【海外事例14選】分散型自律組織「DAO」とは?web3の鍵となるその定義や歴史、開発ツールも徹底解説

DAOまとめ

いま大きな注目を集めている「DAO(Decentralized Autonomous Organization:分散型自律組織)」。

DAOとは、同じ志をもつ人々が地理的に分散しながら、個人が自律的に活動することにより、特定の所有者(株主)や管理者(経営者)が存在せずとも、事業やプロジェクトを推進していくことができる組織を指します。

日本国内でも、ここ数年のweb3の盛り上がりと共によく耳にするようになりました。「Ninja DAO」や「和組DAO」など、国産のDAO的コミュニティもすでに幾つか存在しています。

SELECKでも先日、DAO的コミュニティ運営を行う「Henkaku Discord Community」を主宰する伊藤 穰一さんに取材をさせていただきました。

そこで今回は、そんな盛り上がりをみせるDAOに焦点を当て、その定義分類開発ツール立ち上げに役立つサービス海外のユニークな事例まで徹底解説いたします。

特に事例については、暗号通貨の貸借を可能にするDAOや、分散型ブログプラットフォームのDAO、ファストフードのフランチャイズのDAO、フレグランスを共同開発するDAO、ウクライナでの人道的活動を支援するDAOなどなど、合計14個を紹介しています。

DAOとは一体どんなものなのか、イメージがつかみやすいと思いますので、ぜひご覧ください。

<目次>

  • 「DAO」とは何か?その特徴と、3つの権限分散の形
  • 世界初のDAO「The DAO」とは?DAOの歴史を振り返る
  • 「DAO」のカテゴリ9つと、自分好みのDAOを見つける方法
  • 「DAO」はどのように開発・運用する?立ち上げ方・参加方法は?
  •  これは面白い…!海外のユニークなDAO【14選】
  • MakerDAO / Usebraintrust / PleasrDAO / ODYSSEY DAO / Mirror
  • Beets DAO / EMANATE / Fries DAO / Rook Perfumes / YAP DAO
  • Ukraine DAO / DecentralizedPictures / FreeRossDAO / Obscura

<編集部より>本記事に掲載している情報は、記事公開時点のものになります。Web3.0の世界は日々変化していますので、「DYOR(Do Your Own Research)」の前提で記事をご覧いただけますと幸いです。記事の内容についてご意見や修正のご提案がございましたらこちらまでお願いします。

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「DAO」とは?その特徴と、3つの権限分散の形

先ほどもお伝えした通り、「DAO(Decentralized Autonomous Organization:分散型自律組織)」とは、同じ志をもつ個人が集まり自律的に活動することで、特定の所有者や管理者が存在せずとも、事業やプロジェクトを推進できる組織を指します。

DAOの主な特徴を、以下まとめてみます。

1. ブロックチェーン上に存在し、契約が「スマートコントラクト(※)」によって実行されるため、透明性が高く公平な意思決定が可能

2. 会社組織では取締役会のメンバーが株主に代わって意思決定を行うが、DAOでは特定の所有者(株主)や管理者(経営者)が存在しない

3. ガバナンストークンが発行・配布され、各個人が決定権を持ち、DAOが行う意思決定に投票することができる

4. 多くのDAOでは、メンバーの投票権の影響力は各個人がどれだけプロジェクトやDAOに貢献したか? によって左右される

5. パーミッションレスな(参加に許可を必要としない)性質をもち、世界中の人が簡単に参加できる(ただし、なかには有限責任会社の形をとるDAOも存在し、その場合は参加に許可を必要とする)

※スマートコントラクト…ブロックチェーンシステム上の概念であり、「契約の自動化」を意味する。 あらかじめ設定されたルールに従って取引プロセスを実行するプログラムのこと

このような特徴をもつため、世界中の見知らぬ人とプロジェクトを推進する場合でも、不正や資金の持ち逃げを防ぎながら、安全に、かつ効率的に実行できるというメリットがあります。

▼DAOと企業の違い

※出典:DAO Education – ARAGON

このDAOの「A」は「Autonomous(自律的)」という意味ではありますが、実際、現存するDAOは未だ自律的ではない(設立者や意思決定者が存在している)ケースが多いといわれています。

