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B2Bのマーケティングは外資に習え マーケティングオートメーション実践3ステップ

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マーケティングオートメーションとは、自社の顧客を1人1人に最適なタイミングで最適なアプローチを自動で行う仕組み。興味・関心・ポテンシャルが違う顧客をマーケティング担当がすべて主導でフォローするのは現実的ではなく、なるべく自動化するべく開発された手法です。

世界ではこの仕組みが広がっていますが、日本では取り入れて運用し切っている会社は少ない。日本はB2Bの販売活動において営業が強く、マーケティングは海外や外資に見習う部分が多い。

そこで、今回はアメリカに本社がある株式会社コンカーを参考に、マーケティングオートメーションを実践するステップを整理しました。

前提:マーケティングの役割は「魅力的な案件を作る」こと

マーケティングオートメーションを理解するためには、まずはマーケティングの役割をしっかり理解する必要があります。マーケティングの役割は色々ありますが、やはりもっとも重要なことは、魅力的な案件を作ることです。

ターゲティングをしていかに魅力的な案件を掘り起こして営業に渡すかが重要です。

【前編】「死に筋」を「成約」に導く!マーケティングと営業の役割分担で販売活動を革新

数あるマーケティングの役割の中でもっとも重要な仕事は「魅力的な案件を作る」ことです。様々なデータの中から案件の種を見つけ、確度の高いものをリードとしてインサイドセールスに渡します。インサイドセールスはマーケティングから引き渡されたリードを案件化し、営業は受注をします。

マーケティング業務には派手なイメージがあります。でも、実際は事務作業が多い仕事です(笑)。データをクレンジングしつつ、新しいデータをどんどんデータベースに投入して、その情報をベースにぐるぐるマーケティング活動をしかけていきます。

インサイドセールスが一日でかけられる電話回数には上限があるので、彼らの業務効率を上げるには質のいいリードを大量に早く渡すことが重要です。

マーケティングオートメーションの役割は作業の効率化

このようにマーケティングの役割は「魅力的な案件を作ること」です。ただし、その案件1件1件に手動でアプローチをして魅力的な案件に育てていくことは難しいので、マーケティングオートメーションによって活動の一部を自動化します。

マーケティングオートメーションという言葉は、マーケティング活動すべてを自動化してくれるような響きがありますが、当然そのようなことはありません。マーケティング担当の作業で自動化できる部分を効率化し、オペレーションコストを下げるところに本質があります。

【前編】「死に筋」を「成約」に導く!マーケティングと営業の役割分担で販売活動を革新

様々なデータから良質な案件になりえる原石を見つける作業をMQL(Marketing Qualified Lead)というプロセスで行っています。この作業は人海戦術だと限度があるため、マーケティングオートメーションで自動化しています。

マーケティングオートメーションで自動化できる部分

マーケティングオートメーションは、あらかじめ定めたスコアの顧客に対してあらかじめ作成したコンテンツを自動で提供し、成約に向けて育てていくことができます。このスコアリングと自動アプローチの部分がマーケティング担当者の工数を大きく下げてくれます。

マーケティングオートメーション実践ステップ1:スコアリングの定義

良質な案件になりえる原石を見つけるためには、原石を定義する必要があります。マーケティングオートメーションを実践するためにはまずスコアリングを定義しマーケティングオートメーションツールに登録しましょう。

コンカーでは、顧客のスコアを「資格レベル」と「興味レベル」で定義しているそうです。

【前編】「死に筋」を「成約」に導く!マーケティングと営業の役割分担で販売活動を革新

コンカーのリードの魅力度は2軸のスコアリングモデルで構成されています。「コンカーのクラウドサービスを購入する資格があるか(資格レベル)」と「興味を持っているか(興味レベル)」です。

資格レベルでは、その人がコンカーを導入するポテンシャルを評価しています。ポテンシャルが高いかどうかは売る商材の特性で判断する必要があります。例えば、コンカーを導入するメリットの一つとして経費削減があげられますが、効率的に削減するには海外出張費に注目すべきです。

海外出張費は従業員の利便性という観点がありつつも、ある程度統制、管理しなければあっという間に膨れあがります。従って、海外売上比率が高く、海外出張も比較的多いと考えられる商社やメーカーといった企業は、コンカーを検討していただける可能性が高く、資格レベルが高いということになります。一方、倉庫業や銀行などの業態はほとんど海外出張が発生しませんので、ほとんどスコアしなくてもいいと思います。

このように、自社ソリューションの特性を分析し、購入する可能性の高いターゲットを突き止めることで、資格レベルの基準を作ることができます。

次に興味レベルの軸で言うと、「キャンペーンサイトに訪問した」「ホワイトペーパーをダウンロードした」「問い合わせがきた」などの見込み客のデジタルな行動情報に加え、営業がお客様から直接拾い上げた情報を投入していきます。

例えば、「今使っている会計ソフト」のような項目を入れます。仮にその会計ソフトがクラウドベースであれば、コンカーには追い風となります。クラウド同士の連携は標準機能としてサポートされている場合がありますし、なによりお客様が企業システムをクラウドで運用しているという事実はコンカーのようなサービスに共感を示してくれる可能性が高いということになります。逆に3ヶ月前に経費システムを導入したばかりであればスコアリングをしません。もし、次の更新タイミングが3年後、ということが分かれば3年間後にコンタクトを再開します。

このように、デジタルな行動と営業活動の情報を統合することで、現場の肌感覚に近い興味レベルが算出できます。

マーケティングオートメーション実践ステップ2:インサイドセールスに渡す先の定義

次に、インサイドセールス(※1)にはどのくらいで渡すべきか?という定義をします。マーケティングと営業の役割を明確にしていかないと衝突が起こり、同じ売上を最大化する目標に対して協力することができなくなってしまいます。

(※1)インサイドセールスとは、電話など非対面でのコミュニケーションを顧客と取り、顧客との関係性を深めていく役割

▼マーケティング、インサイドセールス、営業の役割分担

すべてをマーケティングがフォローしようと考えるのではなく、自社の製品特性やマーケティング担当のキャパシティーを鑑みて、「ある一定以上のスコアは渡す」と割りきって決めてしまうことが重要です。

まずは検討段階のプロセスを洗い出し、「受注確率が〇%以上になったら、それ以降は営業がフォローする」と定義します。そう決めることで個々の段階ごとに担当する部門を分け、それぞれを管理しやすくなります。

このような、明確な役割分担が非常に重要だと思います。逆に、営業がしっかり商談を進めている顧客に対して、マーケティングからマスコミュニケーションのアプローチをかけると事故が起きるリスクもありますし。営業がマーケティングにカバーしてほしいのも、受注確度が低いところですよね。

【後編】「死に筋」を「成約」に導く!マーケティングと営業の役割分担で販売活動を革新

実践ステップ3:リードをステップアップさせる

リードの中でインサイドセールスに渡さない先をいかに原石にしていくか、という仕事をマーケティングオートメーションツールを使って実践していきます。リードの中の死に筋に対して、どのような条件になったらどういうコンテンツを配信するか、を設計して、コンテンツを作り、マーケティングオートメーションツールに登録をして、自動アプローチしていきます。

まとめ

マーケティングオートメーションの実践ステップは以下です。

1.スコアリングの定義

2.インサイドセールスに渡す先の定義

3.リードをステップアップさせる

となっております。いくつかツールがあるのでまずは検討してみてはいかがでしょうか。

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