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疑問に回答するだけのCSは不十分!「ファンを作るCS」を実現する、サポート体制とは

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今回のソリューション【Zendesk、SurveyMonkey】

〜サービスへのお問い合わせを、「Zendesk」で管理し、アンケートツール「SurveyMonkey」も活用して振り返ることで、「ファン」を作るCSを試みている事例〜

数多くのWebサービスが市場に出回る中で、自社サービスを使ってもらうためには、ユーザーに「ファン」になってもらうことが必要だ。

国内最大のハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」や、国内最大級のレンタルサーバー「ロリポップ!」など、15ものサービスを展開するGMOペパボ株式会社。同社のカスタマーサポート(CS)は、お問い合わせ対応を通じて「ファン」を作ることをミッションとしている。

そのため、サービスによっては「問い合わせへの対応件数」をKPIとせず、「いくら長電話をしてもいいから、必ずユーザーが満足できる対応をしよう」と対応を徹底しているという。さらには、アンケートツールを活用して、対応へのフィードバックを得ることで、CSの質の向上を目指しているそうだ。

今回は、同社で主にECサービスのCSを統括している宇賀神 卓馬さん、minneのCSを担当する坂入隼人さんに、詳しいお話を伺った。

▼同社が運営するハンドメイドマーケット「minne」

minne

初めて「音楽以外で面白いことができるかも」と思えた会社

宇賀神 もともとはバンド活動をしていて、2000年と2008年にはメジャーデビューも経験してるんですが、4年ほど前に引退し、GMOペパボに入社しました。

入社の決め手は「人」でしたね。もともと、他の業界に比べて人間関係がフラットという印象がありIT業界を中心に見ていたのですが、その中でも特にGMOペパボはフラットでした。社長もフランクで、最終面接でもあだ名で呼んでもらえ、すごく楽しく働けそうだと感じたんです。

GMOペパボ株式会社の宇賀神 卓馬さん

現在は、弊社が運営する15のサービスのうち、東京本社で運営しているECサービスのCS統括として、24名のスタッフのマネジメントを担当しています。

坂入 私もずっと音楽をしていたのですが、それだけでは食べていくことができず、就職活動をすることになったんです。そのときは、「やるなら絶対に音楽よりも面白いこと」と決めていたのですが、しっくりくるものがなかなか見つからなくて。

そんなときに知人に勧められて、GMOペパボを知りました。ブログやTwitterで発信される社員の写真を見て、すごく良い雰囲気が伝わってきたんです。初めて「音楽以外で面白いことができるかもしれない!」と感じ、他の企業の内定を全て蹴って、2011年に入社しました。

GMOペパボ株式会社の坂入隼人さん

現在は、福岡支社で、ハンドメイドマーケット「minne」のCSのサブマネージャーをしています。私はそこで20名ほどのスタッフのマネジメントを担当しています。

CSのゴールは「ファン」を作ること

坂入 弊社のCSは、ユーザーの悩みを解決するのはもちろんですが、「ファン」を増やすことをゴールにしています。ユーザーの疑問に返答するだけのCSは、不十分だと考えているんです。

minneは、パソコンやスマホから、手作りの作品を販売・購入できるサービスです。そのため、作家さんと購入者さんの双方が、「安心して」取引できるという点にCSが価値を出す必要があると考えています。

宇賀神 他のサービスでも、ファンを増やすというゴールは変わらず、CSは外部に委託せずに社内でチームを作り、サービスの近くにいるようにしています。

KPIにもその意識は現れています。例えば、ネットショップ運営サービスの「カラーミーショップ」では、CSのKPIに「お問い合わせへの対応件数」は置いていないんです。

ネットショップ運営者からの問い合わせには、半ばコンサルティングに近い要素を含むものもあります。そのため、電話サポートを行っているのですが、スタッフには「たくさん電話をさばいてくれ」とは一度も言ったことはありません。

むしろ「いくら長電話をしてもいいから、必ずユーザーが満足できる対応をしよう」と言い続けています。「件数をさばく」という感覚をとにかく無くし、「ファンを作る」というミッションに集中してもらうためです。