アメリカの暗号資産取引所Coinbaseの元最高技術責任者であるBalaji Srinivasan氏もその点について述べ、権限分散の仕方という視点から、DAOを3つに分類しています。

▼Balaji Srinivasan氏のツイート

その分類は以下です。

  1. Autonomous DAO(自律的なDAO):管理者やCEOが存在せず、スマートコントラクト上で真に自走する
  2. Bureaucratic DAO(官僚主義的なDAO):複数の意思決定者が存在し、混乱が生じている
  3. CEO DAO(最高責任者が存在するDAO):1人の明確な意思決定者が存在する

Balaji氏はこの3つのタイプを挙げた上で、自律的なDAOと1人の意思決定者が存在するDAOの方が、官僚主義的なDAOよりも「メンバーの権利を守る」という点で優れていると話します。

この点については、企業でも、顧客のニーズに応えることより、いかにリスクを避けて社内政治を進めるかが議論されがちな官僚主義の特徴を想像すると、わかりやすいかもしれません。

また、DAOの定義を踏まえると「CEO DAOは、もはやDAOではないのでは?」という意見があるかと思いますが、物理的にメンバーが分散していることや、DAOの運営に関わることがオンチェーン(※)で処理されている点でDAO的だとし、分類にあたってどのような用語を用いるかはあまり重要ではない、としています。

※オンチェーン…ブロックチェーンを使った処理のこと。対義語は「オフチェーン」で、ブロックチェーンには記録されずにサービス提供者のデータベースに記録されることを主に指す

世界初のDAO「The DAO」とは?DAOの歴史を振り返る

DAOのような情報技術の発展に伴って生まれた組織形態は、インターネットの歴史と密接に関わっています。

▼John Perry Barlowが生前に残した動画

John Perry Barlowの「Declaration of the Independence of Cyberspace(サイバースペース独立宣言)(※)」が発表される前に、初期のインターネット思想に影響を与えたとされる著作物が存在します。それが、米軍や米国政府に情報提供を行う、米シンクタンクのRAND研究所が発表した「Tribes, Institutions, Markets, Networks (TIMN) 」です。

※1996年にダボス会議にて発表されたサイバースペース独立宣言は、米国でのインターネット規制法案を非難し、国家とインターネットの軋轢にユートピア的思想で挑んだ文書で、インターネットの自由や理想をめぐる議論では「原典」として語られることが多い

このレポートでは、社会の進化を経て、人間が織りなす組織形態は4つの段階を踏んで発展してきたとしています。

また、「組織形態が制度的、市場的に発展した結果、競争的な優位性が強調されるようになったが、多組織ネットワークの発展により、協調的な優位性に重点が移行する可能性がある」とも述べられ、DAOのような組織形態へと移行することが当時から示唆されていたと考えられます。

▼社会における組織の基本形態の変化

※出典:David Ronfeldt(1996). Tribes, Institutions, Markets, Networks (TIMN) 

そして、昨今耳にする「DAO」が初めて誕生したのは、2016年4月にイーサリアムのブロックチェーン上に構築された「The DAO」です。ドイツのIoTベンチャー企業であるStock.it社により設立されました。

※補足として、2014年の段階でイーサリアム考案者のVitalik Buterin氏は、DAOに加えて、類似するDA(Decentralized Automation)、DO(Decentralized Organization)、DAC(Decentralized Autonomous Corporation)などを解説した記事を公開しています。

The DAOは、VCファンドのような機能を期待して設立され、世界中の投資家がトークンを購入し、約1億5000万ドルほどの資金を集めることに成功しました。

しかし、The DAOは失敗に終わります。その要因は主に「技術的要因」と「法的要因」の二つです。

まず「技術的要因」としては、スマートコントラクトの脆弱性を見抜いたハッカーが、トークンの販売が完了したタイミングで侵入し、資金の3分の1ほどが盗まれてしまうという事件が起きました。この事件をきっかけにトークンの価値が急落し、失敗を決定づけます。

