- コラボレーター
- 加藤 章太朗
【事業計画、ちゃんと作れる?】収支計画も簡単にビジュアル化できる「bizplan」を紹介
ビジネスシーンにおいてたびたび登場する「事業計画」には、決まったフォーマットはありません。それ故に、どのような項目を盛り込めばよいのか、迷う場合も多いのではないでしょうか。
そこで、本日は必要な情報を網羅した、素晴らしい事業計画を誰でも作成できるツールbizplan(ビズプラン)をご紹介いたします。
bizplanは、事業計画を作る上で必要な視点を補完し、売上や支出の予測なども簡単に作ることのできるツールです。
それでは、早速見ていきましょう。
あらゆる観点から、事業計画に必要なポイントを整理
bizplanには、事業計画に必要な視点を網羅したテンプレートが入っています。その項目を埋めていくだけで、オンラインで共有できる事業計画ができ上がります。
事業の初期フェーズからすべての項目を埋める必要ありませんが、以下の項目に関するテンプレートが用意されているので、取捨選択しながら事業計画を作っていきましょう。
- サマリ
- 解決する課題
- 解決策
- マーケット分析
- 顧客分析
- 競合分析
- 事業のドライバー(トラクション)
- 事業リスク
- チーム
- 戦略(ビジョン、ゴールなど)
- マーケティング・セールス
- 資金調達
- 収支計画
事業計画のスタートは「誰」の「どのような課題」を解決するか
ログインしたら、まずは事業計画書を作成しましょう。サイドバーのこのアイコン部分をクリックします。
すると、事業計画に必要な項目が羅列されています。
まずは「The Big Problem」をクリックしましょう。リーンスタートアップやその他の事業開発の手法で、最も重要だと言われるのは「誰のどんな課題(問題)を解決するのか?」です。
過去にSELECKで取材した「スタートアップサイエンス」の著者である田所 雅之さんも、事業を始める時、まずは顧客の課題を発見することが重要だと説いております。
当時を振り返ると、やはり一番ダメだったのは「顧客の課題ドリブン」で考えず、「ソリューションドリブン」で考えていたことです。自分たちの作りたいものが、まず先行してしまったんです。
まず向き合うべき一番大切な問いは、「自分たちが取り組もうとしている課題が、本当に存在してるのか」ということなんですね。
記事はこちらから
bizplanで事業計画を作る際も、「The Big Problem」から記入していきましょう。
「解決する課題」「原因」「結果」「代替案」を記入する
まずは、どのような課題(問題)を解決するのか、実際に記入してみましょう。今回は「スマホから、不用品の処分を手配するのが面倒くさい」という課題について考えていきます。
次に、どのような顧客の課題か、課題の原因は何か、課題がある結果何が起こっているのか、を記入しましょう。
そして現在、顧客がどのような代替手段を使って、その課題を解決しているのか? も記入しましょう。
「解決する課題」のパートは以上です。ここまで見てきてわかるのは、bizplanには事業計画を考える上で抑えておかなければならない項目が網羅されているということです。
例えば、「解決する課題」を考える時に、その課題が本当に存在するかを測る方法として「代替手段」を考えることは非常に重要です。
というのも、もし顧客が絶対に解決したい課題が本当にあれば、不便だったとしても何かしらの代替手段でその課題を解決しているはずだからです。
上記の例で考えると、スマホのフリマアプリが登場する前であれば、家の不用品を処理するために、SNS上で買い取ってくれる人を募集したり、リサイクル業者に持ち込んだりしていたと思います。
このように、事業計画を作る上で抑えておくべき点がフォーマット化されていることが、bizplanの大きな利点です。
次に「解決策」「マーケット」を記入する
「誰のどんな課題を解決する」という部分が埋まったら、次は解決策やマーケットについて記入しましょう。
「The Unique Solution」をクリックして、解決策を画像とテキストで定義します。顧客がどのようなシーンで、その解決策を使うのかというシナリオ(ユースケース)も書いていきましょう。
次に、「TOTAL ADDRESSABLE MARKET」に、狙うマーケットの最大規模を記入しましょう。
事業フェーズが若く、これからマーケットができていく場合は、ここは記入しなくても良いかもしれません。
「TARGET MARKET」には実際、初期に狙うマーケットを、「OBTAINABLE MARKET」には、実際に自分たちが奪えそうな市場規模を記入しましょう。
なお、ここまで作成した内容を保存をするには、左下の「Publish」をクリックします。
収支計画のビジュアル化も可能
解決する課題、解決策、市場、など必要な項目を入力した後は、最後に収支計画を作りましょう。サイドバーのグラフのようなアイコンをクリックします。
そして、事業計画の対象となるチーム名を記入しましょう。
次に、人件費について記入しましょう。ポジション、名前、年間の給料、1年間における雇用期間、法定福利割合、などが入力できます。ここでは仮で数値を入力してみます。
人件費を入力すると、年間の人件費推移がグラフで表示されます。
Detailをクリックすると、表形式で表示されます。
次に人件費以外の支出を登録しましょう。Expensesタブをクリックします。
人件費と同じ要領で、原価以外の各種コストを登録していきましょう。
こちらも、グラフで年間の推移が分かりやすく表示されます。
収益モデルに応じた売上計画を簡単に作成
ここまでは収支計画の中でも支出計画について見てきましたが、次は売上計画を作成していきます。bizplanにあなたの収益モデルを登録することで、簡単に売上計画を作ることができます。
まず、Revenueタブをクリックしましょう。
Revenue Streamには「システム手数料」など、収益の名称を記入しましょう。そして、Select a Revenue Typeでは、収益のタイプを選択します。ここでは月額手数料を取る「Subscription」を選択します。
そして、「Revenue Per User」は顧客1人当たりの月額売上、「Beginning Users」は現時点での課金顧客数を入力します。
さらに、「Growth」をクリックして、月次の予測成長率を記入しましょう。前の月よりどのくらい課金顧客が増えるか、パーセンテージで入力します。
この数値は既に事業が立ち上がっていれば、過去実績やベンチマーク事業の数値を調べた上で、設定すると良いと思います。
例えば、SELECKで取り上げたSmartHRさんの場合、週次で7%の成長を目指されていたそうです。月次に直すと、120〜130%ということが分かるので、SaaSを開発している会社はベンチマークになるかもしれませんね。
※参考記事:「解約理由」からサービス改善!2年で7,500社以上が導入したSmartHRのKPIとは?
次に「Cost of Sales」に原価を入力しましょう。顧客1人の売上の何%が原価になっているかを試算し、記入します。
すると、売上推移の予測がグラフで表示されます。
ダッシュボードやプレビューで作成した事業計画を確認
ここまで作成した収支計画はダッシュボードですぐに確認できます。
事業計画のプレビューを見るには、作成画面の左下の「Publish」をクリックし、URLを共有しましょう。
すると、作成した事業計画をオンラインで確認できるようになります。
以上がbizplanの使い方です。事業計画を作成する方々は、仮説の検証やステークホルダーへの説明時に、ぜひ使ってみてください。
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