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  • 松田 智美

テーマは「空中庭園」!本物の木を活用した、ラクスル新オフィスのこだわりとは

今回のソリューション:【コクヨ】

〜天井高12メートルの「レア物件」へのオフィス移転。インターネット企業だからこそ「自然」を重視した、こだわりのオフィスづくりとは〜

「オフィス移転」がもたらす効果は大きい。単に「新しいオフィス」で働くということだけでも嬉しいものだが、その設計やデザインは、仕事の生産性や社員同士のコミュニケーション、また企業イメージにも大きな影響を及ぼす。

インターネットを通じた印刷・運送サービスを展開する、ラクスル株式会社。2009年創業の同社は、2015年11月に「天井高12メートル」という、珍しい構造の現オフィスへと移転した。

そのコンセプトには「空中庭園」を掲げ、実物の木を活用するなど、自然を意識したオフィスづくりを意識したと言う。同社で移転プロジェクトに携わった松田 智美さんに、詳しいお話を伺った。

▼天井高12メートルの空間に広がる空中庭園とは…!

天井高12メートルの「レア物件」へ移転することに

2010年に新卒で、主婦の方を主なターゲットにした派遣会社に入社しました。1年ほど営業や営業事務を担当した後に人事総務に異動し、支社開設のプロジェクトなどに携わっていました。

当時、ラクスルはまだ創業して間もないタイミングで、前職からも営業に来ていたんですよ。そのつながりから、2015年4月に入社を決めました。決め手になったのは、「仕組みを変えれば、世界はもっとよくなる」というビジョンに共感できたことですね。今は経営管理部で、人事総務、労務を中心に担当しています。

弊社がオフィス移転を検討し始めたのは、人員が増えてきた2015年5月ごろになります。移転先の候補を探すにあたって重要視したのは、実は「天井が高い」ということでした。

ピンポイントですが、代表の松本が昔から憧れていたようで。今のオフィスはもともとは住宅展示場だったそうで、天井高が12メートルに及ぶ珍しい物件だったんですよ。

まさかこのような物件が見つかるとは当初は思っていなかったのですが、駅にも近く利便性も良かったため、こちらに新オフィスを置くことを決めました。

「空中庭園」がテーマのオフィスづくりに必要だった「設計力」

新オフィスのテーマには、この天井の高さを活かして「空中庭園」を設定しました。そしてオフィス移転のデザインを考えるにあたっては、プロパティマネジメントの方を通して何社かのデザイン会社さんにお声がけさせていただき、1ヶ月半ほどかけてコンペを行いました。

このプロジェクトで最初から最後まで一貫していたのは、「自然を大切にする」という姿勢ですね。そこには非常にこだわりを持っていたので、デザイン会社さんにも弊社の本気度合いを伝えるため、六本木のTSUTAYAに参考になるカタログを買いに行きました(笑)。総額10万円ほどをかけて、5冊くらいのインテリア雑誌を買いましたね。

特殊な構造の物件だったので、設計力がかなり必要だったと思います。単におしゃれなデザインができるというよりは、2回、3回とコンペを繰り返す中で、設計力のある企業さんが残っていった印象です。

結果的に我々に最適なオフィスをご提案してくださったのは、コクヨさんとオフィスブレインさんでした。提出していただいたコンペ案が、シンプルかつ要点を押さえていたことと、弊社が求めるコンセプトと最も合っていたことが決め手でしたね。また、設計の難易度の高さもあり、過去の実績が豊富なことも安心できました。

社員がリラックスできる、「自然」を体感するオフィスに

今回「自然」というコンセプトにこだわった理由は、弊社がインターネット企業で、パソコンに向かって仕事をするワークスタイルがメインになりがちだからです。仕事中にも自然を感じることでうまく気分転換できるようなオフィスを目指し、例えば本物の木をたくさん配置しています。

▼こだわりのオフィス空間には、本物の木も配置

仕事の合間にふと伸びをしたときに、視界に緑やレンガが入ったり、目線を変えることで木のぬくもりを感じてもらえるようなレイアウトになっています。

天井が一面ガラス張りになっているので、頭上を見上げると、「あ、雨が降っているな」という季節感や天気の移り変わりを室内にいながらも感じることができます。パソコン画面にずっと集中して根を詰めるのではなく、適宜リフレッシュができるようにしています。