そして「法的要因」は、資金提供の見返りに得るトークンが「証券」に該当する可能性があるとし、2017年に米国証券取引委員会(SEC)によって調査報告書が公開され、DAOの運営にまつわる課題が多く浮上しました。

上記を教訓に、セキュリティ面や法環境が整えられたりしていますが、まだまだ黎明期ということもあり、未だに改善が繰り返されています。

「DAO」のカテゴリ9つと、自分好みのDAOを見つける方法

では、実際に、世界にはどのようなDAOが存在するのでしょうか。

ここまでの説明を聞いてもなかなかイメージがつかないかもしれませんが、暗号通貨の原点ともいえるビットコイン、さらにイーサリアムもブロックチェーン上で運営されているため、DAOといえます

さらに、ここ数年の間にユニークな目的を掲げるDAOが多く登場し、DAO CentralのStevenTey氏は、以下の9つにカテゴリを分けています。

※出典:What is a DAO? (In 2022) – DAO Central Blog

  1. Protocol DAO…二次流通の取引を可能にするERC-20トークンを作るDAO
  2. Media DAO…ユーザーを巻き込んでメディア制作を行うDAO
  3. Social DAO…同じ趣味嗜好を持つ人が集まり、ソーシャル、コミュニティ要素が強いDAO
  4. Grants DAO…新しいプロジェクトを立ち上げるために資金調達を行うDAO
  5. Collector DAO…複数人でNFTを購入するなど、共同でプロジェクトに投資するためのDAO
  6. Service DAO…同じ領域の専門家たちでサービスを提供するDAO
  7. Education DAO…Web3のインセンティブ構造を活用して教育を提供するDAO
  8. Products DAO…特定のプロダクトを開発するためのDAO
  9. Special Puropose DAO…特定のアクションや寄付などを実行するためのDAO

すでにこれだけ多くのDAOが存在していることに驚いたのではないでしょうか…!これだけたくさんあると、参加してみたい!と思っても、自分に合うDAOを見つけるのがなかなか難しそうですよね。

そこでおすすめなのが、自分好みのDAOを見つけることができる「YoursDAO」というマッチングプラットフォームです。YoursDAOは日本発のサービスで、すでに150以上ものDAOが掲載されています。

元々は、誰でも自由に参加して貢献できるというweb3のオープンな世界観に反して、実際にDAOで仕事を行うには様々なハードルがあることに課題を感じ、YoursDAOを立ち上げたとのことです。世界にどんなDAOが存在しているのか、気になる方はぜひ覗いてみてくださいね。

「DAO」はどのように開発・運用する?参加方法は?

次に、具体的にどのようにDAOが運用されているのかを説明します。具体的には、様々なツールをカスタマイズしながら、それぞれのDAOが独自のシステムのもとで運用されています。

ツールは大きく分けて、「DAOへの貢献を可視化するためのツール」「組織の運用効率を保つためのツール」「意思決定を調整するツール」などが存在します。

▼DAO Tooling Landscape — March 2022

※出典:Nichanan Kesonpat – Organization Legos: The State of DAO Tooling (Medium)

DAOは参加が簡単という特徴に伴い、スイッチングコストも低いため、いかにユーザーがコミュニティに対して帰属意識を持ちつづけられるかの設計が鍵を握ります。

そこで参考になるのが、コントリビュータージャーニーという考え方です。これは、個人がDAOを認知する前から、DiscordやTwitterなどのツールを通じて潜伏し、他のメンバーとのつながりを築いて、最初の貢献を行うまでの一連の流れのことを指します。

よって、DAOを立ち上げる際には

  • どうやって適切な機会や情報を、適切な人に、適切なタイミングで提供するか
  • どのように貢献度を定量化し、インセンティブを与えられるか
  • どのように役割や評価システムを通じて信頼を醸成するか

といった点を明確にして、適切なツールを選択することが重要です。

とはいえ、実際にDAOを作ってみたい!と思っても、専門知識が必要な部分もあり、なかなか難しいのでは? と感じているのではないでしょうか。

そこで、簡単にDAOを作ることができるプラットフォームも誕生しています。それが、ソーシャルブロックチェーンDeSoの創設者であるNaderAl-Naji氏によって開発中のDAODAOです。

