成されました。
加えて、回答を体系立てて整理してくれるマインドマップも生成されます。
さらに回答の下へ画面をスクロールすると、リサーチを進めるための追加の質問の候補や、後述する複数のAIモデルを活用できる機能が表示されます。
そして画面の最下部に現れるのが、Gensparkの大きな特徴であるカスタムページ、「Sparkpage」です。入力した質問をもとに、いくつか生成されます(本機能の詳細は後述します)。
操作をしてみて気づくのは、以下の点です。
- 質問をしてから回答が生成されるまで、短時間でスムーズ
- 広告が表示されないので見やすい
- 参照元にYouTubeも含まれるなど、情報源が幅広い
- 質問の結果がWebページとして生成されるので、シェアや振り返りが簡単
調べている内容に対して、より理解を深めるためのサポートが行き届いており、かつその結果を他の人と共有できるため、リサーチがはかどる機能を多く備えている印象をもちました。
それでは次に、Gensparkがもつ独自の機能について解説していきます。
複数の最新AIモデルが協力してリサーチ!主要な機能をご紹介
大きな特徴であるカスタムページの作成を含め、Gensparkの機能をご紹介します。
Sparkpage機能
Gensparkの「Sparkpage機能」は、ユーザーの質問に合わせて関連情報を集約した、オリジナルのWebページが作成される機能です。
記事タイトル、目次、見出し、各パートの本文と、Web上でよく見られる記事の体裁となっています。情報の引用元も明示されており、各ソースへ飛ぶことで生成された記事の内容の理解を深めることが可能です。
上記のSparkpageは、こちらからご覧になれます。URLをコピーできるので、SNSなどで手軽にシェアすることができます。
AIコパイロット機能
回答結果をもとに生成されたSparkpageを開くと、画面下に「何でも聞いてください」というボタンが表示されます。これを押すと下のような画面が表示されます。
これがGenspaskの「AIコパイロット機能」です。Sparkpageの内容についてユーザーが質問を入力すると、チャット形式でAIが回答してくれます。
試しに上の画面内で候補に現れている「AIエージェントの将来性」について質問してみました。すると、以下のような回答が生成されました。
このように、AIコパイロットの回答は、Sparkpageに掲載されている内容のほか、新たな情報源も参照のうえ生成されています。このチャット上でのやりとりを通じて、ユーザーはリサーチ結果を深掘りすることができます。
Mixture-of-Agents(協働エージェントシステム)機能
Gensparkが世界初とうたうのがMixture-of-Agents、協働エージェントシステムです。
ユーザーの質問に対してGPT-4o、Claude 3.7 Sonnet、Gemini 2.0 Flashといった各AIモデルが回答を生成。その内容を照らし合わせながら一体化することで、よりよい回答をGensparkが生成してくれます。
使い方は簡単です。ホーム画面の下部にある「エージェント」のボタンを押すと、下の画面に移ります。
「AIチャット」はチャット形式での質問への回答の生成、「イメージスタジオ」は画像の生成、「翻訳」は入力したテキストを選択した言語へ翻訳してくれる機能です。ここでは「AIチャット」を試してみます。
「AIチャット」を選択して画面を開くと、下部にチャットの文章を入力する欄が現れます。最初と同じく、「GensparkとPerplexityのちがいを教えてほしい」と質問を入力してみました。
入力された質問に対して、GPT-4o、Claude 3.7 Sonnet、Gemini 2.0 Flashの各モデルが回答の生成を開始しました。生成後、Gensparkが内容が同一の部分、異なる部分など、それぞれの回答を比較します。その結果をふまえ、最終的な回答が生成されます。
生成された回答に対して、ユーザーはさらにチャット形式でやりとりを続けることも可能です。また、回答を生成するAIモデルは選択することができ、OpenAIキラーとして大きな話題となったDeepSeekのモデルも現在は利用することが可能です。
協働エージェントシステムを使うことで、モデルによる回答の偏りを抑え、ユーザーの質問により適した回答を導き出すことができます。この機能は、他のAI検索エンジンと比べて、Gensparkのもつ大きな強みと言えるでしょう。
ディープリサーチ機能
Gensparkにはさらに、協働エージェントシステムをもとに、時間をかけて深い探索を行うことができる「ディープリサーチ機能」が追加されました。「AIチャット」などと同じ画面で、「ディープリサーチ」を選択すると、下の画面が現れます。
ここでもまた、「GensparkとPerplexityのちがいを教えてほしい」と入力してみます。
すると、入力された内容にもとづき、Gensparkがリサーチを進めるためのプランを提示してくれます。
内容を確認し、問題なければ「リサーチを開始」のボタンを押しましょう。リサーチプランに変更を加えたい場合は「プランを編集」を選ぶと、ユーザーが文章を打ち込み、リサーチの方針を修正することができます。
リサーチが始まると、通常は20〜30分ほどで、詳細なレポートが生成されます。どのようなプロセスでリサーチが行われたか、各種出典も明記され、最終的な結果はSparkpageにまとめられます。
通常の検索よりも幅広い情報源(今回のリサーチでは423のソース!)を参照し、深い思考を経て結果が生成されているため、Sparkpageも非常に骨太な内容になっています。
上記のSparkpageは、こちらからご覧になれます。なお、ディープリサーチ機能の最新版である「Genspark Deep Research v2」は、2025年2月24日にリリースされています。
無料版と有料版の違い、料金プランについて
リリース当初はすべての機能を無料で利用できたGensparkですが、現在は有料プランの「Genspark Plus」が用意されています。
無料プランでも検索やエージェント機能を使うことはできますが、使用回数などが制限されます。Plusにアップグレードすることで、以下のメリットがあります。
- 検索回数が無制限
- o1、GPT-4o、Claude Sonnet、Geminiなど、すべてのトップティアモデルにアクセスできる
- FLUX Ultra、Ideogram、Recraft、DALL·Eなど、すべての最新の画像生成モデルにアクセスできる
- 新機能への早期アクセスが可能
Plusは、月額$24.99で利用できます。ただ、無料プランでも基本的な検索は可能です。まずはGensparkを無料で使ってみて、実際に使用感を試してみるのをおすすめします。
一方、生成AIツールを使う際には事実と異なる情報が提示される可能性に留意する必要がありますが、それはGensparkにおいても同様です。内容が正しいものかどうか、ユーザーは気をつけながら、生成された回答を活用しましょう。
最新の推論モデルを利用できる点も含め、簡単な調べ物から入念なリサーチまで幅広く活用でき、かつ調べた結果はSparkpageでシェアも手軽なGenspark。ひとりでもチームでも、これまで時間のかかっていた情報収集が、一気に効率化できそうですね。(了)
文:加藤 智朗
編集:舟迫 鈴(SELECK編集部)
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