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1ヶ月で40名の応募!メルカリに学ぶ、世界最大の求人検索サイト「Indeed」の使い方
今回のソリューション:【Indeed/インディード】
〜世界最大の求人検索サイト「Indeed」を企業はどう使うべき? 1日5分の運用で40名の応募を獲得し2名を採用した、メルカリの使い方を紹介〜
「Indeed(インディード)」は、世界50カ国、28言語でサービスを展開している世界最大の求人検索エンジンだ。月間で1億8千万のユニークビジター数を誇り、アメリカでは求職者の7割が使用しているという(2014年)、現在急激に成長中の求人サービスである。
世界最大の求人検索エンジン「Indeed」
そんなIndeedを「専門職の採用」に活用しているのが、日米通算で3,100万以上のダウンロード数(2016年2月1日発表)を誇るフリマアプリを提供するグローバルベンチャー企業の株式会社メルカリだ。
同社では、理念に共感する人材を主にリファラル採用(社員紹介)、Wantedly、LinkedInで採用しつつ、特定のスキルを要する専門職の採用には、Indeedを活用しはじめたという。
背景として、メルカリでは米国でのサービス拡大に伴い、翻訳メンバーの増員が必要になった。そこでIndeedを活用して募集をかけたところ、ひと月で40件以上の応募があったそうだ。
結果的に2名の採用が決まっただけでなく、採用コストもかなり押さえることができたという。「募集を出した翌日には驚くほど応募がきていた」と話す、同社のHRグループの石黒 卓弥さんにお話を伺った。
「大きな成功を目指して」メルカリで、採用活動を担う
新卒でNTTドコモに入社し、10年ほど営業と人事として勤めました。その後、あるきっかけで弊社取締役の小泉に出会ったんです。とても魅力的な人で、単純ですが「一緒にチャレンジしたい」と本気で思いました。「中途半端な成功ではなく、大きな成功を目指そう」という言葉が今でも印象に残っています。
現在、弊社の採用に関しては、自社媒体に準ずるようなものをメインとしています。具体的には、コーポレートサイト、LinkedIn、Wantedlyですね。その理由は、スキル以上に、メルカリへの共感を最も大切な要素だと考えているからです。
※従来型の求人媒体は使わずに、自社媒体や社員紹介を中心とした採用活動に注力している理由をお伺いした記事はこちらです。
LinkedInをどう使う? 世界に通用する人材に出会う、メルカリの採用戦略とは
採用プロセスでは、どんなポジションの方でも必ず弊社のプロダクトを利用した上で、選考に臨んでいただいています。なぜなら、我々の世界観はプロダクトにこそ詰まっているからです。
そして、メルカリへの愛着や熱量を高いレベルで維持できる方にご入社いただくために、共感を生みやすいような採用手段にフォーカスすることになったという経緯があります。
アメリカでもサービス展開 翻訳チームの拡充が必要に
メルカリはアメリカでもサービスを展開していて、開発チームの9割がそちらに関わっています。そしてアメリカでのサービスの拡大が続いていることから、翻訳メンバーを増員する必要が出てきました。
翻訳メンバーの役割は、日米間におけるメンバー同士のコミュニケーションをつなぐことです。社内の開発に関するチケット(タスク)は両国でRedmineを通じて管理していますが、元々は3名のメンバーで日本語⇔英語の翻訳をしてもらって、メンバー全員が理解できるようにしていました。
しかし、チームの拡充が急務になり、本格的に採用を開始しました。もともと利用していたWantedlyで2015年の11月頃から募集を始めたのですが、専門職ということもあって、1ヶ月ほど経ってもなかなか欲しい人材に出会えなかったんです。
そんなときに、以前から気になっていた「Indeed(インディード)」を試してみようと思い立ちました。キャリア系のWeb媒体でIndeedのエンジニアやオフィスが紹介されていたり、多国籍なチームで運営されていると聞いていたので、純粋な興味もありましたね。
そこで、たまたまお会いしたことがあったIndeedの立ち上げメンバーの方に、営業さんをご紹介いただきました。そして話を聞いてみたら、すごいことがわかったんです。
弊社は仙台にカスタマーサポートの拠点があり、過去に、紙媒体にそちらの求人を掲載していた時期がありました。そのときの露出は紙媒体だけだったのですが、実はWebでも多くの人が弊社のカスタマーサポートの求人を探していた、ということをIndeedの担当者の方が教えてくれたんです。
そのときの検索流入の数字を見せてくださったのですが、「仙台 カスタマーサポート」だけで何百回も検索されていました。「翻訳ポジションの採用、メルカリなら間違いなく応募がきますよ!」とアドバイスをいただき、まずはやってみようと2015年12月から、Indeedでも募集を出すことにしました。