▼DAODAOの紹介ムービー

DAODAOを利用すると、名前や目標、資金調達のマイルストーンなどを記入するだけでDAOを作ることができます。2022年5月にリリース予定とされています。

また、DAOを自分で立ち上げたいという方には、開発ツールがまとめられた「DAO Mastersというサイトもあります。

トークンを作成できるツールや、投票システムを構築できるツール、DAOを多角的に分析してくれるツール、などなど、見ているだけでもワクワクするようなツールで溢れているので、こちらも是非覗いてみてくださいね。

さらに、「立ち上げたとしても、コミュニティの形成はパワーが必要で大変…!」という方に向けて、DAOの運営を支援するDAOも存在しています。そのひとつが、web3人材を供給する「Raid Guildです。

RaidGuildのメンバーを雇用したい場合は、まずリクエストを送信すると、RaidGuild内でそのリクエストに応えられるかどうかが議論され、最善の方法を提示してくれるとのこと。サービスを通じて得た収益は、DAOの発展に必要な知識をオープンソース化するための開発資金などに利用されるそうです。

これは面白い…! 海外のユニークなDAO【14選】

最後に、海外のユニークなDAOをいくつかご紹介いたします。

1. MakerDAO

MakerDAOは、2015年に設立されたDAOで、イーサリアムブロックチェーンでの借入、貯蓄、および安定した暗号通貨を実現するための技術を開発しています。

MakerDAOは、ひとつの「DeFi(分散型金融)」運動と捉えるとわかりやすいかもしれません。つまり、中央の金融機関が不在で、仲介を必要としない暗号通貨の貸し借りを可能にしたサービスです。

従来は、暗号資産を借りることはとても大変というイメージがありました。というのも、暗号資産の多くが不安定で、その価値が乱降下することもあったため、借入額と返済額が短期間のうちに変わってしまう可能性が大いにあったのです。そこで、返済額を見通せるようにしようという考えのもと、MakerDAOが生まれたとされています。

2. Usebraintrust

フリーランスとして働く場合、マッチングサービスに登録して仕事を探すのが主流ですよね。しかし、そうした環境下では、案件を獲得するために安さを売りにする人も多く、健全な価格競争が行われないという問題がありました。

そうした課題に対し、雇用のプロセスから仲介業者を排除することで、労働者と企業の双方にメリットがある仕組みを提供しているDAOが、Usebraintrustです。

現在は、DAOに所属するメンバーは賃金の20%(稼ぎが1万ドル以上の場合は5%)を還元するシステムになっています。そのため、各個人が手元に入る給料を稼ぐためには価格を上げなければならないのですが、それが結果としてフリーランサーの低賃金労働を防ぐことにつながる、というメリットもあります。

また、企業側も数%の処理手数料をDAOに支払います。月単位での定額料金を支払うケースや、アカウントマネージャーを手配できる有料プランもあるそうです。

参加は事前申請制です。さらに、新メンバーを招待するとトークンで報酬を受け取ることができるので、必然的に「稼げる人(=質の高い仕事をする人)」が招待され、DAOが提供する仕事の質が担保されるという仕組みもあります。

3. PleasrDAO

PleasrDAOは、NFTの共同購入を目的として設立されたDAOです。高価値のNFTに共同で投資し、スマートコントラクトを通じてそれらの所有権を共有しています。

元々は、デジタルアーティストpplpleasrがUniswapV3の設立を記念して作成したNFTを購入するためにTwitterを通じて設立されました。このオークションでの収益は、アジア系アメリカ人と太平洋諸島に住むマイノリティのコミュニティを支援するために使われたそうです。

現在もその活動は続いており、Edward SnowdenのNFTや、ヒップホップ史上において最大級のインパクトを残したクルーWu-Tangの、世界に1枚しか存在しないアルバム「Once Upon a Time in Shaolin」などを共同購入しています。

4. Odyssey DAO

Odyssey DAOは、web3領域の教育を作成、提供するDAOで、5,000人以上の人々が質問し合い、知見を共有しているといます。

NFTやDeFiなどのトピック別に学習のロードマップとなる「パス」が設定されていて、パスに従って学んでいくことで基礎から応用までの知識を習得できます。

コミュニティはDiscord上で運営され、週に数回、音声チャンネルを活用したミーティングも実施されているため、コミュニティに所属するメンバーと親睦を深めながら学ぶことができます。