GMOペパボ株式会社の宇賀神 卓馬さんと坂入隼人さん

マルチブランドに対応する「Zendesk」を、サービス横断的に活用

宇賀神 東京本社のCSチームでは、3年ほど前から、カスタマーサポートツールの、「Zendesk(ゼンデスク)」を活用して、メールなどのお問い合わせへの対応を行っています。

Zendeskを選んだ理由は、ずばり「イケてる」からですね。良いサービスはユーザーさんも多いので、業界内の流行を反映するようにどんどん新機能が追加されていくんです。

「ロリポップ!」のように長く運営しているサービスでは、自社で改良を重ねたお問い合わせの返信ツールがありますが、その他のサービスについてはツールの改修リソースを節約できるメリットの方が大きいので、Zendeskの恩恵をすごく感じますね。

Zendeskのエンタープライズプランでは、マルチブランド(ドメインを分け、複数サービスを管理する機能)に対応しているのも良いですね。

弊社はいくつものサービスを展開しているので、CSスタッフも複数のサービスを兼任することがあります。サービスをまたいでも、しっかり時系列順にお問い合わせに対応できるため、初回の返信時間が劇的に早くなりました。

CSの評価には、ZendeskとSurveyMonkeyの連携が効果的

宇賀神 ユーザーに、問い合わせへの対応を評価してもらうため、アンケートツール「SurveyMonkey(サーベイモンキー)」をZendeskと連携させて使っています。

ユーザーの問題が解決すると、その翌日に「今回のサポートについて評価をください」というメールが届きます。そのメールにあるリンクをクリックすると、SurveyMonkeyによるアンケートページが開いて、回答をしていただく形になっています。

▼SurveyMonkeyで、問い合わせの対応ごとにアンケートを取得

SurveyMonkey

Zendeskの「満足度評価」機能も試してみたのですが、それだと取れる指標が限られていたんですね。単純な指標だけでなく、NPSなどの追加で取りたい項目も増えてきたので、SurveryMonkeyを使うようになりました。

▼自由回答のアンケートも取得できる

SurveyMonkey

ポイントを抑えたアンケートで、CSの改善に活かす

宇賀神  アンケートでは、具体的に

  • 問題は解決したか(3段階評価)
  • 回答を得るまでにどれ位苦労したか(4段階評価)と、どのポイントで苦労したか
  • 友人に勧める可能性(10段階評価)と、その理由
  • お問い合わせ対応への満足度(4段階評価)と、その理由

という問いに答えていただいています。

日本人はとりあえず真ん中を選んでしまいがちなので、あえて4択にしているものが多いです。また、集計時には基本的に「非常に満足」と「非常に不満足」というような、両端の答えのみ取るようにしています。

▼あえて4択で質問項目を設定

SurveyMonkey

「どのポイントで苦労したか」という設問では、サービス自体の改善ポイントだけでなく、「問い合わせ時に聞いたことに対して、最初は的確な答えがもらえなかった」といった声も頂け、CSの改善に役立っています。

「問題は解決したか」という問いに対しては、「まだ解決していない」という回答は絶対にもらってはいけないので、ゼロになるように努めています。ただ、ユーザーは未解決だと感じているにもかかわらず、スタッフは「解決済み」だと思っていることがあります。

その場合は、スタッフが「解決済み」にステータスを変更するタイミングがおかしいのか、回答の内容が悪いのか、考えられる原因を多角的に洗い出し、改善をしています。

CSの存在感を上げ、「プラチナ職」にしたい 

宇賀神 CSという職種は、最前線でユーザーの声を聞くことができます。それだけではなく、サービス提供者の一人として、ユーザーの声をサービスやプロダクトの改善にダイレクトにつなげることができます。

ユーザーとの信頼関係を築くことにより、よいサービス提供につなげられるというCSの醍醐味をもっとたくさんの人に知ってもらい、みんなが憧れていて、一層目指したいと思う職種、「プラチナ職」にしていきたいと考えています。

それは、弊社だけの話ではなく、「○○社でCSをしていました」と言うと、「おおっ!?」となるくらい、業界全体でCSの存在感を上げていけたらな、と思っています。(了)

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