置いてある植物、レンガ、木材は、全て本物にこだわっています。植物の管理には非常に手間をかけていて、1階の会議室の上に設置してあるものについては、週に一度は植栽のプロにお願いし、水やりをしていただいています。

他にも、実際の木を使っているため、根を張った時にどうするか、水をやる受け皿の大きさをどのくらいにするかなど、細かい部分の調整には苦労しましたね。

なぜここまでコストをかけてまで本物の植物を置いているかというと、「本物に触れる」ということがとても大切と考えているからです。「木」ひとつとっても、パッと見ただけではニセモノかどうか区別がつかなくても、見る人が見ればわかってしまうんですよね。

▼コストをかけても「本物」にこだわる

弊社はお客様から大事な印刷物をお預かりしているため、そういった「質を」追求するという姿勢は忘れてはいけない部分だと考えています。

取引に直接関係があるものではないですが、こういったところでもクオリティを追求する姿勢を持つことが、ビジネスをする上での心構えにもいきてくるのではないかと思っています。

クリエイティブを刺激する空間を目指し、色使いも工夫

また、今回は色使いにもこだわっています。おしゃれなオフィスって、無機質なデザインになっているケースも多いですよね。弊社が敢えてそうしなかったのは、仕事をする上でもセンスや遊び心が重要だと考えているからです。

例えばパーティションも全てモノトーンになっているようなオフィスで仕事をしていたら、思考もだんだん味気ないものになってしまう気がしていて。

クリエイティビティを刺激する、ワクワクするような気持ちを持てるようなオフィスデザインにしています。色使いについても、ナチュラルな木の緑と木目以外は、基本的には会社のロゴのカラーである、シアン、マゼンダ、イエローを基調としたカラフルな色合いになっています。

▼シアン、マゼンダ、イエローが基調の会議室

回遊性のあるオフィスで、コミュニケーションも活性化

また、回遊性のある設計もポイントです。自分の席以外にもソファや、集中スペースといった仕事ができる場所を用意しています。

▼オフィス構造は、回遊性のある作りに

2階にはふだんは開放しているイベントスペースがあるので、1階のワーキングスペースから上がってきて、カフェで仕事をするような感じで作業をする社員もいますね。

▼2階ではカフェのように仕事もできる

このように、仕事ができる空間を色々と用意することで、適度に気分転換して、メリハリをつけられるようにしています。

▼集中スペースで静かに仕事をすることも可能

また、いろいろな場所でメンバーに出会うことで、普段あまり接点のない他部署の社員とお昼の場所が一緒になるなど、コミュニケーションの機会も増えました。

▼他のメンバーと「ふらっと」出会うことも

休憩スペースも、みんながアクセスしやすい位置に設置することで、メンバーの交流が生まれやすいデザインになっています。以前のオフィスでは、アルバイトの方が休憩スペースを使って、社員はデスクで食べるという形で分かれてしまいがちだったんですよね。

▼リラックスできる休憩スペース

こういった設計の背景には、もともと弊社は中途入社の社員も多く、様々なバックグラウンドの人が集まってきていることがあります。

メンバー1人ひとりが自分にとって最適な形で働き、個性を最大限に発揮できる空間を実現したかったんですね。その上でコミュニケーションの輪も広がっていくような場所を作りたいと考えて、オフィス全体を設計しました。

外部の人を呼びやすくなり、採用やPRにもプラスに

弊社のような構造のオフィスは珍しいこともあって、外部の人に「ちょっとオフィスに遊びにおいでよ」と声をかけやすくなりました。採用などでも非常にプラスになっています。

またイベントスペースを作ったことで、新卒採用説明会やちょっとした社内イベントもここで行えるようになりました。メディア向けの記者発表なども、3つに分かれている会議室のスライディングウォールを外して1部屋にすることで、対応できるようになりました。

▼社内のファミリーデーの様子

設計などで苦労した面もありましたが、結果的に社内的にも社外的にも、良い効果があったと感じています。今後も、このオフィス環境をうまく活かしながら働いていきたいですね。(了)

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