ものすごい数の応募が来た!「Indeed」の仕組みとは
募集を出した翌日には、ものすごい数の応募が来ていました。寝て、起きたらぶわっと来ていた、みたいな(笑)。
Indeedをわかりやすく例えると、リスティング広告に近い形で運用ができる採用支援サービスです。Indeedの検索ボックスにフリーワードを入力することで、関連する求人情報を一覧で見ることができます。
例えば、「カスタマーサポート」と入力すると、カスタマーサポートに関する求人情報が出てきます。求人が多いワードの場合は、Google検索のように何ページにも渡って結果が表示される感じです。
▼キーワードで求人情報を検索
採用側の使い方としては2種類あって、無料で求人を掲載するパターンと、スポンサーとして有料で掲載するパターンです。
有料の場合、求人の検索画面の各ページ上部と下部にある、スポンサー枠に求人が掲載されるようになります。ある一定以上のクリック単価なら1ページ目に、それより低いクリック単価なら2ページ目以降に載るといった形です。
▼有料の「スポンサー」になると、募集ページが上位に表示される(イメージ)
無料の場合には、検索結果のうちのどこかのページに、ランダムに表示されます。面白いことに、Indeedの中にはSEOのような概念がないんですね。ただ、IndeedそのものはGoogle検索の中でもSEOに強いので、例えば「翻訳 仕事」とGoogleで入力した場合にも、しっかり検索結果上位にヒットします。
▼無料の場合、スポンサー枠の下にランダムで表示される
Indeedの活用法 職種にしぼったピンポイントな採用に
Indeedの募集要項では、求職者に検索してもらったときにヒットしやすいような募集要項を書くのがいいとアドバイスを頂きました。弊社では翻訳を含めて4つほど募集要項を登録しているのですが、色々な人が様々なワードで検索するので、表記を最適化しています。
例えば「データサイエンティスト」ではなく、「データサイエンティスト(BIアナリスト)」といった形でどちらのワードで検索されてもいいようにしています。このように、ピンポイントの職種で募集をかけるのが、Indeedには向いていると思います。
さらに、Indeedでは募集に自社の採用ページを埋め込むことができます。ユーザーが検索結果をクリックすると、募集企業のホームページに飛ぶということですね。応募者の方が会社のホームページを必ず見てくれるので、自社のカルチャーや社風などを伝えるきっかけになりやすいんです。
結果的に、会社のカルチャーやプロダクトに共感してくれる人が応募してくれることが多くなると思います。
支払金額を決めて運用できるので、採用コストの削減にも
Indeedは、月々いくら支払うかの上限を決めて運用することができます。例えば、クリック単価を高めに設定して、表示ページ前半の上部に掲載されるようにしておいて、応募が想定以上にあれば支払いを止めて、無料で運用するといったことも可能です。
記事の運用に関する数値も見ることができて、表示回数、CTR、平均CTC、費用など様々なデータを確認できるようになっています。こちらを参照しながら、運用を最適化するように工夫しています。
▼管理画面ではクリック数や予算もチェック可能(内容はイメージです。)
1日の運用にかかっている時間は、わずか5分程度です。自社ホームページに採用リンクを埋め込んだ後は、応募に関する数値を日々チェックして、単価の上下や無料に切り替えるかどうかを決める程度なので。そのあたりの運用が効率的にできることにも満足しています。
ちなみに、求職者の方は大体7ページ目くらいまでは検索結果を見ているそうです。個人的には、3ページ目や4ページ目の有料枠に掲載されるくらいが、逆にガツガツしていない感じでいいのかなと思い運用しています。
1ヶ月で40件もの応募を獲得
結果的に、運用を始めて約1ヶ月で40件もの応募を得ることができました。その中で英語のネイティブスピーカーを含めて2名の採用を決めることができたのですが、コスト感は1応募あたりで数千円ほど、採用人数あたりでは数万円ほどでした。コスト面でも非常に魅力的だったと思います。
今回は翻訳の専門職ということもあり、選考過程において、面接前に弊社で毎日活用しているタスク管理ツールRedmineに出ているタスクの翻訳を行っていただきました。結果的には元英語教師の方だったり、帰国子女の方など、様々なバックグラウンドを持った方を採用させていただきました。
今後は他の職種でも試していきたい
Indeedは、応募者の方が自社の採用ページを経由する形の求人を出せるので、自社媒体で採用を行うことに近いと感じています。弊社は理念に共感していただける人を採用しているので、相性は良いと思っていますね。
今後は、エンジニアやカスタマーサポートといった他の専門職も含めて、様々なポジションでトライアルしていければと思っています。(了)