さらに、ウェビナーやワークショップ、専門家やゲストスピーカーによるQ&Aコーナーなども常時開催されているとのことで、コンテンツが充実している印象です。web3の勉強をしたい!という人は、入会は無料なので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

5. Mirror

Mirrorは、2020年に発表された分散型のブログプラットフォームです。ライターが、読者とより直接的、かつ密接に関係を構築できるような仕組みが整えられています。

具体的には、ライターは記事をNFT化して競売にかけることができ、ファンはそのNFTを購入、その利益がライターに還元されるという仕組みです。金銭的なメリットだけではなく、記事コンテンツがブロックチェーン上に記録されることで、コピーや複製を防ぐこともできます。

また、クラウドファンディングの機能も存在し、返礼として独自のERC-20トークンを作成して支援者に渡すことができるそうです。

実際に、イーサリアムのドキュメンタリー映画「Ethereum: The Infinite Garden」はMirrorを通じて資金調達が行われ、わずか3日間で当初の目標の750ETHを調達したという事例もあります。

6. BeetsDAO

BeetsDAOは、音楽系のNFTの買取を目的としたDAOです。元々は、Discordのサーバー上で知り合った54人の人々によって、EulerBeatsNFTを購入することを目的に2021年3月に設立されました。

EulerBeatsNFTとは、オーディオファイルにアートワークが付けられたNFTコレクションで、BeetsDAOはうち4つを購入したそうです。

BeetsDAOは資金をプールする以外にも、アートワークや音楽の制作を依頼する役割も担っているそう。2021年には伝説のラッパーSnoopDoggとミームクリエイターのChrisTorresのコラボレーションを生み出し、話題を呼びました。

7. Emanate

Emanateは音楽業界の収益構造の問題に着目し、リアルタイムでアーティストに直接収益が入るようなweb3プラットフォームを提供しながら、アーティスト同士、さらにはリスナーとの交流が生まれるようなコミュニティを形成しています。

すでにMau5trap、Black Book Records、World Famous HQ、MediumRareRecordsといったインディーズのレーベルが協力関係にあり、それらのアーティストが発表している曲に加え、コミュニティから提供された音楽を聴くことができるといいます。

さらに、アーティストだけでなくリスナー側にも報酬が入る仕組みが整えられています。具体的には、好きな音楽やアーティストをコミュニティ内で共有し、影響し合うことで報酬を得たり、作成したプレイリストを通じてマイクロペイメントを受け取ることができるそうです。

8. Fries DAO

Fries DAOは、「DAOで管理する、ファストフードのフランチャイズ帝国」をビジョンとし、バーガーキング、タコベルなどのファストフード店のフランチャイズ購入を目的として設立されました。

半ばジョークで設立したそうですが、サブウェイのフランチャイズ契約を皮切りに、元ドミノ・ピザ副社長のKorySpiroffもその仲間入りを果たすなど、その活動を拡大しています。

具体的には、食事の無料券や割引などの特典が付いたNFTのメンバーシップカードを販売。これまでに、540万ドル以上を調達しています。トークン保有者は、資金の使い道や、どの店舗を買収するかについて発言ができるそうです

9. Rook Perfumes

ロンドンを拠点とし、メタバース上での「香り」を研究するフレグランスブランドRook Perfumesは、ユーザーと共創する香水を開発しました。これは世界初の、DAOで共同開発するフレグランスといえます。

NFTを購入したユーザーは、バーチャル空間上で議論を行ったり、香水について学んだり、ゲームに参加したりする、約4ヶ月間のプロジェクトに参加します。最終的には、共同でデザインしたNFTラベルがついた実物の香水が贈られるそう。

さらに、DAOに所属するメンバーは、そのフレグランスをパブリックに販売した場合、売れるごとにロイヤリティも受け取ることができるとのことです。

10. YAP DAO

YAP DAOは、2018年に結成された、DeFi業界でのPRとマーケティングのサポートを提供するコミュニティです。実質的には、非技術系のビジネスパーソンがweb3上で仕事を得るためのマーケットプレイスです。

DeFi業界には、マーケターやコンテンツクリエーター、デザイナーなどの非技術職の人々の仕事が不足しています。そうした人々が働ける場所を提供しているのが、このYAP DAOです。

入会は許可制になっていますが、「PRや広報での経験がある」「DAOまたはクリプト業界での経験がある」「どちらの経験もないが、熱意と学ぶ意欲がある」のいずれかに該当すれば、参加することができます。

11. Ukraine DAO

最近は、より社会貢献度の高いDAOも設立されています。Ukraine DAOはそのひとつで、ウクライナでの人道的活動を支援するために設立されました。

UkrineDAOを立ち上げたのは、プーチン大統領に対して批判的な政治活動家であるNadya Tolokonnikova氏です。Tolokonnikova氏は、ロシアのフェミニスト・ロックグループ「Pussy Riot」の創設メンバーとしても知られています。

具体的には、ウクライナ国旗をモチーフにしたNFTを10,000点販売。2022年2月25日にプロジェクトが立ち上がり、3月2日に販売が終了しましたが、その時点で、約700万ドル相当を集めることに成功したといわれています。

その収益はすべてReturn Alive Foundation(ウクライナ国防軍にコンピューター機器などを寄付している財団)とNGO Proliska(住民の避難や、物資供給などの支援を行うNGO)に送られ、寄付の募集開始から支援団体に送られるまでわずか10日程度というスピード感のあるプロジェクトがDAOによって推進された事例です。

12. DecentralizedPictures

DecentralizedPicturesは、映画製作者のサポートを目的として設立されたDAOです。映画製作者、映画ファン、アーティストで構成され、クリエイターにフィードバックや意見を提供することで、優れた才能やコンテンツを世に広げることを使命とした映画基金です。

映像業界に所属する人々によって設立されているため、業界とのつながりが無い、あるいは金銭的な面で製作が難しかったクリエイターへチャンスを提供することも目的としています。

クリエイターの選定は投票制で、最終的な受賞者はDecentralizedPicturesが決定するそうですが、トークンの保有者が投票を行い、受賞した人は、資金調達や制作、キャリアサポート、トップエージェンシーとのミーティングを受けることができるそうです。

13. FreeRossDAO

FreeRossDAOは、ロス・ウルブリヒトの釈放と、米国の刑罰制度の改革を目的に設立されたDAOです。

ウルブリヒト氏は、現在は閉鎖されているダークウェブ上のマーケットプレイス「SilkRoad」の創設者です。SilkRoadはビットコインを通貨として利用できる初めてのマーケットプレイスとしても知られていますが、内実としては弾薬、麻薬など、そのほか様々な違法サービスが提供されていました。

そうした背景により、2013年にウルブリヒト氏は逮捕され、2015年には懲役40年の刑に処されました。しかし、その判決は「過度な量刑だ」と、彼の家族を含め司法制度の改正を求める声が多く集まり、FreeRossDAOが誕生しました。

同DAOでは、ウルブリヒト氏が収監されていた時に制作していた作品やアートコレクションとリンクしたトークンが発行され、それらの収益は、囚人、そしてウルブリヒト氏の家族の支援に使われているそうです。

14. Obscura

最後にご紹介するのは、フォトグラファーのためのDAO「Obscura」です。フォトグラファーの収入を課題とし、より多くのアーティストが自身の作品を販売できるようにという思いのもと設立されました。

コミュニティ内ではベテランのフォトグラファーと接点を持つことができたり、写真をNFT化するための知識を学べたりするそうです。

とはいえ、「NFT写真は、ただ発表するだけでは意味がない」という考えから、コミュニティに所属するフォトグラファーの作品について議論し、文脈づけを行うために、「Obscura Journal」というメディアがMirror上で公開されています。

今回は、海外のDAOに絞ってご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。日本国内でもDAO的なコミュニティがどんどん立ち上がっているので、今後も引き続き注目しながら、情報を発信していきますのでお楽しみに。(了)

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